新しいモネを見つけに行こう!『モネ それからの100年』横浜美術館 | [楽活]rakukatsu - 日々楽シイ生活ヲ

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新しいモネを見つけに行こう!『モネ それからの100年』横浜美術館

モネ、この前どこかで見たような……? と思う方もいらっしゃるかもしれません。たしかにモネや印象派の展覧会が多いのも事実。それほどまでに、日本においてモネの人気は高いのでしょう。

そうした中、横浜・みなとみらいにある横浜美術館で『モネ それからの100年』が始まりました。本展はこれまでとはまったく別の視点でモネを読み解く、いわば「新しいモネ」を見つける展覧会です。

印象派を代表する画家、クロード・モネ(1840-1926)が、彼の芸術の総合とも言える《睡蓮》大装飾画の制作に着手してから約100年。《睡蓮》は今でこそ不動の人気を誇っていますが、モネが生きているあいだ、その評価は決して高いものではありませんでした。

《睡蓮》が評価されたのは彼が亡くなってから約30年後。その素晴らしさは後世の画家たちによって再発見されたのです。

クロード・モネ《睡蓮》1914-17年 群馬県立近代美術館(群馬県企業局寄託作品)

本展ではモネを再発見した画家たちのように、彼に影響を受けた現代美術家26名の作品をあわせて展示。時代を超えた両者の結びつきを浮き彫りにし、モネの「現代性」に焦点を当てていくという、従来のモネ展とは一線を画す挑戦的な内容となっています。

モネの初期から晩年までを網羅

普通のモネ展じゃないなら、モネの作品はあまり展示されていないのかな? と思うなかれ。モネの初期から晩年までの絵画を、なんと25点も紹介しています。その中には《ヴィレの風景》、《バラの小道の家》という、日本初公開の作品も。

クロード・モネ 《バラの小道の家》 1925年 個人蔵(ロンドン)

また、パリのオランジュリー美術館を模した円形の部屋に《睡蓮》の連作が置かれるなど、モネの芸術を十分に楽しむことができる構成になっています。

《睡蓮》の連作がならぶ展示室

印象派の巨匠を通じて現代美術をひろく堪能!

印象派の巨匠・モネと現代美術。突飛とも捉えられる組み合わせですね。
しかし「現代美術は難解だ」と距離を取っていた方にこそ、この組み合わせはうってつけ。洋の東西を問わずさまざまな現代美術に触れられると同時に、そのコンセプトがモネを通じて読み解きやすくなっているのです。

会場ではモネの作品と現代美術家の作品が並んで展示されています。

出品作家は26名。

鈴木理策、福田美蘭、平松礼二、堂本尚郎、岡崎乾二郎など日本の作家に加え、アルフレッド・スティーグリッツ、マーク・ロスコ、ゲルハルト・リヒター、ロイ・リキテンスタイン、アンディ・ウォーホルなど海外の著名な作家による絵画、版画、写真、映像65点が並びます。

マーク・ロスコ 左:《赤の中の黒》1958年 東京都現代美術館 右:《ボトル・グリーンと深い赤》1958年 大阪新美術館建設準備室

福田美蘭と水野勝規は本展のために新作を制作。とくに福田美蘭は先の名古屋会場で発表した《睡蓮の池》に加え、横浜会場ではそれに続く《睡蓮の池 朝》を新たに追加しています。

福田美蘭 左:《睡蓮の池》 右:《睡蓮の池 朝》ともに2018年 作家蔵

 

人気声優・櫻井孝宏がモネの言葉を豊かに語る!

本展の音声ガイドに注目している方もいらっしゃるのではないでしょうか。

「おそ松さん」の松野おそ松や、「コードギアス」の枢木スザク、「FINAL FANTASY VII ADVENT CHILDREN」のクラウド・ストライフ、さらには「深夜!天才バカボン」のウナギイヌまで、幅広く活躍する声優の櫻井孝宏さんが音声ガイドを担当。

櫻井さんといえば、今春開催された「名作誕生 つながる日本美術」(東京国立博物館)でも前期の音声ガイドを担当されていましたが、今回はより親密に、モネが遺した言葉をこちらに語り掛けるような口調で演じられています。

また、現代美術家たちによる作品解説も収録されています。作家本人の言葉を聞きながらの作品鑑賞は、現代美術ならではの楽しみ方と言えるでしょう。

櫻井さんのナレーションに加え、出品作家である鈴木理策、松本洋子、湯浅克俊のインタビューも。BGMにはモネと同時代の音楽家・ドビュッシーやラヴェルなどによる名曲を使用しています。

 

モネが現代美術に与えた影響

「現代美術はよく分からない。モネと並んでもつながりが見えにくいのでは?」と心配される方のために、現代の美術家たちがモネのどこに影響をうけたのか、キャプションによって詳しく解説されています。

モーリス・ルイス《ワイン》1958年 広島市現代美術館 色彩の重なりによって画面自体が発光しているかのようなイメージを紡いだモネのロンドンの連作。同じ空間に置かれたルイスの作品は、それに近しいものを有している。

言葉ではなく感性で楽しみたいという方もいらっしゃることでしょう。しかし、本展ではぜひキャプションに目を向けていただきたいと思います。というのも、今まで私たちが認識してきたモネの魅力とはまったく違った角度から「モネが何を描いていたのか」を、現代美術を通じて知ることができるからです。

ルイ・カーヌ《彩られた空気》2008年 ギャラリーヤマキファインアート 自らの作品を「色の喜びの源を再現するもの」だと語るカーヌは、その系譜の中でモネを挙げている。「筆触分割」によって“色彩”と“筆触”そのものの魅力を解き放ったモネの作品とあわせて鑑賞したい。

おそらく本展の一番のみどころは、モネを通じて現代美術を読み解くと同時に「印象派の巨匠」というイメージによって隠れてしまったモネの感覚の深淵を、現代美術で翻訳しているところだと思います。

モネと現代美術の繋がりを見つけることで、双方の芸術がより明確に見えてくる。その瞬間、私たちが「ここまで」だと思っていた世界が、その先へと拡張していくのです。

鈴木理策 左:《水鏡14,WM-77 右:《水鏡14,WM-79》ともに2014年 作家蔵 鈴木理策による作品解説によると、モネが《睡蓮》の連作にこめた「時間」と「空間」に対する考えが間接的に見えてくる。

 

ちなみにジュニア向けのキャプションも充実しているため、子どもの目線でも時代を超えたつながりを楽しむことができるようになっています。かなり勢いのあるジュニアガイド「モネのジェットコースター人生」もおすすめです!これは大人も楽しめます。

ジュニアガイド「モネのジェットコースター人生」。右下にある“夢も希望もねー”の駄洒落が泣ける……

 

拡張するモネの世界

現代美術を通じて「新しいモネ」を発見すると同時に、現代美術の楽しみ方、そして自分の中の「新しい感覚」をも見つけることができるのが本展です。

世界は決して一面的ではない。今見えている視界の外に、そして見えていない奥ゆきの中に、風景は続いているのです。

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美術館のロビーにある巨大な睡蓮のパネル。
展覧会を体験する前と後では、見え方が変わっているかもしれませんね。

リラックマとのコラボグッズも!

「モネ それからの100年」展はグッズも充実! なかでもリラックマとのタイアップグッズは見逃せません。「ぶらさげぬいぐるみ」は、《睡蓮》柄のTシャツを着て画家になりきったリラックマという、本展ならではのバージョンに出会うことができます。

「ぶらさげぬいぐるみ」1,400円(税込)。リラックマとのタイアップグッズは、「クリアファイル」や「はがきセット」も。

このほか、「ネイルシール」や「ドライフルーツウォーター」など、モネの作品を想起させるグッズが満載です。

SWATi「ドライフルーツウォーター」1,350円(税込)。水や紅茶を注ぐと、フルーツやエルダーフラワーが浮かび、《睡蓮》のイメージに!

会期中にはギャラリートークや、アーティストトーク、ナイトミュージアムなどイベントも盛りだくさん。夏休みはモネをたっぷり満喫しましょう!

【展覧会情報】

モネ それからの100年
会期:2018年7月14日(土) ~ 9月24日(月・休)
会場:横浜美術館
電話:03-5777-8600(ハローダイヤル)
時間:午前10時~午後6時
※ただし9月14日(金)、15日(土)は午後8時30分まで
※入館はいずれも閉館の30分前まで
休館日:木曜日(8月16日は開館)
料金:一般 1,600円、大学・高校生 1,200円、中学生 600円
※団体割引あり
※観覧当日に限り本展のチケットで「横浜美術館コレクション展」も観覧可
展覧会ホームページ:https://monet2018yokohama.jp/
(先行巡回:2018年4月25日(水)〜7月1日(日)名古屋市美術館)

虹

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ぼんやりしているうちに一日が終わってしまう怠惰なブロガー。低頻度更新ブログ「雨がくる 虹が立つ」を運営しています。アートと漫画、アニメ、自転車、旅、不思議な話など。心の底から「日々(穏やかで)楽しい生活」を送りたいと思っています。

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