2年に1度の国際現代芸術祭!「中之条ビエンナーレ2021」でアートと里山のコラボを楽しむ

風光明媚な温泉観光地と美しい里山で知られる、自然豊かな群馬県の中之条町。2年に1度開催される国際現代芸術祭「中之条ビエンナーレ」2021年も開催されています。

参加アーティスト総勢125組が中之条町で生み出した作品を展示し、多数のイベントなども開催されて熱く盛り上がる1ヶ月が今年もスタートしました。そこで、町全体がアートに包まれる「中之条ビエンナーレ2021」をご紹介しましょう。

中之条ビエンナーレのコンセプト

中之条ビエンナーレは2年に1度の開催、国内外で活躍するアーティストが集結し、都会を離れて中之条の里山に滞在しながら制作活動を行い、日常とは違う世界を生み出します。

会場の1つとなっている、伊参スタジオ公園

そして日本を誇る山々や温泉や養蚕、伝統的な文化など魅力あふれる里山が芸術発表のステージとなります。

テーマは「PARAPERCEPTION- 知覚の向こうから」

中之条ビエンナーレ2021のコンセプトは、「PARAPERCEPTION- 知覚の向こうから」

地球規模で感染拡大を引き起こしている新型コロナウイルス。これによって変わってしまった日常や感覚などを芸術を通じて伝え、感じ、考えていくきっかけとしていく芸術祭です。

今回からインターネットでのオンライン鑑賞(無料)も始まり、現地に足を運べない人でも、映像で楽しむことができます。

特設ウェブサイト:https://nakanojo-biennale.com/2021/

公式ガイドブック

グッズショップやマルシェも充実

つむじ内のショップ

中之条ビエンナーレでは、開催期間中にグッズを販売するショップや地元で人気のマルシェなども出店し、ビエンナーレを盛り上げてくれます。

開催期間限定で駅前インフォメーションセンターや中之条ふるさと交流センターつむじにショップがオープンし、公式オリジナルグッズの販売や参加作家さんのアイテムが登場します。

ガイドブック、Tシャツ、トートバッグなどを販売
作家さんの作品も販売

マルシェはイサマムラ、やませ、旧沢田小学校でオープンします。

5つのエリアで販売している缶バッジ5種類、各200円(税込)。写真は伊参エリアのバッジ。イサマムラで販売
旧沢田小学校内のマルシェ

出店日等はカレンダーを御確認くださいね。

マルシェ出店カレンダー:https://nakanojo-biennale.com/food

5つのエリアと展示作品

リーフレットに記載されたエリアマップ

中之条ビエンナーレでは、広い中之条町を5つのエリアに分けて芸術作品が展示されています。作品によっては作家さんが常駐されていることもあり、作品について直接聞けるチャンスがあるかも?!

ここでは5つのエリアで鑑賞してきた展示作品をピックアップしてご紹介したいと思います。

開催エリアと参加全アーティストは下記でご確認くださいね。

開催エリア詳細:https://nakanojo-biennale.com/map
参加アーティスト125組の詳細:https://nakanojo-biennale.com/artist

中之条市街地エリアについて

ふるさと交流センターつむじ

JR吾妻線中之条駅から町役場にかけて、風情溢れる街並みが広がります。中之条メインストリートのひとつ国道353号線沿いにある「ふるさと交流センターつむじ」は、ショップや地元の食材を使ったカフェ、さらには足湯もある観光拠点として充実のスポット。中之条町観光協会もあります。(観光情報は、TEL:0279-75-8814まで)

つむじの目の前には上之町商店街と昔ながらの町並みが情緒あふれるエリアです。

この上之町商店街で楽しめるのが、Makotoさんが制作された映像作品 「Maschera / 白い仮面の物語 beginning」です。商店街の白い店舗の中に繰り返し映し出される映像。そこには世界中の人を魅了してきた仮面が姿を見せ、人々の目を惹きつけます。

商店街に並ぶ建物内にアート

いったい私たちはどんな仮面をかぶって日々過ごしているのか、そんな思いがあふれ出てきます。

映像で仮面を表現
作品が展示される旧薬局/DamaDamTal「忘れもの薬局」

場所は上之町商店街、今はもう営業していない小池薬局の倉庫に眠るものを全てラッピングし、店舗内の棚に展示、地元の人にとって懐かしさ溢れる店内。

店内へのエントランス、過去へと続くようなトンネル

活気あふれる時代に活躍した品々がベールに包まれ並びます。この中に、あなたの忘れ物はありますか?

ラッピングされ展示される作品

伊参(いさま)エリアについて

道の駅たけやまから霊山を望む

霊山として信仰される嵩山(たけやま)周辺の伊参エリアには、「道の駅たけやま」やイサマムラと呼ばれる伊参芸術文化創造施設、映画「眠る男」のロケ地、映画「月とキャベツ」の舞台衣装や小道具などを展示する「伊参スタジオ公園」などがあり、中之条ビエンナーレ以外でも豊かな自然とともに芸術作品に触れ合うことができるエリアです。

場所は道の駅たけやまの目の前に鎮座する親都神社(ちかとじんじゃ)。

参道に広がる幻想的な光景

参道から本殿そして境内に縦横無尽に赤身を帯びた木材アートが張り巡らされています。中村岳「遡及空間」です。

拝殿前にもアート/中村岳「遡及空間」

空中をキャンパスに見立てたという作品、神社の境内で何を感じますか?

境内にもアートがあしらわれる

道の駅たけやまの敷地内にある茶室の内部に花びらや葉が施され、情緒溢れるアートな作品。手の届かない風景、部屋から見える景色。

自然と静寂の中時が止まったかのような感覚、そこでいったいどんなものが見えるのでしょうか。

茶室から外を望む/鳥越 義弘 「景色の部屋」 
内部にあしらわれたアート

新型コロナウイルスで突如起きたパンデミック。人々はこれに何を思い、何に希望を抱いているのでしょうか。

過去を垣間見る黒い壁/中村 Mather 美香 「過去と未来の狭間から:I remember tomorrow like it happened only yesterday.」
やりたかった事
未来への希望が見える白い壁
未来への希望

黒い壁は過去の思い出、白い壁は未来への希望。竹製の望遠鏡からは、世界16か国の子供から高齢者まで180名の思いが垣間見られ、心が熱くなり涙が頬を伝う作品。

豊田 朝美 「たくさんの分水嶺/考え続ける人へ」

四万温泉エリアについて

四万ブルーと称される奥四万湖

四万温泉は、鎌倉時代より続く四万の病を治すとも言われる温泉が湧き出し、湯治場として親しまれてきました。四万湖、奥四万湖などの風光明媚な自然の景色自体がアートといっても過言ではないエリアです。

空き地にあしらわれた白いアート/永井 俊平「落書く」

奥四万湖へ続く道沿いの広場に突如現れる白い線のような物体。今はもう使われていない物をつなぎ合わせることで、まるで息を吹き替えしたかのようにつながる何か。

不自然な落書きが目覚めさせるものとは?

戦時、疎開で東京から中之条町に来ていた子供たちの遊び場だった四万温泉の山。

人々を癒してきた四万の飲泉とアート/佐藤令奈「山に浮かぶ」

豊かな自然や生き物が子供たちのさみしさや心を癒したはず。温泉地ならではの飲泉所で四万の山の懐の大きさを感じさせる作品。

ゆずりは飲泉所で見られる作品

沢渡暮坂エリアについて

旧沢田小学校

中之条市街地と旧六合村の間に位置する沢渡温泉と暮坂峠。山間部に佇む沢渡温泉はまろやかな泉質で「草津の仕上げ湯」とも言われ美肌の湯としても知られています。ありのままの自然が姿を見せる暮坂峠はドライブにもぴったり。2015年に廃校となった旧沢田小学校や澤渡神社、沢渡ギャラリー、山の上の庭園など自然とともにアートを楽しめるエリアです。

幼い頃亡くなった祖父の遺品を、旧沢田小学校内の理科室で展示した、人見 将「祖父の手紙」。

理科室に展示される作品/人見 将「祖父の手紙」

段ボール1つの遺品から、詩人だった祖父がどんな人だったのか、想像力をかきたてる作品です。

多くの人がカメラを持ち写真を撮るようになった現在。

いつの時代も人々の思い出を残す写真/糸井 潤「追憶の部屋」
遺品から想像する祖父像。大切な写真であることは間違いない

進化を遂げた写真とともに時間も変わりつつあるのだろうか?そんな疑問を解決すべく、過去の写真とともに廃校となった旧沢田小学校で記憶と向き合う作品です。

つづいて、「沢渡温泉の有笠山の頂上には池がある」という地元の人から聞いた伝説を元に作られた、山の上庭園で見られる林 耕史「月が眠る山 2021-Ⅱ」はいかがでしょうか。

伝説をイメージした作品
山の上庭園に展示される作品

池の水面に映る月をイメージした彫刻は、四季折々の美しさとともに静かに佇んでいます。

六合エリアについて

絹産業が栄えた赤岩地区

豊かな自然が広がりのんびりとした時間が流れる六合エリア。

ビエンナーレの会場となる赤岩地区は絹産業が発展し、国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定され、里山文化が栄えました。古き良き日本の原風景的なエリアです。

赤岩広場池の側で美しい音色を響かせる風鈴。エリア内の白根開善学校中等部・高等部の学生さんが、陶器で風鈴を作りました。

山間を吹く風になびく風鈴/白根開善学校「六合の奏(かなで)・風鈴プロジェクト」

山間の地に風が吹くと、風鈴の美しい音色が響きわたります。周辺の景色と音色が調和して、心清らかになる作品です。

美しい音色が心を清らかにしてくれる

赤岩広場の原っぱに佇むその名の通りまあるい家。土地や風土など場所にあわせてころころとリフォームを繰り返して引っ越していく。

今にも転がっていきそうな丸い家型オブジェ/森本一朗「Round House」
家の中の様子

ここにたどり着くためにどんなリフォームをしたのだろうか。想像力を掻き立てる作品です。

赤岩重要伝統的建造物群案内所の中には、かつて日常生活で当たり前に使われてきた唐箕、足踏み脱穀機やなどの農具や民具が並びます。

農具が美しい音を奏でる/岡淳&音楽水車プロジェクト「農具ミュージック」

音楽という名の命を吹き込むことでかつての記憶がリズムやメロディーとなって響きわたります。

赤岩地区の案内所

期間中はイベント・パフォーマンスも開催

ビエンナーレ開催期間中は作品展示とともに、多くのイベントが開催されます。オープニングイベント(終了)や参加アーティストによるパフォーマンスなどが開催されます。

イベントの一例

事前予約の必要なイベントもあるので、お見逃しの無いよう、来場前にはカレンダーをチェックしてみてください。

イベントカレンダー:https://nakanojo-biennale.com/2021/calendar/

また、Web上で楽しめるオンラインイベントも開催しています。

おわりに

中之条ビエンナーレ2021をご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?

アーティストの皆さんがそれぞれの想いを込めて作り出した作品を、見る側がいかに捉え何を感じるか。見る人の数だけ感じ方がある芸術作品が多数展示され見応え抜群、筆者は1日では全ての作品を見ることができませんでした。

5つのエリアの作品を、筆者の独断と偏見でピックアップしてご紹介させて頂きましたが、お気に入りは見つかりましたでしょうか?

新型コロナウイルス感染拡大予防のため、期間と開場時間を変更して絶賛開催中。イベントやグッズショップやグルメなどお楽しみも盛りだくさん。

芸術の秋を満喫しに、中之条ビエンナーレ2021に足を運んでみませんか?

中之条ビエンナーレ・開催概要

新型コロナ感染拡大防止のため、開催期間・開場時間が変更になり開催されています。

会場:吾妻郡中之条町内(市街地・伊参・四万・沢渡暮坂・六合)
開催期間:2021年10月15日(金)〜11月14日(日)
開場時間:9:30〜16:00

パスポート:当日1,500円 高校生以下鑑賞無料
ガイドブック:1,000円
パスポートセット:3,000円(パスポート1枚、ガイドブック、缶バッジ、パスケースの4点セット)

中之条ビエンナーレ公式サイト:https://nakanojo-biennale.com/
中之条ビエンナーレ2021オンライン:https://nakanojo-biennale.com/2021/

参考サイト
https://nakanojo-kanko.jp/events/ビエンナーレ/
https://nakanojo-biennale.com
https://isama-cinema.jp/isama_fes.html

※アイキャッチ画像はヨナ・ハンセン + 横田裕子 「惑星のダンスを見る」

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