こんにちは!突然ですが、みなさんはマンガやコミック画はお好きでしょうか?
ドイツでは日本のコミックも翻訳発売されているほど、マンガやコミックに触れる機会が少しながらあります。
そこで、今回ご紹介するのはカートゥーン・コミック専門のギャラリー「Caricatura-Galerie」!
ドイツの中でも屈指の現代美術の街・カッセルに引っ越しした筆者は、今回「Caricatura-Galerie」で行われていたドイツおよびヨーロッパで活躍する現役のコミック画家たちの作品が集う特別展『ABGEFAHREN!CARTOONS ZUR MOBILITÄT』に、コロナ対策万全の状態で行ってきました。
ドイツをはじめとするヨーロッパのコミック画家たちの中には、風刺画などの分野で活躍するコミック画家がいます。日本のコミックとは異なる風刺画の世界や画風を、ぜひこの機会に味わってみてください!
「Caricatura-Galerie」とは?
「Caricatura-Galerie(カリカトゥーラ・ギャラリー)」は、1987年に設立された、ヘッセン州・カッセル駅前(カルチャー駅カッセル)にあるカートゥーン・コミック専門ギャラリーです。
毎年期間ごとに特別展示を開催しており、カートゥーン・コミック画や似顔絵だけでなく、コミック画家によるドローイングなども紹介されているのだとか。
これまでの展覧会やイベントの成功もあり、同館は、カッセル市の文化振興賞を受賞しているだけでなく、ドイツ国内でも重要な風刺およびカートゥーン・コミックの中心地となりました。
また、「Caricatura-Galerie」では、2000年に開館したコミックアートの常設展『』および風刺雑誌『タイタニック』と協賛して、次世代のコミック画家の育成や教育にも取り組んでいます。
地元カッセルに住むドイツ人も、ドイツのコミックアートと言えば「Caricatura-Galerie」というほどです。
カッセル中央駅(カルチャー駅カッセル)のすぐ横に隣接されているため、アクセスしやすいのも魅力的です。新型コロナウイルス感染拡大の影響で休館中でしたが、2021年6月からは感染対策を徹底した上で営業を再開中です。
風刺画とドイツ
1980年代、キオスクで販売されるコミック雑誌は、ドイツ国内で比較的人気を集めていたのだとか。日常生活や政治などの憤りや怒りに対して、時には冗談交じりで、時には批判的に反論する風刺画および風刺雑誌は、現代コミックアートの中でも重要な位置づけにあるそうです。
筆者も、ドイツ人と話していると皮肉や冗談など風刺に繋がる話題が良く飛び交っていることに気が付きました。
ちなみに、怒りや憎悪に結びつくような直接的表現である
・呪い
・悪口
・抗議
があるものは、風刺および風刺画とは定義づけていません。
特別展『ABGEFAHREN!CARTOONS ZUR MOBILITÄT』の概要
さて、筆者がカッセル在住のドイツ人に勧められて赴いた「Caricatura-Galerie」では、期間限定で「交通・乗り物」に関する特別展『ABGEFAHREN!CARTOONS ZUR MOBILITÄT(アップゲファーレン!カートゥーン ツゥア モビリテート)』という展示が行われていました。
ドイツ語にはひとつの単語に対して複数の意味が込められていることがあるそうで、この特別展名を日本語に訳すと「出発!乗り物コミック展」あるいは「スゴイね!乗り物コミック展」の2つの意味があるとドイツ人が説明してくれました。
この展覧会では、ヨーロッパで環境問題視されているクルーズ船に関する風刺画をはじめ、
・電動スクーター
・共用駐車場
・飛行機
・ドイツ鉄道
・ドローン
・自動運転自動車
・自転車
・コロナウイルス
など、乗り物に関する様々な皮肉たっぷりの風刺画やコメディマンガが展示されていました。
風刺画は、なかなか日本人にとって理解しがたいことが多くあると思います。
筆者自身もドイツに長年関わりがあるものの、なかなか風刺の世界は理解ができない!(笑)「交通や乗り物についてであれば身近だし、大丈夫かも……?」という気持ちで潜入してみました。
いざ、「Caricatura-Galerie」に潜入!
ミュージアムショップ兼受付で作品への撮影許可ももらったので、中の様子も作品も写真に収められました!展示室は広々としており、常設展の美術館のように椅子も設置してある親切さでした。
タッチパネルはナルホドのコロナ対策
きっと、海外のコロナ対策はみなさんが気になるポイントなのではないでしょうか?基本的なコロナウイルス感染対策として、入場時の消毒液での消毒と医療用マスクと呼ばれる「FPP2マスク」の着用が必須です。
また、『ABGEFAHREN!CARTOONS ZUR MOBILITÄT』では多くのアーティストの作品が展示されています。誰がどんな作品を展示しているかは、タッチパネルで閲覧が可能!タッチパネルの閲覧方法にも万全のコロナ対策がなされていました。
受付でもらった謎の棒。何に使うのかというと、直接指で触らずにタッチパネルを操作するための棒だったのです!「タッチパネルの反応が悪くなるんじゃないか?」と思って試しに使ってみましたが、意外と接触は大丈夫でした。
指で触れないためのひと工夫に、感動しました。また、美術館の中には事前予約制で入館制限をかけている場所もあったりと、コロナ対策は各館によって色々違っているようです。
原画の展示も!
本展では、印刷されたコミック画だけでなく、アーティスト原画の展示もいくつかありました!
修正液の跡やセリフの切り貼り・インクや彩色の跡も間近で鑑賞できるので、コミック好きにはたまらないことでしょう。筆者も、特に原画展示には大変興奮したものです(笑)
ドイツ在住WEBライターがおすすめする「Caricatura-Galerie」を誰よりも楽しむ3つの方法
「Caricatura-Galerie」はドイツのギャラリーということもあり、楽しみ方さえ心得てしまえばドイツ語が分からなくてもある程度楽しめます。
1. ガイドツアーを利用してみる
「Caricatura-Galerie」では、ガイドツアーを利用して作品を見ることも可能です。
2021年8月現在、ガイドツアーの概要は、平日限定で開催中。営業時間内なら1回1名あたり30ユーロ(1グループ最大12名まで)、営業時間外なら50ユーロ(1グループ最大24名まで)で開催中です。英語やドイツ語に自信のある方は、ぜひお試ししてみてはいかがでしょうか?
2. 事前に作品集を購入してみる
「Caricatura-Galerie」では、展覧会ごとに作品集が販売されています。館内のミュージアムショップで購入可能。また、公式HP内に設けられたWebショップで事前に購入も可能です。
万が一、逃してしまった展示があったとしても、在庫さえあればすぐに作品集が購入できるのも嬉しいですよね。
3.ドイツ人の友人・知人などと訪問する
もし、「Caricatura-Galerie」に行く場合は、ドイツ人からの作品解説をしてもらうとさらに楽しめるでしょう。
日本人には理解しがたい皮肉やユーモアを解説してくれることで、作品が何を訴えたいのか、何を問題にしたいのかがわかりやすくなります。
最近では、インターネットを経由して世界各地の人と知り合えるようになりました。ドイツに行くことがあれば、インターネットのチカラを借りて、ぜひ現地のドイツ人と「Caricatura-Galerie」に行ってみてください!
まとめ
カッセルでの「Caricatura-Galerie」潜入レポートをお送りしました。
コミック画専門のギャラリー自体が珍しいというだけでなく、期間によって展示内容が異なることから、いつ行っても新しい展示に出会えるのも魅力的だと感じました。
日本人とドイツ人では、言語やユーモアに対する感覚が違うので、皮肉や風刺は理解できない作品も中にはあるかもしれません。ですが、言葉の壁を越えて、見ただけで共感できたり笑える作品など、直感的に楽しめる作品もあるのも嬉しいポイントです。
もし、カッセルに訪れる機会がありましたら、ぜひ「Caricatura-Galerie」へ足を運んでみてくださいね!
カリカトゥアー・ミュージアム(「Caricatura-Galerie」)基本情報
所在地:Rainer-Dierichs-Platz, 34117 Kassel, ドイツ
観覧料(税込):一般 5ユーロ
※12歳未満の子どもとカッセル大学の学生は無料
開館時間:12:00から19:00(火曜日から土曜日)/10:00~19:00(日曜・祝日)
公式HP:https://caricatura.de/agentur/abgefahren-cartoons-zur-mobilitaet/
公式Twitter:https://twitter.com/caricatura_ks
公式Instagram:https://www.instagram.com/caricaturagalerie/
公式Facebook:https://www.facebook.com/caricaturagalerie/