アート

下町情緒溢れる柴又にアートルームが誕生。ゲストハウス「柴又 FU-TEN(ふーてん)」に泊まりたいっ!

映画、「男はつらいよ」の舞台として知られる東京・葛飾の柴又。玄関口の京成柴又駅前にある寅さんの銅像も、人気の撮影スポットですよね。

帝釈天までの参道には、「とらや」をはじめとする多くの食事処、土産店、民芸店などが並んでいて、年間を通して多くの観光客で賑わっています。

京成柴又駅前の寅さん銅像。妹のさくらと目を合わせています。

帝釈天参道。200メートルの間に多くの老舗がひしめきます。

柴又唯一の宿泊施設として誕生!~「柴又 FU-TEN」~

「柴又  FU-TEN」。区の施設をリノベーションして開業しました。

その寅さんの街、そして帝釈天の門前町でもある柴又に、2017年、同エリアで唯一の宿泊施設がオープンしたことをご存知でしょうか? その名は「Shibamata FU-TEN Bed and Local」。少し長いので、「柴又 FU-TEN」、「柴又ふーてん」と略した方が分かりやすいかもしれません。

大きなのれんが出迎えてくれました。

場所は柴又駅から参道を歩き、帝釈天を抜け、左に折れた先。ちょうど金町浄水場の目の前にあります。周囲は閑静な住宅街で、駅からは歩いて7~8分ほどでした。

葛飾区の旧職員寮をリノベーション

エントランス横のレセプション。柴又を中心にした観光案内の資料も揃っています。

「柴又 FU-TEN」は、葛飾区の旧職員寮をリノベーションした全客室個室型の宿泊施設で、33室の個室があり、計74名が泊まることが出来ます。宿泊料金は、ツインルームで1名当たり3,600~4,000円前後とリーズナブル。和室と洋室の2タイプの部屋が用意されています。リノベーションに際しては、「東京・下町」をイメージしたそうです。また、元々あった壁を一部に残して使用するなど、昭和レトロな雰囲気も感じられました。何でも40年間も寮として使われていたそうです。

1階のラウンジ。隣には共用キッチン、奥には男女別のシャワールームもあります。

もちろんお安いからといって設備に不足はありません。全館Wi-Fiを完備。24時間使用可能なラウンジやシャワー室、さらに共用キッチンやコインランドリーも設置されています。(トイレは共用。)長期滞在にも便利ですね!

14名の現代アーティストが「柴又」を表現

そしてこの「柴又 FU-TEN」に、今年6月、14名の現代アーティストの手がけた「アートルーム」が誕生しました。

「柴又 FU-TEN」4階。旧職員寮の名残も感じられました。

アートルームは建物の最上階の4階。401号室から414号室までの14室に、各アーティストが、柴又をテーマに、歴史や文化、それに自然や風景などを思い思いに表現しました。また、制作の一部に関しては、クラウドファンティングで資金が集められました。そして目標金額を達成。葛飾区長も「柴又 FU-TEN」が新しい名物になるように、応援メッセージを寄せたそうです!

大川友希「elephantom room」

ともかくどのアーティストも、柴又を見据えているのが特徴です。例えば大川友希さんは、帝釈天で有名な10面の浮彫に着目。うち1つに、象に乗った普賢菩薩の彫りがありますが、そのイメージをカラフルな布を繋ぎ合わせて作り上げました。何とも可愛らしいお部屋ですよね。

Keeenue「Line of Pine」

またKeeenueさんは、柴又の人や町を部屋全体で表現。右側が柴又の町、そして左側が訪ねて来た人を示しているそうです。天井にまで及ぶ、鮮やかなペインティングが目を引きました。

中島麦「WM~SHIBAMATA FU-TEN」

一方、極めて緻密なのが、地域アートイベントへの出展でも知られる中島麦さん。元々の部屋の設えを今までの柴又と捉え、そして新たにペイントした部分をこれからの柴又として制作しています。ゲストルームの全てを埋め尽くすような色彩の粒に圧倒されました。この部屋で過ごすと、一体、どのような夢が見られるのでしょうか。

加藤美紀「花昇龍」。

帝釈天の「瑞龍の松」に棲む水神の龍に着想を得たのが、加藤美紀さん。そもそも柴又は水に近い町でもあり、古来から龍は水の恵みを与え、また時に暴れて来たとされています。そして龍に向かい合うのが、花菖蒲の精。象の雲に乗っていますよね。堀切菖蒲園などでも知られるように、花菖蒲は葛飾区の花でもあります。まさに柴又に根ざした作品と言えそうです。

庄島歩音「The warmth of the town」

庄島歩音さんは、柴又で見た形や色をモノグラムとして表現しました。参道の商店の風車や煎餅、それに飾り物から、公園の花、さらに猫も描いています。また和風の模様は、帝釈天の装飾からヒントを得たそうです。華やかですね!まるで参道の賑わいが伝わってくるかのようでした。

尾花賢一「放蕩息子の帰還」

そして最後にご紹介したいのが、一際、異彩を放つ尾花賢一さんです。柴又に自生する植物や、すぐ近くを流れる江戸川の水面を部屋に描いていますが、天井付近にある、一体の黄金の覆面男の人形にも要注目です。これは帰還した放蕩息子のイメージで、どんなゲストにも部屋への帰還を歓迎したいとする願いが込められているとか。ここは放蕩息子に守られ、安心して寝られるかもしれませんね。

金泰範「夢の旅路ー想像の欠片たち 純情編」。室内にはエアコンが完備されています。

なおアートルームですが、完成後、通常の営業に入ったため、現在は14室の全てを見学することは叶いません。原則、宿泊者のみが立ち入ることが可能です。詳しくは公式ウェブサイトをご覧下さい。(アートルーム専用宿泊プランあり。)

柴又の新たな交流スポットに!

参道には戦火を免れた歴史的建造物も少なくありません。

下町情緒の溢れる柴又には、帝釈天、山本亭、寅さん記念館、矢切の渡しなど、数多くの観光資源があります。そうした中、現代アーティストよって “新しい柴又の景色” が「柴又 FU-TEN」に生み出されました。既に若い方だけでなく、比較的年齢の高い方から、外国のお客さままで、幅広い方に利用されているそうです。また地元の方を交えたイベントも行われています。

柴又帝釈天。正式名称は経栄山題経寺。浮き彫り10面の彫刻も見逃せません。

かの寅さんも、全国各地へ旅しては、多くの人々と交流しました。ここ「柴又 FU-TEN」も、柴又の地域のハブ、そして旅人同士の交流の場として、今後、注目を集めていくのかもしれません!

「SHIBAMATA FU-TEN BED & LOCAL」
施設名:柴又ふーてんベッドアンドローカル
住所:〒125-0052 東京都葛飾区柴又7-12-19
交通:京成金町線柴又駅より徒歩7~8分。
宿泊料金:2名和室・洋室(1室当たり)8000円前後。その他、オプションプラン、学割プランなどあり。
公式サイト:http://shibamatafuten.com
Instagram:https://www.instagram.com/shibamatafuten/
facebook:https://www.facebook.com/shibamatafuten/

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美術・音楽ブログ「はろるど」(https://blog.goo.ne.jp/harold1234)管理人。都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。美術、クラシック音楽、お酒、カープ、地元千葉県の話題などに反応。楽活でも様々な情報を発信していきたいと思います。

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