【宝塚歌劇の基本のキ!】宝塚ってどんなところ?初心者向けの入門情報やお家で公演を楽しむ方法を詳細解説!

キラキラとした華やかなレビューで有名な宝塚歌劇。「一度観てみたいと思っているけれど、なんとなくハードルが高いんだよね」「どんな作品を上演しているのかよくわからない」と思っている方も多いのではないでしょうか?

筆者も初めて見に行くまでは、宝塚のことを全く分かっておらず、「かっこいい女性が多く、一度見るとファンになってしまう恐ろしい劇団」だと考えていました。今思えば、もっと宝塚についての知識があれば、より初観劇を楽しめたのではないかなぁと思います。

そこでこの記事では、宝塚歌劇の基本情報について詳しく解説!また劇場に足を運ばなくても、自宅で宝塚歌劇の作品を楽しめる方法についても紹介します。

宝塚歌劇ってどんなところ?宝塚の基本情報

宝塚大劇場近くにあるオスカル&アンドレ像

宝塚歌劇は、少し変わった特徴を持つ劇団です。まずは、宝塚を楽しむ上で知っておきたい基本情報について、質問形式で紹介します。

①男の人の役を演じる人がいるって本当?

宝塚歌劇は、未婚の女性だけで構成されている劇団です。劇団員は全員女性なので、男性の役も女性が演じます。「男役さん」と呼ばれる劇団員について、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?

宝塚では、男性の役を演じる人を「男役」、女性の役を演じる人を「娘役」と呼びます。

どちらの役を担当するかは、身長や本人の意思によって決められ、男役から娘役に転向する人はいますが、逆のパターンは見られません。男役になるためにはかなりな訓練が必要なため、途中から転向することは難しいとされています。別の性別を演じることは、それだけ大変だということですね。

男役は練習を重ね、独特な「男らしい仕草の習得」を追求します。現実世界では見られないキザなセリフや独特の仕草も、男役さんが演じると何故か魅力的に感じ、舞台に引き込まれてしまいます。

筆者は初めて宝塚を観た際に、男役さんのキレのあるしなやかなダンスや美しい仕草、娘役さんの華やかな姿に目が釘付けになりました。男役は男らしさを追求し、娘役は女らしさを追求する。シンプルですが、そこに宝塚の魅力がギュッと詰まっているのです。

②組ってなに?

宝塚歌劇には「花・月・星・雪・宙」の5つの組が存在し、各組が順番に公演を行なっています。演目は組同士で被らないように構成されており、以前の演目と同じものが上演される際には、数年の間が開くことがほとんどです。

各組にはおよそ80人の劇団員(タカラジェンヌ)が所属し、組み替えと呼ばれる人事異動によって、別の組に移動になることもあります。

また5組とは別に「専科」と呼ばれるスペシャリスト集団もあり、専科に所属しているタカラジェンヌは、各組の公演に特別出演者として参加します。最初は組についてあまり意識する必要はありませんが、「5つの組が順番に公演を行なっている」という点のみ覚えておいてください。

③トップスターって?

先程紹介した5つの組には、どの組にもトップスターと呼ばれるタカラジェンヌが存在します。トップスターとは各組に1人ずつ存在する男役のことで、各公演で主役を務めます。

そしてその相手役を務める娘役はトップ娘役と呼ばれ、トップスターと同様に各組に1人しか存在しません。トップスターやトップ娘役は、スター性や実力など様々な要素を考慮して選ばれます。ほぼ全ての公演はトップコンビを中心に展開されるため、トップコンビが変わると、組の雰囲気や演目の傾向が変わることも多いです。

また現在テレビなどで活躍されている宝塚OGは元トップスターであることが非常に多く、有名な方では、真琴つばささんや天海祐希さんなどが挙げられます。

④どこで上演されているの?

宝塚歌劇が上演されているのは、兵庫県宝塚市にある「宝塚大劇場」と、東京都千代田区にある「東京宝塚劇場」の主に2つです。この劇場はどちらも宝塚歌劇団が所有する専用劇場で、宝塚→東京の順に公演が行われます。

東京・日比谷にある東京宝塚劇場

上記の2つの劇場では常にどこかの組の公演が行われており、例えば宝塚で雪組公演が上演されている時は、東京では宙組公演が上演されるといった具合に、各組が東西で順番に公演を行っていきます。そのため、「兵庫県まで行かないと観られない」といったことはありません。

また宝塚歌劇団の所有する劇場での公演以外に、全国ツアーと呼ばれる地方公演も存在します。全国ツアー公演は、北は北海道から南は九州まで行われ、劇場から離れた地域に住んでいる人でも宝塚の魅力を身近に感じることができるでしょう。

さらに全国ツアー以外にも、大阪府の梅田芸術劇場や福岡県の博多座では、年に1回以上の公演が上演されています。ちなみに私が初めて宝塚歌劇を観劇した劇場は、福岡県の博多座でした。博多座公演の上演期間は約1ヶ月で、1つの地域につき2日程度しか上演期間がない全国ツアーと比べると、上演回数が多いことが特徴です。

2021年5月時点で公演が予定されている全国ツアーとしては、雪組の新トップコンビが神奈川・愛媛・愛知を回る公演『ヴェネチアの紋章/ル・ポァゾン 愛の媚薬-Again-』があります。ぜひお近くの劇場での上演予定をチェックしてみてください。

⑤どんな作品が上演されているの?

兵庫県宝塚市にある宝塚大劇場

宝塚で上演されている作品は、歌や踊りのあるミュージカル作品です。宝塚歌劇と聞くと、『ベルサイユのばら』を思い浮かべる人も多いかもしれません。

宝塚では『ベルサイユのばら』のように漫画や小説を原作とした作品のほか、海外ミュージカルや宝塚歌劇オリジナル作品など、幅広い作品を上演しています。

原作が有名な作品や、海外ミュージカル作品では、過去に以下のような作品が上演されました。

  • 漫画や小説などが原作→
    『はいからさんが通る』『壬生義士伝』『オーシャンズ11』
  • 海外ミュージカル作品→
    『アナスタシア』『エリザベート』『ロックオペラ モーツァルト』

また宝塚歌劇で上演されている公演の多くは、お芝居とショーの二本立てで構成されています。ショーには煌びやかなお衣装や美しいダンス、男役による群舞など「宝塚らしさ」がたっぷりと詰まっており、お芝居のようにストーリーを追う必要もないため、年齢に関わらず誰でも楽しめます。

ただ海外ミュージカル作品など、上演時間が長い「一本物」と呼ばれる公演にはショーがありません。一本物の作品も、お芝居の最後には「フィナーレ」と呼ばれる短いショーのようなものがありますが、ショーと比べるとやはり場面は限られてしまいます。

宝塚らしいキラキラとした世界観を堪能したい方は、お芝居とショーが二本立てになった作品を選ぶことがおすすめです。しかし演劇にあまり馴染みがない方であれば、有名な映画や小説を原作とした作品を選ぶと、ストーリーを意識しすぎることなく観劇を楽しめるでしょう。

⑥どうやったら見られるの?

宝塚歌劇を見に行きたいと思ったら、まずは公式サイトのスケジュールをチェックしてみましょう。スケジュールのページには、各組の公演内容や公演期間、チケットの販売期間などが詳しく書かれています。作品の詳細を見て、気になる演目がないか確認してみてください。チケットは、各演目の詳細ページに書かれている専用ダイヤルに電話するか、インターネット上のチケットサイトから購入できます。

また初めての観劇で不安な場合は、周りの宝塚ファンに相談してみることもおすすめです。

「より多くの人に宝塚の魅力を知って欲しい」と考えている宝塚ファンは多いので、観に行きたいと伝えるとチケットを代わりに取ってくれるかもしれません。ただ海外ミュージカルなどの人気作品はチケットが取りにくいことも多いので、なるべく早く相談することがポイントです。

劇場に行かなくても、宝塚歌劇は鑑賞できる!

宝塚歌劇は動画配信サイトやテレビでも楽しめる

ここまで宝塚歌劇について紹介しましたが、「いきなり劇場に行くのはちょっと……」「近くに劇場がないので観に行けない」と感じている人も多いかもしれません。

そんな方には、動画配信サイトやライブビューイングでの観劇がおすすめです。宝塚歌劇のDVDはレンタルビデオショップでは取り扱っていないため、劇場に行く以外では、動画配信サイトやテレビで作品を楽しむ方法があります。ここでは、5つの方法を紹介します。

動画配信サイトでライブ配信を観る

動画配信サイトのライブ配信を購入すると、自宅など好きな場所で公演の生中継や録画を楽しめます。視聴方法は動画配信サイトの「楽天TV」「U-NEXT」にて、好きな演目を選んで購入手続きを行うだけ。楽天TVであれば、支払いに楽天ポイントを使用することもできます。値段は1公演3,500円程度で、開演30分前までの購入が可能です。購入方法については、詳しくはこちらのページをご確認ください。

たとえば、2021年5月の予定をみてみましょう。以下のような公演の配信が予定されています。

  • 5月8日 宙組『夢千鳥』
  • 5月9日 星組『ロミオとジュリエット』
  • 5月10日 花組『アウグストゥス-尊厳ある者-/Cool Beast!!』宝塚大劇場公演 千秋楽
  • 5月23日 星組『ロミオとジュリエット』東京宝塚劇場公演  千秋楽

この中で筆者のおすすめする公演は、星組公演の『ロミオとジュリエット』です。ショーのない一本物の作品にはなりますが、原作が有名なので、宝塚初心者さんでも見やすい公演と言えるでしょう。

ロミオを演じるのは、星組トップスターの礼 真琴(れいまこと)さんです。歌・ダンス・演技の全てにおいてレベルが高く、見応えたっぷり。相手役の舞空 瞳(まいそらひとみ)さんも礼さんと同じく高い実力をもつスターさんで、可憐でありながら芯が強いジュリエットが魅力的です。

またアート好きの方には、宙組公演の『夢千鳥』がおすすめ。

夢千鳥は画家・竹下夢二の人生を描いた作品です。バウホールと呼ばれる小劇場での上演作品のため、出演人数は通常公演よりも少ないものの、主演の和希 そら(かずきそら)さん演じる、色気たっぷりの夢二から目が離せません。

緊急事態宣言の発令により、2021年5月現在では、数多くの配信が行われています。この機会にぜひ自宅で宝塚歌劇を楽しんでみてください。

劇場でライブビューイングを楽しむ

さらに、全国の映画館で公演を見ることもできます。動画配信サイトのライブ配信と比べると公演数は少なくなってしまいますが、動画配信サイトの操作が不安な方や、大きな画面で公演を楽しみたい方に特におすすめです。

ただ現在は上演中止となっている映画館も多いので、上演会場一覧を確認してみてくださいね。

動画配信サイトで気になる公演を購入する

宝塚歌劇では「タカラヅカ・オン・デマンド」と呼ばれるサイトにて、動画配信を行なっています。サイトでは気になる作品を1作品から購入でき、1作品の販売価格はおよそ500円〜800円程度です。楽天TVやAmazonプライムビデオ、U-NEXTなど様々なサイトで配信されているので、新しく会員登録手続きを行う必要もありません。

またひかりTVや楽天TV、Amazonプライムビデオで提供されている「プレミアムプラン」1,650円では、加入月を含む過去3ヶ月分の作品が見放題になります。配信サイトによっては期間限定の無料体験ができる場合もあるので、ぜひ色々な作品を楽しんでみてください。

BSの無料放送を楽しむ

さらにNHKのBSプレミアムでは、定期的に宝塚歌劇の作品を放送しています。

BSが映るテレビであれば、料金の支払いは必要なく、誰でも無料で視聴できます。放送頻度は高くありませんが、宝塚のことをよく知らない人に向けた解説なども入るため、初心者さんにもおすすめです。2021年5月現在放送が予定されている公演としては、5月6日(木)の午前0:45から宙組公演『エル ハポン-イスパニアのサムライ-/アクアヴィーテ』があります。

宝塚専門チャンネルを見る

宝塚には動画配信サービスの他にも、舞台映像やスターのインタビュー・公演情報を紹介する専門チャンネル「TAKARAZUKA SKY STAGE」があります。スカイステージはCSの有料番組で、月に2,980円の視聴料金が発生しますが、無料放送日に限り無料で公演映像を楽しめます。

無料放送日とは、毎月第一日曜日のスカパー無料の日や、無料視聴キャンペーンの開催期間中です。ただケーブルテレビに加入している場合や、BS/CSが映らない場合は残念ながら無料視聴はできないため、動画配信サイトなどを試してみてください。

演劇初心者でも大丈夫!親しみやすい作品から見てみましょう!

この記事では宝塚歌劇にはじめの半歩を踏み出していただくための基本情報や、劇場以外での観劇方法について紹介しました。

宝塚では幅広いジャンルのミュージカル作品を上演しており、映画や小説を原作とした作品も多いため、演劇やミュージカルに親しみがない人も気軽に公演を楽しめます。

舞台は"なまもの"なので、本当は劇場の空気を味わって欲しいのですが、現在は新型コロナウイルスの流行により気軽に劇場に行けない状況が続いています。多くのプログラムがライブ配信されているこの機会に、ぜひ自宅で宝塚歌劇を楽しんでみてください。

★2021年11月2日編集部追記★

タケウチノゾミさんの「宝塚歌劇」初心者向け解説記事第2弾が、以下のURLでアップされました!こちらでは、宝塚歌劇の中でもとりわけ華やかな「ショー」についてわかりやすく説明。オススメのショー3選も、YouTubeでの宝塚歌劇公式動画とともに紹介されています!こちらもぜひお読みくださいね。

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