失敗や逆境に負けない!「レジリエンス」を身につけ、しなやかな人生を送るためのオススメ書籍4選!

失敗をするのは誰だって嫌ですよね。できれば自分の人生は、失敗とは無縁の人生であってほしいと願ったりします。しかも、失敗を取り返しのつかないものと捉えると、余計失敗が怖くなりますよね。失敗したくないからチャレンジもできない。すると、日々のタスクをこなすだけの人生になってしまいます。

「レジリエンス」という言葉を聞いたことがありますか?これはもともとは物体の弾性をあらわす言葉だったそうですが、今では「回復力」「しなやかさ」などを表す言葉としても使われています。

大ピンチや思ってもみなかったことが降りかかるとき、それに耐えられずに心がボキッと折れてしまうことがあります。折れてしまうとなかなか元に戻りませんが、最初から折れないように、竹のように「しなる」心をトレーニングによって身につけられるとしたら……

「あの失敗があったからこそ成長できた」という経験を、皆さんお持ちでしょう。このことからもわかるように、失敗にはプラスの側面もあるのです。しかも、もし自分が失敗しても立ち直れるという確信があれば、チャレンジするのも怖くなくなるのではないでしょうか。

今回は失敗からの回復力、しなる心を身につけたいすべての方のために、最適な4冊の本を紹介します。

それがこちらの4冊です。

・『世界のエリートがIQ・学歴よりも重視!「レジリエンス」の鍛え方』
・『逆境・試練を乗り越える!レジリエンス・トレーニング入門』
・『OPTION B-逆境、レジリエンス、そして喜び』
・『逆境を「最高の喜び」に変える心の技法ストイック・チャレンジ』

今回紹介する4冊

1冊ずつ

・こんな方にオススメ
・本の概要
・オススメする理由
・ここにも注目!

を紹介します。

失敗にめげないメンタル、失敗しても回復できる能力を身につけたい方は読んでみてください。

1.『世界のエリートがIQ・学歴よりも重視!「レジリエンス」の鍛え方』

レジリエンスとは何?と思ったときにまず読んでみてください

この本は、「レジリエンスとはなんだろう?」と思った方に向けて、レジリエンスの鍛え方を具体例とともにわかりやすく書いています。

ですので、

・レジリエンスとは何?
・レジリエンスの鍛え方を1から知りたい

という方にオススメです。

本の概要

『レジリエンスの鍛え方』の著者は、世界クラスのエリートたちとともに働く機会に恵まれ、彼らと働くうちにエリートには2種類のタイプがいることがわかりました。それがたくましいエリートと、脆いエリート。

この場合の「たくましさ」とは精神的なたくましさのこと。著者は、なぜこのような差が生まれるのか疑問に感じていたそうです。そしてご自身も逆境に直面し、その経験から「レジリエンス」の重要さに気づき、レジリエンスにかかわる事業を立ち上げました。

その「たくましさ」のもととなるレジリエンスとは一体なにか。この本の中では、

・レジリエンスとは何か
・レジリエンスを鍛えるための7つの技術

について書かれています。

オススメする理由

レジリエンスを鍛え、たくましくなろう

この本をオススメする理由は、レジリエンスを鍛えるための具体的な方法が、段階を踏んで書かれているからです。具体的なのでとてもわかり易く、実践しやすいでしょう。

第1の技術:ネガティブ感情の悪循環から脱出する!
第2の技術:役に立たない「思いこみ」をてなずける
第3の技術:「やればできる!」という自信を科学的に身につける
第4の技術:自分の「強み」を活かす
第5の技術:こころの支えとなる「サポーター」をつくる
第6の技術:「感謝」のポジティブ感情を高める
第7の技術:痛い体験から意味を学ぶ

このように一つひとつ階段を登るように、技術を身につけていけます。

例えば、第2の技術のパートには「幸福の鍵を握るのは刺激と反応の間のスペース」とあります。同じ刺激を受けてもどう反応するかはその人によって異なるのです。

渋滞に巻き込まれてイライラする人もいれば、平然と音楽を聞きながら運転する人もいます。なぜ異なるかというと、人はそれぞれ違う「思い込み」を持っているから。その思い込みの説明や、その思い込みを捨てる方法などが書かれており、この章を読むだけでも、なるほどと勉強になります。

ここにも注目!

本書には「失敗を怖れないために失敗について理解する」という部分があります。失敗をしたときには、誰でもパニックになり思考停止しがちです。

そして、

「失敗してしまった、私ってだめだなあ」
「人に迷惑をかけてしまって申し訳ない」

というネガティブ感情が生まれます。

しかし、失敗は誰にでもあります。失敗の真の問題点は失敗したことではなく、失敗したあとにネガティブ感情が生まれて、それが続くと無力感を感じることが癖となることだそうです。

このような悪循環を断ち切るために、失敗体験を冷静に分析する方法を本書で教えてくれています。失敗にも予防できる失敗や、避けられない失敗、そして歓迎すべき失敗もあるというのです。

「失敗」をすべて一括にして自己批判せずに、失敗に対する理解を深めることが、レジリエンスを鍛える助けにもなりますのでこの部分はぜひじっくり読んでくださいね。

2.『逆境・試練を乗り越える!レジリエンス・トレーニング入門』

実践的な本です

この本の中には、レジリエンスをトレーニングするための演習が13項目も載っています。レジリエンスの説明だけではなく実際に自分で行うワークがありますので、そのワークを行うことでさらに理解が深まり、レジリエンスのトレーニングになります。

実践的にトレーニングを行いたい方にオススメです。

本の概要

この本の筆者は、アメリカのペンシルベニア大学で学び、日本に初めて「レジリエンス・トレーニング」という概念を持ち込んだ方です。

この本で紹介しているレジリエンス・トレーニングは、ペンシルベニア大学心理学部での研究をベースに開発された、社会人向けのものです。

レジリエンスを高める6つのコンピテンシー(レジリエンスの高い人に共通して見られる行動の様式や特性)と7つのレジリエンス・スキル、そして13の演習が紹介されています。

この本の7つのレジリエンス・スキルは以下のとおりです。

1:自分をABCモデルで分析する
2:「思考のワナ」から脱出する
3:氷山思考を見つける
4:脳の色眼鏡を外す
5:広い視野で眺める
6:エネルギ―マネジメント~心を鎮める・思考をリセットする
7:リアルタイム・レジリエンス

オススメする理由

演習をしながらレジリエンス・スキルを高めていきましょう

7つのレジリエンス・スキルを演習付きで紹介してくれているところが、オススメの理由です。私たちは本を読むと「わかったつもり」になりますが、いざそれを人に説明しようとしたり、実践しようとすると実はわかっていなかったということがよくありますよね。

この本のように演習がついていると、真剣にレジリエンス・スキルを高めたいという方にとっては、演習を通じてスキルの理解が深まるでしょう。

ちなみにレジリエンス・スキルの基礎となる「第1のスキル:自分をABCモデルで分析する」という部分は、とても大切な部分にあるため演習が5つもついています。

このように、しっかりとレジリエンス・スキルのトレーニングができる内容となっています。

ここにも注目!

この本にはレジリエンス・スキルの他に6つのコンピテンシー(レジリエンスの高い方たちに共通して見られる行動の様式や特性)も紹介されています。

この6つが何かというと、

・自己の気づき
・自己コントロール
・現実的楽観性
・精神的柔軟性
・強みとしての徳性
・関係性の力

です。

レジリエンスを高めるためには、これらの能力の開発が必要なのだそうです。今、これらの能力を持っていないと思われる方も、この本に書かれているレジリエンス・スキルを習得していくことで、これらの能力を身につけられます。

しっかりとこの本の演習をして、レジリエンス・スキルを高めていきましょう。

3.『OPTION B-逆境、レジリエンス、そして喜び』

逆境から回復する女性のストーリーです

どんな立場の方にも、大切な人を亡くすという喪失や人生の困難は、無差別に振りかかってきますよね。

「二度と笑顔にはなれないんじゃないか」
「どうして私がこんな目に」

などと思ってしまうかもしれません。

しかし、そのような体験をしているのは、あなただけではないのです。この本には著者の体験を含め、さまざまな方の喪失や困難の体験が書かれています。

困難な体験をして、

・私が悪かったのかもしれない
・何もかもが灰色に見える
・ずっと笑顔になれないかもしれない

そう思っている方にオススメです。

本の概要

この本は著者であるフェイスブックのCOOが、休暇先で夫を突然失うところから始まります。深い悲しみの中、著者と著者の友人で著名な心理学者がレジリエンスについてともに学んだことを、私たちに伝えてくれる本です。

・自分自身を助け、周りの人を助けるための方法
・回復における心の働きについて
・自信と喜びを取り戻すために乗り越えなくてはならない壁について
・悲劇について話す方法
・苦しむ友人を慰める方法
・折れない心をもった子どもを育てる方法
・再び人を愛する方法

などが、ストーリーとともに書かれています。

オススメする理由

自信と喜びを取り戻しましょう

この本の題名は『OPTION B』という題名ですが、なぜこの題名なのでしょうか。それは、彼女の夫が生きていたらできた選択が「オプションA」とすると、もうオプションAを選ぶことはできないからです。

そしてそれは彼女の人生だけでなく、誰にとっても完璧な人生はありえないので、みんな何らかの形のオプションBを選ばざるを得ない。誰もがオプションBを使い倒せるようにという意味で、この題名が付けられています。

この本をオススメする理由は、ストーリー形式になっていること。「HOW TOものがあまり好きではない」という方にもぴったりです。物語を読みながら、レジリエンス能力の向上についてもしっかりと知ることができるからです。

しかも、この本の中には、彼女のストーリーだけではなく、さまざまな困難に直面した人のストーリーも語られています。

この本を読むことで

「私だけではないんだ」
「この人も立ち直れたのなら、きっと私も立ち直れるかもしれない」

そんな希望が持てる本です。

ここにも注目!

例えば友人の夫が突然なくなった、お子さんが亡くなった、友人ががんに罹ったなど、親しい方が悲劇に見舞われたら、あなたはその方になんと声をかけますか?

なにか声をかけて力づけたいけれども、こちらから声をかけることにより、さらにその悲劇を思い出させたり、傷つけたりするかもしれない。なんと言っていいかわからず、結局どんな声もかけられないまま。

そんなパターンも多いかと思います。

筆者は、夫がなくなったのに何も聞いてもらえず、まるでその出来事がなかったかのように振る舞う友人にショックを受けたと言っています。では、なんと声をかければいいのでしょうか?

悲しむ友人を慰める方法が知りたい方にもオススメです。

4.『逆境を「最高の喜び」に変える心の技法 ストイック・チャレンジ』

チャレンジ精神旺盛な方はこの本の方法がオススメ

この本は、ある程度レジリエンスの力がある方向けの本です。逆境に負けないぞ!という意気込みがあり、ではどのようにすれば逆境を自分の力に変えていけるのかということを知りたい方に。逆境を自分の意志の力で「喜び」に変えられる方に、チャレンジ精神旺盛な方にオススメです。

本の概要

『逆境を「最高の喜び」に変える心の技法ストイック・チャレンジ』は

第1部基礎編 試練に対処する
第2部理論編 感情はコントロールできるか
第3部実践編 「ストイック・テスト」に取り組む
第4部応用編 ストア主義者として生きる

に分かれています。

第1部ではストア哲学者が逆境をどう捉えるかの基本的な考え方を解説しており、第2部ではネガティブな感情をコントロールする具体的な方法を示してくれています。

第3部ではどのように日常的に感情をコントロールしていくかを解説し、第4部で書かれているのはストア哲学を日常生活の中にどのように浸透させていくかの方法です。

この本の内容を理解することで、主体的に感情をコントロールできるようになるでしょう。

オススメする理由

あなたはストア哲学の神々からの挑戦を受けますか?

ストア哲学の実践者である著者は、さまざまな逆境をストア哲学の神々からのテストだと受け止めます。何かの試練に置いて挑発に乗らず、平静を失わず、落ち着いて問題解決できればそのテストに合格ということです。

このように、困難や試練を「ゲーム」と捉え、そのゲームにいかに勝つかという視点で、ものごとを捉えるのです。

人生何が起こるかはコントロールできませんが、起こったことにどう立ち向かうかはコントロールできます。選択肢が限られているとき、ただくよくよと思い悩んでいても何も始まりません。やり方を変えれば大抵のことはできるのです。

その方法が知りたい方は、ぜひ本書を読んでください。

ここにも注目!

ものごとを解釈するときの枠組み(フレーム)により、そのものごとの印象が変わります。例えば手術の成功率が80%と、手術の失敗率が20%というのは同じことを表していますが、受け取る印象が違いますよね。

逆境に対して違う説明を思いつけば、つまり違うフレームに入れられれば、プラスの感情さえ抱けるかもしれません。

この本の中ではそのようなフレーミング効果のあるフレームとして

・相反する義務のフレーム
・能力不足のフレーム
・物語のフレーム
・喜劇のフレーム
・ゲームのフレーム
・ストイック・テストのフレーム

を紹介しています。

このフレームのことを知っておくだけでも、逆境の意味付けが変わり、なんとか逆境を乗り越えられるかもしれません。

レジリエンス能力を高めて人生をしなやかに生きていこう

回復力を身につけて人生をしなやかに

この記事では、レジリエンスに関する本を4冊紹介しました。どの本もレジリエンスに対して気づきのある本です。

1冊目は「レジリエンスとはなんだろう。どのようにして鍛えられるのかな」と思った方に最適です。具体的にわかりやすくレジリエンスについて書かれています。

2冊めはレジリエンスについて、もう少し自分でトレーニングしていきたい方にぴったりです。この本の中にある演習をコツコツしていきましょう。

3冊めは物語を読みながら、レジリエンスのことについても理解が深まる本です。オプションAが使えないならば、オプションBを使い倒しましょう。

4冊目は、逆境に直面した際に、それを自分に対する挑戦だと思い、乗り越える方法が書かれた本です。逆境に負けず、逆境を糧として成長していきたい方はぜひ読んでみてください。

人生には何が起こるか誰もわかりません。そして何が起こるかを私たちが選択することはできません。しかし、起こった出来事に対してどのように対応するのか、認識するのかは私たちが選べます。

逆境を悲劇と受け取るのか、それとも挑戦と受け取るのか。

レジリエンス能力を高めて、しなやかな人生を送りたいですね。

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