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【Takのアート入門講座】いつもと違ったルートで展覧会へ行こう!

映画館は気分によって、鑑賞する劇場を選べますが、展覧会は開催している美術館・博物館が決まっています。駅の改札から徒歩0分の場所にある東京ステーションギャラリーような、恵まれたところは例外中の例外で、最寄駅から歩くなり、バスに乗るなりしてお目当てのミュージアムを目指すのが一般的です。

でも、マンネリから恋心が薄れていくように、毎回同じ駅からのルートだと新鮮味が薄れてしまい機械的な動きになってしまいます。展覧会はある種「ハレ」の場です。なるべくなら、つねにフレッシュな気分で出かけたいものです。今回は通常とは違ったお勧めの道順をいくつかご紹介したいと思います。

まずは、渋谷にあるBunkamuraザ・ミュージアムから。JR、東急、京王、地下鉄が乗り入れる一大ターミナル渋谷駅は、いつでも多くの人でごった返しています。また駅を抜けてもその先にある近年、海外からの旅行者の人気スポットとなっているスクランブル交差点が美術館までの行く手をはばむかのように待ち受けています。美術館に到着する頃には体力を激しく消耗しているかもしれません。

代々木公園駅から渋谷方面に続く神山商店会の通りからは渋谷駅近くにあるセルリアンタワーが見える。

そんな渋谷の雑踏が苦手な方にはBunkamuraザ・ミュージアムまで行く別ルートをお勧めします。幾つかあるうちでも一番道も分かりやすく、道中も楽しめるのが、代々木公園(地下鉄千代田線)もしくは、代々木八幡駅(小田急線、地下鉄千代田線)からてくてく散歩がてら歩いていくルートです。ネットの地図で確認してもらうと一目瞭然ですが、代々木公園駅からBunkamuraザ・ミュージアムまでは一直線です。駅から東急本店のマークが目視出来るので、それを目標に歩いてみましょう。

ここ数年「裏渋谷」「奥渋谷」として若い人だけでなく幅広い層の人に人気のあるエリアです。細い道の左右に魅力的なショップやレストラン、カフェがずらりと軒を連ねているのです。「展覧会の帰りにこの店、寄りたいな~」と思わせるお洒落な小さなお店がたくさんあり、前を通り過ぎるだけでも楽しい気分になります。人通りも渋谷駅からとは比べ物にならないほど静かで歩きやすいのもポイントです。

渋谷からそうは慣れていないにもかかわらず、静かで落ち着いた雰囲気なのが「奥渋」の特徴です。

雑貨店などおしゃれなお店が多く、なかなか美術館にたどり着かないかも(笑)

目移りするほど、おしゃれで美味しいカフェが多いのも「奥渋」人気を支えています。美術館の帰りにどこによるかを選びながら歩くも楽しいかも。

また地名の「渋谷」が示す通り、谷の底にある渋谷駅から道玄坂をのぼっていくのとは違い、こちらは平坦な歩きやすい道なので距離を感じさせません。時間に余裕のある時は、必ずこちらのルートからBunkamuraザ・ミュージアムへ行くようにしています。いまでは、お気に入りのお店も何軒も出来すっかりお気に入りのルートになっています。

近くには、他に戸栗美術館や渋谷区立松濤美術館もあり一日かけてのんびりこの辺を散策するのもお勧めです。そして帰りは逆に雑多な雰囲気がたまらない渋谷円山町方面から渋谷駅へ向かうのも面白いですよ。

代々木公園駅から東急文化村までの道すがら、ちょっと横に入ったところにあるのが戸栗美術館です。同館は創設者戸栗亨氏が蒐集した伊万里、鍋島などの肥前磁器や東洋陶磁を中心に約7000点を所蔵、公開しています。

東急文化村から徒歩5分ほどの場所にある渋谷区立松濤美術館。住宅街に溶け込むように設計された、建築家・白井晟一氏による建物の佇まいが素敵です。

 

Bunkamuraザ・ミュージアム <http://www.bunkamura.co.jp/museum/>

戸栗美術館 <http://www.toguri-museum.or.jp>

渋谷区立松濤美術館 <http://www.shoto-museum.jp>

この他にも、これからの季節、てくてく散歩がてら歩いて行ける美術館ルートをあげておきますね。

・根津美術館→実践女子学園 香雪記念資料館→國學院大學博物館→山種美術館

2012年に「青山美術館通り」が開通し、直線距離で1km足らずの根津美術館と山種美術館が直線道路で結ばれました。また途中にある実践女子大学に香雪記念資料館が2014年4月にオープンしました。目の前にある國學院大學博物館共に無料で入れるミュージアムです。お天気の良い日を狙って一度このルート歩いてみましょう。他にも意外な発見があるはずです。

根津美術館 <http://www.nezu-muse.or.jp/>

実践女子学園 香雪記念資料館 <http://www.jissen.ac.jp/kosetsu/>

國學院大學博物館 <http://www.kokugakuin.ac.jp/oard/index9.html>

山種美術館 <http://www.yamatane-museum.jp/>

・畠山記念館→松岡美術館→東京都庭園美術館

都営浅草線、高輪台駅が最寄駅の畠山記念館と、東京メトロ・都営三田線、白金台駅が最寄駅の松岡美術館と東京都庭園美術館をハシゴするのは路線的には乗り換えの手間など考えると不便で時間もかかりますが、実は歩いてしまうとまさにあっと言う間です。車の往来を気にすることなく閑静な住宅街を歩くと、知らない街を訪れたようなプチ旅人気分も味わえます。また東京は如何にアップダウンが多い地形だということもこのルートを歩くと実感出来、「ブラタモリ」気分も同時に愉しめます。

畠山記念館 <http://www.ebara.co.jp/csr/hatakeyama/>

松岡美術館 <http://www.matsuoka-museum.jp/>

東京都庭園美術館 <http://www.teien-art-museum.ne.jp/>

・東京国立近代美術館

地下鉄東西線、竹橋駅が最寄駅の東京国立近代美術館ですが、日曜、休日は竹橋の駅ビルが休業日になるため、カフェすら無くなってしまう「陸の孤島」と化します。そんな日だけでなく、平日でもお勧めなのが東京駅からのルートと神保町駅からのルートです。前者は皇居のお堀に沿って緑を楽しめる自然派向きルート(皇居の中を通り抜けるという上級テクニックもあります)、後者は古本の町からお洒落なビストロや餃子の名店を満喫するコースです。自分は最近、神保町コースにどっぷりハマっています。展覧会だけでなく、美味しい料理や買い物も楽しめます。

東京国立近代美術館 <http://www.momat.go.jp/>

重いコートもいらない、街歩きにぴったりの季節になってきました。いつもと違った徒歩ルート一度試してみて下さい。春は新しい出会いの季節です!

Tak

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美術blog「青い日記帳」主宰。『カフェのある美術館』(世界文化社)『美術展の手帖』(小学館)編集。『フェルメールへの招待』編集・執筆。ぴあ、goo連載。『文藝春秋』書評寄稿など、各種講演・執筆活動など、幅広く活躍中。

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