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【開館中の展覧会まとめ】あきらめるのはまだ早い!首都圏で現在楽しめる、オススメの美術展10選

2月末に政府から発表された「大規模なスポーツ・文化イベント自粛」要請を受け、東京・大阪など大都市圏の美術館・博物館は3月中旬頃まで軒並み休館を決めました。

便利なもので、Internet Museum美術手帖OBIKAKEなど、展覧会や美術館などの各種情報サイトでは刻一刻と変わる美術館・博物館の休館状況をこまめにアップデートしてくれています。

こうしたまとめ記事を見てみると、関東・関西の中規模以上のミュージアムは軒並み休館となっていますよね。展覧会が好きなアートファンにとってはとってもつらい状況で、大量の美術館難民が発生していると思われます。

僕自身もその一人となってしまったのですが、そこで改めて思ったのが、「では、今はどの展覧会が見られるのだろうか?」ということ。首都圏や関西圏では休館となったミュージアムが大半となってしまった今、アートファンが本当に知りたいのは、休館情報じゃなくて、開館情報なのではないでしょうか?

ということで、楽活編集部に提案して、急遽【今、首都圏で観られるオススメの展覧会】をまとめてみました。

このような状況の中、敢えてファンのために展覧会を開催し続けてくれた各ミュージアムに感謝しつつ、さっそくオススメの展覧会を紹介してみたいと思います!それではいってみましょう!

通常通りオープンしている首都圏の展覧会オススメ10選!

オススメの展覧会1:もうひとつの歌川派?! 国芳・芳年・年英・英朋・朋世~浮世絵から挿絵へ……歌川派を継承した誇り高き絵師たち(弥生美術館)

幕末期、全盛期を迎えた歌川派は、浮世絵が徐々に衰退していった明治時代になっても、その系譜は大正、昭和へと途切れることなく続いていきました。

展覧会では、期間中3期に分けて、同館の館蔵品から歌川国芳に連なる絵師たちを、代表的な作品や豊富な資料とともに徹底紹介。歌川国芳、月岡芳年までは比較的良く知られていますが、その下に連なる右田年英、鰭崎英朋、神保朋世という名前は、目の肥えたアートファンでもあまり聞いたことが無いかもしれませんよね。今となっては埋もれてしまった、明治期以降の知られざる浮世絵師たちの個性的な作品群は見ごたえがあります

アットホームな隠れ家的な美術館で、浮世絵愛にあふれた手作り感満載の見ごたえある展示を味わってみて下さいね。

展覧会名:「もうひとつの歌川派?! 国芳・芳年・年英・英朋・朋世~浮世絵から挿絵へ……歌川派を継承した誇り高き絵師たち
会期:2020年1月7日(火)~3月29日(日)
会場:弥生美術館
展覧会公式HP:http://www.yayoi-yumeji-museum.jp/

オススメの展覧会2:「生誕140年記念 津田青楓とあゆむ明治・大正・昭和展」(練馬区立美術館)

ゴーギャンのように神秘的でエキゾチックな洋画を描いたと思ったら、一転して渋い南画を手掛けたり、個性が際立ったデザインや図案で活躍したりと、一つのジャンルにとらわれず独自の作品世界でファンを魅了した津田青楓

本展は、そんな津田青楓の生誕140年を記念して開催された初めての大型回顧展となります。夏目漱石など文豪との交流をはじめ、多数の資料と合わせ、明治から昭和まで激動の時代を駆け抜けた青楓の生き様もしっかり味わえる、骨太な内容の展覧会。ぜひ足を運んでみて下さい。

展覧会名:「生誕140年記念 背く画家 津田青楓とあゆむ明治・大正・昭和
会期:2020年2月21日(金)~4月12日(日)
会場:練馬区立美術館
展覧会公式HP:https://www.neribun.or.jp/museum.html

オススメの展覧会3:「第8回 郷さくら美術館 桜花賞展」(郷さくら美術館)

美術館名にもある通り、毎年春になるとプロの若手日本画家の中から公募形式で「桜」をテーマとした作品を募って展示する「桜花賞展」を開催する郷さくら美術館。8回目となる2020年度の展示では、選考を突破した約30名の若手作家による色とりどりの華やかな作品を楽しむことができます。

都心での桜の名所でもある目黒川沿いにあるので、3月中旬~4月上旬のお花見のハイシーズンでの訪問がおすすめ。作品を見た後にリアルなお花見も堪能できますよ。

展覧会名:「第8回 郷さくら美術館 桜花賞展
会期:2020年2月29日(土)~5月24日(日)
会場:郷さくら美術館
展覧会公式HP:https://www.satosakura.jp/

オススメの展覧会4:「Glass Wonderland」(藝大アートプラザ)

美術館・博物館・コンサートホール・動物園など、多数の文化施設が集まる上野公園地区ですが、残念ながら現在公園内のほぼ全ての展覧会が休止に追い込まれています。

そんな中、元気にオープンし続けてくれているのが東京藝術大学の構内にある「藝大アートプラザ」です。2018年10月に小学館との共同事業でリニューアルオープンして以来、年間8~9回の企画展をハイペースで実施しながら、藝大ゆかりのアーティストの作品を展示販売するオール藝大メイドのコンセプトのお店です。

実は僕もここで【かるびの「秘境」藝大探検 】というコラムを書かせていただいていたりします!

現在開催中の企画展「Glass Wonderland」では、東京藝術大学ガラス造形研究室の在校生、卒業生、教員など、ガラス工芸を極めた34名の精鋭が展覧会場を華やかに彩ってくれています。

展示風景

ガラス工芸って、実は非常に多彩な制作技法があるんですよね。ガスバーナーで専用のガラス棒を加熱する「バーナーワーク」、江戸切子のように研磨やカットなどでガラスを加工する「コールドワーク」、電気窯を使って加熱・成形する「キルンワーク」など、多種多様な技法を駆使して個性派揃いのアーティストが作り出す作品群は、バラエティに富んでいて奥深いのです。

幻想的で美しい作品から、アーティストの個性が爆発したオリジナルな一品まで、ガラス工芸の楽しさ堪能できる良展示です!

展覧会名:「Glass Wonderland」
会期:2020年2月21日(金)~3月15日(日)
会場:藝大アートプラザ
展覧会公式HP:https://artplaza.geidai.ac.jp/

オススメの展覧会5:「浮世絵にみる時の移り変わり~江戸から東京へ~」(川崎浮世絵ギャラリー)

2019年秋に満を持してオープンした川崎浮世絵ギャラリーですが、早くも企画展第3弾が始まりました。国内屈指の浮世絵大コレクターである斎藤文夫氏のコレクションは非常にハイレベル。状態の良い作品、レア作品など、他の美術展では観られないような浮世絵作品が年間を通じていつでも楽しめるという点で、浮世絵ファンにとって新たな「巡礼地」が出来たといえるでしょう。

本展では、江戸~明治期まで様々な時代に活躍した絵師たちによって描かれた江戸・東京の「名所絵」を特集。各時代の風俗や空気感が表現された作品で、時代の移り変わりを楽しんでみるのもいいですね。

展覧会名:「浮世絵にみる時の移り変わり~江戸から東京へ~
会期:2020年3月1日(日)~4月19日(日)
会場:川崎浮世絵ギャラリー~斎藤文夫コレクション~
展覧会公式HP:https://ukiyo-e.gallery/

オススメの展覧会6:「目黒区美術館コレクション展 越境者たち」(目黒区美術館)

毎年定期的に、年度末になるとあるテーマに沿って、近現代アートを中心に自館のコレクションを披露してくれる目黒区美術館。いつも意表を付いた展示内容に興味をそそられるのですが、2020年度のテーマは「越境者たち」。絵画の分野や材質技法にまつわる様々な境界を越えて、新たな芸術表現を目指した画家たちの作品を、個性的な展示方法で味わうことができます。

特に、第1章の「諏訪直樹 vs 川村清雄」比較展示がおすすめ。違う時代に生まれた2人の個性派画家の大規模作品の競演は見事のひとことです。

展覧会名:「目黒区美術館コレクション展 越境者たち
会期:2020年2月15日(土)~3月22日(日)
会場:目黒区美術館
展覧会公式HP:https://mmat.jp/

オススメの展覧会7:「シュルレアリスムと絵画-ダリ、エルンストと日本の「シュール」」(ポーラ美術館)

昨年から、現代アートの展覧会を積極的に手掛けるようになったポーラ美術館ですが、現在開催中の「シュルレアリスムと絵画」展でも、ダリやエルンストなどの世界的な巨匠と、日本人画家の作品など現代アート色の強い展示が楽しめます。

2019年は、ちょうど美術史の中でシュルレアリスムが誕生してちょうど100周年の節目となりました。本展はこれを記念した展覧会。展示ではシュルレアリスムの100年の歩みを振り返り、その歴史と変遷をじっくり見ていきます。非常に見応えがあり学びの多い展示内容なのでオススメ。デカルコマニー、フロッタージュなどシュルレアリスムならではの絵画技法をたっぷり楽しんでみてください。苦手意識が会った人も、本展で開眼するはず?!

また、ポーラ美術館は一度行けば併設のコレクション展、カフェ、レストランやミュージアムショップ、施設内に設けられた「森の遊歩道」など、たっぷり半日以上は楽しめるだけのコンテンツが揃っています!

展覧会名:「シュルレアリスムと絵画-ダリ、エルンストと日本の「シュール」」
会期:2019年12月15日(日)~2020年4月5日(日)
会場:ポーラ美術館
展覧会公式HP:https://www.polamuseum.or.jp/sp/surrealism/

オススメの展覧会8:「DOKI土器!土偶に青銅器展」(岡田美術館)

箱根の中腹に位置する岡田美術館もまた、元気にオープンしてくれている美術館のうちの一つ。講演会やトークイベント等を中止にするミュージアムが多い中、こちらではほぼ通常通りミュージアムトークも連日開催されています。

展覧会の目玉は、日本と中国の古代のやきものや青銅器約80点。初公開となる珍しいペルシア陶器なども見どころです。

また、岡田美術館は膨大な常設展示も凄いんです。中国・朝鮮・日本の各時代・地域を代表するハイレベルなやきものや、仏像、金工など色々ある中で、ぜひぜひおすすめしたいのが、伊藤若冲の作品だけを展示する「若冲室」。特別展と併せて、目玉展示となっています。現在は「花卉雄鶏図」と「笠に鶏図」が展示中です。

展覧会名:「DOKI土器!土偶に青銅器展
会期:2019年10月5日(土)~2020年3月29日(日)
会場:岡田美術館
展覧会公式HP:https://www.okada-museum.com/

オススメの展覧会9:「古代中国・オリエントの美術」(永青文庫)

永青文庫の設立者・細川護立(もりたつ)が収集した、ハイレベルな東洋美術コレクションがたっぷり楽しめる渋い美術展。中国・朝鮮だけでなく、イスラムの陶器やタイルがズラリと並ぶ館内は圧巻です。

中でも本展で是非見ておきたい目玉作品が、チラシのメインビジュアルにも指定されている通称「細川ミラー」と呼ばれる、2000年以上も前に作られた国宝「金銀錯狩猟文鏡(きんぎんさくしゅりょうもんきょう)」です。これは美しい!!そんじょそこらの古鏡とは断然クオリティが違います!

これらが全部館蔵品だっていうのも本当に凄いですよね。細川家に脈々と受け継がれてきた数寄者としてのプライドが実感できる展覧会です!

展覧会名:「古代中国・オリエントの美術
会期:2020年2月15日(土)~4月15日(水)
会場:永青文庫
展覧会公式HP:http://www.eiseibunko.com/

オススメの展覧会10:「wall to wall Noriyuki Haraguchi」(√K Contemporary)

親しみやすいオークションや、斬新な展覧会で近年日本美術ファンに多く親しまれるようになった京橋のギャラリー・加島美術。

その加島美術が、満を持して2020年3月7日に√K Contemporaryという新たなギャラリーをオープンします。√K Contemporaryでは、戦後の前衛美術からコンテンポラリーまでの現代アートを中心に取り扱いながら、若手を中心とした次世代のアーティストを積極的に紹介する予定。

そのこけら落としとなる展覧会が、原口典之「wall to wall Noriyuki Haraguchi」です。「もの派」の代表的なアーティストの一人として60年代後半から活動をスタートしている原口の約2年ぶりの個展では、代表作のオイルプールを始め、タイトル作品「wall to wall」などの新作を含む約30作品が展示されます。

まるで、異次元に踏み込んだような感覚を覚える空間に仕上がったという√K Contemporaryの展示空間の中で、どのような展覧会になっているか非常に楽しみですね。

展覧会名:「wall to wall Noriyuki Haraguchi
会期:2020年3月7日(土)~5月6日(水・祝)
会場:√K Contemporary
展覧会公式HP:https://root-k.jp/

オススメの展覧会11:「祈りの造形 沖縄の厨子甕を中心に」(日本民藝館)

遺骨を納める「蔵骨器」だった沖縄のやきもの厨子甕(ジーシガーミ)。民藝運動を主導した柳宗悦は、この厨子甕に芸術的な価値を見出し、沖縄陶器を代表するジャンルの一つとして高く評価しました。

本展では、この厨子甕を中心として、様々な時代に生み出された「祈り」の優れた造形美を見ていきます。素朴さと神秘性を兼ね備えた、厨子甕の不思議な美しさをぜひ間近で体感してみて下さい!

展覧会名:「祈りの造形 沖縄の厨子甕を中心に
会期:2020年1月12日(日)~3月22日(日)
会場:日本民藝館
展覧会公式HP:http://www.mingeikan.or.jp/

まとめ

以上、3月上旬~中旬に首都圏で楽しめるオススメの展覧会をご紹介してみました。中規模以上の展覧会がほぼ全て公開延期・中止となる中で、非常に少ないながらも開館を維持してくれている美術館・博物館を見つけることができました。

また、今回は割愛しましたが、首都圏や関西圏以外では、比較的まだ開館しているミュージアムはかなりあるようです。

こういった機会を活用して、普段自分が行かないようなジャンルの展覧会に行ってみたり、今まで行ったことがない美術館・博物館に足を伸ばしてみるのもいいですよね。「今週末行くところがない!」というアートファンの方のお役に立てていれば幸いです!

備考:展覧会に行く前に

ここ数日の政府発表や報道などにより、新型コロナウイルスは不特定多数の人々が集まる「閉鎖空間」の中で比較的感染しやすいことが判明してきています。

これを受けて、美術館・博物館でも入館時の注意やお願い事項として、ウイルス感染予防対策を十分に行ってから入館するように呼びかけているところが大半です。ぜひ、本稿に記載した展覧会に行かれる際は、以下の感染防止対策を励行した上で、自己の責任においてお出かけいただければ幸いです。

〇感染症予防への取り組み
・入館時は、館内入口等に設置されたアルコール消毒液で手を殺菌する。
・咳・くしゃみなどの症状がある場合、必ずマスクを着用する。症状がひどい場合は来館を控える。
・咳やくしゃみをする場合は、マスク、ハンカチ、ティッシュなどで口をしっかりと覆う「咳エチケット」を遵守する。
・来館前後には、うがい、手洗いなどをこまめに行う。

ちょっとでも体調が思わしくないかな?と思ったら、無理して出かけるのは自粛したいですね。元気になってから、思う存分楽しんだほうが気持ちがいいですよね!

かるび

かるび

投稿者の記事一覧

メーカー、IT企業で勤務後、41歳にして1年間のサバティカル休暇へ突入。現在は、ブロガー&Webライターとしてアートや映画について主催ブログ「あいむあらいぶ」(http://blog.imalive7799.com/)にて日々見聞きした出来事を書き綴っています。

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