アート

【趣味れーしょん美術館】#002:ヌード展の想定外な展示とスマフォト講座

皆さんこんにちは、観光地でカップルに写真を頼まれる歴6年のアラサー孤独ブロガーの明菜です。この度、とある講義を受けて、すんごく写真が上達したので、この場を借りて披露しますね。被写体はロダンの彫刻《接吻》です。

ロダン《接吻》(1901-4年)、テート

このBeforeとAfterの差! ナイアガラの滝を上回る高低差! 別の人が撮ったんでしょ? って思うくらい、見違えるようになりましたね。とても上手に撮れましたが、使ったのは最新機種ですらないiPhone 7と、無料の加工アプリのみ。

実は、4月28日に横浜美術館でとある講義を受講しまして。怪しいやつではなく、「美術館でアートを撮ろう! iPhonegrapherが伝授するスマフォト講座 ロダン《接吻》」というもの。

レクチャーの様子。

スクリーンに映っているのは、《考える人》で超絶有名な彫刻家ロダンの《接吻》。イギリスのテートの所蔵品ですが、現在、横浜美術館に来ています。「ヌード展」の目玉作品である《接吻》は自由に撮影できるので、スマホで上手に撮影しよう! というイベントなのです。

お勉強パートは担当学芸員の作品解説と、写真家の三井公一さんによる撮影講座。この2つだけ。その後、45分ほど撮影タイム。これだけで、あの成果ですよ。

担当学芸員 片多祐子さんの解説

まず、作品そのものを知らないでは、良い写真など撮れません。ということで、ヌード展をご担当された横浜美術館学芸員の片多祐子さんから、作品について教えていただきました。

凄くナチュラルにマニアックな情報を仰る…メモを取る手が止まりませんでした。抜粋すると、《接吻》はダンテの「神曲」をモチーフにした作品とのこと。登場人物のパオロ(男性)とフランチェスカ(女性)の許されない愛の物語を、大理石の彫刻に留めた、エロティックかつロマンティックな作品です。要するに不倫なんですけれども。いや、不倫だからエロいのか…?

そんな《接吻》ですが、本家イギリスのテートでは正面からしか見られない展示方法になっているのだそう。でも、横浜では360度見られます! これは写真撮影も捗りますねー。

いよいよiPhonegrapher三井公一さんの写真講座!

写真家の三井公一さんは、iPhoneの撮影のみで写真集を発売するなど、iPhoneでの写真のパイオニアです。iPhoneのカメラアプリだけで素晴らしい写真を撮るエキスパートなのです。

そんな三井先生のご指導をざっくり抜粋すると…

とのこと。確かに、ブレや構図は撮影後の加工でごまかせない部分なので、まずはしっかり撮る! ということですね。加工で三井さんがオススメするのは、Snapseedという無料アプリ。Photoshopのアプリ版のような機能が満載なんです。しかも、写り込んでしまった他のお客さんを消すことまで! スマホ1台でそこまでできるなんて!

講義の後は、撮影タイム!

ロダン《接吻》の撮影の様子。

三井先生の講義の後は、みんなで《接吻》を囲んで撮影タイム。先生も会場にいらっしゃったので、撮影しながら湧いた疑問を先生に質問できました。弊職も、自分の写真にコメントいただいたり、Snapseedの使い方を教えていただいたりしました。

インスタグラムのアプリで #ロダン横浜 を検索した画面

楽しい撮影タイムの後は、#ヌード展 #ロダン横浜 をつけてインスタグラムにアップ。大きなモニターで参加者の写真を講評しました。最終的に、三井さんとモデレータのチバヒデトシさん(プロフィール)、参加者の拍手によって上位3名が決定しました。おめでとうございます!ちなみに、弊職の写真はアートの定理にたくさんアップしました。改めてビフォー・アフターを見比べると、変わりすぎてビックリ。

ヌード展の他の作品たち

いかん、イベントレポートに夢中になりすぎて、展覧会の紹介が遅くなってしまいました。「ヌード展」ということで、皆さんも「こういうのが展示されてるんだろうなー」っていうイメージがあると思います。

左:アンナ・リー・メリット《締め出された愛》(1890年)、テート 右:ハーバート・ドレイパー《イカロス哀悼》(1898年発表)、テート 写真:チバヒデトシ

上の写真のようにリアルで、なおかつ美化された人間の体!こういうのが、「ヌード絵画」と言われて浮かぶイメージです。写真が無かった時代に貴族が愛でていそうな感じのやつ。でも、本展には「これもヌード? 芸術? どういうこと?」とリアクションに困る作品も、多くてびっくりですよ。例えば、こんなの。

ウィレム・デ・クーニング《訪問》(1966-67年)、テート 写真:チバヒデトシ

ほほぉーっ。リアクションに困るやつですねー。ペンキをキャンバスにぶちまけたような絵です。肌色部分が素肌なのかな、とは思うものの、そもそも顔どこ? 弊職には左端のオレンジ色のあたりが髪で、くっついている部分が顔に見えるなあ。でも、他のところも顔だと思えば顔に見えてくる不思議な絵ですね。こういう抽象的な絵も、ヌードって言うのかぁ。

左:フランシス・ベーコン「スフィンクス-ミュリエル・ベルチャーの肖像」(1979年)、テート 右:フランシス・ベーコン「横たわる人物」(1977年)、テート 写真:チバヒデトシ

この2作品は確かに男性のヌードのようですが…なんか、おかしくないですか? 腕がぐいーんと引き伸ばされていたり、上半身と下半身が捻れていたり。見ているだけで気分が悪くなってきます…まるで自分の体が捻れているんじゃないかって気持ちになるんですよね。

フィオナ・バナー《吐き出されたヌード》(2007年)、テート 写真:チバヒデトシ

もはや文字! 本展で最もヌードらしくないヌードです。作者のバナーがヌードモデルの身体を言葉で表現した作品とのこと。ある意味で写真よりも生々しいですよ。芸術って、深いねぇ(よくわかってない)。

「ヌードっぽくないヌード」に出会える展覧会

またもや企画の趣旨を説明せずに終わろうとしている「趣味れーしょん美術館」の第2回でした。「ヌード展」は名前のキャッチーさを軽く凌駕するちゃんとした展覧会で、美術館初心者さんにもハイパーおすすめ! 知らなかった作品や、気に入る作品に出会えます。

そして、ロダンの《接吻》はインスタ映え間違いなしの写真を撮ることができますからね。冒頭に載せた写真はiPhoneで撮ったもので、特別な機材は使っておらず、誰でも同じように撮影できます!《接吻》を上手に撮影して、日頃の「鬱憤」を晴らしましょう!(滑りそうなことは臆せず言うのが鍵)

シャンシャンよりセクシーな白黒が目印! 写真:チバヒデトシ

【展覧会情報】
会期:2018年3月24日(土)〜6月24日(日)
会場:横浜美術館(横浜市西区みなとみらい3-4-1)
開館時間:10:00〜18:00  *ただし、5月11日(金)・6月8日(金)は20:30まで
休館日:木曜日、5月7日(月) *ただし5月3日(木・祝)は開館
公式HP:https://artexhibition.jp/nude2018/

明菜

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美術ブロガー/ライター。美術ブログ「アートの定理」をはじめ、各種メディアで美術館めぐりの楽しさを発信。西洋美術、日本美術、現代アート、建築、装飾、ファッションなど、扱うジャンルは多岐にわたる。人間より猫やスズメに好かれる体質のため、可愛い動物の写真や動画もSNSで発信している。

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