アート

どんなアーティスト?見どころは?『オラファー・エリアソン ときに川は橋となる』を徹底紹介!

こんにちは、久々に美術館に行って息を吹き返した、美術ブロガーの明菜です。

話題の現代アートの展覧会『オラファー・エリアソン ときに川は橋となる』に行って来ました!本展はエリアソン氏の10年ぶりとなる日本での大規模な個展で、注目度が高い展覧会です。

現代アートが好きな人にとっては馴染みのあるアーティストですが、そうでない方もいらっしゃると思います。そこで、エリアソン氏はどんなアーティストなのか紹介し、展覧会の見どころを解説していきましょう!

オラファー・エリアソンってどんなアーティスト?

オラファー・エリアソン《あなたに今起きていること、起きたこと、これから起きること》2020年

オラファー・エリアソン氏は、光や水を使ったアートによって私たちに驚きを与え、自然との新たな触れあい方を教えてくれる現代アーティストです。彼の作品は美しいだけでなく、地球温暖化などの環境問題に対して、ハッとするような体験をさせてくれるのです。

ロンドンのテート・モダンをはじめ、海外の美術館でも多数の個展を開催し、高く評価されているアーティストでもあります。日本では原美術館(2005年)、金沢21世紀美術館(2009-10年)でも個展を開催したことがあります。瀬戸内国際芸術祭でも展示を行っているので、作品に見覚えがある方も多いのでは?

自然と人間の関わりを見える化するアート

それでは、『オラファー・エリアソン ときに川は橋となる』ではどんな作品が見られるのか紹介していきましょう!代表作から新作まで、エリアソン氏が作るアートの世界をたっぷり堪能できる構成です。

オラファー・エリアソン《太陽の中心への探査》2017年

《太陽の中心への探査》は、虹色に光るミラーボールのような多面体がゆっくりと回転する作品。光と動きはソーラーエネルギーによって生み出されており、多面体とその周りを公転するように見て歩く鑑賞者の関係は、太陽と地球のようです。

オラファー・エリアソン《ビューティー》1993年

《ビューティー》は、ウォーターミストに虹がかかっている作品。ミストを通って向こう側に行くこともできますが、通り抜けると視界から虹が消えてしまいます。それまで見とれていた物が突然消える、強い喪失感がありました。

オラファー・エリアソン《おそれてる?》2004年

《おそれてる?》は、丸い形のガラス板と光の作品。特殊な加工を施されたガラス板に光が投影されれば、光と色の三原色の実験のようなアートになります。

オラファー・エリアソン《あなたのオレンジ色の残像が現われる》2000年

《あなたのオレンジ色の残像が現われる》は、壁に青い四角形が投影されている作品。一定時間ごとに、ついたり消えたりします。じっと四角形を見つめていると、消えた後にオレンジ色の正方形の残像が見えます。美術館の壁から作品が無くなった後も、そこに何かあるように見える、不思議な作品です。

オラファー・エリアソン《クリティカルゾーンの記憶(ドイツ-ポーランド-ロシア-中国-日本)no. 1-12》2020年(部分)

《クリティカルゾーンの記憶(ドイツ-ポーランド-ロシア-中国-日本)no. 1-12》は、本展の核となる作品だと思います。本展で見られる作品の多くは、ベルリンから日本まで鉄道と船で運ばれました。これらの円形のドローイングは、輸送中の動きや揺れを記録する装置によって描かれたものです。

二酸化炭素を多く排出する航空機での移動を再考することはもちろん、鉄道や船の動きや揺れは許容できる範囲なのかも考えることができます。1人1人の鑑賞者が、エコツーリズムについて考えるきっかけになるのではないでしょうか。

人類と地球の課題に向けて

オラファー・エリアソン《溶ける氷河のシリーズ 1999/2019》2019年(部分)

エリアソン氏は幼少期を過ごしたアイスランドの風景を、長年にわたって撮影してきました。 《溶ける氷河のシリーズ 1999/2019》では、1999年と2019年において同じ場所を写した写真を比較することができます。20年間でどれだけ氷河が溶けたのかが分かり、地球温暖化の影響を目の当たりにする作品です。

エリアソン氏は、形のない光や水を美的センスの高いアート作品に仕上げる、超一流の表現力をもって、私たちの意識を環境問題へと誘います。本展は、アートに触れ、地球環境の課題にも触れられる、とっても良質な展覧会でした!

まとめ

オラファー・エリアソン《ときに川は橋となる》2020年(部分)

オラファー・エリアソン氏と作品について紹介してきました。アート作品の美とともに、エコロジーや人類が地球のためにするべきことを考えられる点が、エリアソン氏の作品の特徴です。

途中、難しいことも書きましたが、まずは見たり触れたりしてアートを素直に楽しむことが大切だと思います!子どもから大人まで直感で楽しめる展覧会なので、「現代アートって難しそう…」と思っている方にこそ、足を運んでいただきたいです。

週末は入場制限を行う可能性があるそうなので、平日の来館がおすすめです!

展覧会情報

『オラファー・エリアソン ときに川は橋となる』
会期:2020年 6月9日(火)~9月27日(日)
休館日:月曜日(8月10日、9月21日は開館)、8月11日、9月23日
開館時間:10:00~18:00(展示室入場は閉館の30分前まで)
会場:東京都現代美術館 企画展示室 地下2F

明菜

明菜

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美術ブロガー/ライター。美術ブログ「アートの定理」をはじめ、各種メディアで美術館めぐりの楽しさを発信。西洋美術、日本美術、現代アート、建築、装飾、ファッションなど、扱うジャンルは多岐にわたる。人間より猫やスズメに好かれる体質のため、可愛い動物の写真や動画もSNSで発信している。

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