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天空で食すダ・ヴィンチ「最後の晩餐」。アートに浸れる優雅なアフタヌーンティー

「アフヌン」「ヌン活」という言葉をご存知でしょうか?アフヌンとは、アフタヌーンティーを表し、ヌン活とは、アフタヌーンティーの活動をさします。どちらも高級ホテルのラウンジやカフェで、ゆったりとアフタヌーンティータイムを楽しむ言葉で、近年ではヌン活女子が急増しているようです。

今回は、レオナルドダ・ヴィンチやアートが好きな方、ホテルでの優雅なティータイムが好きな方にオススメしたい、他とは一味違うアフタヌーンティーをレポート形式でご紹介します。

ラグジュアリーホテルにある「芸術家のアトリエ」

今回、アフタヌーンティーのために訪れたのは、東京都港区に位置する、メズム東京オートグラフコレクション。メズム東京は、2020年4月、東京湾を目の前にしたウォーターズ竹芝・タワー棟にオープンしたラグジュアリーホテルです。16階にあるバー&ラウンジ「Whisk(ウィスク)」は、芸術家のアトリエをコンセプトにした空間デザインやメニュー展開が行われています。また、緑豊かな庭園やベイエリアを眺めることのできるロケーションにあります。

高い天井や広々とした空間、そして窓の外に広がる眺めは、アフタフーンティーをいただく前から、優雅な非日常へと誘われていきます。都会の真ん中にある、芸術家のアトリエのような空間は、華やかに五感を刺激します。都内でも優雅なアフタヌーンティーを提供するホテルが増えていますが、コンセプト、眺め、そしてメニュー、どれをとっても他にはない空間に思えます。

アフタヌーンエキシビション「最後の晩餐」

メズム東京のアフタヌーンティーは「アフタヌーンエキシビション」と名付けられ、今回のエキシビション内容は、チャプター8「サパー(Supper)」レオナルド・ダ・ヴィンチの最後の晩餐がテーマとなっています。最後の晩餐は「裏切り者を探している描写」といわれています。一体どんなフードが出てくるのかと待っていたのですが、少し意外な雰囲気でした。

ウィトルウィウス的人体図モクテル

まず最初に運ばれてきたのは、レオナルド・ダ・ヴィンチの食生活を表現した、グリッシーニと野菜モクテル

グリッシーニの生ハム巻きがとても美味しく、ドライすぎないグリッシーニの食感と、生ハムの塩味のバランスが後を引きます。思わず続けて口に運んでしまい、気づいたらペロリと完食していました。

モクテルとは、ノンアルコールドリンクのこと。今回の野菜モクテルは、レオナルド・ダ・ヴィンチが理想としていたボディープロポーション「ウィトルウィウス的人体図」が描かれています。ふわふわの見た目からは想像もできないフレッシュマンゴーやパイナップル、そして軽やかな野菜の風味を感じます。想像よりもすっきりしていて、爽やかで美味しいドリンクでした。

ドリンクとフードの美味しさに感化され、メインスイーツに向けて期待が高まります。

最後の晩餐は見た目より優雅な味わい?

次に煙と一緒に運ばれてきたのは、最後の晩餐に描かれている「十二使徒とキリスト」からインスピレーションを得た、13種のスイーツとセイボリーです。最後の晩餐なだけあり、カラフルな華やかさはありません。しかし、一つ一つテーマが授けられており、想像以上の味わいの深さに驚きました。

メニュー表の左側上から順に・・・

上段
・コヤブのレモンシャーベット
・ユダのチョコサンド
・ヨハネのレバニ
・トマスのクルフィ
・フィリポのキュネフ
・タダイのティラミス

下段
・パルトロマイのハマンタッシェン
・アンデレのミートパイ
・ペテロのマリトッツォ
・イエスのパンド・カンパーニュ
・大ヤコブのタルタ・デ・サンティアゴ
・マタイのピッツァ・マルゲリータ
・シモンのマハラベイヤ

本当にどれを食べても美味しく、期待を裏切りません。甘味、塩味、濃厚さ、爽やかさ、初めて味わう食感のそれぞれを、ゆっくりと堪能しました。王道のピッツァやミートパイも可愛いミニサイズ。ローマの伝統菓子マリトッツォやマスカルポーネを使った本格ティラミスも、パクッと食べられる一口サイズです。

印象的だったのは「キュネフェ」という、トルコの伝統的な焼き菓子の食感。とても軽いサクサクと響く音がクセになります。また「ハマンタッシェン」というイスラエルのクッキーも、どことなくオリエンタルな印象があり「もう一つ食べて確かめたい!」と思ってしまいました。

樽の香りが広がる「ノンアルワイン」

ペアリングされたのは、赤ワインのモクテルと、白ワインのモクテル。もちろんノンアルコールなのですが、わかっていても確かめたくなる本物のような味わいと香り。赤ワインモクテルも、白ワインモクテルも、風味豊かで樽の香りを思わせる余韻が感じられます。

アフタヌーンティーでは、ポットティーやコーヒーをたっぷり頂くイメージでしたが、メズム東京のアフタヌーンエキシビションでは、美味しすぎるモクテルに出会いました。

シーズン毎に変わるアーティストとテーマ

2023年5月現在は、最後の晩餐・サパーがメインテーマとなったエキシビション(第8弾)が行われていますが、以前伺った際は、クロード・モネの代表作の一つでもある「散歩・傘を差す少女」がテーマでした。

この時のスイーツとセイボリーも、想像していたよりはるかに豊かな風味や食感に感動したのを覚えています。モクテルと同様に、いい意味で期待を裏切ってくれる美味しさでした。

ラグジュアリーで非日常的な時間を過ごし、美味しいもので満たされるアフタヌーンティーは、イギリス貴族が楽しむティータイムが起源と言われています。都内でも優雅なアフタヌーンティーを提供するホテルが増えていますが、メズム東京で過ごした時間は、アートやアーティストの背景にひたることができ、そして実際に舌で味わう、他にはない五感を満たしてくれるものでした。

リラックスや充足感を得られるのはもちろんですが、芸術家や作品の背景にまで想いを馳せることができる、美味しく豊かな時間となりました。アフタヌーンエキシビションは、シーズン毎にテーマや作品が移り変わっていきます。「最後の晩餐」や「レオナルド・ダ・ヴィンチ」に興味がある方、美味しいものが大好きな方には、是非一度足を運んでいただきたい場所となりました。

基本情報

メズム東京、オートグラフ コレクション
東京都港区海岸1-10-30
03-5777-1111
Whisk ホームページ:https://www.mesm.jp/eat-drink/whisk.html
メズム東京 Instagram:https://www.instagram.com/mesmtokyo/
メズム東京Twitter:https://twitter.com/mesmtokyo

“TOKYO WAVES” アフタヌーン・エキシビジョン チャプター8『サパー(Supper)』詳細
提供期間:2023年4月17日(月)~2023年7月28日(金)の平日限定
提供時間:平日1日24食限定 14:00 ~ / 14:30 ~ / 15:00~ / 15:30~
提供場所:メズム東京16階 バー&ラウンジ「ウィスク」
料金:5,800円 (消費税・15%のサービス料込み)
予約はこちらのリンクから(※前日17:00までに要予約)

SAiCO

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よく食べよく笑うヘルシーなマルチクリエイター。日常の中にある「なんとなく気になること」や 「心地よさ」を大切にしたライフスタイルを持ち、インドではヨガや瞑想、その他の国では現地の文化、そして現在も他方面へ学びを深めている。その多様な経験を活かし、都内を中心にヨガ講師、エシカルライターとして活躍の場を広げる。好きな言葉は「美味しい!」

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