※アイキャッチ写真提供:福岡市
旅行などで自分が住んでいる以外の地域を訪れて、見慣れぬ風習や食べ物に驚いたことはありませんか?「海外ならわかるけど、日本で?」と思うかもしれませんが、自分が常識だと感じていたことは、案外地域の風習に関係があることも多いです。
筆者は長年親しんだ東京を離れ、福岡に移住したところ、様々な面で驚きがありました。それは引っ越して5年以上経った今でも変わらず、まだまだ知らないことはたくさんあるなと感じています。
この記事では移住経験を持つ筆者が、東京から福岡に移住して驚いた18のことを紹介します。
「食事」「交通」「文化・土地」の3つに分けて紹介するので、ぜひ興味のある見出しから読んでみてください。
東京と福岡の違いー1.食事編
福岡と聞くと、「美味しいものがたくさんあるところ」とのイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。たしかに福岡にはたくさんの美味しいものがあるのですが、食の面で関東との違いを感じることはとても多いと感じています。
ここでは、福岡の名物グルメである「ラーメン・うどん・焼き鳥」についてそれぞれの驚いたことを紹介します。
ラーメン
福岡の名物グルメの1つである、豚骨ラーメン。福岡以外の地域に住んでいる方も、豚骨ラーメンファンの方は多いですよね。ただ関東のラーメンを食べ慣れていた筆者には、想像以上の驚きが…!
【ラーメンで驚いたこと】 ●しょうゆラーメンやみそラーメンを提供するお店がほとんどない ●ラーメンの麺が白くて細い ●麺の硬さを選べる ●具が少ない ●ギョウザのサイズが小さい |
関東に住んでいる時は、「ラーメン屋」と言えば、大体しょうゆラーメンかみそラーメンでした。しかし福岡でラーメン屋を探すと、どこを見ても豚骨ばかり。しょうゆやみそラーメンを出しているお店は、ほとんど見たことがありません。
今まで豚骨ラーメン屋に入ったことがなかったので、引っ越してきた後に意を決してお店に入ってみると、麺の硬さを聞かれたり、トッピングがシンプルだったりと、驚きの連続でした。
さらに麺は中華麺として一般的な黄色っぽいちぢれ麺ではなく、細くて白っぽい真っ直ぐな麺であることにも、慣れるまでに時間がかかりました。麺の硬さを聞かれた際に「硬め」を頼む人が多いのは、麺が細い分伸びやすいからなのだとか。
トッピングについても注目してみると、きくらげや紅しょうが、ネギなどの比較的あっさりとしたものが乗っていることが多いです。中にはネギだけを乗せて提供し、お客さんがテーブルにある紅しょうがや辛子高菜を好みでトッピングする形式のお店もあるそうです。ちょっと飽きてきたら、途中で味を変えられるところが魅力的ですね。
またサイドメニューのギョウザが小さいことも最初は驚きでした。福岡では一口ギョウザと呼ばれる小さいサイズのギョウザが主流で、関東のように大きいギョウザはほとんど見かけません。お腹がいっぱいでもパクパクと食べられてしまうので、一人で数皿食べている方も多く見られます。
うどん
福岡はラーメンだけでなく、実はうどんも有名です。ただ、うどんの麺には他の地域と大きな違いがありました。
【うどんで驚いたこと】 ●麺にコシがなく柔らかいl ●ごぼうの天ぷらが乗った”ごぼ天うどん”が人気 ●多くの人がセットメニューの”かしわおにぎり”を頼む |
福岡に引っ越してくるまでは、あまりうどんが有名なイメージはありませんでしたが、街を歩いているとラーメン屋と同じくらいうどん屋を見かけます。
福岡のうどんの特徴は、麺にコシがなく柔らかいこと。一般的には「うどん」と聞くとコシがあってしっかりとした麺を想像する方が多いですが、福岡のうどんは反対に柔らかく、つるっと食べやすいです。
人気のうどんは、ごぼうの天ぷらがのった”ごぼ天うどん”。うどんのつゆが染みた天ぷらは、噛みしめる度にごぼうの旨味が広がります。天ぷらの大きさはそのお店によって異なり、なんと中にはどんぶりからはみ出すほどの大きさのものも!
またうどんを頼む際は、サイドメニューとして”かしわおにぎり”を注文する人が多いです。かしわおにぎりとは鶏肉や油揚げ、にんじんなどが入った混ぜ込みご飯のことで、このご飯もまた福岡で人気のグルメの1つです。お昼時にうどん屋を訪れると、多くの人がうどんとかしわおにぎりを一緒に食べていますよ。
焼き鳥
福岡では、新鮮な鶏肉を使った鶏肉料理も人気です。一見地域差がなさそうな焼き鳥ですが、ここにも驚きポイントがありました。
【焼き鳥で驚いたこと】 ●焼き鳥屋なのに豚バラなどの鶏以外の串メニューがある ●頼んだ焼き鳥はキャベツの上に乗せられる ●鶏肉が美味しい |
福岡の焼き鳥屋で一番驚いたことは、ほとんどの人が豚バラを頼むことです。「焼き鳥屋=肉は鶏肉」のみというイメージが強かったので、最初はそのお店のオリジナルメニューなのかと考えていました。
しかし他のお店に行っても、メニューに豚バラなどの鶏以外のメニューがあってびっくり。福岡の人にこのことを話してみたところ、「豚バラのない焼き鳥屋なんて考えられない!」と言われてしまいました。それほど、豚バラは福岡の焼き鳥屋で人気のメニューなのだそうです。
また注文した焼き鳥が、皿に盛られたキャベツの上に乗せられることも驚きでした。席に座った後に大皿に乗ったキャベツが出てきたので、「これはお通しなのかな」と思っていたら、なんと焼き鳥が次々にキャベツの上に乗せられていきます。ちなみにキャベツは焼き鳥が来るまでに食べてもOK。なくなれば、ほとんどのお店では無料で追加してもらえます。
もちろん豚バラやキャベツに対する驚きも大きかったですが、鶏肉の美味しさも良い意味でびっくりしたことの1つでした。
九州の鶏肉を食べ慣れた今では、他の地域で鶏肉を食べると、あまり美味しくないと思ってしまうほど。九州は鳥刺しを提供するなど、鶏肉の鮮度や質にこだわっているお店が多いです。一度美味しい焼き鳥を食べれば、ヤミツキになりますよ。
東京と福岡の違いー2.交通編
交通の便がとても良いことも、福岡の魅力の1つだと感じています。ここでは、地下鉄とバスについて驚いたことを紹介します。
【地下鉄とバスで驚いたこと】 ●空港からのアクセスがとても良い ●中心部である地下鉄天神駅が地下街に直結している ●高速道路にのる路線バスがある |
中でも一番の驚きは、空港から都市の中心部である博多や天神までのアクセスが非常に良いことです。福岡空港は地下鉄空港線と直結しており、空港内のエスカレーターを降りれば、すぐに改札が見えてきます。
さらに新幹線の発着駅でもある博多駅までは、なんと5分で到着!
はじめて福岡を訪れた人でも、迷わずに次の目的地に向かうことができます。東京に住んでいた頃は、羽田空港から乗り換えて自宅に戻ることに苦労していたので、この便利さには本当に驚きました。
また地下街が広がるなど、地下鉄の駅からの移動や買い物が便利なことも、良い意味で驚いたことの1つでした。博多駅は大きな駅ビルや商業施設に直結しているほか、天神駅は「天神地下街」と呼ばれる広い地下街とつながっています。
この地下街には152店舗ものお店がずらりと並ぶだけでなく、デパートなどの商業施設にも直結しており、改札を出た後は雨の日でも濡れずに買い物を済ませられます。
一方、バスについては、路線バスなのに高速道路を利用するバスがあることが大きな驚きでした。
福岡はバスの量が非常に多く、街中には様々な行き先のバスが常に行き交っています。ある日バスに乗って出かけようとしたところ、行き先の表示には「高速」の文字が。あまり気にしないで乗っていると、なんと高速道路に入っていってしまいました!
最初に乗った際は、それはびっくりして「乗るバスを間違えた!」と大焦りしたことをよく覚えています。今ではすっかり慣れましたが、高速道路を利用するのに追加料金を取られないことや、シートベルトをする必要がなく立っていても注意されない点には、未だに不思議だなと感じています。
東京と福岡の違いー3.文化・土地編
その他に、文化や土地についても様々な驚きがありました。
【文化や土地関連で驚いたこと】 ●活気のある商店街が多い ●野球のシーズンになると、至るところでソフトバンクホークスの応援歌が流れている ●近代アジア美術を収集・展示する世界で唯一の美術館がある ●本物の金印を展示している博物館がある |
活気のある商店街が多いことも、福岡で暮らしはじめて驚いたことの1つです。
福岡の中心部である天神や中洲、ドームに近い西新をはじめとした地域には大きな商店街があり、「商店街離れ」という言葉とは無縁なほど人で賑わっています。
中には、スーパーと個人商店が共存している商店街も。また商店街内の八百屋では、美味しくて新鮮な果物や野菜を、お手頃価格で購入できます。様々なお店が並んでいて、歩いているだけでも楽しいですよ。
そんな便利な商店街や地下鉄などで、野球のシーズンになるとソフトバンクホークスの応援歌が流れることも、福岡に住んで驚いたことの1つです。
商店街や家電量販店・駅など至るところでホークスの応援歌が流れており、なんと宅配便の配達をしている方や、駅員さんがユニフォームを着ていることも。筆者は今まで野球には全く興味がなかったのですが、色々な場所で聞いているうちに、すっかり覚えてしまいました。
またチームが優勝するとセールが実施されることも多いため、なんとなく応援したい気持ちになってしまいます。
さらに文化面では、本物の金印が展示されている博物館(福岡市博物館)や、アジアの近代美術を収集・展示する世界で唯一の美術館(福岡アジア美術館)があることも驚きでした。はじめて金印を見たときは、「日本史の資料集で何度も見たものだ!」と感動しましたね。
アジアの近代美術を収集・展示する福岡アジア美術館は、地下鉄空港線の中洲川端駅に直結していて、アクセス抜群。近代の作品がメインなので、戦争や差別・環境破壊などをテーマとした作品が多く展示されています。展示室に一歩足を踏み入れれば、行き慣れた美術館との違いを感じますよ。
福岡を訪れた際には、ぜひ世界に1つだけの美術館の魅力を味わってみてください。
福岡は、様々な魅力のある地域
福岡は引っ越す前から何度も訪れたことがあったものの、実際に住んでみたところ、想像以上に様々な驚きがありました。
ただその”驚き”は福岡の良いところの発見にもつながっており、見つける度に新鮮な気持ちになります。福岡を訪れた際には、ぜひこの記事で紹介したポイントに注目して、福岡の良さを味わってみてください。