アート

【待望の大型展】日本初公開46点!メトロポリタン美術館展の概要が判明しました!

2021年秋~2022年春にかけて、大阪・東京で開催される注目の西洋美術展「メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年」。大阪市立美術館での大阪展まで約2ヶ月と迫った今、より詳しい展覧会の概要が明らかにされました。

そこで、前回の「速報」に引き続き、楽活では本展の概要を詳しくレポートしてみたいと思います。

創立から150年以上の歴史を誇る世界屈指のメトロポリタン美術館は、ヨーロッパ絵画部門だけでも約2500点を所蔵しています。本展では、15世紀の初期ルネサンスの絵画から19世紀のポスト印象派まで、全65点(うち46点は日本初公開)が来日。否が応でも期待が高まってきます。

それでは、今回判明したメトロポリタン美術館展の概要をさっそくチェックしていきましょう。

メトロポリタン美術館について

メトロポリタン美術館正面入口 © The Metropolitan Museum of Art, New York

メトロポリタン美術館は、1866年7月4日、パリでアメリカ独立宣言の90周年を祝うために集ったアメリカの人々によって構想が提案され、その4年後の1870年4月13日に創立されました。

アメリカ国民のために美術の教育と振興を図ることを使命とし、実業家や資産家、芸術家といった市民が創立者として尽力しました。創立当初、作品は1点もありませんでしたが、個人コレクターからの寄贈など、関係者の努力によって徐々にコレクションが拡大。1872年2月20日、ニューヨークのマンハッタンの小さな建物の中で一般公開を開始します。

そして1880年、現在の場所である、セントラル・パーク内の建物に移りました。その後も拡張を続け、現在では、先史時代から現代まで5000年以上にわたる世界各地の考古遺物・美術品150万点余りを所蔵しています。

メトロポリタン美術館のヨーロッパ絵画部門のコレクションは、メトロポリタン美術館の創立から1年後の1871年、ヨーロッパの画商から購入した174点の絵画から始まりました。以来、寄贈・遺贈と購入により拡充が続けられ、現在では、13世紀から20世紀初頭まで、2500点以上に及ぶヨーロッパ各国の絵画を所蔵するに至っています。

ヨーロッパ絵画部門の常設展ギャラリーは、2018年より照明設備を改修する「スカイライト・プロジェクト」が進行中。天窓からの自然光をギャラリーの照明に活用することで、より快適で自然な鑑賞環境を整える試みです。本展は、この改修工事をきっかけとして実現した展覧会なのです。

それでは、3章構成で展示される本展の見どころをご紹介していきましょう!

展覧会のみどころ

第1章:信仰とルネサンス

《キリスト磔刑》フラ・アンジェリコ(本名 グイド・ディ・ピエトロ)1420-23年頃 テンペラ/金地、板 63.8×48.3cm Maitland F. Griggs Collection, Bequest of Maitland F. Griggs, 1943 / 43.98.5 ニューヨーク、メトロポリタン美術館

このセクションでは、イタリアと北方のルネサンスを代表する画家たちの名画17点が展示されます。

イタリアのフィレンツェで15世紀初頭に花開き、16世紀にかけてヨーロッパ各地で隆盛したルネサンス文化。神と信仰を中心とした中世の世界観に対して、それに先立つ古代ギリシア・ローマの人間中心の文化を理想とみなし、その「再生(ルネサンス)」を目指しました。

《ゲッセマネの祈り》ラファエロ・サンツィオ(サンティ)1504年頃 油彩/板 24.1×28.9cm Funds from various donors, 1932 / 32.130.1 ニューヨーク、メトロポリタン美術館

中世の絵画では、キリストや聖母は平面的に超然とした姿で描かれ、神性が強調されていましたが、ルネサンスの絵画では、古代美術を手本として立体的に人間らしく描写され、 人物を取り巻く空間も、遠近法を用いて奥行きが表現されるようになりました。

人間味あふれる古代の神々の物語を描いた神話画が、宗教画と並んで絵画の主要ジャンルになったことも、ルネサンス期の西洋絵画の特徴です。

《パリスの審判》ルカス・クラーナハ(父)1528年頃 油彩/板(ブナ)101.9×71.1cm Rogers Fund, 1928 / 28.221 ニューヨーク、メトロポリタン美術館

また、ドイツやネーデルラントなど北ヨーロッパでは、 16世紀に宗教改革による聖像礼拝の否定を受けて、宗教画の需要は減り、神話画や肖像画が隆盛しました。

第2章:絶対主義と啓蒙主義の時代

このセクションでは、君主が主権を掌握する絶対主義体制がヨーロッパ各国で強化された17世紀から、啓蒙思想が隆盛した18世紀にかけての美術を、各国の巨匠たちの名画30点が展示される予定です。

《音楽家たち》カラヴァッジョ(本名 ミケランジェロ・メリージ)1597年 油彩/カンヴァス 92.1×118.4cm Rogers Fund, 1952 / 52.81 ニューヨーク、メトロポリタン美術館

17世紀初頭、激しい明暗の対比や劇的な構図を特徴とするバロック様式がカトリック世界の中心都市ローマで生まれ、やがてヨーロッパ各地に伝播しました。ドラマティックなバロック美術は、カトリック教会と専制君主の宮廷という、聖俗二つの権力の誇示のために活用されたのです。

《女占い師》ジョルジュ・ド・ラ・トゥール おそらく1630年代 油彩/カンヴァス 101.9 x123.5cm Rogers Fund, 1960 / 60.30 ニューヨーク、メトロポリタン美術館

カトリック圏のイタリア、スペイン、フランドルでは、信仰心を高揚させる宗教画が制作され、 また、スペイン国王フェリペ4世の宮廷では、王侯貴族の壮麗な肖像画が盛んに描かれました。

一方、共和国として市民社会をいち早く実現し、プロテスタントを公認宗教としたオランダでは、 自国の豊かな自然を描いた風景画、花や事物を主題とする静物画、市民や農民の日常生活に題材を得た風俗画が、それぞれ独立したジャンルとして発展します。

《信仰の寓意》ヨハネス・フェルメール 1670-72年頃 油彩/カンヴァス 114.3×88.9cm The Friedsam Collection, Bequest of Michael Friedsam, 1931 / 32.100.18 ニューヨーク、メトロポリタン美術館

また、太陽王ルイ14世の治世下で、王権を称揚する芸術の創出を目指したフランスでは、美術政策の中枢を担ったアカデミーの理論に基づき、古代とルネサンスの美術を模範とする古典主義様式の絵画が展開されました。

18世紀初頭、ルイ14世の治世晩年になると、軽やかで優美なロココ様式の絵画が現れ、世紀半ばにかけて流行します。アカデミーの理論で低く位置づけられてきた風俗画・静物画の分野で優れた作品が生まれたことや、女性画家が躍進したことも、この時代のフランス美術の特徴です。

《ヴィーナスの化粧》フランソワ・ブーシェ 1751年 油彩/カンヴァス 108.3×85.1cm Bequest of William K. Vanderbilt, 1920 / 20.155.9 ニューヨーク、メトロポリタン美術館

第3章:革命と人々のための芸術

19世紀はヨーロッパ全土に近代化の波が押し寄せた激動の時代でした。このセクションでは、市民社会の発展を背景にして、絵画に数々の革新をもたらした19世紀の画家たちの名画18点を楽しめます。

1789年に勃発したフランス革命は、フランスのみならず、全ヨーロッパの近代社会成立の転換点となり、その波は、各国で次々と民衆が蜂起した1848年に頂点に達しました。

こうした社会の急速な変化を受け、美術にも新たな潮流が次々と現れます。

19世紀前半には、普遍的な理想美を追求するアカデミズムに対して、個人の感性や自由な想像力に基づき、幻想的な風景や物語場面を描くロマン主義が台頭します。そして世紀半ばになると、農民や労働者の生活情景や身近な風景を、理想化せずありのままに描くレアリスム(写実主義)が隆盛しました。

《踊り子たち、ピンクと緑》エドガー・ドガ 1890年頃 油彩/カンヴァス 82.2×75.6cm H. O. Havemeyer Collection, Bequest of Mrs. H. O. Havemeyer, 1929 / 29.100.42 ニューヨーク、メトロポリタン美術館

レアリスムの成果は、近代化が進むパリの都市生活の諸相を描いたマネやドガ、そして1870年代に印象派と呼ばれることになるモネやルノワールの絵画に受け継がれていきます。印象派の画家たちは、様々な気象条件のなかで、新しいパリの街並みや郊外の風景を観察し、その一瞬の印象を、 純色の絵具と斑点のような筆触で描き留めようと試みました。

《睡蓮》クロード・モネ 1916‒19年 油彩/カンヴァス 130.2×200.7cm Gift of Louise Reinhardt Smith, 1983 / 1983.532 ニューヨーク、メトロポリタン美術館
《ヒナギクを持つ少女》オーギュスト・ルノワール 1889年 油彩、カンヴァス 65.1x54cm The Mr. and Mrs. Henry Ittleson Jr. Purchase Fund, 1959 / 59.21 ニューヨーク、メトロポリタン美術館

1880年代後半になると、セザンヌ、ゴーギャン、ゴッホなど、ポスト印象派と総称される画家たちが躍進します。彼らの作風はそれぞれに異なるものの、形態の単純化、構図の平面性、原色を多用した鮮烈な色彩表現など、20世紀初頭の前衛芸術の先触れとなる要素を含んでいました。

《リンゴと洋ナシのある静物》ポール・セザンヌ 1891-92年頃 油彩/カンヴァス 44.8×58.7cm Bequest of Stephen C. Clark, 1960 / 61.101.3 ニューヨーク、メトロポリタン美術館

まとめ

本展の特色をもう一度おさらいしておきましょう。

メトロポリタン美術館、主要作品が一挙来日
●ルネサンスから19世紀まで、西洋絵画史500年を彩った巨匠たちの名画が勢ぞろい
●ヨーロッパ絵画部門の2500点余りから選りすぐった名画65点、うち46点が日本初公開

また、本記事内で紹介させていただいた作品以外でも、ティツィアーノ、エル・グレコから、レンブラント、ルーベンス、ベラスケス、プッサン、ヴァトー、ゴヤ、ターナー、クールベ、マネ、ゴーギャン、ゴッホなど、名だたる巨匠の作品が次々と登場します。

まさに、全作品が珠玉の傑作といってよい今回の「メトロポリタン美術館展」。2021年秋~2022年春にかけて注目度No.1の西洋美術展となることでしょう。

楽活では、いよいよ大阪展の開催まで約3ヶ月となった「メトロポリタン美術館展」について、今後も逐一レポートしていきます。展覧会の入場方法やチケット購入方法などが判明したら、またお知らせしていきますね!

展覧会情報「メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年」

メトロポリタン美術館正面入口 © The Metropolitan Museum of Art, New York

展覧会公式HP:https://met.exhn.jp/

【大阪展】
会  場:大阪市立美術館(大阪市天王寺区茶臼山町1-82)
会  期:2021年11月13日(土)~2022年1月16日(日)
主  催:大阪市立美術館、メトロポリタン美術館、日本経済新聞社、テレビ大阪
後  援:公益財団法人 大阪観光局、米国大使館
開館時間:9:30~17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日 :月曜日(ただし、1月10日(月・祝)は開館)
     年末年始(2021年12月30日(木)~2022年1月3日(月))
問い合わせ:TEL 06-4301-7285(大阪市総合コールセンターなにわコール)
美術館HP:https://www.osaka-art-museum.jp

【東京展】
会  場:国立新美術館 企画展示室1E(東京都港区六本木7-22-2)
会  期:2022年2月9日(水)~5月30日(月)
主  催:国立新美術館、メトロポリタン美術館、日本経済新聞社
後  援:米国大使館
開館時間:10:00~18:00(毎週金・土曜日は20:00まで) ※入場は閉館の30分前まで
休館日 :火曜日(ただし、5月3日(火・祝)は開館)
問い合わせ:TEL 050-5541-8600 (ハローダイヤル)
美術館HP:https://www.nact.jp

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