第8回横浜トリエンナーレ「野草:いま、ここで生きてる」現地取材レポート! その2〜館外展示編〜

第8回横浜トリエンナーレ「野草:いま、ここで生きてる」が3月15日(金)に開幕しました。3年に一度開催される現代アートの祭典は2001年にスタートし、200を数える国内の芸術祭の中でも長い歴史を誇ります。

今回、国際展「野草:いま、ここで生きてる」は横浜美術館を中心に、館外も含めた5会場で開催。横浜市内で長く充実した活動を続けてきたアート拠点が繰り広げる「アートもりもり!」と合わせて横浜トリエンナーレの2本の柱となり、街歩きを楽しみながらさまざまなアート作品を見られる企画となっています。

後編のレポートでは、館外の展示情報を中心にお届けします。

現地取材レポート! その1〜横浜美術館編〜はこちら

館外へ向かう前に!横浜美術館を楽しみ尽くそう

サローテ・タワレ《You, Me, Me, You》2022年
第8回横浜トリエンナーレ展示風景

横浜美術館では、2Fにあるギャラリー8や屋外のギャラリー9でも作品を展示中です。グランドギャラリーと同様に、有料チケットを持っていない人でも自由に鑑賞できます。

プロジェクトスペースには、「つくる・あそぶ・くつろぐ」ために用意されたこどものアートひろば「はらっぱ」が。乳幼児を連れて休憩できるコーナーもあります。

色紙と植物のスタンプを使って、自分だけの作品をつくってみましょう。

こどものアートひろば「はらっぱ」風景
こどものアートひろば「はらっぱ」のスタンプあそび作品
こどものアートひろば「はらっぱ」スタンプあそびの様子

すべての河(All the Rivers)へ

横浜美術館の最寄り駅、みなとみらい駅のお隣にある馬車道駅には、館内の展示と同じ章立てに連なる「すべての河(All the Rivers)」のタイトルを冠した展示場が2か所あります。

旧第一銀行横浜支店

旧第一銀行横浜支店
第8回横浜トリエンナーレ展示風景

旧第一銀行横浜支店は建築家・⻄村好時の設計により、第⼀銀⾏横浜⽀店の四代⽬建物として1929年に建てられました。戦前の関内が⼀⼤⾦融街でもあった歴史を物語る貴重な存在です。2004年からは、芸術や⽂化の「創造性」をまちづくりに⽣かすことで都市の新しい価値を⽣み出す「⽂化芸術創造都市」の先駆けの場として活⽤され、創造的な活動を広く発信してきました。

そうしたまちづくりの意義をもち、横浜・馬車道らしいクラシカルな雰囲気が漂う旧第一銀行横浜支店が、まるでサブカルチャーの街・高円寺のようなアバンギャルドな空間になっていることに驚くはず。

1Fで楽しむインスタレーション

松本哉
第8回横浜トリエンナーレ展示風景

松本哉や、リメイク古着のブランド「途中でやめる」を主催する山下陽光らの活動「素人の乱」は、リサイクルショップを営みながら公共空間を解放するあらゆる試みを実践しています。それらはまさに、現実の社会や政治に対する革命。1Fでは、革命の先にある世界をテーマとしたインスタレーション空間が広がります。

さまざまな社会運動やアプローチを通じて、新しいスタンダードを「いま、ここで」実現

させようと試みる姿を紹介しています。

松本哉
第8回横浜トリエンナーレ展示風景
松本哉
第8回横浜トリエンナーレ展示風景
山下陽光
第8回横浜トリエンナーレ展示風景
ヤマガタ・トゥイークスター(山形童子)
第8回横浜トリエンナーレ展示風景

3Fで楽しむ詩と映像

カルロマー・アークエンジェル・ダオアナ《Selection of Poems》2012–2013年
第8回横浜トリエンナーレ展示風景

3Fでは、詩と映像作品を展示しています。落ち着きのある空間に配置された作品が表すのは、社会の出来事が個人的な営みや、「生きてる」日々に影響するさまざまな事象です。

プック・フェルカーダ《Uprooted》2023年
第8回横浜トリエンナーレ展示風景
プック・フェルカーダ《Uprooted》2023年
第8回横浜トリエンナーレ展示風景

BankART KAIKO

ピェ・ピョ・タット・ニョ《Electric Ruby (Processor) 》2022年
第8回横浜トリエンナーレ展示風景

BankART KAIKOは、横浜を代表するオルタナティヴスペースとして国内外に広く知られています。ここで紹介するのは、1990年代以降の東西冷戦の終結にともない、世界が資本主義化する中でそれに対抗しようとする人々の動きです。

パピーズ・パピーズ(ジェイド・グアナロ・クリキ=オリヴォ)《ペッパー(ガイドするロボット)(踊るロボット)(教えるロボット)》 2024年
第8回横浜トリエンナーレ展示風景
パピーズ・パピーズ(ジェイド・グアナロ・クリキ=オリヴォ)《無題(サラヤ)》 2011–2024年
第8回横浜トリエンナーレ展示風景
丹羽良徳《自分の所有物を街で購入する》2011年
第8回横浜トリエンナーレ展示風景

ショップでは、出展作家や横浜にゆかりのあるアーティストのグッズを購入できます。本展オリジナルの特別なパッケージに包まれた横浜銘菓は、お土産にもおすすめです。

ショップの様子

「野草:いま、ここで生きてる」その他会場

「野草:いま、ここで生きてる」には、他にも会場があります。クイーンズスクエア横浜は横浜美術館と同じエリア、元町・中華街駅はそこから3駅先です。あちこちに点在する作品を楽しみながら、自分らしい街歩きを楽しめます。

  • クイーンズスクエア横浜(2階)…北島敬三+森村泰昌
  • 元町・中華街駅連絡通路…チュン・イン・レインボー・チャン

期間中、一緒に楽しめる「アートもりもり!」

石内都「絹の夢-silk threaded memories」
第8回横浜トリエンナーレ展示風景

第8回横浜トリエンナーレ「野草:いま、ここで生きてる」の期間中、一緒に楽しめるアート・プログラム「アートもりもり!」を同時に開催。「野草」の統一テーマのもとで展開される文化・芸術活動拠点の展示やプログラムを楽しめます。

アートもりもり!の展示情報はこちら→https://www.yokohamatriennale.jp/2024/many-many-arts

そして、アート以外にも横浜は見どころが沢山!海を眺めながらお散歩を楽しめる山下公園や象の鼻テラス、お買い物ができる横浜赤レンガ倉庫、他にもレジャー施設や劇場、博物館などが豊富です。

会期は6⽉9⽇(⽇)まで。この機会に、横浜へ足を運んでみませんか?

開催詳細

イベント名第8回横浜トリエンナーレ「野草:いま、ここで⽣きてる」
会期2024年3⽉15⽇(⾦)-6⽉9⽇(⽇)
会場横浜美術館(横浜市⻄区みなとみらい3-4-1)
旧第⼀銀⾏横浜⽀店(横浜市中区本町6-50-1)
BankART KAIKO(横浜市中区北仲通5-57-2 KITANAKA BRICK & WHITE 1F)
クイーンズスクエア横浜(横浜市西区みなとみらい2-3クイーンズスクエア横浜2Fクイーンモール)
元町・中華街駅連絡通路(みなとみらい線「元町・中華街駅」中華街・山下公園改札1番出口方面)
時間10:00-18:00(入場は閉場の30分前まで)
6月6日(木)-9日(日)は20:00まで開場
休場⽇毎週⽊曜⽇(4⽉4⽇、5⽉2⽇、6⽉6⽇を除く)|開場⽇数:78⽇間
チケットhttps://www.yokohamatriennale.jp/2024/ticket
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