アート

東大寺と東北の深いつながりに思いを馳せて『東大寺と東北 復興を支えた人々の祈り』東北歴史博物館

東日本大震災から7年。今もなお被災地では皆が一丸となって、東北の再生と発展に向けて全力で復興に取り組んでいます。こうした災害は東北に限ったことではなく、先日も大阪で大きな地震があったばかりです。熊本地震の被災地が癒えるのにもまだまだ時間がかかりそうです。

地震だけでなく、日本は台風や火山活動によるものなど、大きな自然災害に見舞われることが多い国であり、そうした災害や災禍と向き合い、助け合ってきたのが、日本人の歴史のもうひとつの側面といえるでしょう。

現在、宮城県多賀城市の東北歴史博物館において、東日本大震災からの復興を祈念する『東大寺と東北 復興を支えた人々の祈り』が開催中です。本展は多賀城市と友好都市関係にある奈良市の名刹、華厳宗大本山東大寺の特別な協力により開催されています。

東大寺と東北の共通点。それは「復興」

東日本大震災の際、仙台港に近いとはいえ海に面している場所ではなく、ほとんどが工場やマンションなどの市街地となっている多賀城市にも、砂押川や道路を川として遡上する津波が押し寄せました。多賀城はいまから1000年前の貞観地震(869年・貞観11年)でも、当時、陸奥の国府だった多賀城に津波が押し寄せた記録があります。

奈良時代に創建された東大寺もまたその長い歴史において、二度にわたる災禍に見舞われ、大仏(盧舎那大仏)や伽藍が焼失しており、そのたびに復興が行われました。鎌倉時代の平重衡による「南都焼討」(1181年・治承4年)の際には重源上人が中心となって復興を成し遂げました。

国宝 重源上人坐像 東大寺蔵 5/29~6/24 画像提供:奈良国立博物館 撮影:佐々木香輔

戦国時代には再び奈良が争乱の舞台となり、「東大寺大仏殿の戦い」(1567年・永禄10年)により、中心伽藍のほとんどが焼失。大仏は百年以上も雨ざらしのままとなりました。江戸時代に入り、その姿を嘆いた公慶上人が全国を勧進し、多くの人々の力を得ながら再興が実現しました。

重要文化財 公慶上人坐像 東大寺蔵 画像提供:奈良国立博物館 撮影:森村欣司

その復興は新たな文化や歴史をも創造し、人々に勇気と希望を与えてきたそうです。こうした東大寺の復興に大いに関わりがあったのが東北でした。本展ではそうした東北と東大寺の深いつながりも大きな見どころとなっています。

東北初!! 東大寺の寺宝を一堂に公開

東大寺の寺宝が東北で一堂に会するのは初めてのことだそう。
東日本大震災の復興に取り組んでいる東北のためにと、東大寺の特別協力によって実現したそうです。

東京でもなかなか見ることができない寺宝を見られること間違いなし!!

国宝 誕生釈迦仏立像及び灌仏盤 東大寺蔵 画像提供:奈良国立博物館 撮影:佐々木香輔

国宝17点、重要文化財25点—貴重な寺宝や史料を公開

東大寺が大切に伝えてきた寺宝を中心に113件・約170点を展示。
このうち、国宝は東大寺の復興を語るうえで欠かせない「重源上人坐像」をはじめ8件17点、重要文化財は「公慶上人坐像」など21件25点ほかと貴重な寺宝を見ることができます。

こちらの作品《国宝 金銅八角燈籠火袋羽目板》は、記者会見に参加した時に本物を早くみたいなと思った作品でした。本物を見た瞬間、予想以上にきめ細かいところまで表現されていました。ぜひ多くの人に本物を間近で見てほしいです。

国宝 金銅八角燈籠火袋羽目板 東大寺蔵 画像提供:奈良国立博物館 撮影:森村欣司

2017年10月に東京で行われた記者発表会の様子

復興とつながりを重視した構成

東大寺の盧舎那大仏造営には陸奥国小田郡(現在の宮城県)で産出した金が用いられ、東大寺と東北のつながりが創建当初から認められます。鎌倉時代、江戸時代の復興も東北とのつながりがあり、東大寺と東北との関係を構成に盛り込んでいることが本展の大きな特長です。

砂金 涌谷町黄金沢採取 涌谷町教育委員会蔵

まるで兄弟みたいな阿弥陀如来

さて、私の中で一番印象に残った作品はこちら。二つ並んでみることができるのはまれだそう。

二つ並ぶと兄弟みたい。とっても可愛いなあと思わず長い間立ち止まりました。

重要文化財 五劫思惟阿弥陀如来坐像 東大寺蔵 画像提供:奈良国立博物館 撮影:森村欣司

重要文化財 五劫思惟阿弥陀如来坐像 五劫院蔵 画像提供:奈良国立博物館 撮影:森村欣司

東大寺の再建・復興の歴史を知ることで、東北の人々に勇気を与えてくれると思います。
私のふるさと、東北の一日も早い復興を願いつつ、これからもできることをしていきたいなと思いました。

また、「忘れない」ということも大切だなと思った展覧会でした。

多賀城出身 千葉雄大さんがナビゲーターに!

女性に大人気!!多賀城出身の千葉雄大さんが音声ガイドのナビゲーターに!!
分かりやすく見どころを解説してくれます。

半券で「日本三景 松島」も堪能って?

6月24日まで日本三景である松島の観光名所である「福浦橋」「観爛亭」が入館料無料になります。贅沢な特権です。多賀城の他にぜひ松島にも立ち寄ってみてください。

日帰りでも楽しめる場所、宮城県。今週末が最後のチャンス、多くの方にご覧いただきたい展覧会です。ぜひ小旅行に出かけてみてはいかがでしょうか。

【展覧会情報】

展覧会名:『東大寺と東北 復興を支えた人々の祈り』
開催場所:東北歴史博物館(宮城県多賀城市)
開催期間:2018年4月28日(土)~6月24日(日)
開館時間:9:30~17:00(発券は16:30まで)
休館日:毎週月曜日
観覧料金:
一般1,500円(1,400円)
シルバー(65歳以上)1,300円(1,200円)
小・中・高校生600円(500円)
※かっこ内は20名様以上の団体

Rika

Rika

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小さい頃から美術館が好きで、年間100以上の展覧会へ足を運ぶ。特に好きなジャンルは琳派。日本の伝統的なもの(芸術・文化・祭り・芸能・工芸など)が好きで、全国各地の魅力を発掘中。現在、旅サイト、美容雑誌、ファッション雑誌などの公式ブロガーとして活動中。

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