くらし

「日本文具資料館」は文房具のワンダーランド!浅草橋で文房具に萌える!

こんにちは。インクスタンドで作ったインクの色が、紅葉したサクラの葉の色に似ていることに気づいてテンションが上がってからというものの、ますます手書きライフを楽しんでいる本河(ほんかわ)です。

前回のワークショップ参加後、「そういえば文房具って具体的にどういうものを指すのかな?」と気になったので調べてみたところ、日本文具資料館という施設が浅草橋にあるということを知りました。

意外と近場じゃないか!と思いさっそく訪問したところ、同館の特徴と展示品の見どころについて、責任者の佐藤力皇さんにお話を伺うことができました。

古今東西の文房具が大集合!日本文具資料館

受付を済ませていざ入館…。

日本文具資料館は、JR総武線・都営地下鉄浅草橋駅から徒歩5分、隅田川沿いにある東京文具販売健康保険組合会館の1階にある資料館です。

同館では、開館時から所有していた資料や文房具メーカーなどから寄贈を受けた資料約20,000点を所蔵。資料として体系づけたうえで、文房具の歴史を後世に伝えるべく展示しています。

古今東西の文房具を収集保存・展示していることから、全国から中学生や高校生がフィールドワークの一環で訪問することもあります。また、観光地として古くから親しまれている浅草観光の際に立ち寄る方も多いです。

必見!あの戦国武将が使った鉛筆のレプリカが!

上から、徳川家康の鉛筆(レプリカ)、伊達正宗の鉛筆(レプリカ)、現在使用されている鉛筆。

まさに「知る人ぞ知る」資料館にある展示品は、古今東西の歴史をたどる上で資料的な価値が高いものばかり。

そのなかでも特に注目していただきたいのが、入口入ってすぐの場所に展示されている「鉛筆」です。ただの鉛筆ではありません。戦国時代の超有名武将、徳川家康と伊達政宗にそれぞれゆかりのある鉛筆のレプリカです。

鉛筆の横にある解説パネル。政宗はこの鉛筆をどういう気持ちで使ったのでしょうか。想像するだけでワクワクします。

徳川家康の鉛筆は、ヨーロッパから伝来して家康に献上された品として久能山東照宮宝物殿(静岡市)に収蔵されているもの、伊達政宗の鉛筆は墓所・瑞鳳殿(国宝/仙台市)から発掘されたものをそれぞれ復元。政宗の鉛筆は当時の調査結果から家康のものより古く、国産鉛筆第一号であると考えられています。

政宗の鉛筆は、黒鉛粉末を練り固めてつくった芯を先端に取り付ける構造です。わざわざ墓所に入れたということから、当時はそれなりに貴重品であったと推測されています。上記写真のような状態で出土したため、当初は鉛筆とはわからなかったそうです。

館内の至るところに歴史を紡いできた文房具が!

歴史的なシーンに登場した、興味深い物語を持つ文房具もたくさんあります。
たとえばこちらの万年筆は、1945年9月2日の降伏文書(停戦協定)調印時にマッカーサー元帥が使用したものと同じタイプのものです。

この万年筆は明治時代の文豪・夏目漱石が愛用したものと同じタイプのものといわれています。このメーカーはもうありませんので、同じモデルを購入したくてもすることができないんですよ。

「復刻版が出たら購入したい!」と思う方も多いのではと思うくらい、現代にも通じるデザインの万年筆。
各時代で使用されていた鉛筆の懸紙。懸紙を集めるコレクターもいるそうです。

その当時の世相を偲ぶことができるものもあります。鉛筆は懸紙(かけがみ)という薄い紙に巻かれた状態で販売されていた時代があり、同館では一部を収蔵・公開しています。明治から昭和にかけての懸紙を展示していますので、デザインから当時の雰囲気を想像してみるのも楽しいでしょう。

矢立。セットされている筆は手のひらにすっぽりと収まるサイズで、おままごとの道具のよう。

コレクター魂がくすぐられる文房具といえば、矢立(やたて)も楽しいですよ。矢立とは、小さい筆と綿などで墨を蓄えた墨壺からなる携帯筆記具です。今のようにボールペンなどがなかった時代、ちょっとした遠出や旅行の際に携帯できる筆記具として多くの人が使用していました。

デザイン性に富んだものが多く、実用性と装飾性を兼ね備えている文房具ですね。

ところで、これは何かわかりますか?

刷毛にも見えるこちらの正体は・・・。

・・・

・・・

・・・

端から端まで、すべて筆です。

このコーナーにあるのはすべて筆でした!

動物の毛や鳥の羽などさまざまな材料を使用しているので、一見しただけではとても筆とは思えないようなものもあります。使用する材質によって先の表情が変わってきますから、書や絵画の世界では現在でもこうした筆を使って作品を作ることもありますよ。

歴史と文化あるところに文房具あり

文房具の世界には『文房四宝(文房四友)』という言葉があります。四宝とは、文人(今で言うインテリ層)が定めた、筆・墨・硯・紙のことです。文字などをしたためたりするのに欠かせないこれらの道具は、いわば文房具の中心的存在として、長らく珍重されてきました。

造形の凝ったものも多いことから、文人たちは自分の趣味嗜好にあった文房具を揃えることで「どう?いい趣味してるでしょ?」といったようにアピールしていたことも知られています。

『文房具は歴史と文化を紡いできた道具である』

私はそう考えています。

古今東西の歴史のなかで様々な文房具が発明されてきました。大勢の人が当時の出来事や個々人が感じたことを文房具を使って書き記したことで、歴史や文化は現在に伝わっている。そう考えると、文房具と人間は切っても切れない関係ですね。

日本文具資料館へ足を運んだことで、文房具とその歴史に興味を持つきっかけになればとても嬉しいです。

今日からアナタも文房具マニアに!

責任者の佐藤さんによる熱のこもった解説にも助けられ、文房具の歴史と懐の深さについて詳しく知ることができました。1人で館内を回っただけだったら、展示品の持つ物語と奥深さを学ぶことはできませんでした。本当にありがとうございます!

それにしても、トップバッターでご紹介した戦国武将の鉛筆のように歴史的にも興味深い品から、デザイン性に富んだ懸紙まで、めくるめく文房具の世界の魅力にどっぷり浸った今回。好奇心を満たすのみでは飽き足らずマニア心まで全力でくすぐってくる、文房具という名のワンダーランドの入り口を垣間見た気がします…おそるべし、文房具。

ここでは紹介しきれないくらい展示品が多く、特に注目していただきたい展示品を厳選してご紹介しました。見る人によって、「なにこれ!すごい!」と刺さる文房具もきっと変わってくるでしょう。日本文具資料館に足を運んで、文房具の歴史に思いを馳せ、心に刺さる推しの逸品を探しに来てくださいね。

【感想】

【施設概要】

日本文具資料館
開館時間:13:00-16:00
定休日:土曜、日曜、祝祭日、年末年始(12月28日〜翌年1月5日)
入館料:無料
公式HP:https://www.nihon-bungu-shiryoukan.com/

本河美佳

本河美佳

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金融機関とベンチャー企業での勤務後独立した、フリーランスのライター。記事を書くうえでのモットーは「何かを変えたい誰かの背中を押す」です。
気になることにはまっしぐらな性格で、心のアンテナに引っかかったイベントに参加したり、ちょっとニッチで面白そうなスポットを訪問したりしています。
学生時代には学芸員の資格を取得した博物館・美術館好きで「博物館は誰のもの」(https://who-belongs-to-the-museum.hatenablog.com/ )を不定期更新中。

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