華やかなファッションと女性の自信『森英恵 世界にはばたく蝶』

日本を代表するファッションデザイナー、森英恵(もり はなえ)さん。オートクチュールや映画・舞台の衣裳をデザインし、海外にも進出して東洋人で初めてパリ・オートクチュール会員になるなど、独自のセンスで世界にはばたいたファッションデザイナーです。

タレントとして活躍する森泉(もり いずみ)さんを連想する方も多いかもしれませんね。森英恵さんは、泉さんのおばあさまです。

展示風景

さて、水戸芸術館 現代美術ギャラリーで、『森英恵 世界にはばたく蝶』展が開幕しました。森さんのオートクチュールだけでなく、美空ひばりさんの舞台衣裳、映画で使われた衣裳など、華やかな世界を覗くことができます。

こんな風に!まるでファッションショーが再現されたかのような展覧会でした!

展示風景

国内外で活躍した森さんのデザインする衣服は、着る人の自信を引き出す作品だと感じました。服だけが美しいのではないんですね。

説明が難しいのですが、派手すぎずシンプルすぎずなので、着る人が服に負けないような感じ。かといって没個性的ではなく、上品かつ個性のある服なので、自立した女性の第一印象を格上げしてくれるのです。

展示風景

偶然そうなっているのではなく、もちろん、着る人を輝かせることを狙ってデザインされているようです。森さんは、シャネルが作る服がモデルを光らせていることに気づき、女性を美しく見せる服を作ろうと思ったそう。

展示風景

森さんは日本のファッションデザイン界のパイオニアであり、かつ社会進出する女性の先駆けでもありました。戦後の復興期、白人中心・男性中心の欧米に挑み、成功を掴んだ森さんの逞しさも、作品から感じられることでしょう。

映画「夜霧よ今夜も有難う」衣裳 展示風景

オートクチュールだけでなく、映画や舞台の衣裳も展示されています。映画「夜霧よ今夜も有難う」で浅丘ルリ子さんが身につけていたセットアップの実物は、映画の抜粋とともに展示されています。

映画「狂った果実」衣裳

映画「狂った果実」で石原裕次郎さんが着ていたアロハシャツも!昭和の映画スターの衣裳も森英恵さんが手掛けていたんですね。

美空ひばり「不死鳥コンサート」衣裳 展示風景

さらに、美空ひばりさんが「不死鳥コンサート」で身につけていた衣裳も森英恵さんのデザインでした!真っ赤なドレスをまとったひばりさんの映像は、今でもよくテレビで放映されるので、知らない方はいないと思います。

日本航空客室乗務員制服(4-6代目)

国内外でファッションデザイナーとして活躍した森英恵さんの仕事に共通するのは、着る人を輝かせるものづくりだな、と感じます。展覧会では、華やかなファッションを楽しんだり、バイタリティ溢れる森さんの言葉に刺激を受けたりできました。

展覧会基本情報

『森英恵 世界にはばたく蝶』
会場:水戸芸術館 現代美術ギャラリー
会期:2020年2月22日(土)-5月6日(水・祝)
休館日:月曜日 ※ただし5月4日(月・祝)は開館
臨時休館:3月2日(月)〜3月31日(火)の予定
(最新情報は公式HPでご確認ください)
開館時間:9:30-18:00(入場は17:30まで)
公式HP:https://www.arttowermito.or.jp/gallery/

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