こんにちは。楽活ライターの山形颯生です。
ここ最近、表参道や南青山では「ヴィーガン」や「オーガニック」を前面に打ち出した健康志向のレストランが増えてきていますよね。
もともと、このエリアは常にトレンドの最先端を取り入れた発信地として、観光でもビジネスでも人気ですよね。私も、最近仕事でよく訪問するようになりましたが、緑も整備されていて、駅周辺には洗練された建物も多いお洒落な街だなというイメージがあります。美術館やギャラリー、カフェ、ハイブランドショップなど、衣・食・住の全てが揃う街だなあと思って、最近特に注目するようになりました。
ですが、なんといっても私の仕事の合間の楽しみの1つはランチ散策です。
「今日のランチは何を食べようかな」と探しながら南青山・表参道界隈を歩いてみると、あらためてこのエリアが美食の宝庫でもあることに気付かされます。表通りだけでなく、ちょっとした裏路地にも、たくさんの魅力的なお店がみつかります。
そんな中、先日偶然に発見した、青山通りから住宅地へと1本入った裏通りにある隠れ家的なレストラン「くれは食堂」が凄く素敵だったので、紹介してみたいと思います!
閑静な住宅街の中、隠れ家的な一軒家レストラン
「くれは食堂」への最寄り駅は、表参道駅A4出口。南青山の住宅地を抜け、徒歩約5分程度でアットホームなお店の建物が見えてきます。
少し場所がわかりづらいかもしれませんが、もし迷ったら、このフレッシュトマトのような真っ赤な看板を目印に、お店を探してみて下さい。
玄関を上がると、さっそくたくさんの発酵食品や調味料が詰まった保存容器がお出迎えしてくれます。これ、すべてお店の自家製なんです。
室内へと入っていくと、そこはまるで海外の別荘!
そよ風と、音楽が心地いい室内で、オーナーの堤由起子さんが出迎えてくれました。
1発書きとは思えない、オーナーさん手書きのときめき黒板メニュー。
すごく雰囲気よく整えられた室内に感銘を受け、到着早々ではありましたが、さっそく色々と質問させていただきました!
ーー南青山にこんな場所があったんですね。海外の田舎に来ているような開放感のある空間ですが、南青山にお店を構えられた理由など教えていただけますか?
堤さん:「くれは食堂」のように健康志向の料理を出す場合は、どこでも良いというわけでもないんですね。ニーズがある場所を選ばないと、経営が成り立たないこともあるはずなんです。
ーーなるほど、どこでもいいというわけではないんですね?!
堤さん:でも、元々表参道近くのお料理教室に勤めていた時に、出店するならこのエリアがいいかなと思っていました。表参道は、数十年前からナチュラルハウスができたり、オーガニックレストランも多かったので、無農薬野菜や有機野菜を使った料理にはニーズがあるんです。お野菜がご馳走だと思ってもらえるニーズがある場所、ということで、南青山にお店を構えました。
堤さんのおっしゃるとおり、南青山は食、健康、美への意識が浸透した洗練された街ですよね。お店を構える場所選びにも、ちゃんとこだわりがあったのですね!
それでは、いよいよランチをいただくことに致しましょう。
肉・魚・豆腐の3種類から選べる日替わりランチ!
くれは食堂さんは、肉や魚はもちろん、本物の無農薬野菜・自然栽培米・自家製の調味料や発酵食品など、料理に使う全ての食材について、徹底的にこだわっています。そんな本物の食材だけにこだわった人気の日替わりランチは、肉・魚・豆腐の3種類から選べます。
今回、私は、お魚ランチをチョイス♪
(太平洋近くで生まれ育ったのでお魚が大好き❤︎)
店内の音楽とそよ風がなんとも心地よく、待つ間さえもマッサージを受けているような心地よい時間でした。
20分ほど経つと、日替わりランチを運んできてくださいました。わお!
和と洋が程よくブレンドされた品の良い食器に、魚と野菜を中心とした10品以上の料理が盛り付けられています。
ーー定食で特にこだわっていらっしゃるポイントを教えて頂けますか。
堤さん:肉や魚の仕入先はもちろん、特に、調味料と野菜にはこだわっています。まず調味料を手作りにすることです。例えば発酵調味料のお醤油。本来は、塩、麹、麦の3つが原材料で、伝統的な製法で作ると大体10ヶ月ほどかかります。でも、工場で作るような市販のお醤油はアルコール発酵をする前に醸造用アルコールを添加しますし、香りづけのために香料も入れています。それでは、人工物が身体に溜まってしまいますよね。
だからこそ、本物の発酵のパワーが伝わるように調味料は1つ1つ手作りでこだわっています。ある程度召し上がってくださっている方は、便の調子が良くなるなど、すぐに効果が身体に現れるので驚かれる方も多いです。
ーー凄い。やっぱり手作りだと体にも優しいんですね。野菜についてもこだわっていらっしゃるんですか?
堤さん:そうですね。野菜は、なるべく多く旬の野菜を使います。定食では、肉・野菜・魚と選べますが、私は野菜が主役だと思ってお食事をお出ししています。素材の味を噛み締めて味わっていただきたいので、小皿1品に対して、使う野菜は多くても2種類までを理想にしています。
定食がワンプレートではなく小皿に分けられている理由はそこにあったのですね。全てにこだわりが込められているんですね〜!そしてなんとこちらの定食では、お酢は4種類、醤油・塩・油は3種類、味噌は2種類と、料理に合わせて非常に細かく使い分けられているんです!また、くれは食堂さんのお魚は天然魚介、お肉の方も飼育にこだわって育てられた鶏・豚を使っています。
手作りの調味料によって引き立つ野菜そのものの甘さが感じられて、身体も心も大満足です。
予約を取れたらラッキー!おうち時間に嬉しいテイクアウト
こんなに健康的で野菜たっぷりの食事が、自宅でも気軽に味わえたら嬉しいですよね。
くれは食堂さんでは、おうちごはんも楽しめるようにと、お弁当としてテイクアウトも可能。
1食¥1500で、注文は1つからOKです。ただ、こちらのお弁当は大人気なので、当日の店内状況によっては、用意できない日もあるとのこと。営業時間前に電話で予約してから受け取りに行くのがベストです。
注目!ナチュラルワインとデザートも隠れた人気メニュー
オーナーこだわりのナチュラルワイン
くれは食堂ではアルコールも楽しめます。中でも、ワインには特別にこだわっているとのこと。この日、オーナーの堤さんがオススメしてくれたのが、こちらの白ワインでした。
こちらは、イタリアのヴェネト地方で採れる地元のブドウ3種類をブレンドして造られた「アッラ・コスティエッラ」というイタリアワインです。
「ビオディナミ」というオーガニック農法に準拠して作られたブドウのみを原料に使用し、保存料等などの添加物は一切使っていません。自然に一番近い形で栽培・醸造されたワインです。現地ではデイリーワインとして日常的に飲まれている銘柄でもあるそうですよ。
山形も試飲させて頂きましたが、取材中であることを一瞬忘れてしまうような、幸せなひとときを味わえました。スッキリとしたクセのない味なので、和洋問わずどんな食事にもよく合う、スイスイと飲める気持ちの良いワインだと感じました。
堤さんによると、お店で提供している銘柄の中には、入荷時期が限られる希少なワインもあるそうです。ぜひ、その時々に堤さんがおすすめしてくれる中から、あなただけの素敵な銘柄を見つけてみてくださいね。
デザートももちろん「グルテンフリー」でした!
今回私が頂いたのは、米粉を使った小豆のロールケーキ。もっちり、しっとりとした食感で、ほっとするような優しい味が楽しめました。
ランチタイムはたっぷり15時まで設けられていますので(※ラストオーダーは14時)、ナチュラルワインを片手にデザートで締める女子会なども最高ですね。
ディナーも健康的に。ワインを片手にワンランク上の洗練された女子会を
くれは食堂では、ランチだけでなく夕方以降のディナータイム(18:00〜20:00)もあります。ただ、2021年7月2日現在、新型コロナウイルス感染拡大防止のために施行されている「まん延防止対策法」の影響で、ディナータイムは当面休止中。今後の営業スケジュールについては、くれは食堂の公式HP( https://kurehashokudo0615.amebaownd.com/ )をご確認ください。
ちなみに、こちらが現在休止中のディナーメニュー。ディナータイムでは、人気の定食だけでなく、アラカルトメニューも充実しています。早くディナーも味わえるようになると良いですよね。
くれは食堂をもっと知りたい!インタビュー
さて、お腹もいっぱいになったところで、あらためて堤さんにインタビューをさせていただきました。「くれは食堂」への思いをたっぷりとお聞きしてきましたので、ここからはインタビュー形式でお送りします。
ーー南青山はオーガニックレストランの激戦区だと思うのですが、「くれは食堂」ならではのオリジナリティーについて、どのように感じていらっしゃいますか?
堤さん:意識しているのは、なんちゃって、嘘ではないということです。「オーガニック」という言葉が広く世間一般に浸透した今では、言葉だけがファッションのように一人歩きしたような状態になっていると感じてしまうことがあります。オーガニックと謳ってはいるけれど、オーガニックの野菜を本当に使っているのは一部のメニューのみで、他は慣行栽培(農薬を使った野菜)の野菜が使われていることもよくありますから。
ーーそれは、単にお店のイメージアップのためだけに「オーガニック」というキーワードが使われているということなんですか?
堤さん:そうですね。でも、私は嘘はいやなので、正直に「100%無農薬のお野菜だけを使って料理をお出しする」ということにこだわりたいんです。身体に優しい本物の無農薬の野菜や手作りの調味料はもちろん、魚は天然のもの、お肉は飼育にこだわったものを選ぶことで、食べてくれるお客さんに元気になっていただきたい、という願いを込めて作っているんです。
ーー本物の無農薬野菜や調味料って、私たち20代が実践しようと思うと、少し敷居が高いように感じてしまうのですが、まず、若い人が「はじめの半歩」としてできる食の選択があれば、教えていただけますか?
堤さん:普段摂っている化学調味料は、一度体に蓄積されてしまうと、なかなか抜けないんですよね。麻薬みたいなもので、人工的な旨味成分も入っているから美味しいと錯覚してしまう。だからこそ、まずは、調味料を変えてみることから始めるといいと思います。
ーーまずは調味料から、意識してみるといいのですね!
堤さん:そうですね。それから、発酵食品でも調味料でもお野菜でも、基本は無添加のものを選んでみてください。塩は絶対に天然にするとか。お惣菜を買うなら、せめて化学調味料の入っていないものを選ぶことからゆっくり始めてみるといいと思います。
普段の外食は付き合いもあるでしょうから、抜くことは難しくてもお家でのライフスタイルにナチュラルなものを取り入れることはできます。不自然なものを選ばないことでゆっくりと身体が変わり、不快感に気づくようになると思いますよ。
ーーなるほど、家で使う調味料などできることから、ナチュラルな選択を取り入れていきたいと思います!最後に、今後のビジョンや、お客さんに届けたいメッセージをお願いします。
堤さん:やはり、本当に体に優しいものを食べてリラックスしたり、健やかな気持ちになっていただきたいですね。本物の食べ物には、人をホッとさせたり、美味しいと感じさせる力があるんです。くれは食堂にお越しいただいた方には、それをしっかりと味わってもらいたいなって思っています。
私は、“全て当たり前ではない”という考え方を大切にしています。日常に散りばめられている小さな幸せをしっかり感じて、自分を大切に、自分に優しくしてほしい。添加物の入ったご飯じゃなくて、それこそ一汁一菜でもいいから、自分を、季節を、旬を大切に。丁寧に過ごすということを感じに、くれは食堂に来ていただければと思います。
最後に
オーナーの堤さんのお話からは、口調や雰囲気は柔らかく優しくも、強い芯の通った信念を感じました。
私は、普段正直なことをいえば、ボリューム満点のお肉ランチ、ピリッと刺激的なエスニック料理、もちもちパスタが美味しいイタリアンなど、オーガニックとは正反対の要素が詰まった料理に心惹かれてしまうことも多々あります。ですが、その一方で、たくさん食べてしまった自分をリセットし、平日のお昼休みや休日に寄って身体と心をリフレッシュできるようなオアシスみたいな場所があればいいな・・・と感じてもいました。
そんな時、ちょうど出会ったのがこの「くれは食堂」さんでした。
取材後、堤さんからは「取り入れるもの、見たもの、聞いたもの、経験など、全部含めて、自分から出ていくものに繋がっているんです」というお話もしてくださいました。丁寧に暮らし、自分の身体に優しいものを取り入れることを意識すれば、必然的によい生活や仕事につながっていく。それを、自らの生き方で体現しているのが堤さんでした。
私も、これからは、完全にデトックスdayを決めて、本物の食を求めに定期的にくれは食堂さんに通おうと思っています。みなさんも、ぜひ一度くれは食堂さんの食事を体験してみてくださいね。
「くれは食堂」基本情報
くれは食堂
所在地:東京都港区南青山3-8-26 パートナーズ表参道2F
営業時間:(ランチ)11:30-14:00(ディナー)18:00-20:00
TEL:03-6875-5296
定休日:月曜日・火曜日・祝日(※水曜日は、料理教室•発酵講座のためお休みの場合があります。)
※7月8日現在、ディナー営業は休止中です。
※本文内でご紹介したテイクアウト(お弁当)は、電話にて要事前予約。当日のお店の状況によっては、受付を停止することもあるため、必ず当日お店に電話で確認してください。
公式HP:https://kurehashokudo0615.amebaownd.com/
Instagram :https://www.instagram.com/kurehashokudo/?hl=ja
Twitter:https://twitter.com/kurehashokudo
アメブロ:https://ameblo.jp/kurehashokudo0615
私のInstagramにも今回の取材で載せきれなかった写真を載せていますので、ぜひ覗いてみてくださいね。https://www.instagram.com/p/CQ0ocd1gqy1/?utm_medium=copy_link
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「楽活」で初めて書かせて頂いた私の前回記事はこちらです。それまで意識したこともなかった「ヴィーガン食」について深く考えてみたくて、友人へのインタビューやヴィーガンレストランでの実食を通して、ヴィーガンの意義について考えてみました。
もしよろしければ、こちらもぜひ目を通していただければ幸いです。