アート

2020年、日本美術を見るなら三井記念美術館!年間スケジュールを詳しく解説します!

あけましておめでとうございます!日本美術大好きなかるび@主夫アートライターです!今年も沢山の美術展を楽しんでいきたいですね。

さて、個人的に2019年は日本美術をもっと見て回りたい!と思って、日本美術系の美術展にたくさん足を運びました。その中で特に展示が印象的だった美術館の一つが、三井記念美術館です。絵画・仏教美術・工芸などバラエティに富んだ各展覧会は、どれも非常にハイクオリティな内容。他館から幅広く集めたキュレーションの豪華さはもちろん、館蔵品の層の厚さも実感。取材させていただきながらも、ずっと感嘆しっぱなしでした。

円山応挙の国宝「雪松図屏風」や、志野茶碗の最高峰「卯花墻」はもちろん、旧三井家の所蔵する絵画、彫刻、陶磁器、墨跡、茶道具、切手などの名品コレクションの層の厚さは見事でした。

バックヤードには下手したら一生かかっても展示しきれないほどの膨大なお宝がまだまだ眠っていそうです。

気になるのは、三井記念美術館の2020年の企画展ラインナップ。各館からは続々と年間予定が発表される中、同館でもHPにて2020年度の展覧会スケジュールが発表されました。

そこで、本稿では2020年度の展覧会を1つずつピックアップして、その見どころを詳しく探っていきたいと思います!

それでは、早速見ていきましょう!2020年度はオリンピックイヤーを意識して、いつもとはひと味違う陣容となっていますよ。

芸術と文化のオリンピック展(仮称)

2019年頃から、日本各地の美術館・博物館でオリンピックをテーマとした企画展の開催が増えてきていますが、三井記念美術館でも、東京五輪開幕3ヶ月前となる直前期にオリンピック展を開催。みんなの期待がピークになっている時期なので、お客さんの注目度も高そうな展示企画です。

ところで、オリンピックではスポーツ分野以外にも、絵画、彫刻、文学、建築、音楽などの人文系の分野においても「芸術競技」なる種目が設けられていたことをご存知でしょうか?

これ、古代ギリシャ時代の話ではなくて、近代に入ってからの話なんです。1912年のストックホルムオリンピックから1948年のロンドンオリンピックまで、絵画や彫刻、音楽といった分野で、芸術家たちは「スポーツ」を主題とした作品を作って競い合っていたんですよね。本展では、この「芸術競技」が詳細にまず紹介されます。

また、アンディ・ウォーホールやディビッド・ホックニー、ロイ・リキテンシュタインといった有名な現代作家の巨匠たちが手掛けたポスターのデザインや、開会式などに焦点を当てて、オリンピックと関わりのある芸術・文化を紹介する展示が楽しめそうです。

会期:2020年4月24日(金)~6月16日(火)

OMOTENASHI SPECIAL EXHIBITION 開館15周年記念特別展 三井家が伝えた名品・優品

国宝 円山応挙筆「雪松図屏風」右隻 三井記念美術館蔵

7月24日からは東京五輪がスタートしますが、オリンピック期間の前後は、東京中が沢山の外国人観光客でにぎわうはず。彼らは当然、オリンピックだけでなく名所観光やグルメなども楽しみにしているはずですよね。

織田有楽斎が建造した茶室の名作「如庵」が再現された展示空間。畳に置かれているのは同館の至宝「志野茶碗 銘卯花墻」

そんな外国人観光客向けに「OMOTENASHI SPECIAL EXHIBITION」として企画された特別展が開館15周年記念特別展「三井家が伝えた名品・優品」です。

本展では、展示を第1部、第2部の2つに分けて展示。第1部は東洋の古美術、第2部は日本の古美術を特集します。いずれも、三井家伝来の美術品の中から、ベスト・オブ・ベストの選り抜かれた作品が登場する予定。

重要文化財 玳皮盞 鸞天目(天目台付)三井記念美術館蔵

三井記念美術館が所蔵する美術工芸品は、現在約4000点。切手類は何と約13万点もあります。指定文化財を見ても、国宝が6点、重要文化財が75点(本館所管1点を含む)、重要美術品が4点と非常に充実しているんです。

この中からわずか200~300点が選びぬかれて展示されるのですから、凄い展示内容になるのは間違いありません。ぜひ第1部・第2部ともたっぷり楽しみたいですね!

会期:第1部:東洋の古美術
    2020年7月1日(水)~7月29日(水)
   第2部:日本の古美術
    2020年8月1日(土)~8月31日(月)

特別展「ほとけの里 奈良・飛鳥の仏教美術」

重要文化財 菩薩半跏像(ぼさつはんかぞう)奈良時代・8世紀 岡寺蔵

さて、三井記念美術館でいつも感嘆させられるのが、年に1度開催される仏教美術展です。2020年度は、奈良の明日香村を中心とする「飛鳥地方」に伝来する仏像や絵画・工芸・典籍などを通じて、「飛鳥地方」の仏教文化を概観できる展覧会。

奈良・飛鳥地方は日本で初めて律令国家が誕生した地であり、各地に伝来する出土品や文物は、京都よりも一段と古く、独特の味わいがある仏像や工芸品も多い印象があります。

京都・大阪から近鉄特急でアクセスしやすい興福寺や東大寺といった奈良周辺に比べると、奈良県中部~南部に位置する大和・飛鳥地方まで足を伸ばすのは少し気合いが必要なところ。本展では、東京にいながらにして、普段なかなか見ることのできない飛鳥地方の仏教美術の名品を楽しめるまたとない貴重な機会になりそうです。

会期:2020年9月12日(土)~11月8日(日)

国宝の名刀「日向正宗」と武将の美

ここ数年、年末年始を挟む展覧会は国宝「雪松図屏風」をテーマとした館蔵品展が組まれるのが恒例でしたが、2020年度は思い切って企画を刷新。なんとここで刀剣展が登場。

国宝《短刀無銘正宗(名物日向正宗)》鎌倉時代(14世紀)三井記念美術館蔵

アニメ/ゲーム「刀剣乱舞」でもキャラクター化された国宝「日向正宗」を筆頭に、加藤清正の佩刀として有名な重要文化財「加藤国広」など館蔵品の名刀、刀装具や甲冑、武将の画像や大名家伝来の茶道具・雛道具などがズラリと展示されます。

特に日向正宗の出品は非常に楽しみ。他館では、お目当ての刀剣の前に熱心なファンの待機列ができているのを見ることも珍しくなくなりましたが、本展でも全国の刀剣ファン必見の注目展となりそうです。

会期:2020年11月21日(土)~2021年1月27日(水)

特別展「小村雪岱スタイル-江戸の粋から東京モダンへ」

小村雪岱「盃を持つ女」清水三年坂美術館蔵

僕が一番楽しみにしている展覧会が、2020年度のフィナーレを飾る特別展「小村雪岱スタイル-江戸の粋から東京モダンへ」です。本展は、清水三年坂美術館の所蔵品などを中心に、大正~昭和初期に装幀・挿絵・舞台美術など幅広いジャンルで活躍した小村雪岱(1887-1940)を特集した展覧会。

小村雪岱は、東京藝術大学で学び、多くの芸術家たちとの関わりを持ちながらも、主に商業美術分野で活動して成功を収めた作家でした。そのためか、小村雪岱の業績は近年になるまで美術史の文脈の中では半分忘れ去られていたようなところもありました。

しかし、1990年代頃から「雪岱調」と言われた独自の美的センスに惹かれ、熱狂的なファンが徐々に増え始めると、小村雪岱の業績に対する再評価や研究も進み、展覧会が相次いで開催されるようになっています。

本展は、岐阜県現代陶芸美術館を皮切りに、2020年~2021年にかけて全国数カ所の美術館で順番に開催される巡回展。清水三年坂美術館の作品を中心に構成され、展示監修を山下裕二氏が担当しています。

展覧会のお薦めは、展示前半で多数出品されている貴重な小村雪岱の木版画や肉筆画。鈴木春信からの影響が色濃いたおやかな女性像、色数を絞ったシンプルな構図、やまと絵のような俯瞰画面など、小村雪岱独自のスタイルをたっぷり楽しめます。

展示中盤では雪岱調と称賛された新聞挿絵や泉鏡花「日本橋」を始めとする書籍装幀もズラリ。そして、展示の合間合間には清水三年坂美術館が所蔵する近現代工芸作品の中から、小村雪岱と同じく「東京モダン」を感じさせる優品が展示される予定です。

会期:2021年2月6日(土)~2021年4月18日(日)

楽しみな2020年の展覧会。グルメや観光とセットでぜひ!

いかがでしたでしょうか?日本美術ファンにとって、特に2020年のラインナップはコレクション展、仏像、刀剣などバラエティに富んだ興味深い企画展が楽しめる三井記念美術館。2019年にはコレド室町テラスも新たにグランドオープンしましたし、展覧会と一緒にショッピングやグルメ、観光も楽しめますね。今年も、三井記念美術館から目が話せない1年になりそうです!

かるび

かるび

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メーカー、IT企業で勤務後、41歳にして1年間のサバティカル休暇へ突入。現在は、ブロガー&Webライターとしてアートや映画について主催ブログ「あいむあらいぶ」(http://blog.imalive7799.com/)にて日々見聞きした出来事を書き綴っています。

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