《二匹の猫》オットー・ピルツ(1934~1940年頃)個人蔵
気品あふれる猫ちゃんですね!幼気な表情が愛くるしい作品です。
パナソニック汐留美術館で『マイセン動物園展』が始まりました。アート界一の動物好きを自負する明菜さんも、早速行ってきましたよ!
マイセンの動物園
パナソニック汐留美術館『マイセン動物園展』展示風景
言わずと知れたドイツの名窯、マイセン。私とマイセンの接点といえば、百貨店の食器売り場で眺めるだけの関係です。そのため、マイセンといえば透明感のある白磁に鮮やかな色がついた食器のイメージです。
しかし、どうでしょう、このバリエーション!可愛い犬や猫だけでなく、サバンナや北極、南極の生き物までマイセンの作品のモチーフになっていたとは。
パナソニック汐留美術館『マイセン動物園展』展示風景
北極の代表選手シロクマと、南極の代表選手キングペンギンが、マイセンでまさかの共演。動物園のアイドルが白磁になってお迎えする展覧会です。ボールを鼻先に載せてバランスを取る《曲芸をするアシカ》は、水族館っぽさもありますね。
《果実をくわえたオオハシ》パウル・ヴァルター(1924~1934年頃)個人蔵
マイセンの動物たちは、内側から発色しているかのような柔らかい色が魅力的。陶磁器で硬いはずなのに、動物の体毛や羽の柔らかさが色で表現されています。
生き生きとした躍動感も見どころで、それぞれの動物が「一番輝いている瞬間」が作品になっています。テレビ番組で野生動物の映像を見慣れている現代人をも驚かせる、リアルな表現ですね。
パナソニック汐留美術館『マイセン動物園展』展示風景
マイセンをはじめとして、動物を主役にした美術品が作られるようになったのは、動物園の役割が大きいです。世界中から集められた珍しい動物を一般の人が動物園で見られるようになった18世紀や19世紀は、美術史の隠れたターニングポイントです。
神話と寓話の中の動物たち
《人物像水注「四大元素の寓意」》ヨハン・ヨアヒム・ケンドラー(1820~1920年頃)個人蔵
では、動物を主役とした作品が生まれる前は、マイセンは動物の作品を作って来なかったのでしょうか?そんなことは無く、神話や寓話をモチーフにした作品には、多くの動物が登場しています。
例えば《山羊に乗る仕立屋》という作品。山羊に乗っている人も山羊もメガネをかけています。
パナソニック汐留美術館『マイセン動物園展』展示風景より、左:《山羊に乗る仕立屋》
華やかな衣装を身につけた仕立屋ですが、馬ではなく山羊に乗っています。現代で例えるなら、プラダのスーツを着てママチャリに乗るような感じでしょうか?
宮廷に招かれたものの山羊に乗っていくしかない身分の低い人を、貴族があざわらうような作品なのですね。しかも、仕立屋も山羊も視力が低いのかメガネをかけており、目的地に中々たどり着けない場面なのだそうです。
写真撮影OKの作品もあります!
パナソニック汐留美術館『マイセン動物園展』展示風景
本展の作品の一部は写真を撮ってもOKです。気に入った動物の写真を思い出に持ち帰ることができるかも!
パナソニック汐留美術館『マイセン動物園展』展示風景より《花鳥飾プット像鏡》
ロココ調の鏡に映った自分の写真を撮ることもできます。これは人気の自撮りスポットになりそう!
マイセン動物園展の詳細
展覧会名:マイセン動物園展
場所:パナソニック汐留美術館(新橋)
会期:2019/7/6-9/23
休館日:水曜日、8月13日(火)〜15日(木)
開館時間:10:00~18:00まで(入館は17:30まで)
※8月2日(金)、9月6日(金)は夜間開館 20:00まで(入館は19:30まで)
公式HP:https://panasonic.co.jp/ls/museum
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