第8回横浜トリエンナーレ「こどものアートひろば『はらっぱ』は誰でもいつでもアートに出会う場所

2024年3月15日(金)からスタートした「第8回横浜トリエンナーレ 野草:いま、ここで生きてる」ですが、楽活では複数名の取材陣で力を入れて取材に取り組んでいます。その展示の見どころ・魅力について第1回(横浜美術館編)第2回(館外展示編)とお伝えしてきました。

ところで、横浜トリエンナーレは、多くの人が現代美術に出会う「窓口」ともなる格好のイベントでもあります。そこで今回は少し趣向を変え、大人と子供が一緒になって楽しめる「こどものアートひろば『はらっぱ』」を取材しました。

「つくる・あそぶ・くつろぐ」ための場所

入口では、素敵なエプロンのスタッフがお出迎え

「はらっぱ」は横浜美術館のなかに用意された「つくる・あそぶ・くつろぐ」ための場所です。こどもだけではなく、家族や友人と、また、大人ひとりでも訪れることができます。入場無料、予約不要。スタンプを押したり、展覧会の感想を書いたり、休んだり、いろいろな過ごし方ができます。

天井から伸びる大きな根っこ

入口のそばには大きな茶色のオブジェがあって、「やさしくさわってね」と書いてあります。さわってみてください。堅い、柔らかい、すべすべ、ふわふわどんな感じがするでしょう。

これは大きな根っこです。「(前略)大きな木も 小さな野草も、根っこで地球につながっていて、そんな人間をずっと静かに見ています」と、大きなオブジェをつくり、会場をデザインしたアーティスト伊東純子さんのメッセージが貼ってあります。

窓枠や壁のすみに小さな葉っぱ
アーティスト・インタビューの映像

紙芝居のフレームに入ったモニターでは、アーティスト・インタビューの映像を見ることができます。紹介されている1人、ヨアル・ナンゴさんは横浜美術館のグランドギャラリーに作品を展示しています。ほかに横浜美術館の外壁に作品を描いた3人グループSIDE CORE(サイド コア)さん、横浜トリエンナーレのロゴやデザインを担当した岡崎真理子さんが登場します。

くつろぎコーナー

くつろぎコーナーには、ひとつひとつ表情が違うユニークな椅子が並んでいます。小さいですが、大人が座っても大丈夫です。窓から明るい光が射す場所でちょっと休んでください。

窓の前には、赤ちゃんといっしょに休憩できるコーナーもあります。

野草のスタンプを押そう

スタンプあそびコーナー
テーブルの上にはスタンプと色鉛筆

スタンプあそびコーナーには横浜トリエンナーレのテーマ「野草:いま、ここで生きてる」にちなんで、横浜美術館の周りに生えている野草を元につくった10種類のオリジナル・スタンプが用意されています。

大きさと色もさまざま、このなかから色紙を選ぶ
夢中になってスタンプを押すこどもたち 撮影:加藤甫

黙って集中してスタンプを押す人、ダダダッとたくさんスタンプを押す人、重ねて押す人、並べて押す人、たくさんの作品が生まれています。

スタンプ作品

同じスタンプを並べる、模様をつくる、形をつくる、色鉛筆で描いたり塗ったりして、いろいろな作品ができました。

「ビビッと!びじゅつ発見シート」の表と裏

スタンプでつくった作品を持ち帰るビニール袋には、作品を見ることを楽しむためのワークシートが入っています。横浜トリエンナーレ会場で使ってみましょう。

みんなの作品を飾ろう

作品がたくさん集まった(3月26日撮影)

参加者にここでつくった作品を「1枚を残してください」とお願いして、集まった作品を壁や天井に飾っています。どんどん増えています。

「ことばのはらっぱ」掲示板 3月26日撮影

横浜トリエンナーレの感想を書くテーブルとイスがあります。「ことばのはらっぱ」には、開幕から10日ほどでこんなにたくさんの感想が集まりました。一番上の方にはアーティストのメッセージも。

伊東さんが着物からつくった服、鞄、ブローチなどの作品を販売
横浜トリエンナーレ会場のひとつBankART KAIKOの横浜クリエイティブCOOP
https://www.bankart1929.com/life7/yokohamacreativecoop/index.html
伊東純子さんのアトリエ「アンテン」 un:ten (un-ten.com)

伊東純子さんは木の根っこのほかに、着物の古布で小さな葉っぱや、会場内のスタッフとボランティアの人たちが着用するエプロンやポシェットをつくりました。伊東さんは着物から服や鞄、アクセサリーなどをつくっています。「はらっぱ」にも、着物の布やカラフルな布、毛皮のようなファーがたくさん使われ、あたたかでやさしい雰囲気になりました。

横浜トリエンナーレに行こう

横浜美術館は「第8回横浜トリエンナーレ」の会場のひとつ 

「第8回横浜トリエンナーレ」は、93組の作家の作品が5つの会場に展示されています。横浜市内で活動してきたアート拠点をめぐる「アートもりもり!」のプログラムもあります。

横浜美術館の三角屋根の下にある正面玄関からまっすぐに入ると「グランドギャラリー」です。ここは入場無料、3年間の大規模改修を経て、天井のルーバーが開き、日差しが入ってとても明るくなりました。「はらっぱ」には横浜美術館の正面入口(マークイズ側)からも、正面入口向かって右側にあるドアから入ることもできます。

横浜美術館前庭のホトケノザ

横浜美術館の前には、野草がたくさん生えています。スタンプの元になった野草も見つかりそうです。

鑑賞を手助けするガイドやワークシート
https://www.yokohamatriennale.jp/2024/news/6292

来場する前におすすめしたいのが、こどもも大人も楽しめる鑑賞シートです。5つの会場をめぐる「みなとみらいぼうけんすごろく」、作家や作品を身近に感じる「ぼうけんノート」、ちょっと考えるヒントになる「Wild Grass News」の3種類があります。

会場には置いてないので、パソコンからダウンロードしましょう。

開催詳細

こどものアートひろば「はらっぱ」
会場横浜美術館 プロジェクトスペース
開催時間「第8回横浜トリエンナーレ」会期中に開催 10:00~16:00
第8回横浜トリエンナーレ「野草:いま、ここで生きてる」 
会期2024年3月15日(金)~6月9日(日)  
会場横浜美術館(横浜市西区みなとみらい3-4-1)
旧第一銀行横浜支店(横浜市中区本町6-50-1)
BankART KAIKO(横浜市中区北仲通5-57-2 KITANAKA BRICK & WHITE 1F)
クイーンズスクエア横浜(横浜市西区みなとみらい2-3
クイーンズスクエア横浜2Fクイーンモール)
元町・中華街駅連絡通路(みなとみらい線「元町・中華街駅」 
中華街・山下公園改札1番出口方面)
時間10:00~18:00(入場は閉場の30分前まで)
6月6日(木)~9日(日)は20:00まで開場
休場日毎週木曜(4月4日、5月2日、6月6日を除く)
チケットttps://www.yokohamatriennale.jp/2024/ticket
おすすめの記事