ニューヨーク・ステート・オブ・マインド エピソード4

2023年、再び訪れたニューヨークではさらに多くのチャレンジが待ち受けていました。このコラムは、そんな中でヘンテコな私が、半歩ずつ自己実現をめざし孤軍奮闘してきた経験を綴ったものです。観光旅行では味わえないニューヨークの一面を知ることが出来ました。それをご紹介していきます。

★過去のエピソードはそれぞれ下記URLからどうぞ!
https://rakukatsu.jp/ny-confidential-ep1-20221124/
https://rakukatsu.jp/ny-confidential-ep2-20221221/
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★ニューヨーク・ステイト・オブ・マインド
https://rakukatsu.jp/nysm-20240117/
https://rakukatsu.jp/nysm02-20240218/
https://rakukatsu.jp/nysm03-20240320/

身内の不在で呆然自失からチャレンジ精神が芽生える

このシリーズの最初にお伝えした状況は相変わらずです。
私が、羽田空港を離陸する2日前、娘たちのアパートは上階のバスルームからの漏水で天井と壁が崩れてしまっていました。そして、離陸した頃、そこから滲み出た鉛が赤ん坊の定期健診で検出され大騒ぎになり、彼らは大急ぎで郊外の親戚のうちに避難してしまっていました。JFK空港に到着した時、そこで私は、彼らのニューヨーク不在を知らされ呆然自失。それが、今シリーズのスタートでした。

前回の記事の予告では、今回は彼らとの再会の様子を書く予定でした。アパートの工事もまもなく終わって皆が帰宅するはずだったからです。

が、ニューヨークではよくあることですが工事完了予定日は、伸びるんですね。

今回の理由は何と「作業員が梯子から落ちてしまったから」という可哀想な理由で、それにもびっくりです。日本の東京のうちの近くで、現場作業員が梯子から落ちたという悲痛な出来事を聞いたことがありませんでした。事情が事情なので、誰も文句も言わず工事の進行を見守るしかありません。

それで、私は、みんなが帰ってくるまで一人ぼっちで、キャットシッターとして見知らぬアパートに住みながら一人で時を過ごすことになりました。慣れない土地で一人で暮らすためには、気持ちを下向きにしないことが肝要です。だから、毎日何か一つチャレンジしようと思っていました。それはどんなに些細なことでもいいのですが、非日常空間で「思い切ってやってみました!」と思えるようなことです。

娘からのミッションに奮闘!

でっ、今日はバッテリーパークにあるメトロカードカスタマーセンターで私が料金割引をうけられるのかどうかに挑戦することにしました。料金割引もいろいろありますけど、私の場合は何だと思いますか。あっ、そんなこと決まってるだろう!という声が聞こえてきます…、

まずは、その場所へ行くこと自体チャレンジです。娘からは、自分たちに迷惑をかけないで、一人でグーグルマップを使いこなしてどこへでも行けるようにすべしというミッションを与えられています。初めての場所が、果たして見つけられるかどうかと思うと、それだけでドキドキしてきます。

去年は、地下鉄でエントランスバーを前にして突っ立っていました。メトロカードを挿入したのにバーは私が押しても動く気配すらありません。三足のバーが動かないので何回もカードを通して多分、損をしたと思います。私から3メートルも離れていない後ろにブースがあって地下鉄職員がそれを見ていたのですが何の合図も送ってきてくれません。それどころか、後から来た人たちが隣のゲートのバーの上を飛んで行ったり下をくぐって行ったりしても何も言いません。なんじゃこりゃ無賃乗車やり放題⁈ そんな場所で立ち往生している私って何…。やっと、ゲートを真面目に通る人が来てその人を見ていると、グッとバーを押し回して入っています。あ、そうか、もっと力を入れるのか!年配者と女性にもっと優しい作りにしてほしい!

今回の地下鉄乗車は人の流れに乗って、バーも力強く押し、無事、センターに到着。ホッとしたのも束の間、入口受付ゲートで用向きとIDのチェック、無事通過。そして、カウンターで申請書作成へ。私はいつも書いた後、確認するのを常にしていますが、ここでは正確さよりアバウトであることの方が大事そうなので、見直しのピリピリを省き、テキトーな感覚で書いて出してみたら、すんなり即日発行のテンポラリーなカードをもらうことができてしまいました。思っていたより簡単。ここでの証明はパスポートだけでした。

すると欲がでてきて、行ったからには、ついでに用を全て済ますのが大好きな私、2024年開始のオムニカード(日本ではお馴染みのスマホで乗降できるアプリ)も手続き可能と書いてあるのでチャレンジしたくなりました。が、考えてみると私の場合は顔写真入りの正式なメトロカードが手元に来てからでないと手続きはできないということに思い当たって、それが到着したらまたチャレンジに来ようっと、ここはおしまいにしました。

今回の地下鉄乗車は人の流れに乗って、バーも力強く押し、無事、センターに到着。ホッとしたのも束の間、入口受付ゲートで用向きとIDのチェック、無事通過。そして、カウンターで申請書作成へ。私はいつも書いた後、確認するのを常にしていますが、ここでは正確さよりアバウトであることの方が大事そうなので、見直しのピリピリを省き、テキトーな感覚で書いて出してみたら、すんなり即日発行のテンポラリーなカードをもらうことができてしまいました。思っていたより簡単。ここでの証明はパスポートだけでした。

すると欲がでてきて、行ったからには、ついでに用を全て済ますのが大好きな私、2024年開始のオムニカード(日本ではお馴染みのスマホで乗降できるアプリ)も手続き可能と書いてあるのでチャレンジしたくなりました。が、考えてみると私の場合は顔写真入りの正式なメトロカードが手元に来てからでないと手続きはできないということに思い当たって、それが到着したらまたチャレンジに来ようっと、ここはおしまいにしました。

豪壮な国立アメリカインディアン博物館へ

外に出て、バッテリーパークで、一息吸っていたら、左手にある豪壮なミュージアムが目に入ってきて、よーし、次はここに入ってみようかなぁ、入る前に記念写真を撮ってもらおうと見回してみると、ここら辺はあのウォール街の近くのためか、ずいぶん足早に通り過ぎる人ばかりです。さすがにのんきな写真を撮ってもらうのは、気が引けて見送っていたらやっとお散歩中の人が通りがかってくれました。待っていたので、写真を撮ってもらうだけでも嬉しい気持ちが湧いてきます。その上に自分で見ても、元気の湧いてくる写真になりました。

感謝、多謝!そして、入口に向かうと手荷物検査があって、チケット売り場はどこかな?と尋ねてみるとなんと無料だという。えぇー!こんなに豪壮な国立アメリカインディアン博物館 が、無料?たぶん、国の大きな施策の一つだと思います。それにしてもアメリカの底力に恐れ入ってしまいました。

マップはこちら→https://maps.app.goo.gl/ndDXGUEhYUGsYUsS8

英語バージョンしかなかったものの音声ガイドを耳につけ、目では展示品と案内プレートを読みながら視覚と聴覚の感覚モダニティをフル活用。歩き回りました。出口近くでは、南太平洋の島々の遺跡と同じような少し奇妙でユーモラスなお面だの像などが置いてあります。

見終わった頃にちょうど閉館の時間となり、出て行く前に化粧室を借りようと係の人に尋ねましたら、その人が場所を教えてくれただけでなく「その途中に冷たくておいしいウォータークーラーがありますから、良かったらお使いください」という情報も付け加えてくれました。そういう小さな親切が身に沁みます。

さあ、今度こそ、もう帰ろうかなぁと思いながらバッテリーパークから遠くの自由の女神を見ていたら、左手にフェリー乗り場があるのを思い出しました。去年は、たえ子さんに連れてきてもらってスタテン島までの往復フェリーで海を眺めていました。本当に恐縮なんですが、それも無料なんです。スタテン島の住民の足だからです。自由の女神を正面に見る航路なので世界中から来た観光客の姿もちらほらしています。一人で乗れるかなとドキドキしましたが、試しに並んでいたら人の波にのって、スタテン島に到着できました。途中、自由の女神やガバナーズ島を眺め、到着したらそのまま同じ船で帰ってきました。

その船に同じ速度でかもめがついて来るのです。熱海の初島の小ぶりなフェリーにもかもめたちの一群が同じ速度で着いてくるのを見たことがありますか。

そして、爪ぐらいの大きさにちぎったパンの耳を私の指からくちばしで次から次に取っていくという空中での離れ業ができるんですよ、初島のかもめさんは。それを思い出したのですが、残念ながら今日はパンの耳がありませんでした。これも次回挑戦ですね。今日一日思い残すことがない一日になりました。お読みいただいてありがとうございました。

ニューヨークの懐が広いので、一日の行動だけで、それも無料スポットのご紹介で今日のお話は終わってしまいました。次回こそ、娘たちと再会できそうなので、読みに来ていただければ嬉しいです。 

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