アート

未公開作品大量32点!嵯峨嵐山文華館「いちからわかる 円山応挙と長沢芦雪」

いよいよ梅雨入りが近づいてきたのか、最近どことなく湿度が上がってきたような気がします。緊急事態宣言が全国的に解除されて約1週間経過しましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

以前、こちらの記事(記事1記事2)で京都嵐山・福田美術館で開催中の「若冲誕生展」について詳しくレポートしました。コロナ禍が明けて、福田美術館も無事にオープン。6月1日からはいよいよカフェ「パンとエスプレッソと福田美術館」も復活するということで、折を見て筆者も東京から遠征して後期日程を見に行きたいなぁと思っているところです。

せっかくだから、嵐山に行くならついでにどこか、別の観光スポットに行こうかな・・・と思いながらネットサーフィンしていたところ、アートファンにとって見過ごすことのできない凄そうな展覧会をみつけてしまいました!

嵯峨嵐山文華館「いちからわかる 円山応挙と長沢芦雪」展覧会チラシ

それが今回ご紹介する、5/23から嵯峨嵐山文華館で開催中の「いちからわかる 円山応挙と長沢芦雪」展です。展覧会タイトルにある通り、18世紀京都で活躍した巨匠・円山応挙(まるやまおうきょ)とその弟子である長沢芦雪(ながさわろせつ)が大きく取り上げられているのですね。

円山応挙といえば、18世紀当時は伊藤若冲を抑えて、京都で堂々の人気No.1だった絵師ですし、今でも歴史や美術の教科書で代表作がいくつも取り上げられていますよね。

一方の長沢芦雪もまた、近年非常に人気急上昇中。師匠・応挙の作風を受け継いで精緻で写実的な作品を残している一方、斬新な画題や構図で、ユニークな作品をいくつも残した個性派絵師なのです。特に、2019年春に東京都美術館で開催された「奇想の絵画」展では、芦雪の作品はどれも非常に強い存在感を放っていました。

そんな円山応挙と長沢芦雪の作品ばかりを、今回まとめて一気に40点以上も一つの場所で見られるのです。それも彼らの生まれ故郷・京都で味わえるなんて、本当に贅沢な話ですよね。

前後期合わせて全44点の絵画作品が出品されるのですが、なんとそのうちの約80%となる32点が展覧会初出品という豪華さ!!これはもう馳せ参じるしかないでしょう?!コロナの状況にもよりますが、ぜひとも遠征しても見ておきたい展覧会だと思います。

気になる展覧会の内容は?

さて、展覧会の中身はどうかというと、せっかく沢山の作品が一箇所に集まったのだから、円山応挙と長沢芦雪の作品を見比べて楽しんでみましょうよ、という内容なのです。

ふたりの画風を比較することによって、共通点や違いを見つけたり、その後の作風変化の過程や作品の鑑賞ポイントを浮き彫りにされていきます。また、二人の人物概要や、活動年表をまとめた解説パネルなども掲示。作品だけでなく、絵師の人物像にも迫ります。

それでは、展覧会での一番のポイントである「比較展示」例をいくつかみてみましょう。

花鳥画の王道「孔雀」を見比べる

左:円山応挙《牡丹孔雀図》福田美術館蔵、右:長沢芦雪《牡丹孔雀図》下御霊神社蔵

まず孔雀です。江戸時代、精緻な写生スキルと絢爛豪華な彩色が求められる孔雀図は、花鳥画における最高峰の画題でもありました。

それにしても師弟でここまで似たような作品が存在しているとは驚きです。でもよく見ると孔雀の長い羽根の色使いや、孔雀が止まっている岩場の描き方が大きく違っていますね。

究極の癒やし系絵画!「犬」を見比べる

左:円山応挙《仔犬図》個人蔵、右:長沢芦雪《梅花双狗図》個人蔵

また、犬も二人の得意とした画題の一つでした。こちらは、写実的というよりはどちらかといえばデフォルメされた可愛さが全面に出ているような感じですよね。

若冲は「キモカワ」系ですが、応挙・芦雪は文句なくかわいい!Twitterで紹介すると、いつも応挙・芦雪の犬はバズりまくりです。犬といえば応挙の十八番として有名ですが、可愛さという点でいえば、僅差で芦雪のほうが上回っているのではないかと思うのですが、皆さんはどう思われますでしょうか?

その他、六曲一双の大作屏風絵や、二人の画業がよく理解できるような資料的な作品展示もたっぷり用意されています。ぜひ、本展のだめだけに全国のコレクターから借りだされた貴重な作品群を楽しんでみてくださいね。

18世紀京都画壇を代表する師弟対決を見逃すな!

円山応挙《双鶴図》福田美術館蔵

美術でも西洋美術でもそうですが、アート作品を見る目、つまり審美眼を鍛えるためには、「たくさん見る」「比べてみる」ということが何よりも大切になります。そういった意味では、本展は本当に勉強になるはず。

そして、これは筆者が勝手に格言としているのですが、『「くらべる」系の展覧会は、ハズレなし』なんです。また、解説は徹底して簡素化されていて、短くて読みやすいのも親切。比べて鑑賞する醍醐味をたっぷり味わってみてくださいね。

そして、本展を見終わったら、ぜひ嵯峨嵐山文華館から徒歩数分の近隣で開催中の「若冲誕生展」(福田美術館)をはしごしてみるのも面白いでしょう。こちらも初公開作品尽くしで、マニアから初心者まで文句なく楽しめる非常に良い展覧会です。2館コンプリートすれば、若冲・応挙・芦雪と18世紀京都画壇の巨匠三昧の一日になりそうです!

展覧会基本情報

展覧会名:企画展「いちからわかる 円山応挙と長沢芦雪」
会期:2020年5月23日(土)~7月13日(月)
会場:嵯峨嵐山文華館
公式HP:https://www.samac.jp/

かるび

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メーカー、IT企業で勤務後、41歳にして1年間のサバティカル休暇へ突入。現在は、ブロガー&Webライターとしてアートや映画について主催ブログ「あいむあらいぶ」(http://blog.imalive7799.com/)にて日々見聞きした出来事を書き綴っています。

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