建築美を堪能できる、東京のど真ん中にあって閑静な丘の上に立つ、「山の上ホテル」をご紹介します。
日本のアール・デコ様式建築を代表する名建築として名高く、建築家ウイリアム・ヴォーリズの手によって設計されました。戦後、GHQによる接収を経て、1954年に新たに「山の上ホテル」として開館。川端康成や三島由紀夫、池波正太郎といった昭和を代表する文豪に愛された老舗高級ホテルとして、根強い人気を誇っています。
コロナ禍ということもあり、今回は一人ステイを堪能してきました。
大通りから一本入り、坂を登ると、山の上ホテルが見えて、一気に昭和の趣ある空間に。
ホテル内のクラシカルな内装や調度品が昭和初期のレトロな雰囲気を演出!
正面玄関を入ると、印象的なシャンデリアと幾何学的なタイル貼りの床が目に入ってきます。まるでレトロな世界にタイムスリップしたみたいです。
ロビーには、池波正太郎が愛用していたというライティングデスクがあります。
私も座って文豪気分を味わってみました。
メインロビーも落ち着いた雰囲気。
売店では、ケーキやお土産も買うことができます。
私が特に気に入ったのは、階段。
こちらの写真は、階段を昇りきった最上階の天井に設置されたステンドグラスです。
ここから下を覗くと・・・朱色の絨毯がキレイです。
階段の曲線、タイルや数字のデザインなど、私にとってワクワクする空間でした!
あまりにキレイだったので、何度も階段を登ったり降りたり。
上を向いたり下を向いたり。
フロント前のソファ上のスペースには、山の上ホテルの設計図が額装されていて、誰でも鑑賞することができるようになっています。
建築だけじゃない!「山の上ホテル」のハイレベルな食を堪能してきました
建築美に感動したのですが、お食事にも感動しました。
1泊2日のステイ中、合計4種類の「食」にふれることができました。順番に紹介していきます。
仕事上がりにホテルへと直行したので、まず一番最初に夕食をいただきました。
山の上ホテルの食を象徴するのが同館名物の「天ぷら」です。
日本のホテルの中で、最初に「揚出してんぷら」をはじめたのがこの山の上ホテルなんです。
憧れの高級天ぷら料亭「山の上」本店で天ぷらのコースをいただきました。
ごま油で揚げた、サクッとした食感の旬の野菜の天ぷら。
最後には、天丼としていただくことができました。
何も気にせず、ゆっくり食を楽しめる空間は、とても贅沢な時間でした。
レストランを出ると、目の前にバーを発見。「ノンノン」という名前のバーです。
氷を割る音、切る音がステキ過ぎて…氷の音に惹かれてバーへ。
アルコールは苦手なので、今回はノンアルコールのカクテルをいただきました。
バーテンダーさんに好みをお伝えして、作っていただいたのがこちら。
こちらの「ノンノン」も、文豪が好んで通ったバーなのだそうです。
重厚感のある木製家具や調度品で統一された落ち着いた店内は、ホテルの他の空間とはまた違った雰囲気。
バーの窓越しからは、ホテルのロビーが見えています。開館当時の戦前の空気感を伝えるステンドグラスがキレイでした。
シンプルなのに、趣があって、洗練された場所でした。
さて、お腹もいっぱいになったので、いよいよ本日宿泊するお部屋へと戻ります。
この日宿泊したのは、314号室。
宿泊室は、思ったよりもシンプルで落ち着いた雰囲気でした。
無駄のない質素な室内は、落ち着いて過ごすことができました。文豪が執筆に集中できたのは、ホテルの内装、雰囲気なども大いに関係しているのではないかと感じました。
また、女性には嬉しいことに、アメニティも充実。クレンジング、化粧水、乳液のセットが完備されており、何も持っていかなくても大丈夫でした✨
この日は通常通り仕事帰りに宿泊したので、いつも出勤しているバッグと身一つでホテルへと向かったのですが、不自由なく快適に滞在することができました。
翌日、楽しみにしていた朝食です。
朝食は和食にしました。
お料理の彩りや口あたり、栄養のバランスまで気が配られた献立。量も多過ぎず、ちょうど良かったです。現在は、コロナによる感染拡大防止対策のため、朝食はルームサービスのみ。お部屋でいただけるので、ゆっくり安心して過ごせました。
そして、最後のご紹介はカフェ「コーヒーパーラー ヒルトップ」。
チェックアウト後に利用させていただきました。店内のシャンデリアが可愛かったです。
私がいただいたのは、お店伝統の看板メニューの一つ「伝統のババロア」です。
一度食べてみたかったスイーツです。
盛り付け、うつわ、ババロアの固さ、味も全て私好みでした!
「プリンアラモード」も有名ですが、「伝統のババロア」もオススメです!
また、私は紅茶にしたのですが、12時間以上かけた水出しコーヒーも有名なので、コーヒー好きの方はぜひ。
どこにも行かず、ホテル内を楽しむおこもりステイ。
今の時期だからこそオススメしたい楽しみ方です。
建築美、洗練されたお料理、ロビーに聞こえてくるバーの氷の音まで、東京にいるとは思えないくらいゆっくりな時間が流れている場所です。
今回も宿泊する事で、朝から夜まで色々な表情のホテルを知ることができました。
「山の上ホテル」基本情報
住所:〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台1-1
TEL:(03)3293-2311(大代表)
FAX:(03)3233-4567
公式HP:https://www.yamanoue-hotel.co.jp/