平野つぼみ -香盆彩-

植物の声に耳を傾け、記憶や感情を形にするアーティスト・平野つぼみさん。イロハデコール代表として、空間装飾や作品づくりを通じ、「今ここにある感情を形にする」ことをテーマに活動を続けています。

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― アーティストとして大切にしているテーマやコンセプトを教えてください。
私が大切にしているのは、「今この瞬間の感情を形にする」ということです。 植物が持つ生命の気配や、空間を包み込む静かさや穏やかさを感じながら、人と自然を、そして過去と現在の記憶をつなぐことを意識しています。

株式会社ローズガーデンカンパニー代表取締役 /
空間装飾ブランド「IROHAD’ECOR(イロハデコール)」を主宰し、植物を使った空間装飾クリエイターとして
商業施設や住宅、イベント空間などにおいて、香り・色彩・植物・配置のバランスを用いて、感性に働きかける空間づくりを行っています。
単なるインテリアとしての装飾ではなく、「空間のパフォーマンスを上げる装飾」や「今ここにある感情を形にする」ことをテーマに、作品づくりや空間演出を実施しています。

―今回「Flower展」に出展された作品のコンセプトや制作意図を教えてください。
今回の作品では、ドライウッドとドライフラワーを用いた盆栽ディフューザーを制作しました。盆栽が象徴する「削り落とし美」と、香りによって呼びさまされる心の記憶を大切にしています。そして花と調和することで五感全体で「心に咲く花」を感じられるように仕上げています。作品づくりの過程では、素材を持つ自然な美しさと、想い出や感情がその空間で共鳴する時間を大切にしました。


―作品を通して伝えたいメッセージは何でしょうか?
「心の景色を見つめ直して」ということです。 香りと花が広がった瞬間に、自分の中の景色や想いが穏やかに素直に立ち上がり、心を穏やかに包んでくれる――そんな体験を届けたいと願っています。


平野つぼみさんのお話から感じたのは、作品に込められた静けさの奥にある「植物と心を結ぶ眼差し」でした。会場で香りと花が織りなす空間を体感して頂ければと思います。