イカの町のシンボル「イカキング」と「イカの駅つくモール」が語る奥能登の魅力とは!
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能登半島北部の奥能登と呼ばれるエリアには風光明媚な九十九湾や小木港があり、イカの産地として有名です。そこで、奥能登を多くの人にしってほしい、体感してほしいと観光拠点の「イカの駅つくモール」が誕生しました。敷地内には超巨大でインパクト満点のモニュメント「イカキング」も設置され観光客に人気となっています。

「イカの駅つくモール」と「イカキング」を中心に九十九湾の魅力や小木港のイカ漁、そして奥能登の魅力をお伝えしたいと思います。

日本百景の一つ「九十九湾」とイカ漁で有名な「小木港」

内浦の穏やかな九十九湾

まず、奥能登の穏やかな九十九湾の魅力や、小木港の歴史、名物の小木イカをご紹介しましょう。

日本百景に数えられる風光明媚な九十九湾

能登半島北部、石川県にある九十九湾は、能登半島国定公園内に位置し、日本百景にも数えられる穏やかな内浦。大小数々の入江があることから、この名前が付けられたといわれています。透き通った海の水と豊かな自然が13kmも続くリアス式海岸です。

海岸沿いには周遊遊歩道があり、九十九湾の美しい風景や海の生き物を観察しながら散策できます。豊かな自然が生み出す絶景が心を癒してくれます。

日本三大イカ漁港「小木港」とは

イカ釣り漁船

能登町にある小木港は古くからイカ漁が盛んで、大正初期からエンジンの付いていない帆掛け船で日本海の大和堆や日本海沖さらには北海道近海まで出向き、イカ漁を行っていました。

昭和中期になると能登から函館を基地にエンジンのついた小型船の船団でイカ漁を行うようになりました。120を超える船団は「能登衆」と呼ばれ、他の地域の漁師たちに一目置かれる存在だったのだそう。

近年は多機能で大きな船が作られ、小木港からは100tを超える大型船が出港し、イカ漁を行うようになったのです。

鮮度抜群! 小木名物船凍(せんとう)イカ

かつては近海で漁獲されていたイカですが、地球温暖化など環境の変化によりオホーツク海など遠方までイカ漁に出向くため、出港してから帰港まで1か月〜1か月半という長い期間がかかります。

都度戻って来るのではコスパや効率が悪いため、獲れたイカの鮮度を保ちつつ、長期間漁に出られる方法はないかと小木漁港の一人の親方が立ちあがりました。

イカを釣ってすぐに冷凍すれば鮮度が保てる。船に大きな冷凍庫を搭載し、船の上で生きたままイカを冷凍することに成功。これにより小木港名物「船凍イカ」が誕生したのです。

機械で釣り上げられるとすぐに冷凍されるので、興奮状態で赤みを帯びています。一尾ずつ冷凍するので、イカ同士がくっつかないのも大きな特徴です。

ブランドイカとして注目を浴び、高値で取引される小木港のスルメイカは舌触りなめらかで、噛めば噛むほどイカの甘味が溢れ出し、口の中に豊かな風味が広がります。一度食べたら忘れられなくなる逸品です。

巨大なモニュメント「イカキング」奥能登に現る!

その名の通り迫力あるスルメイカのモニュメント「イカキング」

この九十九湾や小木港の名物スルメイカについて、より多くの人に知ってほしいという願いが込められ「イカキング」は2021年4月に誕生しました。

場所は九十九湾の観光拠点「イカの駅つくモール」の敷地内。全長13m、高さ4m、幅9mそして重さはおよそ5tという巨大なモニュメントです。

イカキングのサイズ

「食うか食われるか」というコンセプトのイカキングは人に食べられてしまうイカの気持ちと、リアルなイカを細部まで表現しています。

イカキングはなんと実際に漁獲されたことのある最も大きな「ダイオウイカ」と同じサイズなのだそう。こんなにも大きなダイオウイカをうっかり釣ってしまったら、とてつもない恐怖を感じてしまうかもしれませんね。

どこから見ても迫力満点

訪れた人は巨大なイカに驚き、乗ったり巻かれたり写真を撮ったりとイカキングと笑顔でふれあっていました。九十九湾の人気者ですよ。

能登の魅力がぎゅっと詰まった「イカの駅つくモール」

九十九湾岸にあるつくモール

イカキングの住処である「イカの駅つくモール」は能登町の風光明媚な九十九湾の一角に2020 年 6 月に誕生しました。年間を通じて10万人もの人が観光の拠点として訪れる人気のスポットです。

広々とした建物

館内には能登町にちなんだ名物やお土産などが並ぶ直売所やレストランがあります。また屋外にはカフェやキッチンカーもあり、地元の名物を使ったこだわりのフードやスイーツを味わえます。

さらに海の美しさや自然を肌で感じられる散策やアクティビティも体験できます。

イカ漁展示コーナーでは、パネルや模型でイカ漁や小木港の歴史などを詳しく紹介しています。

縄文時代からイカ漁は行われていた
時代とともに変化を遂げる漁場
小型・中型のイカ釣り漁船
かつては主流だった、集魚灯によるイカ釣り
漁船の模型

イカ漁の歴史やイカ釣りのノウハウなど興味をそそられる展示が盛りだくさんなので、読破したらイカ博士になれるかもしれませんね。

このようにイカの駅つくモールは、九十九湾の魅力を丸ごと堪能できる、能登町を代表する観光拠点なのです。

※2023年5月に起きた地震の影響で現在イカや地元産の魚が泳ぐ大きな水槽は展示を休止しています。

能登の名物が目白押しの直売所

小木名物船凍イカ

九十九湾の美しい里海と緑豊かな里山が生み出した自慢のクオリティーの高い数々の名物が並びます。

イカの加工品も多数あり

名物の船凍イカをはじめ塩辛やメガラス、トンビなどの加工品もたくさん!

テレビでも紹介されたことがある名物「塩辛」
魚醬油の「いしる」や「よしる」

古くから保存食として親しまれてきた「よしる」や「いしる」「いしり」など能登ならではの魚醤が並びます。

能登半島では古くから魚やイカを使った魚醤作りが盛んで、たしかではありませんが、その始まりは江戸時代ともいわれています。

イカを使ったものがいしり・いしる、いわしやサバなどを使ったものがよしるといわれています。

また、いしる・いしりは2023年3月22日に国指定無形文化財に登録されました。

魚醤とコラボしたご当地ラーメン
お酒好きにはたまらないラインナップ

現在、日本全国には30ほどの著名な杜氏集団がありますが、なかでも能登杜氏は「日本四大杜氏」の一つに数えられます。能登の美味しいお米と綺麗な水が極上のお酒を生み出すのです。

能登杜氏発祥の蔵元「宗玄」は250年の歴史をもつ
つくモール限定の日本酒「やわやわ」も並ぶ

豊かな里山で収穫される原木椎茸は肉厚でジューシー。

名物の原木椎茸

またTシャツなどのイカした雑貨も並びます。

記念になるイカのアイテム

つくモールでは地元の200社あまりの業者さんが能登の豊かな里山・里海の地域資源を活用して生み出したクオリティーの高いこだわりの商品が並ぶので、いずれもお土産にぴったり。

買う人・食べる人の事を考え、瓶ではなく持ち運びや処分に便利なパッケージを採用するなど、素材や味以外の部分にも配慮していることに作り手の優しさを感じます。

イカを満喫できるレストランやキッチンカー

広いレストランエリアには、テーブル席とカウンターがあり、外のイカキングを見ながら食事も楽しめます。

テーブル席
カウンター席

お邪魔した時のメニューがこちら。

どれも食べたくなるメニューばかり

イカ丼やカレー、天丼、うどん・そば、豚のスタミナ丼など能登の名物を盛り込んだメニューが並びます。

船凍イカ丼お味噌汁付き

味付き船凍イカ丼、いただきます!

美しいフォルム

ご飯の上に船凍イカといくら、オクラ、玉子そぼろなどが入っていてまるで宝箱のような彩り。

イカといくらのコラボレーション

イカは口当たりまろやかで芳醇な味わいが口の中に広がります。これにいくらのコクがプラスされ、美味しさが体中にいきわたります。お米ももちろん奥能登産。

イカ団子入りのお味噌汁 価格:1,200円(税込)

お味噌汁にはぷりぷり食感のイカ団子が入っていて汁にも美味しさが染み出しています。

イカをはじめ、お米ももちろん能登産を使用している地元の美味しさがぎゅっと詰まった絶品のイカ丼です。

屋外にはカフェやキッチンカーもあり、こちらでもご当地グルメを堪能できます。

つくモールカフェ
いしるソフト

つくモールカフェでは名物のイカすみソフトやいしるソフト、イカとしいたけのピザなどが味わえます。

キッチンカー イカのおみせ

「いかのおみせ」では小木イカをふんだんに使ったイカ焼きやイカカステラなど、イカを使ったフードが並びます。

小木イカがふんだんに入ったイカ焼き

イカ専門料理キッチンカー いかのおみせ
https://www.instagram.com/ikanoomise/

キッチンカーNoRi

「キッチンカーNoRi」では能登米や卵そして椎茸を使った水ギョーザや米粉のシフォンケーキなども並びます。

能登産米粉を使ったふわふわシフォンケーキ

ケロンの小さな村(キッチンカーを運営)
https://keronmura.wixsite.com/noto

いずれも能登の魅力が詰まったグルメばかりです。

自然を満喫できる充実のアクティビティー

「遊覧船イカす丸」

九十九湾の豊かな自然を体感できるアクティビティも充実しています。

まずは1日6便運航している遊覧船の「イカす丸」。二階建てなので海上・海中から九十九湾の絶景を楽しめます。

また、波の穏やかな内浦ならではのアクティビティ、カヤックやSUPも楽しめます。道具はレンタルができるので便利!九十九湾の自然を肌で感じることができます。

もちろん更衣室も完備

自然を感じられるアクティビティが充実しています。

マリンレジャーについて
https://ikanoeki.com/marine-leisure/

奥能登癒し海の絶景スポット

奥能登の人気スポット「見附島」

最後にイカ以外の奥能登の魅力、海の絶景観光スポットをご紹介しましょう。

恋の伝説から名付けられた「恋路海岸」

弁天島と鳥居

恋路海岸はとても波が穏やかで、沖には弁天島があります。また夏には海水浴場も開設され、海水浴客で賑わう人気のスポット。

ここには悲しい恋の伝説があります。鍋乃と助三郎という恋人がいましたが、鍋乃の事を思う男性の罠にはまり助三郎はこの海岸で命を落としてしまい、鍋乃も後を追い海に身を投げてしまったという悲しいお話。

大切な人と愛を誓いながら鳴らしたい鐘

この伝説から、この一帯が恋路という名前が付けられたと言われています。二人の命を偲ぶ鐘やモニュメント、銅像などが設置されています。

海にそびえる「見附島」と恋人の聖地「えんむすびーち」

「えんむすびーち」から望む見附島

恋路海岸より車で数分、同じく奥能登の珠洲市にある見附島は海に佇む高さ28mの岩山です。軍艦が迫ってくるかのようなフォルムで、能登のシンボル的存在です。

名前の由来は弘法大師が佐渡から能登へ訪れた際に、「みつけた」といったことから、この名前が付けられたといわれています。

島の近くまで踏み石が並べられているので、潮が引くとまるでエンジェルロードのような道が開け、幻想的な光景を放ちます。

恋路海岸から見附島へ続く3.5kmの海岸線は「えんむすびーち」と呼ばれ、カップルが愛を誓う恋人の聖地になっています。鐘を鳴らして恋愛成就祈願もできるので、ぜひ大切な人と訪れてほしいおすすめスポットです。

※2023年5月に起きた地震の影響で現在島への踏み石を渡ることはできません。

おわりに

九十九湾に停泊するイカ釣り漁船

奥能登の里山・里海の魅力を名物のイカを中心にご紹介してきましたが、イカがでしたでしょうか?

古くから漁業が栄え、イカの産地としても知られる奥能登は、豊かな自然とその産物が心を癒し身体を満たしてくれる素敵な場所。イカキングの住処でもあるイカの駅つくモールは、地域の魅力と地元を愛する人の熱い想いが詰まったオススメの観光拠点です。

次の週末、奥能登の自然とグルメで魂の休息をしに足を運んでみませんか?

今回ご紹介したスポット情報

イカの駅つくモール
所在地:〒927−0552 石川県鳳珠郡能登町字越坂18字18番地1
開館時間:9:30〜17:00
休館日:水曜日
電話:0768−74−1399
公式HP:https://ikanoeki.com

恋路海岸
所在地:〒927-0601 石川県鳳珠郡能登町恋路
電話:0768−62−8526(能登町ふるさと振興課)
能登町観光ガイド:https://notocho.jp/experience/1072/

見附島
所在地:〒927−1222 石川県珠洲市宝立町鵜飼
電話:0768-82-7776(珠洲市観光交流課)
珠洲市観光サイト:https://www.city.suzu.lg.jp/site/kankou/1251.html

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