能面のビジュアル担当が勢揃い!三井記念美術館で新たな能の魅力を発見できる展覧会が開催中!

現在、三井記念美術館では『国宝 雪松図と能面×能の意匠』という展覧会が開催中です。

今回は能面と能の意匠をテーマとして、所蔵する能面・能装束のほか、能にまつわる茶道具などを鑑賞することができ、能の魅力を再発見できる展覧会で、私の中で見どころは3つあります。

本展覧会の見どころ

重要文化財になっている、能面のスターたちが大集合!

華やかで可愛い能装束を鑑賞できる!
 華やかで美しい色やデザインの作品を鑑賞でき、今回は撮影okです。
 センス抜群の色の組み合わせ、かわいくて美しい刺繍、ゆるキャラまで…
 じっくり鑑賞いただきたいオススメエリアです

国宝「雪松図屏風」を鑑賞、撮影できる
 毎年の恒例展示となり、毎年足を運んでいます。
 円山応挙の代表作として名高い「雪松図屏風」。
 じっくり鑑賞しながら、お気に入りの部分を切り取って撮影も楽しんでみてください。

能面のスターを見れる!

今回たくさんの見所があるのですが、特にオススメなのは1つ目の見どころでもある、重要文化財になっている、能面のスターたちが大集合していることです!

そして、能面を360度から鑑賞できることです。
三井記念美術館といえば、重要文化財 孫次郎(ヲモカゲ)。

展示風景

女面での代表作ですが、他の能面もビジュアル担当揃いだと思うくらい整ったお顔をしています。
角度によって表情が異なったように見える能面。

重要文化財 孫次郎(ヲモカゲ) 伝孫次郎作

展覧会では、上から、横から、下から鑑賞してみてください。
角度によって、「喜び」「悲しみ」「怒り」などの表情を感じ取ることができます。
鑑賞者のその日の調子によって見え方が変わるのではないかとも思いました。
ぜひじっくり鑑賞してみてください。

重要文化財 老女 伝日氷作

小野小町をモデルにした「老女」は、美人かどうかが判断できず、なぜこれが小野小町なのかと思っていたのですが…よくよく見るとシワがありません。
老婆なのにシワがない=美人であったことが証明できると思います。

また、今まで怖いと思っていた「般若」についても、じっと見ていると怖くないように感じてきました。
皆さんはいかがでしょうか。ぜひ、じっくり観察して見てください。

重要文化財 蛇

今回は、能面の裏も見ることができ、ちょうど顔を当てると…能面をつけてどんな風に見えるかを体験できます!

重要文化財 孫次郎(ヲモカゲ) 伝孫次郎作 の裏側

実際にのぞいて見ると、目の大きさがとても小さいことがわかりました。
この大きさでは視界はとても狭く、演じている人の凄さを感じました。

能を鑑賞したことがない方もいらっしゃると思いますが、能面を知ることで能に興味を持ち、観劇してみたいと思える展示でした。

華やかな能装束の模様に注目!

展示風景

2つ目の見所は、華やかな能装束が展示されています。
能装束とは、能で使われる衣装のことです。

展示風景

能面のイメージから、衣装が華やかな印象を持っている方はどのくらいいますでしょうか。

勝手に地味なイメージがありましたが、能装束は、華やかな色を何色も使った衣装は見るからに豪華絢爛で、様々な技術が使われ作られています。

そこに描かれる様々な文様は、自然と共に生きてきた日本人の美意識の結晶であり、現代でもなお、人々の心をとらえ、日常の中で楽しまれています。

展覧会では、代表的な文様もご紹介されていましたので、ぜひ探してみてください。

私が可愛いと思った文様をご紹介します。

1.紅白段草花虫籠模様唐織

展示風景
着物の模様の拡大

こちらは虫かごの刺繍がされている着物です。かごと紐の色の組み合わせが可愛く、この着物の虜に。

2.獅子

展示風景
着物の模様の拡大

1つとして同じ色がない獅子の文様。どの色の獅子が好きか選んでみるのも楽しみのひとつなのではないでしょうか。私は、好きな色のピンクを選びました!

3.刺繍七賢人模様厚板唐織

展示風景
着物の模様の拡大

唐子のゆるキャラのような表情が印象的です。遠くから見ると気が付かないのですが、近くで見ると、色々な表情をした唐子を見ることができます。

可愛い文様の他に、センスある色の組み合わせが最高です。ぜひ自分の好きな文様や色の組み合わせを見つけて見てください。

こちらの作品は、撮影可能なので、お気に入りの着物の写真を、自分の切り取りで楽しんでみてください。

国宝「雪松図屏風」を見て、撮影できる!

国宝 雪松図屏風 円山応挙筆

3つ目の見どころは、円山応挙の傑作で唯一の国宝「雪松図屏風」が見ることができることです。

松は、長寿や永遠の象徴と言われるおめでたいモチーフで、毎年、年末年始に展示されるので、この作品を見ると「年末年始になったな」と感じます。

雪松図屏風を見る際に注目して欲しいのは、幹や枝をふんわりと覆っているこの雪。このふんわりした雪の秘密は、「紙の白地を生かして描かれていない」ということです。

これは、「塗り残し」という画法です。雪は描かれていないのにもかかわらず、ふんわりした印象で、新雪にも感じる物語まで感じさせる作品です。

一足早い雪景色をぜひ美術館で見ていただきたいです。こちらの作品も撮影可能です。

今回、一部の作品は撮影でき、初の試みとのことです。撮影する際には、他の鑑賞者の邪魔にならないよう、マナーを守って撮影を楽しみましょう!

また、能面や衣装以外にも、楽器や新寄贈能面の展示なども鑑賞でき、能の世界にどっぷり浸かれる展覧会でした。

展示風景

展覧会情報

国宝 雪松図と能面×能の意匠

会期:2023年12月8日(金)〜2024年1月27日(土) 
会場:三井記念美術館
観覧料金:当日一般1,000円
休館日:月曜日(1月8日は開館)、12月25日~1月3日、1月9日
ホームページ:https://www.mitsui-museum.jp/exhibition/index.html
*特別な許可を得て撮影しています

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