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【DJAIKO62の京都藝術迷宮通信(仮)】01 : KYOTOGRAPHIE編

[楽活]をご覧の皆さま、はじめまして、DJAIKO62です。ラジオDJやナレーター、司会として活動しています。東京に出てきて早十数年、2016年の春からは地元京都のラジオ局αステーションでレギュラー番組を担当するようになり、京都に通う日々が始まりました。楽活では「次に京都へ行くときのヒント」になるようなあれこれを書いていけたらと思っています。どうぞよろしくお願いします。

「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2018」は今年で6年目

京都ならではともいえる寺院や通常非公開の建物を会場に、世界で活躍する写真家たちの作品を楽しめる国際的なフォト・フェスティバルが『KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭』。最近ではこの季節になるとKYOTOGRAPHIEの話題を耳にするようになりました。2018年はテーマを「UP」とし、4月14日(土)から5月13日(日)の期間にわたり開催されています。期間も残すところわずか……というタイミングですので、初心者の私が感じたまわり方のコツも含め、今年のハイライトもいくつかご紹介します。

「どこで」「誰の」「どんな作品が」見られるのかだけではなく、期間中はトークショーやワークショップ、パフォーマンス、ファミリー向けイベントなどなど、全部ひっくるめてのKYOTOGRAPHIEなので、それがアナログにわかりやすくチェックできるパンフレットはどこかで早めに手に入れることをおすすめします。
新幹線で京都へお越しなら、JR京都伊勢丹2階正面エントランスのインフォメーションで情報収集しましょう。私は「今年ならではの面白い会場をまわりたい」とリクエスト。丹波口の三三九(旧貯氷庫&旧氷工場)と、京都新聞ビル印刷工場跡(B1F)をおすすめいただきました。

まずは印刷工場跡のギャラリーへ

私がFM京都αステーションで担当している番組「Kyoto Air Lounge」でもご紹介したのが京都新聞ビル印刷工場跡(B1F)の会場です。今はもう印刷工場は他の場所へ移転していてその役目を終えた空間が、その独特な工場の雰囲気を残しながらギャラリーとして話題を集めています。

あれ?京都新聞社の入り口から? KYOTOGRAPHIEのフラッグもあるのでここに間違いないのですが……。

そうです、趣のある建物の中を進み、階段で地下へ。ここが今回の会場です。

入り口前からフワッとインクの香りが。キリッとしていて私には心地の良い匂い。

足を踏み入れるとこんな景色が目の前に広がります。天井の高さ、奥行きの広さに思わず声をあげてしまうほど。これが京都のど真ん中、京都御苑もすぐ近くの丸太町の地下にあるのです。

Lauren Greenfield《GENERATION WEALTH》/「2014年 ケンドリック・ラマー(当時27歳)ラスベガス」(左)/「2008年 リモ・ボブ(当時49歳)シカゴ」(右)

 

ここではLauren Greenfield(ローレン・グリーンフィールド)の《GENERATION WEALTH》が展示されていました。直訳すると「富の世代」。Lauren Greenfieldは「富に憧れることはあっても実際には手にするチャンスが平等にあるわけではない」と指摘、「富がもたらす作用」について様々な角度から25年にもわたり探究したそう。もともと新聞を印刷していた場所で、紙面を飾る立場でもあるセレブたちのポートレイト鑑賞とは、なんとも不思議な感覚です。

 

えっ!ここが写真展の会場?

旧氷工場や旧貯氷庫を会場にした「三三九(さざんがきゅう)」。ここは先のインフォメーションセンターの方のイチオシ!「雰囲気があって、ちょっと怖いくらいですよ」と言われて期待も高まります。

屋外展示も!東京在住のフランス人アーティストK-NARFが自身のプロジェクトの新作として京都市中央市場やその周辺で働く人を撮り下ろしています。 京都市中央市場 関連 10・11号棟 南壁面 K-NARF“THE HATARAKIMONO PROJECT” AN EXTRA-ORDINARY TAPE-O-GRAPHIC ARCHIVE

この奥が会場の一つです。えー!

 

足元に気を付けながらそろりそろりと半地下の会場へ。映画のセットのようです。こちらはギデオン・メンデルの《Drowning World》の展示がありました。洪水災害に直面した人々を撮影、それはこの10年間、13か国にも及びます。

 

左から「ブラジル リオ・ブランコ タカリ地域にてフランシスカ・シャガス・ドス・サントス」(2015年3月)/「アメリカ フロリダ州 ミドルバーグ ブラック川にて テレンス・マッキーンと彼の母親グローリア」(2017年9月) 「ブラジル リオ・ブランコ タカリ地区にて ホゼ・アルシデス・ドス・サントスとエレニルス・リマ・エ・シルヴァ」(2015年3月) 「イギリス サリー州 ステーンズにて ジェフ&トレーシー・ウォーターズ夫妻」(2014年2月) 「ナイジェリア バイエルサ州 イェナゴアにて ビクター&ホープ・アメリカ夫妻」(2012年11月)

次の会場はこの急な階段を上がります。

こちらではアルベルト・ガルシア・アリックスの《IRREDUCTIBLES》の展示がありました。スペインでは国民写真賞を受賞するほどの巨匠、本格的な個展は日本でも初めてという機会だそう。

さながら旧工場見学のようです。

どこを撮っても絵になります。本格的な一眼レフを持った人ばかりでした。スマホで撮影していたのは私だけだったかも。

三三九がある丹波口には京都市中央市場もあって、ターレーも見かけました。(食彩市開催時以外は市場内は通行不可だそうです。)

「まるで築地みたい!」とワクワクしながら近隣散歩も楽しめました。

KYOTOGRAPHIEをたずねてみて

先のインフォメーションで薦めてもらった「京都新聞ビルがある丸太町」と「丹波口の三三九」を公共交通機関で移動しようとすると「あれ?どう行こうかな。」と地元の人でもちょっと考えてしまいます。私は丸太町→京都市営地下鉄で京都駅→JRで丹波口→徒歩で三三九へ移動、のんびりと40分ほどかかりました。日にち限定で無料の巡回シャトルが走っていたり、各種KYOTOGRAPHIEのパスポート提示で無料レンタルできるレンタル・サイクルのサービスもあったりするので(諸条件あり)、移動手段なんかも合わせて下調べをしておくとスムーズでしょう。

私たち見る側の感性も試されるのが「写真」だと思います。作品や空間から受けた印象や余韻を味わいながらぶらぶらする京都は、いつもとはまた違った風景に感じられるかもしれません。撮影意欲も高まりそうですよね。私も重くてしばらく使っていないデジタル一眼レフをまた使ってみたいなと思いました。

会期もあと僅かとなりましたが、いつもと違った京都をたのしみに、ぜひ!

[展覧会情報]
名称:KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2018
会期:2018年4月14日(土)〜5月13日(日)
会場:京都市内15会場+アソシエイテッド・プログラムとして 4 つの展覧会
主催:一般社団法人 KYOTOGRAPHIE
共催:京都市、京都市教育委員会
※入場料など詳細は公式サイトを参照

KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2018公式サイト
<https://www.kyotographie.jp/>

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ラジオDJ、ナレーター。京都育ち、中学時代をアメリカ・ニュージャージー州で過ごす。現在は地元のFM京都αステーションで「Kyoto Air Lounge(月曜火曜16-18時)をレギュラー担当。東京と京都を週1で行き来しながらナレーターや映画・美術展ライター、MCとしても活動中。
インスタグラム https://www.instagram.com/djaiko62/

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