神戸在住の書道家・野上恵子さん。書と絵を融合させ、着物姿の猫などユニークなモチーフの作品を屋内で発表。海外でも多くの出展経験あります。
―これまでの主な個展やグループ展、受賞歴についてご紹介ください。
銀座、大阪、神戸といった国内だけでなく、台湾のギャラリーとも契約していて毎年個展を開いています。その他、フランス、スペイン、オーストラリア、アメリカでも出展経験があります。来年はメルボルンでも展示予定です。
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神戸在住の書道家。 |
―作品制作に関して特に意識した点や工夫した点はありますか?
「おいにゃん道中」では、猫の絵の周りにシャボン玉のような水玉模様を描きました。 これは、作品に軽やかさと遊び心に加え、日常の小さな幸せやふんわりとした空気感を表現したいという思いからです。 また、岩絵具と墨を使って質感に変化を持たせ、文字(夏目漱石の「我輩は猫である」)を必ず作品に入れることで物語性を演出しています。猫のかわいらしさだけでなく、着物の姿と余白の配置で人間的な美しささやかでも描きました。全体を塗りつぶすのではなく、余白を残すことで「空間の美しさ」を追求しています。
―アート以外で影響を受けているものや、趣味はありますか?
マラソンが趣味で、毎日ランニングをしています。その最中にアイデアが浮かんでくることが多いんです。街の景色や空気を感じながら創作のヒントを得ています。
野上さんの作品は、見る人の日常に小さな驚きと癒しをもたらしてくれます。書道の伝統と現代的な考え方が融合したアート作品を「Flower展」で楽しんでみてはいかがでしょうか。