くらし

【鎌倉DESSE】やっぱりパン屋が好き!北鎌倉の住宅地にある屈指の人気店・鎌倉DESSEに行ってきました。

こんにちは。食いしん坊断罪のmayachiです。巷ではデパートなどでパンフェアが開催されたり、新規参入店がぞくぞくとオープンしたり!のパン業界ですが、何かこの時期には理由があるのでしょうか?湿度と温度で発酵が進むからかな?そんなことはないか。

出会いは横浜高島屋デパ地下ベーカリースクエア

私が最初に楽活で書かせていただいた記事、「デパ地下のお惣菜でおうち時間をちょっと豊かに。日本最大級の地下食料品エリア・横浜高島屋「Foodies’Port」に行ってみた!」の中で、かなりテンション高めでフォーカスしていたのがパンエリアだったのですが、その時に購入したパンの中の一つ、「鎌倉DESSE」さんの抹茶あずきのパン。

優しめの抹茶の緑色に、外から見てもわかる大納言かのこ入り、お店で思わず手が伸び、どんな味だろうととても楽しみにしていたのです。

ところが、気付いたらほぼ家人に食べられてしまっていました。しかも、普段は抹茶もつぶあん(あずきが形になっているもの)もあまり自分では選ばない人なのに、です。

私も、少しだけいただけたものの、なんとなく不完全燃焼…。

やはりもう一度買いに行くしかないか…と思っていたところ、北鎌倉エリアに鎌倉DESSEさんのお店ができたので、取材に行ってみませんかというお誘いが!

いやこれはもう、お導きでしかない!パンの神様ありがとう!

北鎌倉の高台にある、懐かしい住宅地に佇む小さなパン屋さん

お店があるのは横浜市栄区の住宅街。地図上では北鎌倉の駅が一番近いようです。でも今回は根岸線の港南台駅で下りて、そこからバスに乗るルートで訪問。駅から桂台中央行きのバスに乗り、7駅目の犬山南で降りればお店までは徒歩1分ちょっとです。

とはいえ、到着したのは住宅地の真ん中。周囲には商店街などもなく、お隣にカットハウスとエステティックサロンがあるだけ…。なぜこんなところにパン屋さんが?

不思議に思いながらも、お店に入ってみることに。

鎌倉DESSE さんに到着。お店の中にはドイツの国旗?

コンパクトなお店の中、正面にあるのはアンティーク調の可愛い棚。

棚にはたくさんの食パンが並んでいます。山型パン、ラウンドパン、角食も!

素材も、小麦、ライ麦、米粉、塩なし、などなどなど。

棚に貼られているひときわ大きなPOPには、「天然酵母の生食パン、人気のミルキー食パン」の文字。

米粉、塩なし、無糖、ライ麦などさまざまな食パンが並ぶ棚

そうなのです。鎌倉DESSEを運営されている「横浜むぎや」さんは、自家製の天然酵母で全てのパンを焼いているお店なのです。

いわゆる一般的な、イーストと呼ばれるパン酵母を使って焼かれたパンには、焼き上がると独特な香りを放ちます。ここは好き嫌いが分かれるところですが、単一酵母なので扱いやすくて、膨らみ・成形しやすいことから多くのパン屋さんや家庭でも使われています。

私も家でパンを焼く時にはドライイーストを使いますが、

自家製の天然酵母って一体どんなものなのだろう・・・。

干し葡萄から作られる自家製酵母。人も酵母も自然に育てた方が伸びる。甘やかしすぎはダメ。

今日は、そのあたりのお話がたくさん聞けると思って、ワクワクしながらやってきました。

すると早速、代表取締役でパン職人の神田康男さんが、梅酒を作る用の大きなボトルに入ったあるものを持ってきてくださいました。

鎌倉DESSEで使われている自家製酵母のボトル

オレンジ色の間の褐色の水に、小指の先くらいの大きさのシワシワの粒がたくさん浮いています。気泡もたくさん出ていて、プツプツと音がしそう。

これが、鎌倉DESSEさんで使われている自家製培養酵母。干しブドウを使って発酵させて作った、いわゆる天然酵母です。

最近はご自宅でも酵母を培養してパンを焼くのに使われる方もいるようですが、自家製酵母は扱いが難しいと聞きます。酵母の扱い方や育て方にはコツがあるものなのでしょうか?

神田さん「酵母は生き物だから、生き物として扱います。大事に育てますが、ほっとく部分もある。甘やかしてばかりではなく時には厳しくしないといけない。自然に任せるのって大事なんですよ。それにね、こちらに気持ちがあると、わかってくれるんです。おい、頼むよ、いいパンにしてよ。って、話しかけたりしてね」

と、神田さんが、まるでお子さんのことを話すように嬉しそうに聞かせてくれました。

神田さん「干しブドウを使っているのは、安定しやすいからです。シワシワってことは表面積が大きいでしょう?つまり皮が多い。皮が多いということは、酵母が多いってことなんですよ」

そうなんだ!なんとなく発酵するのは実の部分かと思っていましたが、発酵を促進する酵母そのものはブドウの皮にあったのですね。

水に入れて3~4日寝かせて発酵を促します。イーストは違ってすぐに使えるわけではなく、パンの発酵に使えるようになるまでは、手間も時間もかかります。ブドウの品種や配合などは企業秘密のようでしたが、出来上がる酵母はブドウの種類によっても違い、味にもそれは現われるのだそう。

これはますます食べるのが楽しみになってきましたよ。

天然酵母液と天然酵母パンシリーズ。

ある日車に乗っていたら募集の張り紙を見た。それがパン屋になったきっかけ

鎌倉DESSEさんを訪ね、神田さんにお会いできるとお話をいただいた時、楽活の編集長さんから、とっても良い動画を見つけたよ!とご連絡が。

なんと、YouTube上の長寿番組「横浜人物図鑑」にご出演になっていました。神田さんのお話を聞いてみたいという方はぜひ!

もちろん、私も神田さんから直接お話を聞いてきました。

神田さんは、ある日車を運転していて、なんの気無しに見たパン屋のスタッフ募集の張り紙に誘われ、パン屋で働き始めたのだそうです。

そのお店では、初心者とは思えないと高い評価を得ていたにもかかわらず、3年ほどで退職。しばらく他の仕事を色々とされたのち、またパン職人に戻ろうと決意。その際、なんとまた見習いから働き始め、その後、大手のパン会社に移られて店長を経験されたのち、2001年に自分のお店を出されました。

オープン当初は、最後に働いていたお店で作ったものと同じようなパンを作っていたという神田さん。でもある日、お客さんから「子供がアレルギーがあって、パンが食べられない」「添加物の少ない、天然酵母のパンを作って欲しい」と言われたそうです。

独学で作り上げた最良のバランス。鎌倉DESSEの個性が生まれるオリジナル酵母

最近でこそ多くのパン屋さんが自家製酵母でパンを焼くようになりましたが、今から約20年前では、あまり使っているところもなく、情報も少なかったことから何度もお断りされていたそうなのですが、ある日とうとう天然酵母でパンを焼く、と決意。そこからは、独学で勉強、試作と試行錯誤を重ねて、自家製の天然酵母を使った食パンを販売することができたのだそうです。

一般的なイーストは扱いやすく、ふっくらとした食感のパンが焼けるという反面、独特の香りがあり、膨らみなどが均一なために、アレンジに限界があります。それに比べて、自家製の天然酵母を使ったパンは、仕込みなどに時間や手間がかかるものの、焼き上がったパンにはクセがなく、自分なりのアレンジや、パンに個性を持たせることが出来ることがわかり、天然酵母のパン作りに夢中になってしまった神田さん。

ただ、当時、天然酵母のパンはあまり知られていなかったため、ふんわりしたパンと比べるとずっしり、硬めで、噛みごたえも違います。なかなか受け入れられず、一時は売り上げが落ちてしまうまでに…。

でも、神田さんの情熱は止まりませんでした。その後も研究と改良を進め、お店のパンは全て自家製天然酵母で作られるようになり、神田さんしか作ることができない、個性あるパンが生まれました。

自家製酵母を扱っているお店はたくさんあれど、横浜MUGIYAさんにしかない、「鎌倉DESSE」スタイルが出来上がったのです。

それが、「MUGIYAブロートシリーズ」

なんと、横浜の地域ブランド育成事業である「横浜グッズ001(ゼロゼロワン)」にて、横浜の有名な老舗ブランドと一緒に認定を受けるまでになりました。

中身はぎっしり、ずっしりとした重さ。噛めば噛むほど味わいが出てくるけれど、決して硬いわけではなく、しっとりとしています。そのまま食べても良いですが、濃いめのバターや、クリームチーズ、ざらざらとした蜂蜜などがとても合うのです。

横浜のおみやげ・横浜が選んだ横濱ブランドYOKOHAMA GOODS 001に掲載されているMUGIYAブロートシリーズの紹介ページ

この日お店に並んでいたのは、そのブロートシリーズよりも小さくて、アレンジが豊富なタイプ。私がベーカリースクエアで購入したのと同じ天然酵母パンシリーズのものです。

店内に並ぶ天然酵母パンシリーズ。たくさんあってどれにしようか迷います

15cmくらいの決して大きくないパンなのですが、持った感じはずっしり。普通のパンだと思ってトングで挟んだらちょっとびっくりする重み。

こちらのシリーズには現在13種類の味があります。通販ページで全て見ることができますので、ぜひチェックしてください!

今回私が買ってきたのは、

パンプキンレーズン

ほんのり香るかぼちゃのベジタブル感とレーズンの甘味がとても良いバランス

レモンコーヒー

レモンの香りが爽やかで、最初はレモンのパン。でも噛みすすめていくと、レモンの苦味がいつしかコーヒーの苦味に変わる。これは絶対コーヒーが合う

くるみバナナ

バナナのおかげで、よりしっとりとした生地に香ばしいクルミの食感がうれしい

くるみいちじく

私の大好きな組み合わせ。いちじくとクルミって最強だと思う

ライ麦いちじく

ライ麦のパンは少し尖ってるってイメージがあるけれど、天然酵母だとそれほどでもなくなる。コクのある麦の風味をいちじくがやさしく丸めている

カレンズ(山ぶどう)

ぶどうから生まれた天然酵母のパンだけに、カレンズとの相性はピカイチ!

でした。

残念ながら抹茶&大納言かのこはこの日はすでに在庫がなく…人気メニューは、午後には売り切れてしまうのですね。お目当てを買うには、午前中に行った方が良さそうです。

また、鎌倉DESSEさんのパン、天然酵母パンシリーズは、横浜高島屋ベーカリースクエアでも取り扱いがありますので、そちらでお求めになるのも良いかと思います。

鎌倉DESSEさんのパンは、天然酵母を使っているというだけではなく、食パンシリーズも充実。無塩食パン、米粉食パン、砂糖不使用ナチュラル食パン、ライ麦食パン、全粒粉食パン、発芽玄米食パンなどたくさんの種類があります。

いったいこれまでどれだけ研究と開発を重ねてきたんだろうと考えてしまう数です。でも、神田さんはそれについてはあまり話さないのだとのこと。

自家製酵母を使った天然酵母食パン。こちらがオリジナルです

神田さん「自分がどんなにいいパンを作ったと思っても、10人いれば10人の感想がある。自分が、作る側で大事なのはパンとの距離感だと思っていて、いいパンだよって押し付けたくて作るわけではないんです。食べるのって楽しいことだから、アレルギーとかでパンが食べられないってのはできるだけ無くして、楽しく、自由な食べ方で自由に食べて欲しい」そうおっしゃる神田さんがとても印象的でした。

ほかでは見ることはない自由で個性的なパン、天然酵母パンシリーズ。次の展開はドイツパン!?

おそらく、鎌倉DESSEさんのパンを買われたことがある方は、そのオリジナリティに驚かれると思います。私も、パン好きを自称していますので、いろんなパン屋さんに行きますし、海外暮らしの間は、旅行先でも必ず何件もパン屋巡りをしていました。

ただ、最近は、日本で新しいお店に行っても、どこかで見たことあるな、食べたことあるな、というパンが重なることもあって、流行りなのかな。でも美味しいからいいかな。と、思っていましたが、鎌倉DESSEさんのパンに出会って、「日本にこんなパンがあるなんて!」と驚きました。実は、日本ではそれまで見なかった、私が以前住んでいたオランダのパンを思い出したからです。

ヨーロッパでは、小麦事情が日本と全く違いますし、フワッフワで甘みのあるパンは、シノワパン(中国のパン)。ぶどうのロールパンやブリオッシュなどと一緒にお菓子扱いです。

食パンはサンドイッチ用ですが、パサパサですし、日本のパンほどのきめ細かさはありません。オランダやドイツの人が好んで食べるのは、むしろブラウンが濃い全粒粉のパンや、ライ麦のみっちみちのパンでした。

Fries roggebroodというオランダのフリースラント州の人気のライ麦パン。やや甘酸っぱい味わいで、しっとりとしたコクがあり、色はこげ茶かほぼ黒。薄く切ってスープと一緒に食べることが多い

実は、鎌倉DESSEさんでも、ドイツパンを作られているとのこと。ドイツにお住まいだった方に相談しつつ、本格的なドイツパンも販売されているそうです。

鎌倉DESSEさんのライ麦100%のオリジナルドイツパン、ロッケンシュロートブロート。サワー種が入っていないので、酸味が少なく食べやすい

パン作りの向こうに見えるもの。自然体で自由にやることが自分らしさに繋がっていく。

神田さんとお話ししていて強く感じたのは、神田さんの自由感でした。

ご自分がそれまで作り続けていたパンから、お客さんの要望で切り替えていける自由さ。一つ出来上がってもそこで完成にせず、また新しいものに変えていく自由さ。作り手の意見ではなくて実際に食べる人からの意見で発展させていく自由さ。お店の中でも、お客さんの感想を一つ一つ熱心に聞かれている姿がとても印象的でした。

こだわりの天然酵母とか、無添加とか、とてもすごいことですけれど、それだけではなくて、MUGIYAさんのパンを美味しく楽しくしているのは、神田さんのパンへの向き合い方なのかなと思いました。

一度お辞めになったパン職人のお仕事を、また最初から始められたのは、やはりパンがお好きなのですか?と伺ったら、

神田さん「パンというより、パン屋が好きなんです。パンを買いに来る人はね、嬉しそうに来られる人が多いんですよ。それでね、嬉しそうに帰られるでしょ。それを見ると、本当によかったなぁってね」

そう話す神田さんが一番嬉しそうです。

神田さん「今までは、全部自分でやっていたけれど、人と一緒に作るようになって、自分に自由な時間ができたので、もっと何かパン作りに取り入れられるものはないか、自分で作れるものはないかを考えているんです」

メガネの奥の目をキラキラさせて語ってくださった神田さんと、それぞれおススメのパンを教えてくださったスタッフのお二人。

大好きなパンと、クールなのに情熱いっぱいのパン職人の神田さんからお話を聞かせていただいて、右肩にずっしりの幸せと一緒に帰宅した後、お腹がぺこぺこなのに気付いて食べてみた天然酵母ミルキー食パン。本当に天然酵母?って思うくらいふっわふわで滑らか。なにもつけずにこのまま綿菓子のように食べちゃえる。それはかなり危険(笑)

天然酵母パンのイメージを変えちゃうくらいふわふわなミルキー食パン

とっても美味しいですって言ったら、神田社長はきっと、

「当たり前でしょ、パン屋なんだから」

というにちがいない。

参考情報

鎌倉DESSE
所在地:〒247-0026 神奈川県横浜市栄区犬山町56−8
TEL :(045) 893-6884
公式HP: http://www.mugiya.com
営業日:毎週 木・金・土 11:00~14:00, 15:00~18:00

横浜むぎや
所在地:〒235-0045 神奈川県横浜市磯子区洋光台4-1-1-104
TEL&FAX : (045) 833-6645

横浜高島屋Foodies Portベーカリースクエア
所在地:〒220-8601 横浜市西区南幸1丁目6番31号
公式HP:https://www.takashimaya.co.jp/yokohama/
アクセス:https://www.takashimaya.co.jp/yokohama/access/
Foodie’s Port:https://www.takashimaya.co.jp/yokohama/special/foodies_port/index.html
デパ地下概要:
○Foodies’Port1(本館エリア)
 営業時間:午前10時00分~午後8時00分
○Foodies’Port2(地下街エリア)
 営業時間:午前10時00分~午後9時00分 
※<hama-pla>は平日のみ午前8時00分~午後9時00分
 土日祝は午前10時00分~午後9時00分
※状況により、営業時間が変更になる場合あり
問い合わせ:横浜高島屋045-311-5111(代表)

鎌倉DESSEさんのインフォメーションはこちら

KANAGAWA BAKER’S DOCK
https://www.bakersdock.com/

横浜グッズ001
https://yokohama001goods.org/product/food/mugiya-brot-series/

参考記事

横浜Foodies’Portを特集した楽活の過去記事はこちらから!

Mayachi(まやち)

Mayachi(まやち)

投稿者の記事一覧

旦那の駐在に同行しているうちに海外生活が10年超。帰国して現在は専業主婦。海外の日本人向けwebやフリーペーパーでライター活動のほか、学生時代からのマンガ執筆を(ときどき仕事で)継続中。食べ物への執着を捨てられない、食いしん坊断罪です。最近はお買い物バッグを集めるのが趣味。
Instagram(https://www.instagram.com/mayachijp/

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