イギリスロンドンから気軽に行ける日帰り観光スポット3選

イギリスの郊外に住みながら、平日はIT企業でフルタイム、週末はのんびりライターとコーチング活動をしているKumikoです。海外での暮らし、生き方、マインドについて毎月更新しています。

こちらはまだまだ寒い日が続きますが、そんな中でも梅や水仙が咲き始めたり、少しずつ芽吹いてきたりなど、春を感じさせてくれる季節となりました。

これからは3月、4月と新緑や花もますます咲き誇り美しくなるイギリス。

今回は、これからの季節におすすめの郊外の観光スポット、バースヘンリー・オン・テムズ、そしてケンブリッジの3カ所をご紹介いたします。

ロンドンに来る機会がありましたら、少しだけ足を延ばして、これからご紹介する郊外のスポットも訪れてみてくださいね。

2000年以上の歴史を誇る古代の温泉施設バース

まず紹介するのは、2000年以上の歴史を誇る古代の温泉施設である「バース(Bath)」。

ロンドンの中心地にある中長距離バスのターミナル「ヴィクトリア コーチ ステーション」は、イギリス郊外はもちろん、パリやアムステルダムなどの他欧州へ、ひっきりなしに大型バスが出入りし、さまざまな場所へ移動できます。 

そこから「ナショナルエクスプレス」という長距離バスで3時間程、西に約180km移動すると、時代をタイムスリップしたかのような古代の温泉地、「バース(Bath)」に到着します。

世界遺産にもなり、お風呂(Bath)の名前の語源と言われている「バース(Bath)」は、紀元後1~2世紀頃、当時ローマ帝国の支配下にあった時代に温泉地として発展した場所です。

現在は、博物館となり、世界中からの観光客で賑わう観光スポットになっていますが、当時は、水風呂、スチーム風呂、マッサージ室から神殿までを兼ね備えていました。

当時は、すべてのお風呂部屋は屋根で覆われていたそうです。部屋の周りの壁はカラフルに塗装されており、床にはモザイク石が敷き詰められていたと言われています。

現在は、このように屋根はありません。

当時は、病気を患う人たちがこの温泉に不思議な癒しの力を求めてたくさん訪れてました。

入浴により、体が温まると、末梢血管をはじめとした血管が広がり、血の巡りが良くなることで、新陳代謝の活性化が期待できるため、疲労回復につながります。

現在の温泉は緑色をしていますが、これは藻類が繁殖しているためです。当時はお風呂の屋根が太陽光を遮っていたため、このような色ではありませんでした。

今でも46°Cのお湯が1日117万リットル湧き出ています。写真のように周りの石はオレンジ色に変色していますが、これは温泉水に鉄が溶け込んでいるためです。

出典:https://www.heritagedaily.com/2020/05/aquae-sulis-roman-bath/129611

現在の私たちが癒しの場として温泉を利用するように、2000年前の人たちも癒しや楽しみを求めて利用していたかと思うと、当時の人たちのどんなことを考え、どんな生活をしていたかなどが不思議と伝わって来るような空間です。

情報

施設名:The Roman Baths
住所:Abbey Churchyard, Bath BA1 1LZ
ホームページ:https://www.romanbaths.co.uk/(英語)
事前チケット購入はHPからできます
チケット代:週末/祝日の場合、大人£24.50、子供(18歳以下)£17.00
※音声ガイドには日本語もあります。

夏は多くの観光客で賑わうイングランドの町ヘンリー・オン・テムズ

出典:https://www.henleytowncouncil.gov.uk/visit-henley/about-henley-on-thames

ロンドンのパディントン駅から電車で約1時間ほど、西に約60kmに移動すると、イングランドの中で最も美しい町の1つと言われている「ヘンリー・オン・テムズ(Henley-on-Thames)」に到着します。

このヘンリー・オン・テムズの土地は、多くの著名人に気に入られ、例えば、「You don’t have to say you love me(この胸のときめきを)」の歌手として、今でも多くの人から愛されているダスティ・スプリングフィールドが眠る場所であったり、ビートルズのメンバーだったジョージー・ハリソンが住んでいた家があります。

ロンドンの喧騒から離れて住むには最高な静かな場所でもあるため、英国の The Timesという機関紙ではイギリスで住みたい町トップ20にも選ばれました。

お洒落なカフェが沢山あるこの町は、暖かくなると外で日向ぼっこをしながら、のんびり時間を過ごす人たちで賑わいます。

ヘンリー・オン・テムズの中心地の様子。

毎週木曜日は沢山のマーケットが出店します。八百屋さん、お肉屋さん、パン屋さん、チーズ専門店、オリーブ専門店、手作りアクセサリーなど、さまざまなお店が並び新鮮な食材や可愛い雑貨が手に入ります。

イギリスの田舎町を実際に肌で感じられたい場合は、ロンドンから日帰りでも行けるのでふらっと足を運んでみてください。

また、夏になると観光客がさまざまなイベントを目的に集まる場所でもあります。

特に有名なものが、毎年7月になると白熱するボートレース「レガッタ」、そしてイギリスの大きな音楽祭「ヘンリーフェスティバル」のイベントです。

白熱するボートレース「レガッタ」

イギリスの初夏の風物詩として行われているボートレースの大会レガッタ」。

この時期になると、世界中からボート選手やイベントに参加するクルー、そして大会を観戦するために訪れる観光客など、毎週何千人もの来場者が集まり町が賑わいます。

https://www.hrr.co.uk/

ボート競技コースは全長1マイル550ヤード(約2112m)の距離を、「バッキンガムシャー」側と「バークシャー」側の2つのレーンで1対1によって争います。

大会はトーナメント方式で、レース全体の走破タイムのほか、2か所の中間点の通過タイム、ゴールでの着差などを競います。

男子も、女子も、この日のレガッタ出場に向けて日々トレーニングをし、選抜された選手たちはこのヘンリー・オン・テムズの川でボートレースで競い合います。

写真は、自家用ボートやレンタルボートにワインや食べ物を詰め込んで、ピクニックをしながらレガッタを観戦する人たち。

エンターテイメントが繰り広げられる大人の夏の夜「ヘンリーフェスティバル」

1週間ほど続くレガッタのイベントが終わると、今度はすぐにイギリスの大きな音楽イベント、「ヘンリーフェスティバル」が5日間にわたり開催されます。

出典:https://theoxfordmagazine.com/event/henley-festival/

フェスティバルに参加する際のドレスコードは、女性はフォーマルなロングドレス、男性はタキシードのため、美しく着飾った人たちで町中が華やかに賑わいます。

このヘンリーフェスティバル音楽祭では、数多くの有名なアーティストであるチャカ・カーンやエルトン・ジョン、ライオネル・リッチーなどが過去に演奏しました。

7月、ヘンリー・オン・テムズを訪れた際には、エンターテイメントが繰り広げられる大人の夏の夜を楽しんでみてはいかがでしょうか?

情報

イベント名:Henley Festival
住所:Abbey Leander Club, Henley on Thames, Oxfordshire, RG9 2LP
ホームページ:https://henley-festival.co.uk/
備考:夜の音楽祭のチケットは£85~£170。
   日中はコメディや一般音楽などを大人£15で見られます。
           https://henley-festival.co.uk/ticket-pricing/
毎年7月に開催されるヘンリーフェスティバルの事前チケットの購入はこちらのサイトから
https://theoxfordmagazine.com/event/henley-festival/

ヘンリー・オン・テムズの隣駅の「シップレイク」

ヘンリー・オン・テムズ(Henley-on-Thames)のすぐ隣駅の「シップレイク駅(Shiplake)」に行くと、上記に紹介した川沿いの街とは大違いの光景が見られます。

隣駅のシップレイク駅まではヘンリー・オン・テムズから電車で12分。

自然以外は何もなく、春は菜の花で覆いつくされ、秋はポピーや麦畑が丘全体を埋め尽くします。

菜の花畑にを歩くと鳥のさえずり以外の音は聞こえて来ないほど長閑で平和な場所。

どこまでも続く菜の花畑の丘陵。丘の左側に見える鬱蒼と生い茂ったした森が見えますか?

その中へ入って行くと・・・

4月下旬から5月上旬頃にはイングリッシュブルーベルの花を沢山見ることができます。

ブルーベルは、青い釣り鐘型をしたスズランに似た小さな花で、この季節になるとイギリスの各地の森は青紫色で埋め尽くされ、春の訪れを感じます。

静かな森で聞こえるのはさまざまな種類の野鳥のさえずりだけ。自然と一体になれるとても神秘的な空間です。ときどき野生の鹿の家族にも遭遇できますよ。

あのニュートンも過ごした学問の町ケンブリッジ

ロンドンのリバプール・ストリート(Liverpool Street) 駅から電車で約1時間半ほど、北に約91km向かって行くと、世界大学ランキングトップ5に入り、アイザックニュートンが大学時代を過ごしたことで有名なケンブリッジ大学がある、「ケンブリッジ(Cambridge)」あります。

舟に乗りながらケンブリッジの歴史を楽しめる「パンティング・ボートツアー」

この町の魅力は何といっても、伝統的なパントに乗り、船頭さんが舟を漕いで、ケム川の下流を漂いながら、ルートにそった名所の案内をしてくる「パンティング・ボートツアー」。

長い棒で川底を突いて、方向を操作しながら、舟でゆっくりと緑に挟まれた川をのんびりと進んでいきます。

舟を操縦するガイドさんが丁寧にさまざまなケンブリッジの歴史を語ってくださいます。

熱心なガイドの案内により、手漕ぎボートで川沿いにある大学の裏手のケンブリッジ・バックスを通り過ぎ、「マグダレン橋」や「溜め息の橋」など象徴的な橋の下をくぐります。

ヴェネツィアのため息橋にちなんで名付けられた「溜め息の橋」。

長い葉が垂れ下がった柳で覆われた木のトンネルを抜けた後は、前方に見える19 世紀の新ゴシック様式の建造物「溜め息の橋」の下をゆっくり通り過ぎていきます。

橋を抜けると川幅も狭くなっていき、両脇の建物はヴェネツィアの街並みを彷彿させます。

ボートの横の水面では鴨や白鳥がのんびりと泳ぎ、目線を陸にへと移すと歴史を感じさせる建造物と青々とした美しい芝生。一瞬遠い過去にタイムトラベルをしてしまったような気分になる空間です。

歴史を感じられる楽しい町散策

パンティング・ボートツアーのあとは、町散策。歴史を感じさせる重工な赤レンガ造りの建物が立ち並ぶ裏道を歩いているとイギリスにいる感じをさらに実感させてくれます。

小道を歩くと左側の建物から素敵な出窓が。この建物はどんな目的で建てられどんな人が生活をしていたのか興味深いです。

観光地にもなっているケンブリッジには、イギリスらしいお土産さんも沢山あります。

ふらっと立ち寄ったお店の一軒がこちら。

イギリスらしいユニオンジャックのパッケージが並ぶ店内。

そんな中で特に印象的だったのがむっつり顔のおじさんのパッケージ。左側にあるイギリスの象徴、ビッグベンの存在感を消してしまうほど。このGrumpy Old Git Humbugs には、おじさんの顔とは対照的な甘くて美味しいミントキャンディーが入っています。(Grumpy=むっつりした)

最後に

旅行を楽しむために一番大切なのはお天気!

イギリスの冬はどんよりと暗く雨も多いですが、3月を過ぎると日もだいぶ延び、天気も良くなってきます。

天気は旅行中のスケジュールや気分にも影響してきますよね。せっかく行くなら一番いい時期に行きたいものです。

イギリスのお勧めシーズンは4月から9月頃。この時期は晴れている日が多く、気候も爽やかで過ごしやすく、また楽しいイギリスならではのイベントもたくさんあります。

ロンドンの大都会も素敵ですが、イギリスに来る機会がありましたら、ぜひ郊外にも足を延ばして、都会では味わえないさまざまな体験を楽しまれてくださいね。

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