あなたはビールがお好きですか?日本人の多くが「ドイツと言えばビール!」とイメージするくらい、ビールのイメージが強いのではないでしょうか。
ここ数年、日本の大都市でもバイエルン州ミュンヘンが発祥とされるビールの祭典「オクトーバーフェスト」が頻繁に開催されるようになりました。最近では、南ドイツを中心とした麦芽でなく小麦で醸造された「ヴァイツェンビール」は日本人にも身近な存在になってきているかもしれませんね。
ですが今回は、視点を変えて北ドイツ・ハンブルクに住む筆者が、ドイツ人パートナーとともに選んだ「ハンブルクに住むドイツ人が日常的に飲むビールを10種類16銘柄」をご紹介します。
ドイツ人が着飾ることなくスーパーでチョイスしたビールを日本人目線とドイツ人目線で試飲したレポートですので、ドイツ・ハンブルク周辺に訪れた際のビール選びのヒントになるかもしれません。
日本ではなかなかお目にかかれない種類のビールばかりですので、ぜひ楽しみながら見て頂ければ幸いです!
ドイツ人にとってビールは「水」と同じくらい身近
ドイツ人にとって、ビールは水と同じくらい身近な存在です。
特にスーパーで売っているビールは、飲料水と同じくらいの価格あるいはちょっとお高めの値段設定!
我が家でいつも購入する水は1.5lのペットボトルで1本0.6ユーロほど(日本円でおよそ78円)なのですが、ビールの値段は0.33lや0.5lで安いものは0.63ユーロ(日本円でおよそ82円)からと、水と近い価格設定!
かつて「ビールは飲料水と同じで、ジュースよりも安いんだ」と教えてくれたドイツ人の友人の言葉を今でも思い出すくらい、衝撃の値段設定です。
最近、スーパーで購入した果汁100%のオレンジジュースを購入しましたが、安売り価格でおよそ1.5ユーロ(日本円でおよそ198円)だったことを思い出します。
今回、ビールがテーマの記事を執筆するにあたり「どうしてかな?」と調べたところ、ドイツのビール醸造所のホームページ内に気になる記述を見つけたので、かみ砕いてご紹介します。
ドイツでは飲料水が安全に飲めない時代があった
ドイツにおけるビールの歴史は、500年以上前の中世から始まります。この時代は、飲料水がペスト菌などの病原菌で汚染されていることも多く、飲み水を介した感染症が頻繁に流行していました。当時の人たちは、安心して飲料水を口にすることができなかったのです。
そこで、飲料水の替わりに人々はビールをよく飲むようになりました。なぜなら、ビールの原料のひとつ「ホップ」には雑菌抑制効果があり、口にしても病気になりにくかったからです。しかも、栄養価やカロリーが高く、貯蔵寿命も長いことから、ビールは、当時のドイツ人たちが安心して飲める飲水替わりであっただけでなく、当時の主食のひとつになっていきました。
ドイツのビールは地域ごとに種類がいっぱい!
ドイツでは、ビールの醸造方法が約500年前に施行された「ビール純粋令」(1516)と呼ばれる法律によって「麦芽・ホップ・水のみ」で造らなければならないと定められました。現在もなお、ドイツの多くのビール醸造所では伝統製法を守り続けているというのは、有名な話かもしれません。
ドイツでは、現在各地域におよそ1,270以上の醸造所が点在し、ドイツ国内だけで実に5,000種類以上のビールが販売されているのだそうです。
広く市場に出回っているビールはドイツ全土のスーパーマーケットで購入できますが、地域性が強く、その地域に行かなければ買うことができない銘柄もあります。1回の滞在だけでは、到底すべてのドイツビールを味わうのが難しいのがわかりますよね。
スーパーで買える!ハンブルクに住むドイツ人が日常的に飲むビール厳選10選
ハンブルク近郊では、ハンザ同盟地区発祥の「ハンゼアティシュピルスナー」と呼ばれるピルスナーとドイツ北東部を中心としたチェコ・ピルゼン発祥の「クラシック(ピルスナー・ウルケル)」と呼ばれる2種類のタイプの販売割合が多いのが特徴です。
ピルスナーはドイツ人が好きなビールと言われており、消費量は全体の約65%ほどであるのだとか。実際、筆者が日本在住時に味わったドイツビールは、南ドイツのピルスナーが多かった印象があります。
ピルスナーはドイツ国内でも4タイプに分かれています。
・ピルスナー・ウルケル
・ハンゼアティシュピルスナー
・ザウアーレンダーピルスナー
・へレス
そこで今回は、筆者が住むハンブルクにスポットを当て、ドイツ人の意見で購入した、日常的に愛されているビールを厳選して10種16銘柄を飲みくらべてみました。
ドイツ人目線と日本人目線の意見を織り交ぜていますので、北ドイツでビールを探す際の参考にしてみてください。
1)Flensburger(フレンスブルガー)
「Flensburger」は、ドイツの最北端にあるシュレスヴィヒ=ホルシュタイン州フレンスブルクという街の民間醸造所「Flensburger Brauerei(フレンスブルガー ブラウアライ)」で造られています。
1888年創立のため、歴史はなんと130年以上!歴史が長いからか、日本でも輸入ビールとして入ってきているようです。
北ドイツの人たちの間では「ピルスナー」と「ゴールド」と呼ばれる2種類が親しまれているようです。
Flensburger Pilsener
Flensburger Pilsener(フレンスブルガー ピルゼナー)」は、典型的な北ドイツ産ピルスナーですが、苦みと酸味がアクセントを利いた辛口部類に入るビール。
ピルスナー特有なのか、注いでから味わうまでの泡立ち時間が短いのが印象的でした。
ビール好きな筆者でも、苦みを強く感じたビールでしたが、一緒に試飲したドイツ人パートナーは、この苦みがちょうどよいとのことです。
・タイプ:ピルスナー
・アルコール度数:4.8%
・内容量:0.33リットル
Gold
「Flensburger Pilsener」よりもちょっと濃い目の黄色が印象的な「Flensburger Gold(フレンスブルガー ゴールド)」。
琥珀色が美しいですよね。
注いだ後の泡立ちが長いことと、ピルスナーに比べて苦みが少ない飲み心地が印象的でした。
カラメル風味と酸っぱさが少しあるため、女性でも飲みやすいのが特徴的ですが、実は「ゴールド」のほうがアルコール度数はやや高め!
飲みすぎには気をつけたいところです。
・タイプ:ピルスナー(下面発酵)
・アルコール度数:5.0%
・内容量:0.33リットル
2)BECK’S(ベックス)
世界的に愛されている「BECK’S」は味がドイツ人好みなのか、ドイツ全土でも広く親しまれている銘柄です。もちろん、ハンブルクも例外ではありません。
北ドイツのブレーメン州で1873年からその歴史がスタートしていることからも、一概に歴史が浅いとは言い切れませんが、ドイツ人の意見の中には「美味しくてみんな好きだけど、ビールとしての歴史が浅い種類」とみなされているようです。
今回は、日本でもファンが多い「Pilsener(ピルゼナー)」と、日本では珍しい「Gold(ゴールド)」を味わってみました。
「BECK’S PILS(ベックス ピルス)」
「BECK’S PILS」は、明るい黄金色が印象的なピルスナータイプ。
泡も少なめで少し苦みがあるものの、他のピルスナーと違いはほぼみられないという印象でした。しかし、ビール愛好家は飲んだだけですぐにこれが「BECK’S PILS」とわかるようです。
・タイプ:ピルスナー
・アルコール度数:4.9%
・内容量:0.33l
「BECK’S GOLD(ベックス ゴールド)」
一方のラガービールである「BECK’S GOLD」はピルスナーと比較して少し黄色みが強いものの、 「BECK’S PILS」 と並べただけでは、違いが分かりづらいかもしれません。
アルコール度数も同じで、グラスに注いだ時の色合いもそっくりなため、少なくとも外見上からは筆者もドイツ人も違いがよくわからず困ったくらいです。
ただし、口にしたら違いが歴然!
酸味はあるものの、ピルスナーよりも飲みやすいという印象でした。
ドイツ人の間では「ピルスナーは男性向け、ゴールドは女性向け」とみなされているようで、どちらかと言うと女性向けの扱いからも納得の飲みやすさではありました。
・タイプ:ラガー
・アルコール度数:4.9%
・内容量:0.5l
3)Störtebeker (シュトゥルテベッカー)
北ドイツ東部のメクレンブルク=フォアポンメルン州ストラールズンドという街にある「Störtebeker」は800年の歴史があるビール醸造所!
ストラールズンドは、かつて貿易同盟だったハンザ同盟の都市の中でも大きな都市だったそうです。ビールはハンザ同盟の中でも有名な貿易品だったこともあり、様々なタイプのビールが販売されています。
今回は、スーパーマーケットで販売されていた「Störtebeker」のセレクション6種類を購入し、飲み比べてみました。
HANSE-PORTER(ハンゼーポーター)
「Störtebeker HANSE-PORTER(シュトゥルテベッカー ハンゼ-ポーター)」は、黒ビールに近いダークブラウンの色味が特徴のビール。
ポータービール自体はイギリス発祥ですが、かつてバルト海を航行していた船員たちを中心に、ドイツを含むバルト海に面していた地域で親しまれていたという歴史があります。
注ぎたてでは泡が多かったのですが、泡は減ってすぐになくなってしまい、ちょっと残念。ですが、味がとても特殊でした!
苦そうに見えますが、すごく甘くてカラメル風味が強いのです!
アーモンドとコーヒーの香ばしい香りが特徴的で、女性でも飲みやすいビールという印象でした。
ハンガリー料理の「グラーシュ」やジビエ料理との相性が良いようです。
・タイプ:ポーター
・アルコール度数:4%
・内容量:0.5l
Atlantik Ale(アトランティックエール)
「Störtebeker Atlantik Ale(シュトゥルテベッカー アトランティックエール)」も、イギリススタイルのエールビール製法がハンザ同盟都市の中で広がるきっかけになったという歴史的背景のあるビールです。
貯蔵期間が長いエールビールはは、当時の港町の人たちに親しまれていたのでしょう。
泡立ちは美しくきめ細かく、明るい黄色がとても印象的でした。
レモン・グレープフルーツとメロンが合わさったようなフルーティーな味わいと香りがあるため、ドイツ南部の「ヴァイツェン」に似た感覚ではあるものの、後から苦みがちょっとやってきます。
食前酒としても良いですし、シーフードと合わせてもピッタリなので、新鮮な魚介類に恵まれた北ドイツでは応用範囲の広いビールです。
・タイプ:エール
・アルコール度数:5.1%
・内容量:0.5l
Pilsner-Bier(ピルゼナービア)
「Störtebeker Pilsner-Bier(シュトゥルテベッカー ピルゼナービア)」は、低温発酵製法で造られた北ドイツの典型的なピルスナー。
筆者たちは、先にこの後ご紹介するピルスナービール「JEVER(イェーヴァー)」を先にいただきましたが、「JEVER」よりも苦みが少なくフルーティーという印象でした。
サラダや肉・新鮮な魚と合わせていただくと、より美味しく味わえますよ!
・タイプ:ピルスナー
・アルコール度数:4.9%
・内容量:0.5l
Baltik-Lager(バルティックラガー)
低温発酵の「Störtebeker Baltik-Lager(シュトゥルテベッカー バルティックラガー)」は、「Störtebeker」シリーズや他のピルスナービールと比較しても柔らかい飲み心地がクセになるラガービールです。
苦みも少なく飲みやすいのは、アメリカのクラフトビールに使われているカスケード種と呼ばれるホップの種類と、麦芽にあるのだとか。
カスケード種はホップの中でも軽い味を引き出すことから、麦芽の風味が強く感じられるのでしょう。
ビールの栓を開けると、ビスケットとマジパンをほうふつとさせる香りが漂います。
「Störtebeker」公式ホームページ(ドイツ語・英語)では、鶏肉料理やシチューにおすすめしていましたよ!
・タイプ:ラガー
・アルコール度数:5.1%
・内容量:0.5l
Bernstein-Weizen(ベルンシュタイン-ヴァイツェン)
「Störtebeker Bernstein-Weizen(シュトゥルテベッカー ベルンシュタイン ヴァイツェン)」は、北ドイツ版ヴァイツェンビール(小麦ビール)です。
このビールには、メクレンブルク=フォアポンメルン州で育てられた琥珀色の小麦が使われているという特徴があります。
ヴァイツェンビールと言えば、ミュンヘンのあるバイエルン州が有名ですよね。北ドイツでは、かつてハンザ同盟において輸出向けの新商品を作るべく小麦・白ビールが着目されたという背景があるそうです。
その歴史背景から、現在でも夏を中心に醸造されているのだとか。
ヴァイツェンビールならではのバナナに近いフルーティーな香りと味はもちろん、酸味と苦みが少ないためサラダやパスタ・鶏肉料理にピッタリ!
さらに、飲んだ後ほどフルーティーな味が強く感じやすいので、ビールの苦みが苦手な人も飲みやすいのではないでしょうか。
ただし、ヴァイツェンビールらしく、アルコール度数はやや高めの5.3%なので、飲みすぎて悪酔いしないように気をつけましょう。
・タイプ:ヴァイツェン
・アルコール度数:5.3%
・内容量:0.5l
Keller-Bier 1402(ケラービア1402)
「Störtebeker Keller-Bier 1402(シュトゥルテベッカー ケラービア1402)」は、地下室など冷所発酵で醸造されたセラービールです。
このビールは「世界ビール選手権2010」で世界最高のセラービールに選ばれたという実績があり、「Störtebeker」の中でもおすすめの商品に加えられていました。
ろ過されていないため、明るい色ながらも濁った見た目が特徴です。味自体はピルスナービールと明確な違いは感じられませんでしたが、ほのかなハーブの香りが!
「飲みやすいかな?」と思いきや、口に入れた時に強い炭酸と辛口の味を感じました。あえて言うなら、他のビールに比べてみずみずしさがあるというのが筆者の感想です。
鶏肉料理や野菜料理・魚など、さっぱりした料理との相性抜群ですよ。
・タイプ:セラー
・アルコール度数:4.8%
・内容量:0.5l
4)Holsten(ホルステン)
「Holsten」は、ハンブルクの古い魚市場があるアルトナという場所に1879年に創業した醸造所で造られています。
日本では、缶タイプの「Holsten」だけでなく、ノンアルコールビールの販売もあるようです。
後述の「Astra(アストラ)」も「Holsten」と同じ醸造所で造られています。
ハンブルク・アルトナ生まれの「Holsten」からは、2つのビールをピックアップしてみました。
Pilsener(ピルゼナー)
「Holsten Pilsener(ホルステン ピルゼナー)」はクラシックタイプの北ドイツビール。
「Holsten(ホルステン)」では独自に「苦み単位」というものを設けていますが、「Holsten Pilsener(ホルステン ピルゼナー)」の苦み単位は28とやや高め。
注いだ時に泡があまり立たないのも、ピルスナーならではだと感じました。北ドイツのビールに見られるフレッシュな口当たりと後味スッキリの飲み心地には特別感はありません。
しかし、特別でないからこその味わいが、多くのドイツ人を惹きつけてやまないそうです。
・タイプ:ピルスナー
・アルコール度数:4.8%
・内容量:0.33l
Edel(エーデル)
「Holsten Edel(ホルステン エーデル)」は、ドイツのビール純粋令に則って造られているへレスビールのひとつです。
前述の「Holsten Pilsener」と比較すると、色味も明るく苦み単位も「23」と控えめ。
炭酸も泡立ちも控え目であるだけでなく、ピルスナーと比較しても酸味が少ないのが印象的でした。クリアな味わいというのは、酸味が少ないところからきているのでしょうね!
ハンブルクのビールは苦みが強いのが特徴的ですが、こちらはマイルドで苦みが少ないタイプのため、女性でも飲みやすいと感じています。
・タイプ:へレス
・アルコール度数:4.8%
・内容量:0.33l
5)Astra URTYP(アストラ ウアテュップ)
ハートと碇のマーク(ハートアンカー)でいかつそうな見た目をしている「Astra URTYP」は4種類発売されています。
今回は1909年発売当時から味がほとんど変わらず、ハンブルクに住む人たちの間で「Astraを飲むならコレ!」と言われている、「アストラ・プロトタイプ」と呼ばれているビールにトライ!
苦みが強く、マイルドな味わいですが大変飲みやすく、「シンプルに美味しい」とドイツ人たちの間でも評判です。
余談ですが、「Astra(アストラ)」ビールはハンブルクのサッカーチーム「ザンクトパウリ」のパートナーでもあります。
・タイプ:ピルスナー
・アルコール度数:4.8%
・内容量:0.33l
6)JEVER Pilsner(イェーヴァー ピルゼナー)
ドイツに行ったことある人やドイツ料理レストランに行ったことある人などは、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?
「JEVER」は、宿屋を経営していた主人が作ったとされており、170年以上の長い歴史を持つだけでなく、現代でもハンブルクなどドイツに住む人たちに親しまれているビールです。
特に、「JEVER」の中でも「JEVER Pilsener(イェーヴァー ピルゼナー)」が特に愛されているようです。
明るい黄色が特徴で、泡は少なめ。程よい苦みとフレッシュな飲み心地の中に潜む、程よい酸味がたまりません。
「JEVER Pilsener」独自の製法である混じりけがなく柔らかい水にホップを少し追加するというアイデアが、ちょうどよい苦みの秘密なのだとか。
・タイプ:ピルスナー
・アルコール度数:4.9%
・内容量:0.33l
7)Ratsherrn Pilsener (ラーツへレン ピルゼナー)
「Ratsherrn Pilsener」は、ハンブルクの小さな醸造所で造られているピルスナービール。
ドイツビールの伝統的な醸造方法を守るだけでなく、アメリカやデンマークなど、世界のクラフトビール醸造所から影響を受けながら、今もビールを造り続けています。
ホップの割合が多いのか、飲んだ後に苦みを感じやすいものの、ちょっとしたカラメル風味も味わえるタイプのおとな向けビール。
特徴的なのが、一緒に飲むと美味しい食事です。
公式ホームページによれば、ローストビーフなどの味の濃い料理だけでなく、ジャガイモと牛肉・レッドビートを使った北ドイツや北欧を中心に味わわれる料理「ラプスカウス」が合うとのこと!
ハンブルクに訪れた際は、ラプスカウスとの組み合わせで味わってみてください。
・タイプ:ピルスナー
・アルコール度数:4.9%
・内容量:0.33l
8)Nordlicht Landbier Mild (ノルドリヒト ランドビア ミルド)
筆者は今回、近所にあるスーパーマーケット「REWE(レーヴェ)」にてビールを購入しましたが、「REWE(レーヴェ)」がオリジナルで販売しているビールが「Nordlicht Landbier Mild(ノルドリヒト ランドビア ミルド)」です。
シュレスヴィヒ=ホルシュタイン州のノルダーシュテードなど北ドイツ向けに独自に開発されたようで、北ドイツの典型的なピルスナービールとして親しまれています。
フィルターでろ過されていないため、濁った黄色が特徴的です。飲むと意外に炭酸が少ないため、炭酸が苦手でも飲みやすいビールという印象でした。
マイルドで心地よい飲み心地ですが、後から苦みがやってくるので、苦い味が苦手な場合は注意したほうが良いかもしれません。
・タイプ:ピルスナー
・アルコール度数:5.0%
・内容量:0.33l
9)Dithmarscher Pilsener(ディトマーシャー ピルゼナー)
「Dithmarscher Pilsener(ディトマーシャー ピルゼナー)」は、北ドイツシュレスヴィヒ=ホルシュタイン州の西海岸地区で130年以上の歴史がある唯一の民間醸造所で造られたピルスナーです。
「Dithmarscher(ディトマーシャー)」も複数の種類がありますが、ハンブルクを中心に親しまれているのはピルスナータイプだそうです。
北ドイツで醸造されたピルスナーの味は典型的で特別感はないものの、「Dithmarscher Pilsener」は炭酸が多めで苦みも強いタイプです。
・タイプ:ピルスナー
・アルコール度数:4.8%
・内容量:0.33l
10)helle Pülleken(ヘレ ピュレケン)
最後にご紹介するのは、2020年に発売された新しいタイプのビール「helle Pülleken」。
このビールは、ノルトライン=ヴェストファーレン州にあるVELTINS(ヴェルティンス)醸造所がドイツの純粋令に従って醸造した新しいタイプのへレスビールです。
泡が多く透明感があるため、ドイツ人もヴァイツェンビールと見間違えるほどでしたが、実はヴァイツェンビールとピルスナーの中間に位置するへレスタイプ!
炭酸が多く、マイルドで少し苦みがあるのはピルスナーならではの飲み心地ですが、後から甘い麦芽の味が漂うため、ちょっと得した気分を味わえます♪
・タイプ:へレス
・アルコール度数:5.1%
・内容量:0.33l
まとめ
実際にスーパーに足を運び、ドイツ人の意見をもとに合計16銘柄ものビールの試飲と飲み比べを詳細にレポートしてみましたが、北ドイツのビールはいかがでしたでしょうか?
北ドイツをはじめドイツ人には、ピルスナータイプのビールが広く愛されているだけでなく、北ドイツ独自の製法のピルスナービールがあるのがビール大国ドイツならではなのかなと筆者は感じました。
ドイツビールには日本に輸入されている種類もあれば、最近ドイツで発売された新しいタイプのビールまで、様々な種類があります。今回ご紹介したビールは、スーパーマーケットブランドビールもありますが、基本的にどの種類もドイツのスーパーで手軽に買えるものを選んでレビューを書いてみました。
ハンブルクなど北ドイツにお越しの際は、今回の記事を参考に、気になるビールを事前にチェックしてみてはいかがでしょうか。
ドイツに行ったら、あなただけのお気に入りのドイツビールを見つけてみてください!