楽器が弾けなくても作曲家になれる!〜ソングメーカーとコンポーザー〜デジタルネイティブ世代向けのICT教育アプリをご紹介①

今、小中学校のICT授業やパソコン教室で使われているアプリやデジタル教材には、子どもたちが楽しく学べるアイデアがたくさん詰まった教材がたくさんあります。

現在、小中学校のICT支援の仕事をしている筆者が、子供達だけが楽しむのではもったいない!大人も無料で楽しめるデジタルコンテンツをご紹介します。

小中学生の子どもを持つ親御さんはもちろん、パソコン初心者やなにか新しいことをはじめてみたい方にもおすすめです。

だれでも作曲家!Song Maker - Chrome Music Lab

今回ご紹介したいのはデジタル音楽教材。

1つ目は、Googleが開発した音で遊ぶツール「Chrome music LAB( クロームミュージックラボ」の中にある無料サイトのひとつ「Song Maker(ソングメーカー)」です。

トントンと画面をタップしていくだけで誰でも簡単に曲を作ることができます。いわゆる『打ちこみ系』音楽アプリです。

使い方は簡単、Google Chromeのブラウザからソングメーカーにアクセスするだけ。ユーザー登録やアプリのダウンロードも必要ありません。

まずはページにアクセス!

Song Maker:https://musiclab.chromeexperiments.com/Song-Maker

Song Makerのページにアクセスすると最初に表れるマス目のような初期画面。

このマス目のひとつをタップすると色がつきます。

これが音符の代わりとなり、左下の再生ボタンで音が出ます。

基本はたったこれだけ。

ソングメーカーのメイン画面、直感的に操作できます

デフォルトは4分の4拍子、低いドから2オクターブ分のマス目が設定されています。

音楽用語を意識せずとも、画面をトントンとタップするだけで絵を描くように自由に曲が作れます。

もちろん和音もできます。

音を鳴らしながら曲が出来上がっていくので、耳コピでも作りやすい。 

「きらきら星」を打ち込んでみました

画面右下の歯車マーク(Settings)をタップすると各種設定ができます。

曲の長さや音階を自由に変更できます

Length(小節の数)=1〜16小節
Beat per bar(1小節説あたりの拍数)=2〜7拍子
Spirit beat into(1拍あたりの音の数)=1・2・3・4分割
Major(音階)=Major(長音階)・pentatonic(五音音階)・chromatic(半音階)
Start on(調性)=始まりの音と高さ
Octove(音域)=1〜3オクターブ

「Chrome music LAB( クロームミュージックラボ」には、今回ご紹介したソングメーカーをはじめ、12種類の音楽アプリが無料で楽しめます。ぜひお試しください!

楽譜が書ける!読めるようになる!Composer(コンポーザー)

つづいてもう一つ、こちらも音楽WEBアプリ「Composer(コンポーザー)」です。

コンポーザーとは「作曲家」という意味。だれでも簡単に五線譜に楽譜が書けるアプリです。高品質のオンライン教材を無料提供しているToy Theaterというサイトの中にあります。

さっそくアクセスしてみましょう。

Composer:https://toytheater.com/composer/

4分の4拍子の5線譜が描かれたコンポーザーのメイン画面

使い方は簡単、画面に並んでいる音符を5線の上にのせていくだけ。4拍分の音符か休符が並ぶと自動的に次の小節にうつります。

再生ボタンを押せばいつでも5線譜どおりのメロディを聞くことができます。

こちらも英語表記のため、音符を5線に並べると、ドならC、レならDとアメリカ式の音階が表示されます。(ちなみにドレミ・・・の読み方は『イタリア式』と呼ばれています。)

せっかくなので、音符に関わる英語表記も簡単にご紹介しておきます。

音符のことを『musical note』といいます。ここでは複数形で『notes』と表記されています。

以下、ここで出てくる音符(NOTES)の表記は下記のとおりです。

全音符=whole note
2分音符=half note
4分音符=quarter note
8分音符=eighth note
16分音符=sixteenth note

休符のことは『musical rest』といいます。複数形では『rests』です。前出の音符の英語表記とrestの単語を覚えていればわかりますね。

全休符=whole rest
2分音符=half rest
4分音符=quarter rest
8分音符=eighth rest
16分音符=sixteenth rest

臨時記号『accidental』

シャープ(半音上げる)やフラット(半音下げる)などの臨時記号は『accidental』といいます。
シャープ(半音上げる)=sharp
フラット(半音下げる)=flat
ナチュラル(もとに戻す)=natural

言葉で説明してもなかなか伝わりにくいですが、実際に音符と記号を並べて音に出してみると、「半音上げる」「もとに戻す」というのが一目瞭然ならぬ「一聴瞭然」!

「ソ」の音は「G」と表示されます

【▶】再生ボタンを押せば目と耳の両方で音を確認できます。

一度五線紙上に並べた音符はドラッグしていつでも変更可能。位置を動かすたびに音階が更新されるので、楽譜がすらすら読めちゃいます。

音楽を楽しむデジタルツールをもっと手軽に!

実際の小中学校の授業では、先生があらかじめ作成したシンプルなメロディの上に、子どもたちが旋律を書き足したり、テンポや楽器を変えることで曲調が変わることを体感したり。五線譜が読めなくても楽器が扱えなくても音楽を楽しむことを学んでいます。

音符を並べて音を奏でているうちに、知らず知らずに楽譜の読み方のルールも理解できます。

急速なデジタル化でややもすると取り残されそうな大人を尻目に、デジタルネイティブ世代の子ども達にとって、ICTを基盤とした先端技術を使うことは、鉛筆で紙に絵を書くような、口笛で音を奏でるような、自然で当たり前のこと。学校から与えられたタブレット端末を実に軽やかに柔軟に使いこなしています。

おわりに

ICTはあくまでも学習や生活を補助する道具のひとつ。鉛筆やノートのように自分の考えを表現する力や、自らモノを作り出す想像力を養うためのツールのひとつです。今回は楽器がなくても演奏できる、五線紙がなくても楽譜が書ける音楽系WEBアプリをふたつご紹介しました。

タブレット端末だけでなく、おうちのパソコンやスマホでも無料で操作可能。今まで楽器や音楽に触れる機会がなかった大人もこの機会にぜひ!

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