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「アートにエールを!」渋谷シックスセンスでのアーティスト応援企画第1弾・田中 紳次郎さんの展示が始まりました!

先日、楽活で取り上げさせて頂いたとおり、渋谷・西麻布のバー「シックスセンス」にて、コロナ禍で展示機会が減少してしまったアーティストを応援する「アートにエールを」という企画が始まりました。

この「アートにエールを」は、展示機会を探しているアーティストに、無償で展示場所を提供するという企画。バーでお酒を飲みながら店内で展示された作品を楽しめるので、アートファンにも嬉しい企画ですよね。

その第一弾となる、田中紳次郎さんの展示企画が7月27日からスタートしました。同日夜18時からは、ご本人によるライブパフォーマンスも実施。店内の様子と合わせて取材させて頂きましたので、早速レポートにまとめました!

異色の経歴を持つ画家・田中紳次郎さんについて

制作中の田中紳次郎さん。この日はコロナ対策として入場人数を制限し、マスク等着用の上ライブパフォーマンスに臨まれました。

田中紳次郎さんは、異色の経歴の持ち主。美大・藝大での美術教育とは無縁の普通の大学生活を送り、大学卒業後は大手広告代理店で3年間サラリーマンを経験。

しかし、2011年の東日本大震災、元恋人との死別などをきっかけに、田中さんの人生は大きく変わります。震災ボランティアでの経験などをきっかけに、ビジネスパーソンとしてピカピカの経歴を捨て去り、一念発起して単身渡米。ニューヨークでクリエイターとしてのキャリアを模索していくことになります。(詳しいキャリアは、こちらの記事に詳しく書かれています!)

現地でアルバイトをしながらデザイナーとしての勉強を続け、数年間じっと自分の可能性を探りつづけてきた田中さん。

2018年頃から画家として本格的に描き始め、徐々に手応えを掴んでから、いよいよ2019年からは画業一本に絞ったのだそうです。画家専業になったのは本当にごく最近のことなのですね。

田中 紳次郎さんのART BATTLE Tokyoでの決勝の様子。自身のルーツである、サインペン1本で勝負に挑み、見事に優勝を勝ち取りました。

引用:Youtube「Shinjiro Tanaka」より(https://www.youtube.com/watch?v=rBLselu39Hk)

特に、田中さんが画家としてブレイクするきっかけを掴んだのが、2019年5月に開催された「ART BATTLE TOKYO」での優勝経験。与えられた20分間で、自由にキャンバスへ絵を描いていくアートバトルで確かな実力が認められたことで、一気に知名度がアップしました。田中さんのことを熱心に応援してくれるファンも増えてきたといいます。

田中さんのアーティストとしての引き出しは実に多彩。中でも一番得意とするのがキャンバス内を無数の線描で埋めていく細密な「線描画」です。インスピレーションに基づいて、直感的に手を動かし、どんどん埋めていきます。

一見迷路のような抽象的なパターンで埋め尽くされているだけのように見えますが、中には人や動物の顔などもサラッと隠されていたり、遊び心も満載。無意識に描いているように見えるのに、少し引いて画面全体を見てみると、不思議な統一感があるのも作品の魅力ですね。

今回の展示作品では新境地を開拓。新作を一挙紹介します!

さて、田中さんは、今回の渋谷・西麻布での両個展のために新作を用意してくれていました。今回は観られるのは、いわゆる細密画ではなく、パイプや鎖のようなものが画面上で絡み合ったアクリル絵具で描かれたカラフルな抽象画です。

この、水道管やバネみたいな形をしたモチーフはどこからきているのだろうか?と思って、田中さんに聞いてみました。すると、これは田中さんが得意としてきた線描画の一部分を大きくクローズアップさせたイメージなのだそうです。

ちなみに、今回出品されている作品は全て「無題」。なぜあえて作品にタイトルをつけないのでしょうか。お聞きしてみました。

「これまでの作品では、タイトルをつけていた作品もあります。今回、『無題』で統一しようと思ったのは、アートなんて鑑賞者が感覚でそれぞれの解釈があっていいだろうという想いがあったからなんです。最近のコンテンポラリーアートは、特にコンセプトやストーリーを重視する傾向にありますよね。説明ありきという状況になってしまっている。この状況に一石を投じたかったんです」

また、今回の作品には、落款・署名、制作年なども全部裏面に記載されています。これも、作品に上下左右を決めたくなかったからなのだそうです。

「飾る人が今日はこの向きで飾ってみようかなと、その日の気分で自由に鑑賞する向きも変えて頂ければと思っています。」

なるほど・・・。見る人が自由に楽しんでほしい、という田中さんの想いがよく理解できました。

田中さんの引き出しの多彩さが光った圧巻のライブパフォーマンス

これまで、室内・野外を含め様々なライブパフォーマンスを経験してきた田中さん。今回はオーソドックスな着席スタイルで臨みます。スタート前はこんな感じで様々な道具が整然と並べられていました。まさに準備万端です。

少しインタビューをさせて頂いてから、ライブペインティングがスタート。10分、20分と時間が経つにつれて、田中さんと顔なじみの熱心なファンや高校時代の友人など、多数のギャラリーが駆けつけて店内は熱気を帯びていきます。

お客さんの中には、ビールを飲みながらじっくり見守る人もいれば、田中さんの制作風景を撮影したり、きさくに話しかける人も。インスタライブでパフォーマンスをライブ中継される方もいらっしゃいました。

今回、田中さんがSIX SENSEに持ち込んだ仕事道具の一部。普段、ライブペインティングを行う際はもっとたくさんの道具を持ち込むそうです。

ライブペインティングは、白と黒のジェッソ(アクリル絵の具の定着剤)をハケでキャンバスに塗っては乾かす、という割と地味な作業からスタート。

途中工程では、定規を当ててテープを貼ったり、剥がしたり、ハサミで切ったりと、意外にも「工作」のような雰囲気も。

実は、通常はキャンバスにドライヤーを吹き付けることはしないのだそう。絵の具に気泡ができたり、場合によってはヒビが入るリスクもあるからです。今回は、制作時間を短縮して鑑賞者の待地時間を減らしつつ、会話の時間を作るために、敢えてドライヤーで吹き付ける工程を入れてみたのだそうです。

特に、絵の具の定着を促すためにキャンバスにドライヤーを吹き付ける作業が印象的でした。一口に「絵を描く」といっても、その工程には様々な工夫や仕掛けがあるものなのですね。

ただキャンバスに色を塗るだけでなく、重ね塗りのグラデーションや絵の具の「滲み」を利用したり、直接キャンバスにチューブから吹き付けたり、様々な技を駆使して仕上げられています。

約100分を経て作品は無事完成。最後に完成した作品がこちらです。ひたすら「白」と「黒」のジェッソを淡々と塗っていく初期段階では及びもつかないほど、深みと上品さを増したゴージャスな作品に仕上がりました。

部分図。白黒の画面の中に、「金」と「銀」がまぶされて、複雑さや深みが増しています。
絵の具を垂らしたり、重ね塗りしたり、田中さんの持つ様々な技の引き出しを堪能できたライブペインティングでした。

ライブパフォーマンスで経験を積み重ねてきた田中さんならではの、プロの仕事です。わずか2時間弱で、ここまで味わい深い作品に仕上げてしまえる仕事の早さも、田中さんの特筆すべき凄さだと感じました。

また、ライブペイント中、わざわざ来場してくれたファン一人ひとりにしっかりと話しかけ、常に鑑賞者とコミュニケーションを取りながらパフォーマンスを進めていく姿勢も印象的でした。そのことについて、田中さんは「それはきっと僕がダンサーでもあるから、エンターテイメントとして鑑賞者を飽きさせたくないという気持ちがあるからだと思います。」と語ってくれました。

最後に記念写真を撮影。右側は、シックスセンスでプロジェクションマッピングなど映像コンテンツを手掛ける、かでなれおんさん。

さて、最後にこの夜のライブパフォーマンスを、田中さんご自身が約1分の早送り動画でインスタグラム上にまとめてくださっているので、こちらも引用しておきますね。雰囲気が少しでも伝わると嬉しいです。

今後の田中紳次郎さんの活躍にますます期待です!

実は田中さんはちょうどこの日が35歳の誕生日。まさに節目・区切りとしてのライブイベントになったのではないでしょうか。ニューヨークでのクリエイター修行、ART BATTLEでの優勝などを経て、いよいよ画家としてのキャリアが一気に開こうとしている絶妙のタイミングで、このような形で田中さんの作品と出会えたことは本当にラッキーだったと思います。

2020年に入ってから、毎月のように個展やイベントを精力的にこなす傍ら、Tシャツや指輪などのデザインにも取り組まれるなど、ますます活躍の場を広げている田中さん。社会人経験を経て、独学でアートへの道を切り開いた苦労人がまさにこれから世界へと飛躍しようとしているのですね。本当に、今後ますます目が離せない存在になりそうです。

今後も、楽活では田中紳次郎さんの活躍を全面的に応援していきたいと思います!

シックスセンスでの個展について

【7/27-7/31】
渋谷シックスセンス
東京都渋谷区渋谷1丁目24-7 渋谷宮下パークビル2F
*7/27 オープニングパーティー(終了)

【8/1-8/9】
西麻布シックスセンス
東京都港区西麻布3丁目24−23 CUBE西麻布 1F
*8/3 ライブペイントを実施

この記事を見て、田中さんの作品購入に興味を持たれた方、または、シックスセンス両店舗(渋谷・西麻布)でのアートパフォーマンスなどに興味がある方は、こちらからご連絡下さい。(連絡先:info★rakukatsu.jp/★の部分を「@」に変えてメールをお送り下さい)

また、本展出品作や過去作品も含めて、田中さんが運営するWebショップからも作品が購入できます。ぜひ覗いてみてくださいね。
https://tnk02.official.ec/

田中 紳次郎さんプロフィール

独特のラインアートのスタイルで、キャンバスペイントに限らず、壁画、アパレル、立体物、デジタルアートなど多岐にわたり表現するアーティスト。1985年CA州生まれ。2008年慶應義塾大学卒、電通を経てNYへ移住。

ミュージカルプロデューサーアシスタント 、ダンサーとしてNile Rodgers and CHICと共演、アパレルブランド”BSWK”立ち上げ、平成中村座NY公演出演など、様々な経験をアートに活かしている。​​

帰国後、2018年には初個展 “FACE”を開催。2018年末にNYにて30日間路上でライブアート活動を実施、翌年個展”NYC STREET ART PROJECT” を開催。同年にはART BATTLE TOKYOで優勝、ロンドンのギャラリーやストリートに作品展示するなど、国内外で活躍中。

公式HP:https://www.shinjirotanaka.com/
Twitter:https://twitter.com/TanakaShinjiro
Instagram:https://www.instagram.com/tnk02/
Facebook:https://www.facebook.com/shinjiro.tanaka.77

かるび

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メーカー、IT企業で勤務後、41歳にして1年間のサバティカル休暇へ突入。現在は、ブロガー&Webライターとしてアートや映画について主催ブログ「あいむあらいぶ」(http://blog.imalive7799.com/)にて日々見聞きした出来事を書き綴っています。

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