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【オトナのためのエンタメ講座】アメコミ映画『アベンジャーズ』はなぜ成功した? 東京スカイツリーに上って考えてみた!

4月28日に全世界で一斉公開された、アメコミ・ヒーロー映画の決定版『アベンジャーズ/インフィニティー・ウォー』。MARVEL(マーベル)コミックを原作とするアメリカン・コミックスのヒーローたちが一同に会して敵と戦う、数年に一度の、まさに“お祭り” 映画です。

その注目度は大変に高く、公開から約2ヶ月が経過して世界の興行収入は日本円に換算して2,000億円を突破。この数字は日本における1年間の全映画の興行収入額とほぼ同じなのです! もちろん日本国内でも大ヒット。興行収入は30億円を突破し、過去のマーベル・アメコミ・ヒーローの中で、「スパイダーマン」シリーズに次ぐ大ヒットとなっています。

この映画上映を記念して、駅ナカの広告ジャックなどの大掛かりなプロモーションや、爆音上映、応援上映といったシアターでのイベントなど、様々な動きがありましたが、そうした中でも筆者が特に注目したイベントが、東京スカイツリー天望回廊内において開催されていたTOKYO SKYTREE® HEROES in the INFINITY SKY(7月16日で終了)です。

映画自体は6月21日に上映終了となり、早くも9月5日(水)にMovieNEXが発売、8月8日(水)には先行デジタル配信開始と決まり、アベンジャーズ熱はまだまだ夏の間も続きそうです。そこで、「なぜアベンジャーズはこんなに世界中で受け入れられたのか」、「なぜアメコミ映画はこれほど大ヒットするのか?」を東京スカイツリー天望回廊に上って展示を楽しみながら、考えてみました。

東京スカイツリーはアメコミ・ヒーローにはぴったりのシチュエーション?

アメコミ映画について高いところで考えてみた

TOKYO SKYTREE® HEROES in the INFINITY SKY」の開催場所である東京スカイツリーの展望フロアは、実はかなり高いところにあります(知ってる?)。まずはじめに、地上でチケットを購入して「天望デッキ」へ上がります。ここから更にもう一段高いところへと上がったところにある「天望回廊」で開催されています。実に地上450m

専用エレベーターに乗り、待つこと約50秒。スカイデッキに到着すると、入り口でいきなりアベンジャーズの面々が揃った巨大なサイン・ディスプレイがお出迎え。これを見ただけでテンションが上ります。

アベンジャーズのヒーローたちと記念撮影!

ここはファンならずとも外せないフォトスポットです。天望デッキを順路に沿って歩いていくと、右手には、はるか外界の東京の展望風景が!……これはこれで凄い風景なのですが、当たり前ですが、今回の主役は通路左手の「壁面」に! 今回の「アベンジャーズ/インフィニティー・ウォー」で活躍する主要登場キャラクターたちが、一体一体等身大での写真と、簡単なキャラクターの解説が書かれています。これをチェックするだけで、初心者の人でもあっという間にアベンジャーズの世界に入れます。

いまにも天空の外にアイアンマンが飛んできそう

壁面には「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」に登場したヒーローが等身大で!

こちらにはアイアンマン

さらに天望回廊を進んでいくと、スカイツリーの眺望を、アイアンマンが飛行している視点で見渡せる特別なビュースポット「アイアンマン・スカイビュー」が設置されています。映画「アイアンマン」シリーズでは、時折アイアンマンのスーツを装着する主人公トニー・スタークの視点、つまりヘルメット内に表示されるHUD(ヘッドアップ・ディスプレイ)が描写されることがありますが、「アイアンマン・スカイビュー」はまさにアイアンマンになって空を飛んでいるような気分になれるスポットなのです。

アイアンマンになって空を飛んでいる気分になれる「アイアンマン・スカイビュー」

展示を更に進んでいくと、アベンジャーズがここまで歩んできた歴史と、最新作「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」における敵役、スーパーヴィランのサノスが宇宙征服を進める中、彼がガントレットにはめ込むために集めていた6つの「インフィニティ・ストーン」(スペース・ストーン、マインド・ストーン、リアリティ・ストーン、タイム・ストーン、パワー・ストーン、ソウル・ストーン)についての解説や、マーベル・アメコミスーパーヒーロー映画の10年間にわたる歩みがわかる解説パネルが設置されています。ここで足を止めてじっくり解説パネルを熱心に読み込んでいる人が多かったです。

壁面には巨大なビジュアルやマーベル・アメコミ・ヒーロー映画の歴史が

会場内には数多くの等身大フィギュアが。いまにも動き出しそう。

さまざまなギャラクターのフィギュア展示も

「アベンジャーズ」はなぜ大ヒットした?

TOKYO SKYTREE® HEROES in the INFINITY SKYを見て、マーベル・アメコミ・ヒーロー映画の歴史に触れ、あらためてアメコミ・ヒーロー映画の人気の理由について、筆者なりに考えてみました。1998年「アイアンマン」に始まり、これまで10年間にわたって、18作品が製作されてきたマーベル社のアメコミ・ヒーロー作品。なぜこれほどまでに世界中で大ヒットを続けているのでしょう?

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』、9月5日(水)MovieNEX発売、8月8日(水)先行デジタル配信開始!

これには、おもに3つの理由が考えられると思います。

1つ目は『世界観の構築と共通化』です。映画制作のために設立されたマーベル・スタジオの首脳陣が主導して、それぞれのアメコミ・ヒーローが活躍するストーリーの背景や時系列を共有し、「マーベル・シネマティック・ユニバース」という一つの大きな物語の中で世界観を共通化したのです。

まず映画の根本となる世界観をフレームワークとして確立した上で、その枠内で、各映画において最大限各キャラクターの魅力を引き出すストーリーを描こうとしてきたのです。その徹底ぶりはすさまじく、時には方向性の対立から監督やキャストを躊躇なく降板させたり、大規模な再撮影もしばしば敢行されました。

マーベル・スタジオの軌跡と6つのインフィニティ・ストーン

例えば、本展のメイン展示としてフィーチャされているインフィニティ・ストーンの存在も、まさにスタジオ主導での巧みな構想力の一端を示していると言えます。「マーベル・シネマティック・ユニバース」において、6つのインフィニティ・ストーンはそれぞれ先行する別々の映画で少しずつ明らかにされてきましたが、全て今回の「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」への伏線となっていました。

10年の歳月をかけて「アベンジャーズ」へつながる壮大なストーリーを、少しずつ紡いでいく緻密な戦略は見事に大当たりしたと言えます。

アベンジャーズ・シリーズの最大の敵、スーパーヴィラン、サノスが集めた6つのインフィニティ・ストーンが収められた「インフィニティ・ガントレット」

2つ目は『秘密主義』です。マーベルのアメコミ・ヒーロー映画では、事前の「ネタバレ」や偶発的な情報リークがほとんどありません。徹底した秘密主義を貫き、キャスト陣にさえ偽物や細切れの台本を渡したり、敢えてマスメディア向け試写会を行わなかったり、徹底してファンの飢餓感や期待をふくらませました。

攻めの姿勢がおもしろさを加速する!

そして3つ目は、『斬新な「攻め」の制作姿勢』です。マーベル・シネマティック・ユニバースの世界観を壊さない範囲内で「アメコミ・ヒーロー」ジャンル初の取り組みに次々と挑戦してきました。

例えばシリーズ第17作「ブラックパンサー」では、監督、主人公をはじめ、キャスト、スタッフともにアフリカ系のプロフェッショナルを集め制作し、アメリカ国内ではタイタニックに継ぐ史上2位の興行成績を収めました。また、「キャプテン・アメリカ」シリーズでは現代のアメリカが抱える社会問題とリンクした深いテーマ性を設定し、大人こそ楽しめるヒーロー映画に仕上がりました。一転して「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズでは80年代のヒット・ソングを劇伴にフィーチャするなど、サブカル的な切り口でも楽しませました。

このように、各映画内で、従来のアメコミ・ヒーロー映画の典型的なパターンにとらわれず、「攻め」の姿勢で作品のクオリティを高めてきたのです。

マーベルのスーパー・ヒーロー映画が、映画史の中で築いてきた歴史に思いを馳せ、こんなことを考えながら、東京スカイツリーの最上階、地上450メートルという「非日常空間」で、アベンジャーズの世界をたっぷり堪能しました。

【イベント詳細情報】
イベント名:TOKYO SKYTREE® HEROES in the INFINITY SKY
開催場所:東京スカイツリー「天望回廊」内
開催期間:2018年5月14日~2018年7月16日
業業時間:8時~22時(※東京ソラマチ内のスタンプラリーは10時~21時まで)
入場料金:無料(ただし、スカイツリー天望デッキ、天望回廊への入場料金が必要)
公式サイト:http://www.tokyo-skytree.jp/event/special/avengers2018/

【作品情報】
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』
9月5日(水)MovieNEX発売、8月8日(水)先行デジタル配信開始
公式ページ:https://marvel.disney.co.jp/movie/avengers-iw/home.html
マーベル公式サイト:https://marvel.disney.co.jp

【関連情報】
イベント名:MARVEL POP UP STORE(期間限定)
開催期間:2018年7月1日(日) ~ 8月16日(木)
開催場所:新宿マルイ アネックス 7階イベントスペース
https://marvel.disney.co.jp/news/shp20180701_01.html

【関連情報】
イベント名:マーベル展 時代が創造したヒーローの世界 仙台展
会期:2018年7月14日(土)〜8月26日(日)
場所:TFUギャラリーミニモリ
公式サイト:http://www.khb-tv.co.jp/marvel_ex_sendai/

かるび

かるび

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メーカー、IT企業で勤務後、41歳にして1年間のサバティカル休暇へ突入。現在は、ブロガー&Webライターとしてアートや映画について主催ブログ「あいむあらいぶ」(http://blog.imalive7799.com/)にて日々見聞きした出来事を書き綴っています。

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