くらし

東京都大田区で神社巡り。都心で最も騒がしい場所にある「嶺白山神社」と商店街にある鎮守の杜「御嶽神社」

こんにちは、mayachiです。

実は母方の実家が神社だったこともあり(今は閉じていますが)お預かりしたご神体のお印を引き継いで、実家に神様がいらっしゃるというご縁で神社を訪れることが好きな私なのですが。

東京では、本当に面白いところに神社があります。

もちろん、神社が先にあって、周囲の変化が進んでいったのだと思うのですが、度重なる災害や戦争や地域開発などを経ても、以前から変わらずその場が守られているということには、その場に在ってくださる神様と地域の皆様との間にとても大切な意味があるのですよね。

今日は、最近訪れた中でもびっくりするくらい「え?ここに?」と思う神社をご紹介したいと思います。

交通量最大級の都心の動脈、環状8号線沿いにある「嶺白山神社」

白山神社は、東京都大田区東嶺町に鎮座する土地神様です。設立年度ははっきりわからないものの、史上では寛文年間(1661~73)の創建と伝わります。

東京にもいくつかある白山神社と区別するために、嶺(町)白山神社と呼ばれることが多いようです。とはいえ、「白山神社」と呼ばれるようになったのは明治からで、古くは「女體権現社」と称されていたそうです。

環八側から見える嶺白山神社

東急池上線の久が原駅から歩くこと数分、大きな道路にぶつかると、ひっきりなしに通る大型車の向こう側に本当に突然その姿を表します。

古さと威厳を感じる鳥居。少し小さめですけれど、そこがまた味わい深い。

この時期、境内には、枝垂れ桜を盛り上げる桜提灯や、こどもの日を前にたくさんの鯉のぼりが飾られていて、それがヒラヒラと美しい彩りを添えています。

毎年3月後半に嶺白山神社氏子会青年部の皆さんによって飾られる鯉のぼり

社殿は大正時代の木造瓦葺。それほど大きくない神社ですが、きれいに整備されていて、環八の真横とは思えない静かさがあります。何だか大きなバリアで守られているかのように本殿の裏側はとても静か。

本殿横に、樹齢600年のタブノキがあります。御神木ですね。とってもしっかりしていて葉もゆったりとたわわ。静かながら力強さを感じる木です。パワースポットとして有名だそうです。

樹齢600年と言われるタブノキ

日本全国にある白山神社とは、どこから?

白山信仰は、加賀国・越前国・美濃国(現・石川県・福井県・岐阜県)にまたがる白山を御神体として崇敬する山岳信仰。富士山・立山と共に「日本三霊山」「日本三名山」の一つとされる白山は、奈良時代、泰澄が登頂して開山してから修験道の聖地となりました。こうして白山修験者によって白山信仰が全国各地に広まった結果、白山と名のつく神社がたくさん存在しているのです。

お祀りされている神様は菊理媛尊(ククリヒメノミコト)(白山比咩大神)・伊邪那岐尊(イザナギノミコト)・伊邪那美尊(イザナミノミコト)の三柱で、石川県白山市にある(加賀国一之宮)「白山比咩神社」が総本社となります。

神社を支える人との触れ合いが感じられる美しい境内

嶺白山神社で珍しいのは、子連れの狛犬です。ほかにも本殿の龍の飾り、手水舎の龍頭など。交通安全祈願の大きなカエルは環八の方を向いています。

環八の安全を見守り、無事にお家にカエル

また、氏子さんや青年部の皆様が、季節毎に美しく飾り付けをされたり、手入れもとても行き届いていて、数メートル先の喧騒が嘘のような落ち着いた空間でした。

嶺町白山神社の別入り口

ただ、残念なことに、こちらでは御朱印をいただくことができません。

神職さんが常駐していないので、本務社である「嶺 御嶽神社」(東急池上線御嶽山駅徒歩2分)で御朱印をいただけるそうです。徒歩でも10分くらいなので、歩いて行ってみることにしました。

生活空間に突如表れた鎮守の杜。「御嶽神社」の凛とした空間にみる異世界感。

環八沿いを歩いても行けるのですが、あえて嶺白山神社の裏から住宅地通りを選び、ゆっくりとお散歩しながら行くことにしました。

途中で新幹線の線路の上を越えながら進んでいくと、少し賑やかな通りに出ます。商店街や大型スーパーなどもあり、ごく普通の生活空間と、何も隔たられることもなく、御嶽神社の入り口がありました。

その佇まいはまさに「鎮守の杜」。御嶽神社入り口

それまでのザワザワした街の雰囲気が一転。境内に足を踏み入れると、空気がガラリと変わります。

こちらは、木曾・御嶽神社の分社で江戸時代に盛んになった山岳信仰により、木曾御嶽山で修験道を修めた一山行者が、夢で見たお告げにより江戸に来て1831年にこの土地に御嶽神社を造ったと言われています。古くから「山ノ神」として猟師たちの信仰の対象になっていたオオカミの狛犬があります。

御嶽神社の本殿。狼顔の狛犬が両脇を護る。

壁面の精緻な彫刻が美しい本殿は、大田区指定の有形文化財。本殿裏にある霊神の杜も有名だそうです。無事にこちらの社務所で嶺白山神社と御嶽神社と両方の御朱印をいただいて参りました。

八重桜の木をくぐり、奥に進むと社務所があります。

こんな商業エリアにぽつんと、ではなく、どどんと存在感を放ちつつ、それでも厳かに鎮座されている2つの神社。地方ではちょっと見ない、東京の都心ならではの光景なのかもしれません。

東京は、大都会なので信仰とは無縁、と思われそうですが、実は本当にたくさんの神社があちらこちらにあります。

みなさんがいつも歩かれているエリアにも、もしかしたら、気づかないだけで神様がいらっしゃるかもしれませんね。

ちょっと見回してみてはいかがでしょうか?

思わぬご利益があるかも。

関連情報

嶺白山神社

所在地:東京都大田区東嶺町31番17号
アクセス:久が原駅[出口2]から徒歩約2分
嶺白山神社氏子青年会:https://www.facebook.com/hakusanujiko/

御嶽神社

所在地:東京都大田区北嶺町37-20
アクセス:御嶽山駅から徒歩2分

Mayachi(まやち)

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旦那の駐在に同行しているうちに海外生活が10年超。帰国して現在は専業主婦。海外の日本人向けwebやフリーペーパーでライター活動のほか、学生時代からのマンガ執筆を(ときどき仕事で)継続中。食べ物への執着を捨てられない、食いしん坊断罪です。最近はお買い物バッグを集めるのが趣味。
Instagram(https://www.instagram.com/mayachijp/

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