アート

東京で運慶作品と出会える!「半蔵門ミュージアム」がグランドオープン!

2018年4月19日、東京・半蔵門駅直結の好位置に、仏教美術を専門に取り扱う新たな博物館として「半蔵門ミュージアム」がオープンしました。

この「半蔵門ミュージアム」の運営にあたるのは、真言宗醍醐寺派に近い宗教団体「真如苑」。建築・設計は、真如苑が1995年にオープンさせた「清里フォトアートミュージアム」に次いで、「なら仏像館」改修工事など、宗教系展示施設に強みを持つ栗生総合設計事務所が引き続いて担当。初代館長には仏教美術史の権威・水野敬三郎氏が就任することになりました。

初代館長に就任された水野敬三郎氏

 

前日に行われた記者発表会によると、真如苑では、社会貢献活動の一環として、仏教美術や仏教文化を普及していくため、今後しばらくは入場料を無料とし、年2~3回のペースで真如苑の所蔵品を中心に、宗派にこだわらず様々なテーマでの特集展示を実施する予定とのことです。嬉しいことに、目玉展示である《大日如来坐像》は、基本的に常設展示となります。つまり、東京で、唯一運慶の作品を常時観ることができるミュージアムができた、ということですね。

では、気になる展示スペースを見てみましょう。メインの展示スペースは、地下1Fです。エレベーターを下りて扉が開くと、眼の前には地下の展示空間が広がります。元々あったビルの柱を活用し、大理石で装飾された荘厳な柱が天井までそびえ立つ展示空間は、まるで古代エジプトの地下神殿にいるような趣もあります。非常に心を落ち着けて展示に向かい合うことができそうです。

天井が高くて、古代神殿のような趣もある展示スペース

展示は、常設展示コーナーと特集展示コーナーの2つに分かれています。この中でも、まず必ず見ておきたいのが、運慶作と推定される《大日如来坐像》。私は、昨年度東京国立博物館で開催された「運慶展」以来となる久々のご対面でした。ぴかぴかのガラスケースに納まって鎮座しており、鑑賞者にとっても、あるいは純粋に祈りの対象として仏様に向かう人にとっても、ベストな展示環境だと思いました。

運慶作と推定される《大日如来坐像》1193年か

さらには、醍醐寺旧蔵の《不動明王坐像》。平安~鎌倉期に制作され、17世紀初頭に醍醐寺中興の祖・義演によって丁寧に修理され、大切に守られてきた仏像ですこれも、非常に迫力があります。

《不動明王坐像》平安~鎌倉時代(12~13世紀)後背・台座 康正作 1606年

ちょっと部屋を戻ると、西暦2~3世紀に製作されたと思われる古代ガンダーラ美術の石版や石像もあります。東京で楽しめるガンダーラ美術コレクションとしては、東京国立博物館東洋館や松岡美術館のコレクションが有名ですが、こちらに並んでいる所蔵品も歴史と仏教文化の重みを感じさせるなかなかの威容です。

続いて、特集展示コーナーを見てみましょう。第1回のテーマは、「神護寺経と密教の美術」(2018年4月19日~7月29日)。平安時代に作られた金銀泥で描かれた美しい装飾経や、真言宗系のお寺で大切にされてきた、空海や恵果など、真言密教の伝来・布教に功績のあった8人の高僧を描いた《真言八祖像》など、仏画・経典もまんべんなく展示されていました。

《紺紙金地一切経(神護寺経)のうち、仏説意経、仏説四諦経》共に平安時代(12世紀)

続いて、2Fに行ってみましょう。奥の「マルチルーム」では、「当館の大日如来坐像と運慶作品~その納入品と像内荘厳~」と題した、解説パネル展示が充実していました。こちらもパネル展示ながら、かなりの情報量で非常に勉強になります。

さらに、図書コーナーや、セルフサービスでのお茶・コーヒーを頂きながら、休憩できるラウンジスペースや、多目的のミーティングルームなども設けられていました。ここでちょっとした立食パーティなんかもできそうな雰囲気です。

そして、最後に3Fに行ってみましょう。こちらには、今回記者会見を実施した大きめの会議室に加え、約100名収容できる、立派なミニシアターができていました。

ミニシアターでは、今後様々なプログラムが上映されるものと思いますが、現在は仏教美術についての15分程度のオリジナル解説VTR「大日如来坐像と運慶 祈りと美、そしてかたち」を1日数回上映しています。私も見てきましたが、シートの座り心地や映像の美しさ・音響ともに申し分ない本格的なミニシアターでした。今後の上映プログラムの充実に期待ですね。

ざーっと一通り見てきましたが、規模的には小~中規模程度のミュージアムながら、専用のミニシアターや、最新鋭の照明が施された地下の展示空間など、今後非常に充実が期待できるリッチなミュージアムでした。駅出口直結の便利なアクセスや、観覧料が「完全無料」というのも嬉しいですよね。気楽にいつでも運慶の作品に会いに行けるミュージアムとして、今後定期的に足を運んでみたいと思います。

【半蔵門ミュージアム-詳細情報】
場所:102-0082 東京都千代田区一番町25友心アネックス
東京メトロ半蔵門線「半蔵門駅」下車4番出口左すぐ
東京メトロ半蔵門線「麹町駅」下車3番出口から徒歩5分
JR中央・総武線「四ツ谷駅」下車徒歩15分
開館時間:10時~17時30分(最終入館17時)
休館日:毎週月曜日・火曜日・振替休日に当たる場合も休館
年末年始(12月29日~1月4日)。その他、臨時休館あり
入館料:無料
公式HP:https://www.hanzomonmuseum.jp

かるび

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メーカー、IT企業で勤務後、41歳にして1年間のサバティカル休暇へ突入。現在は、ブロガー&Webライターとしてアートや映画について主催ブログ「あいむあらいぶ」(http://blog.imalive7799.com/)にて日々見聞きした出来事を書き綴っています。

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