離島といえば憧れの旅先の一つではないでしょうか。リゾートや秘島など旅の目的に応じて、訪れる島が異なりますよね。
それぞれの島には歴史や風土からなる独特な文化の遺構、手付かずの自然が織りなす絶景が楽しめるオススメのスポットばかりです。
ここでは首都圏からも手軽にアクセスできる新潟県の佐渡島をご紹介しましょう。
佐渡島とはどんな島?
新潟県新潟市の西側約45kmの日本海に浮かぶ佐渡島は、全体が佐渡市に区分され、人口は5万2千人の日本海側最大の離島で沖縄本島に次ぐ広さがあります。(本州の4島を除く。)
854.7km2の広さで海岸線の長さはなんと280km。島の北部には大佐渡山地、南部には小佐渡山地が連なり、中心部には島の中核部国中平野が広がります。
佐渡島の歴史は古く、七番目に生まれた歴史ある島として古事記や日本書紀などの神話にも記されています。奈良時代からは皇位を失った天皇や濡れ衣を着せられた芸術家や貴族などがこの佐渡へ島流にされました。順徳上皇や日蓮聖人や世阿弥などが有名ですね。
江戸時代に入ると佐渡に金や銀の資源があるとわかると、徳川家康が直轄地として佐渡金山の開発を行い、大規模な発掘作業が行われるようになりました。資源を掘り尽くされた金山は1950年代にはほとんど廃坑し、1989年にはすべての鉱山が廃坑となりました。
そして美しく豊かな自然が観光資源として注目を浴びるようになり、観光客が訪れる人気の離島へと変貌を遂げたのです。
佐渡両津港まで新潟港からフェリー2時間半
佐渡島へは新潟港と直江津港から船で渡りますが、高速船のジェットフォイルとフェリーの2種類があります。今回は新潟港から佐渡汽船のカーフェリーに乗って佐渡島へ向かいます。
佐渡汽船ターミナルでチケットを購入しカーフェリー「おけさ丸」というフェリーに乗り込みます。ゆっくりと港を出航し、徐々に外海へと向かっていきます。
気がつけば360度青い海。甲板に出るとウミネコがフェリーを追いかけてくるかのように飛んできます。
フェリーの2等席はじゅうたんもありゴロ寝もできるので、佐渡に着くまでの約2時間半をのんびり過ごせます。
佐渡の民謡「佐渡おけさ」を踊る人をモチーフにした真っ赤な「おけさ灯台」が見えると、もうすぐ両津港。約2時間半の大海原の船旅も終わりを迎え、佐渡島へ到着です。
歴史あふれる神秘の絶景スポット
ここでは佐渡島の歴史にちなんだ街並みと、鉱業の遺構が織りなすオススメの絶景スポットをご紹介しましょう。
レトロな街並みが残る「宿根木集落」
まずは「伝統的建造物群保存地区」にも指定される宿根木の街並みです。
宿根木にはかつて小木港があり、中世より廻船業が盛んだったエリアです。船主が船乗りを引き連れて全国へ商いへ出向き、また江戸時代に入ると北前船の寄港地にもなり港として繁栄を遂げた土地です。
宿根木は1haほどの狭い谷間のような場所。ここに船大工が平屋を床上げして作った総二階の建物が並びます。外観は日本海の潮風から守るために縦板が貼られていますが、内部は漆塗りの豪華な家屋なのです。江戸時代の風情溢れる街並みには現在も地域の方が居住されています。
こちらは旧宿根木郵便局。洋風に作られた建物は大正10年に電話の開通を記念して作られたのだそう。
1921年(大正10年)に建てられた旧公会堂を1958年(昭和33年)に再現した宿根木公会堂。当時使われていた木材を使って作られています。地域交流の場として、現役を果たしているのだそうです。
ここで紹介したのは一部ですが、地元の方のガイドもあり、街並みや建物などの説明を受けながら街歩きも楽しめます。
神秘的な光景を放つ「北沢浮遊選鉱場跡」
次にご紹介するのが佐渡屈指の人気観光スポット「北沢浮遊選鉱場跡」です。
相川エリアにあり、佐渡の「ラピュタ」とも称され、目を見張るほどの絶景が広がります。
ここは日本で初めて浮遊選鉱法をつかって鉱物を収集した選鉱場で、1936年に建設が始まりました。1ヶ月に1万5千tもの鉱石を処理した浮遊選鉱場は東洋一の規模といわれています。鉱山の近代化に貢献した施設で、国の史跡にも指定されています。
こちらはシックナーと呼ばれる水と不純物を分ける装置で、水は選鉱場で再利用され不純物は廃棄されていました。
そして左手が旧北育化・浮選鉱所、正面が北沢浮遊選鉱場跡。かつての選鉱場は階段のようなコンクリートの骨組みが残り、そこに草木が繁り幻想的な光景を放ちます。
その向かって右手には旧北沢火力発電所の跡地も見られます。
一歩足を踏み入れると、息を飲むほど異空間に踏み込んだかのような絶景が広がります。
日本の秘境百選にも選ばれる自然豊かな絶景スポット
佐渡といえば壮大なる海と豊かな自然が有名ですね。日本の秘境百選にも数えられる佐渡島北部の外海府海岸にある秘境の絶景スポットをご紹介しましょう。
日本海に突き出る一枚岩の「大野亀」
大野亀は佐渡北部の外海府海岸の日本海に突き出た一枚岩で、まるで亀のような形をしていることからこの名前がつけられました。一枚岩というにはとてつもなく大きく、標高167mのまるで岬のようなスポットです。
遊歩道があり、鳥居をくぐって山のような岩の近くまでアクセスできます。(現在は大野亀の頂上まで登ることはできません。)まるで山のような壮大なスケールの大野亀と鳥居が神秘的な光景を織りなします。
また大野亀の東側にはキバナカンゾウ大群生地があり、例年5月下旬から6月中旬に黄色の花が周辺一体に咲き誇ります。1周20分の遊歩道があり、海岸線や大野亀の絶景散歩を楽しめます。
ちなみにキバナカンゾウは佐渡島と山形県の飛島など、一部の地域にだけ咲く珍しい花です。
亀が並んでいるかのように見える「二ツ亀」
二ツ亀は大野亀より車で5分ほどで、同じく外海府にある海岸線です。「沖の島」と「磯の島」といわれる2つの島がまるで2匹の亀が並んでいるかのように見えることから、この名前が付けられたといわれています。
潮が引いているとまるでエンジェルロードのような道が出現し、海岸から二ツ亀へ渡ることができます。
二ツ亀は海水浴としても人気があり、夏場には地元の方や海水浴客で賑わいます。佐渡の中でも海水の透明度が高く、日本の快水浴場百選の一つにも選ばれています。
キャンプ場やSADO二ツ亀ビューホテルもあり、宿泊もできます。晴れた夜に訪れれば美しい海と満天の星空の絶景が見られること間違いなしですよ。
島旅を楽しむために
レンタカーがあれば自由に島内を巡れるので便利です。レンタカー会社が数軒あるので、事前に予約をしておくと手間が省けます。
ちなみに筆者は今回佐渡汽船のレンタカーを利用しました。フェリー乗り場から近く、わかりやすいので初めてでも不安なく利用できましたよ。
島内の中心部にはコンビニやスーパーがありますが、それ以外はコンビニやお店などが少ないので、食料などはある程度持参したほうが好ましいです。自動販売機は比較的道沿いにあり、飲み物には不自由しないのでご安心を。
おわりに
日本海に浮かぶ新潟県の離島「佐渡島」の歴史からオススメの観光・絶景スポットそして、佐渡を楽しむためのポイントをご紹介しました。
フェリーで渡るところから始まる島旅は今まで見たことがないような光景の連続。出航・着港時にはなんとも言えない感慨深い気持ちが湧き上がってきます。
1周280kmほどの佐渡島は今回ご紹介した以外にも見どころがたくさんあり、めぐりきれないほど。また同じ場所でも季節によっても姿を変えることでしょう。
歴史あふれ、手付かずの自然が織りなす絶景を楽しめる佐渡島で離島旅を楽しんでみませんか?!
【今回ご紹介したスポット情報】
施設名:宿根木海岸
所在地:〒952-0612 新潟県佐渡市宿根木
料金:無料
アクセス:車 両津港より約1時間
宿根木公式HP:https://shukunegi.com
施設名:北沢浮遊選鉱場跡
所在地:〒952-1539 新潟県佐渡市相川北沢町3-2
入館料金:無料
アクセス:車 両津港より約50分
施設名:大野亀
所在地:〒952-3203 新潟県佐渡市願
アクセス:車 両津港より約55分
施設名:二ツ亀
所在地:〒952-3205 新潟県佐渡市鷲崎
アクセス:車 両津港より約50分
【参考サイト】
新潟県:https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/sado_kikaku/sado-gaikyou.html#:~:text=%E4%BA%BA%E5%8F%A3%E3%81%AF%E3%80%81%E6%98%AD%E5%92%8C25%E5%B9%B4,%E4%BA%BA%E3%81%A8%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
宿根木:https://shukunegi.com
さど観光ナビ:https://www.visitsado.com