梅雨時こそ美しい。北鎌倉の明月院で愛でるあじさいと、鎌倉のおすすめ絶品白玉カフェ。

傘も花の一つになる。あじさいの季節を楽しむ散策と美味しいカフェ情報を楽活からお届け。

雨の季節がやってきてしまいました。さっそく憂鬱な顔をされてる方もいらっしゃるかもしれません。でも、この時期だからこそ、楽しめる花もあるのです。

梅雨時の花といえばあじさい。夏の季語にもなっています。庭先や公園などで色美しく咲くあじさいを見かけるようになってきましたよね。

日本であじさいの人気が高まったのは、戦後に北鎌倉の「明月院」の庭に植えられたのが始まりとも言われているそうです。仏様ともゆかりのある「甘茶」と少し似ていると言うこともあって、お寺などで縁起を担いで植えられるようになったとか。

日本でのあじさいブームの火付け役!?「明月院」に行ってみたい!

そんな明月院に興味が湧いて行ってきたので、レポートさせていただきたいと思います!

明月院へは、と言うか鎌倉方面に行くならやはり車よりは電車の方が便利。幾つも見所がありますし、場所によっては狭い路地や駐車場が限られたエリアもあります。お出かけの際はよく検討されてくださいね。

横浜から逗子方面行きの新宿湘南ラインに乗って北鎌倉駅で下車すると、一瞬で緑の香りに包まれます。気候も相まって、都市では感じることのできないむせかえるような緑の香り。

ここから徒歩で約10分、明月院に向かいます。

駅にある道標には、たくさんのお寺の名前が

あじさい寺として有名な明月院は、正式には福源山明月院(ふくげんざんめいげついん)と言います。臨済宗建長寺派の寺院で北鎌倉の山ノ内にある明月谷から由来したという説があります。

平安後期に武将・山内俊通の供養のため、息子の經俊が建てたのが「明月庵」。その約100年後、その地に鎌倉幕府第5代執権・北条時頼が「最明寺」を建立しましたが、時頼没後に廃絶。

その後、息子の時宗により「禅興寺」として再興されました。禅興寺は約100年後に関東管領・上杉憲方が管理しますが、その時に禅興寺の塔頭だった明月庵は「明月院」と改められました。禅興寺は明治初年の廃仏毀釈によって廃絶となり明月院のみが残ったそうです。

私がこちらを訪れた時間は朝の9時近く。明月院の6月の拝観時間は8:30からと言うことでしたが、すでに門の前には長蛇の列が。お寺の中の階段や道はそれほど広くないので、並びながらゆっくり入場していくようです。

入場に並ぶ人の列。むせかえるような緑の香りにもワクワクの効果が。

いざ入門!想像以上のあじさいに囲まれて圧倒される。

あじさい寺、明月院の入り口付近。

30分ほどゆっくり進みながらようやく入門。それでもまだ早い方かもしれません。

それほど湿った日ではありませんでしたが、寺に入ると独特の湿度があるような気がしました。

丁寧に整備されている印象ではありますが、使われている材木や石畳などにはかなりの年季があり、歴史を感じさせます。

さすがにまだ出口には誰もいません。
なかなかの広さの明月院。お散歩のしがいがありそう。

あじさい寺と呼ばれるだけあり、鎌倉石で作られたという階段のある山門からの道には右にも左にも生い茂るようにあじさいがたくさん。その数なんと2500株以上と言われていて、私が想像していたものを遥かに超えていました。まるで、あじさいの山の中にお寺があるみたい。

写真でご紹介。明月院の見どころ

明月院の境内の見どころはたくさんあるのですが、できれば見ておきたいのは、総門、茶々橋、北条時頼廟、伝・北条時頼墓所、月笑軒 (茶室)、桂橋、山門 、枯山水庭園、開山堂、やぐら、本堂といったところでしょうか。

写真と共にご案内したいと思います。

あじさいの時期にしか開いていない総門は、普段は閉鎖されていますがこの時期だけ通ることができます。奥に見えているのが桂橋です。
山門に続く表参道の両側にもあじさいが咲き乱れています。
かなりの年季が入った木製の山門。敷居を踏んではいけないそうです。
こちらが本堂(方丈)です。並んでお参りしてきました。
本堂にある悟りの窓。奥に広がるのは後庭園。今の時期は入園も可能です。花菖蒲が美しくて有名です。
本堂の左奥にある「開山堂」。茅葺き屋根が印象的。明月院歴代の位牌があります。
鎌倉市内に現存する中で最大級の「明月院やぐら(羅漢洞)」。​​上杉憲方が祀られていると伝えられています。
茶々橋にひょっこりあらわれるうさぎさん
休憩どころはこちら。茶室「月笑軒」
あじさいの中に埋もれそうです

明月院のあじさいは主にヒメアジサイという種類とのこと。青の色は「明月院ブルー」と呼ばれて親しまれています。視界いっぱいの美しい色には不思議な安堵感がありました。私の背丈よりも大きな株もあり、たくさん人がいるはずなのに、視界に人が入らないので混雑を感じませんでした。

ゆっくりと人の流れに沿って写真を撮りながら境内散策を満喫し、明月院を後にしました。

お天気もほどほどに良いし、北鎌倉から鎌倉へ向かい、景色を見ながら散策を続けます。

歴史を感じる国指定史跡、亀ヶ谷坂

明月院のある山ノ内エリアから扇が谷(鎌倉駅方面に)に徒歩で抜ける時に歩いてみたいのが亀ヶ谷坂です。昔から、武蔵(現在の東京・埼玉ほぼ全域と神奈川県東部を含めた地域のことを指す)に通じる道として使われた急な坂道で、現在でも生活道路として使われています。

昔はもっと急な坂道だったそうで、あまりに急なので、亀すらひっくり返ったことからこの名前が付いた、という話もあるそうです。

初夏でも涼しい亀ヶ谷坂。夜はちょっと怖いかも。

峠を越えて山を抜けると、鎌倉の高級(?)住宅街に出てきます。大きな邸宅がたくさん!ちょっと不便な気もしますが、こんなところに住んでみたいですね。

住宅地にある隠れ家的カフェ。出来立ての白玉をいただきに

住宅街から歴史資料館の近くを抜けて、鎌倉駅方面に向かいながら立ち寄ってみていただきたいのが「茶房 雲母(きらら)」です。こちらでは、作りたての白玉を使った和スイーツがいただけるのです!

住宅地に突然現れる「和」空間。「茶房 雲母」

テーブル数はそれほど多くはないので、開店前から並ぶ人もいる人気店。開店と同時に入れなかった場合は、30分以上待つこともしばしばだそうです。

入口も小さな「茶房 雲母」の入り口には、並んで待つ人のための椅子が置いてある。

そんな「茶房 雲母」さんでいただけるスイーツは、白玉あんみつ、みつまめ、クリームあんみつ、フルーツあんみつなど。今回は「宇治白玉クリームみつまめ」を選びました。

とっても優しくて上品な甘さ。抹茶玉と白玉の大きさにもびっくりですが、出来立ての白玉はツルツルで弾力もしっかり。手前の濃い宇治茶ソースをかけていただきます。宇治茶のアイスとこし餡の甘さを引き立ててくれるとともに、下に隠れているみつまめと寒天をなめらかにしてくれます。杏のほんのりした酸味が懐かしさを演出し、箸やすめの塩漬けがなんとも良い仕事をしてくれます。

日本ならではの甘味の素晴らしさを確認する一皿です。

さて、今の季節だから楽しめる北鎌倉の明月院とおすすめのカフェ情報、いかがでしたでしょうか?

雨の時期はちょっと気持ちが落ちがちですが、雨だからこそもっと美しい場所、行ける場所も他にもあるかも知れません。たまにはおでかけして、気分転換。楽しんでみていただけるお手伝いになったら嬉しいです。

明月院:基本情報

住所:神奈川県鎌倉市山ノ内189
TEL:0467-24-3437
拝観時間(6月):8時30分~17時00分(最終受付16時30分)
拝観料/入館料 【拝観料】
高校生以上:500円
小中学生:300円
障害者:無料(障害者手帳)*付添1名無料
【本堂後庭園公開中】
拝観料と改めて500円
拝観時間/入園時間 9時00分開門~16時00分閉門

「茶房 雲母」:基本情報

住所:神奈川県鎌倉市御成町16-7
TEL:0467-24-9741(予約不可)
JR鎌倉駅西口から徒歩約10分
営業時間:平日11:00~18:00/土日祝10:30~18:00(L.O.16:00)
定休日:木曜日
支払いは現金のみ

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