![世田谷美術館の「民藝 MINGEI―美は暮らしのなかにある」で、民藝のある暮らしがしたくなる!](https://rakukatsu.jp/wp-content/uploads/2024/05/f8f8f3698077282879cf658ed316573d.jpeg)
民藝とは何だろう?民藝が好きな人はもちろん、まったく知らない人でもその歩みを知りながら暮らしのヒントを得られる展覧会が、東京都・世田谷美術館で開催されています。デザインやインテリア、雑貨が好きな人はきっと楽しいはず。
この記事では、2024年4月24日(水)に開幕した「民藝 MINGEI―美は暮らしのなかにある」の様子をレポートします。
民藝(みんげい)とは
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民藝とは、約100年前に思想家・柳宗悦(やなぎむねよし)が説いた民衆的工藝を指す言葉です。
柳は暮らしのなかで使うものに美を見出し、「民藝」としてその価値を定義しました。そして、陶芸家のバーナード・リーチや河井寬次郎らと志をともにし、民藝の生産の仕組みづくりを試みたり、書籍を出版したりと、幅広い活動を通じて人々に民藝を伝えるための運動をしています。
まだ誰も見出していなかった暮らしの道具の美に注目し、「民藝」という美術品のジャンルをつくり上げた柳の手腕には驚くばかり。その独自の美意識や手仕事への関心は、現代を生きる私たちにとって大切なものだと、この展覧会は教えてくれるように感じられます。
民藝の歩みを紐解きながら、暮らしのなかの美に触れる。
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展示会場に入ると、目の前の風景に驚き!まるで家屋のようなセットに調度品や暮らしの道具が配置され、あたかも実際にあるどこかの家庭の空間のように見えます。これは、柳宗悦らが1941年に開催した民藝の展覧会「生活展」の再現を試みたものです。
ものを見せるのではなくて、空間を見せるためのモデルルームのような展示だからこそ、実際に暮らしのなかで使うイメージが湧いてきます。
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衣・食・住のテーマ別で楽しむ民藝の品々
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初めに衣食住の「衣」で紹介されるのは、装うための衣服。アイヌの人々が着る「厚司(アットゥシ)」や、青森のこぎん刺し、京都の伝統的な紬など、さまざまな民藝の衣服が見られます。
「食」では主に食器に焦点を当て、日本各地の窯で作られたやきものを紹介しています。どれも個性豊かで、味わい深い。色や形、質感や表現の違いに驚かされます。ここでよく見てほしいのは、それぞれのうつわの使用感。使うほどに手に馴染んでいくような風合いこそが、民藝の魅力です。
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「住」では照明や箪笥(たんす)、ストーブなど、暮らしを便利にするための道具が集合。同じ日本でも、気候や風土の異なる地域ではまったく違った民藝の品が生まれていることを、柳らは明らかにしました。
柳らは書籍『手仕事の時』で、民藝の重要性を説きながら「吾々はもつと日本を見直さなければなりません」と訴えかけています。民藝を知ることは私たちが暮らす国や地域を知ることだ、と気づかされます。
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第2会場・特設ショップも見逃せない!
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階段を登って第2会場へ。ここでは「ひろがる民藝—これまでとこれから」と題し、いまに続く民藝の産地で働く作り手と、受け継がれている手仕事を紹介しています。職人技が光りつつ、どこか温かみがあって、かわいらしい民藝の数々。日本にこんな素敵なものがあったんだ、と発見の連続です。
冒頭の「1941 生活展」の2024年版とも言えるような、よりモダンで現代の暮らしに即したインスタレーション展示にも注目です。
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民藝のある暮らしをはじめてみよう
日々の暮らしのなかで、普段どのような道具を使っていますか?衣服や食器、そんなにこだわりを持たず何気なく手に取ったものも多くあるはず。
けれども、毎日使うものだからこそ、自分なりの美意識でいいなと思えるものを選び取ってみたら、きっと暮らしはもっと豊かに潤っていく。民藝は、そんなさりげなく手元にあるものの価値に気づかせてくれます。
本展は世田谷美術館に続いて、富山・愛知・福岡に巡回予定です。いろいろな「もの」で溢れている現代だからこそ、民藝を通じて暮らしのなかの美を見つめ直してみませんか。
展覧会情報
展覧会名 | 民藝 MINGEI―美は暮らしのなかにある |
会期 | 2024年4月24日(水)〜6月30日(日) |
会場 | 世田谷美術館 1F・2F展示室 |
開場時間 | 10:00〜18:00(入場は17:30まで) |
休館日 | 月曜日 |
特設ホームページ | https://mingei-kurashi.exhibit.jp/ |