どこまでも陽気で単純だけど意味深い。キース・ヘリングは今も落書きの中で息づいている。中村キース・ヘリング美術館開館15周年記念展:混沌と希望

小淵沢にキース・ヘリングの作品が常設された美術館があるのをご存知ですか?

日本のバブル経済が凄い勢いで興隆し始めた1980年代。突然出現し大ブームとなったのがグラフィティ(落書き)アートでした。 街角や地下鉄などで少年たちが警備員や警察の目を盗み競って描いたのは、短時間で描ける自身のサインやメッセージやユニークなキャラクターなどのグラフィティでした。

そんなグラフィティの中で注目されたのが、ニューヨークの地下鉄でポスターの掲示期間が過ぎて貼られる黒い紙に、チョークでチャーミングな落書きをしていたキース・ヘリングでした。

最後の展覧会のために制作した作品。従来の即興的な描画スタイルから一転し、本作では自身の 傑作を目指して生涯培ってきた技術を結集させた。 《無題(1988年8月15日)》、1988年
ヘリングが描き続けたベイビーやドッグなど5つのイコンを、特殊印刷を用いて象徴的に表現した版画シリーズの1つ。 《イコンズ(ラディアント・ベイビー)》、1990年

いつの間にか彼の落書きは、多くのメディアで取り上げられ、世界中の耳目を集めながらも、AIDSに罹患し31歳で夭折したのですが…。

中村キース・ヘリング美術館(外観)

UNIQLOのTシャツなどでも見かけるキース・ヘリングの作品が常設されているのが、小淵沢にある中村キース・ヘリング美術館。 さまざまな作品の中に繰り返し登場するキース・ヘリングの陽気でかわいいキャラクターたち。現在も続く争いや社会の葛藤などに、「僕はずうっと前から知っていたよ!」と絵の中のキャラクターたちが話しかけてくるようです。

展示風景

All Keith Haring Artwork ©Keith Haring Foundation
Courtesy of Nakamura Keith Haring Collection.

展覧会情報

中村キース・ヘリング美術館開館15周年記念展:混沌と希望
英:Nakamura Keith Haring Collection 15th Anniversary Exhibition: Chaos and Hope
開催日程:2022年5月14日(土)~2023年5月7日(日)
開催場所:中村キース・ヘリング美術館(〒408-0044 山梨県北杜市小淵沢町10249-7)
主  催:中村キース・ヘリング美術館
協  力:キース・ヘリング財団、シミックホールディングス株式会社
休館日 :定期休館日なし ※展示替え等のため臨時休館する場合があります。
開館時間:9:00〜17:00(最終入館16:30)
観覧料 :大人1,500円 / 16歳以上の学生 600円 / 障がい者手帳をお持ちの方 600円 / 15歳以下 無料
※ 各種割引の適用には身分証明書のご提示が必要です。
公式HP:http://www.nakamura-haring.com/

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