みなさんは「青森」といえば一体何を思い浮かべますか?りんご、ねぶた祭り、弘前城、はたまた大間まぐろでしょうか?きっと、魅力溢れる観光スポットやご当地グルメが並ぶのではないかと思います。今回ここでは青森県の絶景スポットを独断と偏見でお届けします。いずれも自然の美しさとともに楽しめる青森の魅力的な絶景スポットばかりで、心打たれること間違いなしです。青森への旅の選択肢の一つに入れていただければ嬉しい限りです。

【大間越の鳥居とお社】海にせりだすニッチな絶景パワースポット

大間越(おおまごし)から港方面を眺める

秋田県との県境近くに位置する大間越。

断崖絶壁の海岸線が続き、長年、日本海の荒波が大地を侵食し続けてきたのが見て取れるようなロケーションです。美しい海、岩場、そして豊かな緑のコントラストが絶景を織りなします。

大間越の西側には日本海、東側には津軽国定公園の白神山地、北側には津梅川や大間港、JR五能線大間越駅また、南側には福寿草公園にもなっている大間越関所跡、知る人ぞ知る夕陽の美しいビーチ、大間越 影の浜があります。風光明媚で独特の風景が広がります。

大間港に大きな船が出入りするのと、藩境の峠があることから、このエリアは、大間越という地名が付けられたといわれています。

江戸時代には秋田藩と弘前藩の境界の地で、交通や産業の要所であり、弘前藩の参勤交代路でもありました。そのため、1618年に境界線紛争が勃発し、両藩から役人がこの地を訪れ、境界線を決めたという歴史もあります。

断崖絶壁に佇む大間越の鳥居とお社

そんな大間越でぜひ訪れてほしいのが、断崖絶壁の上に立つ真っ赤な鳥居とお社です。国道101号から一本海側の道を進んだ場所にあるのですが、道幅もさほど狭くなく、比較的アクセスしやすいのでご安心を。ただし、専用の駐車場はありません。

由緒創建や御祭神などの詳細は不明ですが、この地域を見守ってくれているかのように、高台に佇んでいます。ぜひ青森県を訪れる際には少し足を伸ばして訪れてみてほしい、ニッチな絶景パワースポットです。

住所青森県西津軽郡深浦町大間越

【驫木駅】寅さんのロケ地にもなった秘境の絶景無人駅

青い海と空そしてレトロな駅舎の驫木駅(とどろきえき)

驫木駅は青森県西津軽郡深浦町大字驫木字扇田にあるJR五能線の無人駅。五能線は秋田県の東能代駅から青森県の川部駅を繋ぐ全長147.2kmの路線を、10本前後の列車が運行する路線です。

五能線の名前の由来は五所川原と能代を結ぶ路線というものでしたが、実際は川部から五所川原を通り、能代へ抜けます。

その歴史は古く、秋田側では1908年に開業した能代(現在の東能代)と 能代町(現在の能代)間で始まり、能代線と命名されました。一方青森側では、1918年に私鉄の陸奥鉄道が奥羽本線に連携する鉄道を川部と五所川原間で開業しました。

日本海側を通り能代と五所川原を結ぶ鉄道は能代側は能代線の延長として、五所川原側は陸奥鉄道の延長として五所川原線として建設が進められ、昭和時代に建設が一時中断したこともありましたが、1936年に五能線と名付けられ、陸奥岩崎駅と深浦駅間で全線が開通しました。

驫木駅は1934年に開業し、1987年に国鉄の分割民営化のため、JR東日本管轄の駅となりました。レトロな駅舎は見た目を裏切らず、長い歴史を持っているのです。

また、ここは映画「男はつらいよ 奮闘篇(第7作)」のロケ地としても有名です。さくらに扮した倍賞千恵子が列車を降りて入る駅舎が驫木駅。ホームに降り立つと、そこには誰もおらず、ただただ目の前に美しい日本海の風景が広がります。榊原るみが粉する太田花子も、この驫木駅出身という設定で登場します。

単線単式のホームから溢れるローカル線の雰囲気

駅舎は、1951年(昭和26年)に建てられました。日本海に面し、風光明媚な風景が広がります。

五能線は全線が非電化路線で、送電のための電柱や電線がありません。これもこの地の美しい風景の要素の一つであるといえるでしょう。

駅舎内には「驫木駅思い出ノート」があり、ここを訪れた人が自由に思いを綴ることができます。ホームの北側には、日にちごとに夕陽が見える方角の記されている「夕焼け歴」もあり、夕陽の絶景スポットとして人気を博しています。

車で10時間以上かけこの地に辿り着くと駅舎と海の青い風景が広がり、感動と興奮に包まれました。

1日に数本という貴重な列車

ローカル線のため列車の本数は少ないのですが、このノスタルジックな駅舎と美しい海岸線を走る列車の共演をこの目に収めたい一心で、波音を聴きながら待ちました。心を癒すプライスレスな風景が広がり、時間さえ忘れてしまいます。

日本海に沈む夕陽と駅舎の風景

ちょうど訪れた時期がよかったのか、夕方の運行と夕暮れの時間が重なり、夕焼けの中走り去る列車もみることができました。

心が癒される美しさの夕陽

いずれの交通機関を使っても多少時間を要すかとは思いますが、苦労の末訪れ甲斐のある感動の絶景がここにはあり、訪れる人の足が途絶えません。

住所青森県西津軽郡深浦町驫木扇田
JR東日本https://www.jreast-timetable.jp/timetable/list1058.html
※五能線の時刻表などは、JR東日本のウェブサイトで確認できます。

【高山稲荷神社】千本の鳥居と四季折々の美しさが楽しめる織りなす魅惑のパワースポット

境内案内図

まるでトンネルのように真っ赤な鳥居が丘陵の境内に立ち並び、圧巻の光景を放つことで有名な「高山稲荷神社」。

その創建は定かではありませんが、歴史は古く鎌倉時代から室町時代にかけて陸奥で勢力のあった安藤氏が由来といわれています。

中世の宗教遺跡という意味をもつ「三王(山王)坊山」と称され十三宗寺が立ち並び、祈願所として栄えましたが、1440年頃に焼き討ちにあい、喪失したといわれています。その後、1710年には赤穂藩の藩主「寺坂三五郎」が弘前城に流浪した後、鯵ヶ沢に移り住み、赤穂屋という醸造業を営み栄えました。その時お告げを受け、稲荷神社を建立し、高山稲荷神社のはじまりといわれています。

五穀豊穣のご利益があるとされる宇迦之御魂命(うかのみたまのみこと)、厄除けや交通安全などさまざまなご利益があるとされる佐田彦命(さたひこのみこと)、そして家内安全、家族和合などのご利益があるとされる大宮能売命(おおみやめのみこと)の三柱が主祭神として祀られています。

拝殿へ続く参道

真っ赤な大鳥居をくぐり、境内に入ります。参集殿の右手から山道の階段を登っていくと左手に荘厳な雰囲気が漂う拝殿があります。

鳥居の向こうは龍神宮

さらに階段を上ると龍神宮があり、風光明媚な景観を見せてくれます。さらにその左手に目を向けると、高山稲荷神社のシンボル的存在、千本鳥居が丘の上まで続いています。真っ赤な鳥居のトンネルのような参道を進んでいくと、頂上に神明社が鎮座しています。

千本の鳥居が織りなす絶景

その前にある展望スポットからは眼下にまるで異次元の世界に迷い込んだかのような風景を眺望できます。ちょうど桜の時期に訪れたので、美しい風景を見ることができましたが、夏は新緑、秋は紅葉そして、冬は雪と四季折々の美しさと鳥居が織りなす境内の美しさを楽しめます。

このほか、広い境内には数多くの参拝スポットがあるので、散策しながらお参りができます。また社務所では御朱印やお守りなどもあるので、参拝の証にいただいてみてはいかがでしょうか?

住所青森県つがる市牛潟町鷲野沢147−1
高山稲荷神社HPhttps://takayamainari.jp/
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