秋の京都で紅葉狩り!南禅寺・永観堂から慈照寺(銀閣寺)絶景お散歩コースをご紹介!

こんにちは、京都に移住した美術ブロガーの明菜です。寒がりな自宅警備員なので、おうちでぬくぬくしたいところですが、せっかく京都に移住したんだもの。ミーハー根性で布団の引力と戦い、京都の素敵なスポットをめぐっています。

今回は、京都の紅葉狩り散歩。旅行会社のポスターやパンフレットによく写真が使われる、もみじの永観堂に行ってきました。

秋の永観堂、放生池

私が歩いたのは、永観堂を間に挟む、絶景の南禅寺から世界遺産の慈照寺(銀閣寺)までの、3キロ弱のコース。紅葉狩りを楽しんだあとは、慈照寺近くのカフェで休憩。お茶とおやつをいただくまでがお散歩ですよね。

しかし、永観堂から慈照寺までは「哲学の道」を歩くはずが、全然ちがう道を歩いていたことが後から発覚。道中の様子も載せたかったのですが、まるっと割愛します。先に謝っておきます、ごめんなさい……。

目印はあったんだけど、方向音痴だから途中で逸れちゃったみたい。

そのほかのお散歩コースはなぞるように紹介するので、実際に同じコースを歩いていただけます。それでは、南禅寺の最寄り駅からスタートしましょう!

絶景の南禅寺

南禅寺の最寄り駅は地下鉄の「蹴上(けあげ)」駅です。京都駅から行く場合、まずは地下鉄の烏丸線で「烏丸御池(からすまおいけ)」駅へ。社内アナウンスの「からすま」のイントネーションが京都っぽくて良い。着いたら東西線に乗り換え、蹴上で下車します。

壁がらせん状にねじれている「ねじりまんぽ」

蹴上に着いたら、「南禅寺⇒」みたいな看板があるので、最寄の出口から出ましょう。少し歩いて、赤レンガのトンネルを見つけたら右折。「ねじりまんぽ」を通り、道なりに行けば南禅寺に到着します。

本坊や南禅院は有料ですが、境内のほとんどのエリアは無料。散策するだけでも心地よい場所です。

赤レンガの水路閣は、水道橋のようなもの。琵琶湖から水を引く、現役の水路です。階段をのぼると、水がジャバジャバ流れている様子が見られます。レトロな水路閣の向こうに紅葉が見える風景はノスタルジックで、初めて来たのに懐かしい気持ちになりました。

水路閣のアーチをくぐって階段をのぼったところにあるのが、南禅院。南禅寺発祥の地で、亀山天皇が出家した鎌倉時代末の面影が残る、しとやかな庭園が見どころです。

紅葉の風景なのに虹色に見えました。この世のすべての色があるのでは……。少しずつ色彩の異なる木々や、丁寧に手入れされた庭園が楽しめるので、南禅院は拝観料400円の有料エリアですが非常におすすめ。

本坊の拝観料は600円。緑と石による閑静な庭園も、秋は一部が色づいています。あまりに鮮明な紅だったため、思わず二度見。頭の中でToshlさんが「紅だァーーーッ!」と叫んでいます。

本坊には、狩野永徳など狩野派の絵師が描いた襖絵の複製が展示されています。獲物か何かに飛びかからんとする大きな虎は、迫力があって見応えたっぷり。撮影NGでしたが、その分、しっかり記憶に刻み込みました。(複製と書いていない展示作品もあったので、あれは本物だったのかもしれないな)

もみじの永観堂

京都で紅葉狩りをするなら、永観堂は外せません。「もみじの永観堂」へは、南禅寺から徒歩5分ほど。本坊を出たら、右折して真っすぐ、という感じ。とても近いの。

拝観料は1000円。平日でしたが人出が多く、さすがは紅葉の名所です。ちなみに、秋は夕方から夜にかけてライトアップされるのですが、こちらはますます混雑するとのこと。

大玄関から入り、釈迦堂、御影堂、と進んでいきますが、どこから見ても木々が鮮やかでした。モネのパレットのような色彩を見上げてため息が出ます。

水に沈んでさえも、美しいもみじ。水が綺麗で流れが緩やかなので、泥が巻き上がることなく、底のもみじまで鮮やかに見通せました。頭上の風景も良いですが、足元の風景もまた雅。

お寺は靴を脱いで上がるので、厚手の靴下を履いていくのがおすすめ。南禅寺はスリッパを借りられたので良かったですが、永観堂はスリッパなし。冷たい床を足で直に踏むので、足先から冷えてしまいます。ストッキングやタイツの人もいたけど、靴下2枚重ねるくらいで丁度良いと思います。

放生池近くの茶店では、あたたかい甘酒やお抹茶、お菓子をいただけるとのこと。冷えた身体を温めながら紅葉を狩るべし。

世界遺産の慈照寺(銀閣寺)

永観堂を出たら、北へ向かってほぼ真っすぐ歩いていきます。哲学の道には素敵なカフェが乱立しているので、道草しながら通ると楽しいと思う。逸れちゃったのでわからないけど。

住宅街をひたすら北上するのでも、慈照寺には到着できました。閑静な住宅街も良かったですよ。人が住んでいる気配はあるけど、外が賑わってはいない感じ。耳をすませば、どこからか秒針の音が聞こえてきそうな、素敵な地区でした。

慈照寺の拝観料は500円。超有名なお寺なので、清水寺くらいの混雑を覚悟して入ったところ……

あれっ、はっちゃめっちゃ空いてる! 永観堂の混雑を100とすると、5くらいの混雑具合。絶対に混んでると思ったんだけどな……。

あとから調べたところ、2021年はコロナ対策のため、東求堂・方丈・弄清亭の特別拝観が中止になっていました。庭園の公開のみだったんですね。人が少なかったのはそのためかも。

でも、慈照寺は庭園が素晴らしい。それはそれは美しい。非科学的な概念が苦手な私は、長らく「パワースポット」という言葉に冷笑を浮かべてきましたが、なるほどこれがパワースポットか! と0.1秒で納得しました。コペルニクス的転回。

人の手が入ってはいるけれど、飼いならすのではなく、剥き出しの自然が残るような風景。わび・さびの東山文化ここにあり。欲を捨てたような雰囲気が気に入りました。足利義政がお茶に愛用した綺麗な水が湧いており、水音も心地よい。

巨大なピノみたいな向月台や、縞模様がクールな銀沙灘は、夜になると月光を反射して観音堂(銀閣)を照らすそう。反射率の高い砂が使われているらしい。向月台の上に座って東山に昇る月を待った、などの説もあるようです。

紅葉は永観堂のほうが豪華ですが、慈照寺は基礎点が高いです。1年中、無欲で浮世離れした風景が見られるのだろうな。

ティータイムには『GOSPEL』へ

蹴上から南禅寺、永観堂を経て慈照寺までは3キロ弱。さすがに足の裏がじんじんしてきたので、慈照寺近くのカフェ『GOSPEL(ゴスペル)』へ。

建物は、もともと個人の邸宅として使われていた洋館です。ヴォーリズ建築事務所が設計した、コロニアルスタイルを基調とした昭和の建築。2階がGOSPELです。

レコードがかかるクラシカルな店内で、焼きたてのスコーンと紅茶をいただきました。外はカリカリ、中はふわふわで、食べごたえのあるスコーン。クロテッドクリームは練乳のようなコクがあり、優しい甘さが疲れた身体に沁みわたります。

おわりに

慈照寺から京都駅に戻るなら、「洛バス」100号系統が便利。車体の側面に「100 RAKU BUS」と書いてあるピンク色の観光バスで、慈照寺を始め、清水寺や祇園など人気の観光地と京都駅を結んでいます。「銀閣寺前」停留所から乗って、「京都駅前」停留所で降りても良し、途中下車しても良しです。

お散歩で体力を使い切った日の夜は、今までにないくらいぐっすり眠れました。いつものお布団が数段心地よく感じましたね。今頃、慈照寺には月が照っているのかな、一句詠んでみようか、と思っているうちに寝てしまい、詠まずに朝を迎えました。

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