岩や渓谷、山の合間を流れ落ちる滝は、視覚・聴覚ともに癒しを与えてくれ、心も身体もリフレッシュできる癒しのスポットですね。自然の中でマイナスイオンをたっぷり浴びることができます。山々に囲まれた群馬県にはたくさんの滝があり、観光客やトレッキング、ハイキングに訪れる人が少なくありません。ここでは、滝の豆知識とともに、群馬の滝をシリーズでご紹介していきます。観光やリトリートの参考にしてみてくださいね!

自然を体感し感性を高めてくれる滝

滝近くにはマイナスイオンが溢れる

滝は、川や湖などの段差を水が落下していく場所のことで、瀑布(ばくふ)や飛瀑(ひばく)とも呼ばれています。

自然豊かなスポットなので、観光や散策に人気がありますが、滝には癒し効果もあるため、リトリートできる場所としても注目を浴びています。

滝の近くにたくさんのマイナスイオンが発生するのは、水の分子が岩などにぶつかり、空気の分子からプラスの分子がなくなり、マイナスの電気だけとなるため。これを「レナード効果」と呼びます。そのため滝近くにはマイナスイオンが存在しているといわれています。

マイナスイオンの効果には諸説ありますが、滝のそばに身を置き、音をしばらく聞いていると、身体が自然と一体化し、心地良さを感じリラックスできることは確かです。

群馬の美しい滝

ここからは、群馬の美しい滝をご紹介していきましょう。比較的行きやすいところばかりなので、滝初心者でも気軽に鑑賞を楽しめます。また、駐車場も完備されているので、車で気軽に足を運べます。

渋川市 棚下不動の滝

駐車場近くに鎮座する不動明王

渋川市赤城町の棚下地区にある棚下不動(たなしたふどう)の滝は、赤城山の噴火で流れ出た溶岩によって作られ、日本の滝百選にも数えられています。雄滝と雌滝があり、雄滝は近くで見ることができます。

無料の駐車場に車を止めると、近くには不動明王が鎮座しています。その脇の鳥居をくぐって舗装された遊歩道を歩いていくと、棚下不動堂があり、滝の音が聞こえてきます。滝はさらにその先の遊歩道を登っていきます。遊歩道を登っていくと、水が流れる音が徐々に大きくなり、雄大な滝が姿を表します。

棚下不動堂

こちらが高さ約37メートルを誇る棚下不動の滝。裏側から滝の流れを間近に見ることができるので、裏見の滝とも呼ばれています。

雄大な流れを見せる棚下不動の滝

滝の裏側の岩窟には奥之院と石仏が安置され、幻想的な雰囲気を放ちます。滝とともにお参りもできるパワースポットです。

住所群馬県渋川市赤城町棚下
アクセス関越自動車道赤城ICより約10分
渋川市観光情報(棚下不動の滝)https://www.city.shibukawa.lg.jp/kankou/kankou/midokoro/shizen/hudounotaki/p006748.html

安中市 仙ヶ滝

滝へ続く遊歩道

安中市松井田町の九十九川上流にある仙ヶ滝(せんがたき)は、かつてこの地域にあった松井田城が落城した際に、城主の娘「お仙」が身を投げたことから、その名前がつけられたといわれています。

山間の細い道を登っていくと2〜3台分の駐車場があり、そこから5分ほど遊歩道を歩くと滝へアクセスできます。道は勾配も少なく比較的整備されているので歩きやすいですよ。

遊歩道の先に流れ落ちる仙ヶ滝

水の流れる音とともに雄大な流れの仙ヶ滝が姿を表します。滝への入り口には石燈が建てられ、滝の裏側には石仏も祀られています。

高さ約15メートルの仙ヶ滝。水が美しい線のように流れ落ち、圧巻かつ幻想的な光景を放っています。

岩崖を流れ落ちる光景

石仏のある裏側の岩崖からも滝を見物できます。新緑や紅葉そして、冬には氷筍(ひょうじ)ができることもあるので、四季折々の自然とともに滝の流れを楽しめます。

住所群馬県安中市松井田町滝下
アクセス上信越自動車道松井田妙義ICより約17分
安中市(仙ヶ滝)https://www.city.annaka.lg.jp/page/2089.html

安中市 ︎麻苧の滝

遊歩道への入り口

仙ヶ滝と同じく安中市松井田町にある麻苧(あさお)の滝は、鼻曲山と鳩胸の間、信越本線横川駅の南西に位置します。断崖絶壁をまるで麻の簾のように流れ落ちることからこの名前がつけられたといわれています。古くから山岳信仰の修験場だったことで知られています。

無料の駐車場に車を停めて、碓氷川にかかる吊り橋を渡りアクセスします。一帯は麻苧の滝自然公園になっているので、トレッキングやハイキングも楽しめます。

少し傾斜のきつい遊歩道

滝へ続く遊歩道は少々アップダウンがありますが、滝から流れる水が川となっていて、自然を感じながら歩くことができます。七福神が祀られているので、幻想的な光景も楽しめますよ。

不動明王の石像が見えてくると、もう滝はすぐそこ。ここからは遊歩道がなく、沢沿いの岩を越えていきます。

こちらが高さ約40メートルの麻苧の滝。冬場は滝の水が凍り、氷瀑が見られます。また新緑や紅葉も美しく、四季折々の自然と雄大な滝の流れを楽しむことができます。

水が凍りついて氷瀑となる麻苧の滝
住所群馬県安中市松井田町横川
アクセス上信越自動車道松井田妙義ICより約10分
安中市(麻苧の滝)https://www.city.annaka.lg.jp/page/2108.html

中之条町 ︎大仙の滝

吾妻郡中之条町にある大仙(おおぜん)の滝は、白砂川上流の八石沢川の渓谷を流れ落ちる滝です。四万温泉と草津温泉の間に位置するこの一帯は、源頼朝や義経の従兄弟である木曽義仲に関わる伝説や民話が語り継がれています。のどかな雰囲気が漂う山村エリアです。

大仙の滝は世立八滝の一つで、周辺には八つの滝が近くに点在し、日本でも有数の滝群です。世立八滝のなかでは、初心者におすすめです。

野反湖へ続く国道405号沿いにある滝見ドライブインに車を停めて、整備された遊歩道を5分ほど歩くと滝に到着します。傾斜が少ないので、滝まで気軽にアクセスできますよ。

勢いよく流れ落ちる大仙の滝

こちらが高さ約20メートルの大仙の滝。美しいフォルムで、水量のある水が流れ落ちる光景は圧巻です。遊歩道の展望台から滝を鑑賞できますよ。

滝の真上には天狗神社が鎮座しているので、体力に自信のある人はぜひ訪れてみてくださいね。

住所群馬県吾妻郡中之条町入山滝見前
アクセス関越道渋川伊香保ICより1時間30分
中之条町観光協会(大仙の滝)https://nakanojo-kanko.jp/kuni/spots/世立八滝/

沼田市 ︎吹割の滝

のどかな沼田市利根地区の風景

沼田市老神エリアにある吹割(ふきわれ)の滝は、群馬・栃木・福島の県境の黒岩山を源流とする片品川にある群馬を誇る名爆で、東洋のナイアガラとも称されています。片品川の泙川(ひらがわ)から栗原川の合流点までの間に凝灰岩などで形成された吹割渓谷の落差を流れ落ちる滝です。

国道120号沿いを尾瀬方面に向かって車を走らせ、老神温泉を過ぎると、吹割の滝駐車場と売店の看板が目に飛び込んできます。

甌穴に流れ落ちる吹割の滝

高さ約7メートル、幅約30メートルの吹割の滝。甌穴の中に吸い込まれるように流れ落ちます。近くには、いくつか展望台がありますが、こちらは展望台六角堂からの眺めです。

滝を眺望できる展望台六角堂

春から秋にかけては、滝の周りを周遊できる遊歩道を散策できるので、間近で豪快な瀑布や浮島観音堂も見ることができます。冬場は積雪や凍結のため、遊歩道への立ち入りはできませんのでご注意くださいね。

吹割の滝つぼは、竜宮につながっているという伝説もあります。“村でお祝い事があると、膳椀を竜宮から借りていました。手紙を書いて滝の中に投げると、竜宮へ届き、必要な日の前日にはお願いした数の膳椀が岩の上に置かれて、借りたものを3日以内にお礼の手紙をつけて元の岩の上に置いておくと、いつの間にかなくなっているのです。しかし、ある年に1組だけ膳椀を返すのを忘れてしまうと、それ以降どんなにお願いしても全く貸してもらえなくなった。”そんな竜宮伝説のある滝です。

住所群馬県沼田市利根町追貝
アクセス関越自動車道沼田ICより約25分
沼田市観光協会(吹割の滝)https://www.numata-kankou.jp/fukiwarenotaki/

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