ドイツ人もおすすめ「ミュンスター」街歩き|ハイライト5選

私は現在、日本から9,000km離れたドイツから100%リモートワークでライター業を中心としたフリーランスとして働いています。

ドイツに移住してからはフリーランスの利点を活かし、仕事と博物館や工場、美術館見学をしながら『楽活』へ寄稿させていただいております。

今回、同じようにリモートで海外から日本と働く友人がドイツに遊びにくるということで、一緒にミュンスターという街に日帰り訪問してきました。

ミュンスターはなんと、筆者の周囲のドイツ人たちにも「美しい場所」としてオススメされた街!

ドイツ人も惚れる街だなんて、気になりますよね!

そこで今回は、ドイツ在住の筆者がドイツ人もおすすめするミュンスターについて、ハイライトを写真付きでご紹介したいと思います。

ミュンスターの概要

ミュンスター中央駅

ミュンスターはドイツ北西部のノルトライン・ヴェストファーレン州に位置する、1,200年以上の歴史を持つ都市です。

かつてミュンスターは中世に司教都市、中世にはハンザ同盟の有力都市として繁栄したという歴史があります。

現在ではドイツで20番目に大きな都市というだけでなく、5万以上の学生が暮らす大学都市。

さらに世界で最も住みやすい都市の1つとして知られているようです。

筆者が住むカッセルをはじめとする他の都市とは異なり、ミュンスターでは第二次世界大戦でほぼ完全に破壊された市内中心部を古い都市景観に基づいて再建しているという特徴があります。

ヨーロッパ史で外せない歴史の大舞台の1つ

ミュンスターは14世紀半ばに建てられたゴシック様式の市庁舎があります。

市庁舎の中にある「平和の広間」は1648年の三十年戦争を終結に際し、オランダ人とスペイン人が平和を誓うウェストファリア条約の交渉が行われた中心地の1つとなりました。

1618年から1648年にかけて行われた三十年戦争は、神聖ローマ帝国とヨーロッパの覇権を巡る闘いで、宗教戦争から領土争いへと発展した戦争です。

実際の和平はミュンスター市庁舎で締結されませんでしたが、長い交渉の中心として、現在では市庁舎の中に多くの歴史的遺物が遺されています。

残念ながら筆者が訪問した時は、臨時休業!次回訪問時に訪れてみたいと思います。

ミュンスター市庁舎は第二次世界大戦で爆弾の直撃により完全に消失してしまいましたが、1950年代にオリジナルに忠実に再建されました。

ミュンスターおよびもう1つの交渉の地であるオスナブリュックという都市では、ウェストファリア和平協定を結んだ日である1648年10月24日にちなんで、多くのイベントや活動がおこなわれるそうです。

星形城郭を持つ場所の1つ

ミュンスターをGoogleマップで見てみると、北海道にある五稜郭のような星形の土地があることに気づきます。

実は、ミュンスターは星形城郭を持つ場所の1つとして、密やかに知られています。

かつてミュンスター市街全体は城壁で囲まれ、17世紀中頃に星形城郭が築かれました。

星形城郭の特徴は、どの方向から攻撃されても2方向から反撃できるように設計されている点です。

現在星形城郭が残っている場所はミュンスター大学の植物園として地元民のみならず観光客が集う場所となっています。

ミュンスター街歩き5つのハイライト

ここからは、実際にミュンスターを訪問した筆者が「ミュンスター街歩きハイライト5選」という形で『楽活』をご覧いただいている皆さまに、写真を交えてご紹介します。

これを読めば、ミュンスターの雰囲気が掴みやすくなるかも!?

とにかく街を歩いているだけで楽しい

市内中心部「プリンシパル マーケット」歩行者天国に見えますが路線バスや自転車、観光用自転車等も運行しています(笑)

ミュンスターの街歩きは、時間を取ってじっくりほしいオススメの過ごし方です。

ミュンスター出身のドイツ人をはじめ、既にミュンスターに行ったことのあるドイツ人たちからも「町を散歩するのがオススメ」といわれていたのですが、まさにその通り!

駅を出て町を歩き始めてから、市内中心部に至るまでの道のりから、すでにワクワク感が広がります!

市内中心部には「プリンシパル マーケット」とよばれる美しい街並みが広がります。

「プリンシパル マーケット」は、12世紀から13世紀に遡る歴史を誇り、中世からハンザ同盟、古い商家などが再建されており、ミュンスターの多彩な建築様式を現代でも見られます。

また「プリンシパル マーケット」には存在感のある聖ランベルティ教会、町の中心部に壮大な聖パウロ大聖堂も必見です。

歴史的な街並みと現代の活気ある雰囲気や文化が調和し、歩くだけで過去と現在を一度に楽しめるでしょう。

教会とアートのコラボレーションが見られる

ビリー・タナー氏によるインスタレーション作品「Himmelsleiter(天国への階段)」

「プリンシパル マーケット」には聖パウロ大聖堂と聖ランベルティ教会があり、聖ランベルティ教会を見上げると、黄色いはしごがあることに気が付きます。

この黄色いはしごは ウィーンのアーティスト、ビリー・タナー氏によるインスタレーション作品「Himmelsleiter(天国への階段)」です。

外にあるはしごは夜になると市内中心部でネオンイエローに輝くそうで、今では人気の写真撮影スポットとなっています。

「Himmelsleiter(天国への階段)」は当初2022年9月から2023年3月までの展示予定でしたが、地元民を中心とする人たちの嘆願書により2023年10月現在も展示が継続しています。

教会内部にも小さなはしごがあります

最終的には2024年春頃に解体される予定とのことですが、もう1つの小さいはしごは聖ランベルティ教会内にあり、そちらは引き続き見学できるとのことです。

ミュンスターのカトリック司教の本拠地ですが、「Himmelsleiter(天国への階段)」を機に宗教とアートが融合するという新しい体験が味わえます。

水曜と土曜日限定!Wochen Marktで食べ歩きもできる

聖パウロ大聖堂前の広場で開催される「Wochen Markt(週の市場)」

毎週水曜日と土曜日には、聖パウロ大聖堂前の広場で150以上の露店が出店する大規模な「Wochen Markt(週の市場)」が開催されています。

「Wochen Markt(週の市場)」は、ミュンスターの地元民の生活を支える肉やチーズ、野菜などの食料品だけでなく、キッチンカーも出店!

レトロ車なキッチンカー

焼きソーセージにポテト、フラムクーヘン(ランスのアルザスとドイツ南部で作られている超薄型のピザのような食べ物)などの食べ歩きを楽しむのにもおすすめです。

「Erbseneintopf(エンドウ豆の煮込み)」ソーセージつき!なんとこれだけでお腹いっぱいに!

筆者と友人は迷いに迷い「Erbseneintopf(エンドウ豆の煮込み)」を購入しました。肌寒い秋のドイツでは、温かい食べ物がとても美味しく感じられました。

なお「Wochen Markt(週の市場)」は7時から14時30分という時間限定の開催ですので、なるべく午前中からお昼ごろを狙って訪問するのがおすすめです。

博物館・美術館が多い

ミュンスター地質古生物学博物館の外観

ミュンスターは美術館と博物館が点在する街でもあります。

以下に代表的なミュンスターの美術館・博物館を列挙します。

  • LWL美術・美術史博物館:ドイツ印象派から国際的なアヴァンギャルトまでの作品が展示
  • 市立博物館:ミュンスターの歴史をたどれる博物館。デパートを改築して建てられている
  • パブロ・ピカソ美術館:2000年以来パブロ・ピカソのグラフィック作品を集めた世界最初で唯一の美術館
  • 漆工芸博物館:東アジアの最高級の漆器、インド・ペルシアのイスラム芸術の漆器、バロック・ロココ時代のヨーロッパの選り抜きの漆器 職人の作品が見られる
  • ミュンスター地質古生物学博物館:地質学に関する展示を中心とした博物館。マンモスの骨格標本が覗く

また美術館に足を運ばずとも「公共空間の芸術」が至る所で楽しめ、街そのものがアートの一部となっているのも特徴です。

たとえば、1977年から10年ごとに開催される「Sculpture Projects(ミュンスター彫刻プロジェクト)」によって、「プリンシパル マーケット」を中心に彫刻が展示されています。

まさにミュンスターも芸術と歴史が溢れる街だということが分かります。

地元民に交じってまったり過ごすのも◎

「Wochen Markt(週の市場)」終了後の広場のベンチでくつろぐ筆者(笑)

ミュンスターにはあらゆる場所にベンチが設置されています。そこでは食べ物や飲み物を片手に、友人との談笑を楽しむ地元の人たちの姿が見れました。

ついカフェやバー、レストランで休憩したくなる方もいると思いますが、天気の良い晴れた日にはぜひベンチや階段に座って、カフェやビールを片手に地元民に混ざって休憩するのも、ドイツっぽくておすすめですよ!

ミュンスターの地ビール「FINNE」をいただく

筆者はドイツに遊びに来た友人と一緒に地元民と交じりながら、スーパーで購入した地ビール片手に談笑していました。

まとめ

ミュンスター市庁舎(Historisches Rathaus Münster)の外観。歴史的建造物と現代の商業施設が融合していて、とても素敵な街並みでした!

ミュンスターは美術と歴史が息づいており、1日では見足りないほど!

実際に筆者も初めて訪問しましたが、ほぼ街歩きだけで1日が終了してしまうほどの魅力あふれる景観が楽しめることが分かりました。

街を歩いているだけで楽しい瞬間が満載で、ミュンスターの美しい景観が訪れる人々を魅了してやまないのでしょう。

筆者は今回、都合により半日の滞在でしたが、ミュンスターを訪れる際は美術館や博物館の訪問も含めて最低でも2日は必要だと感じました。

筆者の中でもまた訪れたい都市となったので、次回の訪問時は美術館の内部などを『楽活』の皆さまに共有できたらと思います。

ぜひドイツ旅行の際には、ミュンスター訪問も検討してみてくださいね!

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