【顔面学講座㊵】柴犬の顔相鑑定?柴犬の顔の魅力を徹底解説

みなさんが好きな犬種は何ですか?

私は子供の頃にシェットランドシープドッグを飼っていて、15年ほど前は実家でビーグルを飼っていました。

基本的に犬はなんでも好きで、大型犬のバーニーズマウンテンドッグや小型犬のポメラニアンなどそれぞれに魅力がありますが、5年ほど前から柴犬動画を見るのにハマり、今では柴犬がダントツ1位で大好きです。

そんな柴犬推しの私が、柴犬の魅力を「顔」から解説します。

今では柴犬動画を見るのが趣味の1つになった私

柴犬の基本情報

国の天然記念物に指定されている日本犬種は6種類あり、 柴犬、紀州犬、甲斐犬、北海道犬、秋田犬です。最も小柄な柴犬は、古くから日本に住んでいて、オスの体高が38cm〜41cm、メスが35cm〜38cmで小型犬に分類され、最も大柄な秋田犬(渋谷駅前の「忠犬ハチ公」で有名)は大型犬、その他は中型に分類されています。

茶色い毛の柴犬は赤柴と呼ばれる

毛色は、赤毛、黒毛、白毛、胡麻毛(赤、黒、白の毛が混ざり合った模様)の三種類で、赤柴、黒柴、白柴、胡麻柴と呼ばれています。赤柴が最も多く、全体の80%位。赤毛と言ってもいわゆる狐色(薄茶色)で、その色は食パンやコロッケに例えられ親しまれています。

晩秋の高野山で撮影した柴犬。冬毛になってもふもふ感がアップしています
黒柴のチャームポイントは「マロ眉」のような模様

私は、全体的に濃すぎない茶色で、人間の眉にあたる部分から鼻にかけて、顔の半分くらいが白い赤柴が1番好きです。

右の柴犬の色のバランスが私は好き

「日本犬保存会」の令和7年春季展覧会に行ってきた

5月4日(みどりの日)に、以前、楽活の取材で行った「大阪府立弥生文化博物館」からすぐの池上曽根史跡公園(和泉市)で「公益社団法人 日本犬保存会」による令和7年春季展覧会近畿連合展(大阪展)があったので、見に行ってきました。

展覧会は日本犬の普及と保存を目指すもので、それぞれの犬種の審査が行われるほか、日本犬保存会の活動内容などが紹介されます。

私にとっては柴犬が見放題、撮り放題の神イベントでした
やはり赤柴がほとんどで黒柴は少なかった

GW中ということもあり、近畿圏だけでなく、中国、四国、東海、北陸、甲信越、関東からと100台以上の車があり、4つに区切られたサークルでそれぞれ部門ごとの審査会が開催されていました。

会場の池上曽根史跡公園。奥に見えるたくさん車があるところで審査会が行われていました
審査会の様子

飼い主と一緒に歩く姿に、ギャラリーからは「歩き方もいいな、ファッションモデルやな」などの声がありました。

日本犬保存会のTシャツを着た人。ブリーダーさんでしょうか?

部門は「小型」の中でも幼稚、幼犬(4〜7ヶ月)、若1、若2、壮犬、成犬のオスとメスで12部門に細かく分かれています。

幼犬の審査会
白柴だけがサークルに入っていたこともあったので白毛、黒毛の色別もあるかも?

審査員が木製の定規のようなもので測っていたのでギャラリーの方に尋ねると「体高(足元から肩まで)が標準サイズに収まっているかを見ていて、メスは35cm〜38cmの間で、幼犬は高さのチェックはなし」と教えてくれました。

顔、目、前歯の噛み合わせ、体、立ち姿を見て、顔はキリッとした日本犬の柴犬らしい顔であることが求められ、メスはそれでいてメスらしい優しい顔つきであるかを見ているそうで、審査後は入賞とトップ賞が発表されていました。

入念に顔の審査をする審査員

私が大好きな「柴犬らんまる」のような太ってまるまるした顔の犬は、日本犬の標準からは大きく異なり、ミス・ユニバースのようなミスコンと同じようなものだと感じました。

私のイチオシのらんまる。「柴犬らんまるの丸頭製作所」で購入したらんまるグッズ
審査の順番待ちで車の中で待機している柴犬も可愛かった

きれいな三角形の立ち耳とヒコーキ耳

柴犬のルーツは中部山岳地方で猟師に飼われていた猟犬の石州犬「石号」。島根県益田市美都町には「柴犬の祖 石号記念館」と「美都温泉 湯元館」に石号の石像が設置されています。

猟犬には、立ち耳の犬と垂れ耳の犬がいますが、立ち耳は、狩猟中に獲物を追いかける際、周囲の音を敏感に感知できるように立っています。軽く前傾していて、ブリーダーの間でも少し前を向いているのが「美しい柴耳」の形だと言われています。二等辺三角形のきれいな立ち耳は、柴犬の凛とした佇まい、凛々しい顔の一因となっています。

耳が完全に立った幼犬

生まれたばかりの柴犬の耳は寝ていますが、成長とともに立ち、6ヶ月前後で完全に立ちます。しっかり立っているけど柔らかいのが特徴で、嬉しい気持ちを表す際は、飛行機の翼のような「ヒコーキ耳」になります。ヒコーキ耳で目を細めて尻尾を大きく振る動きは、最高に喜んでいる表情と仕草で、立ち耳からの変化も「柴顔」の大きな魅力です。

表情が豊か

柴犬は様々な感情を顔で表現し、表情が豊かなのも魅力です。人間が嬉しい時に、目を細める幸福の表情をするように、柴犬も目を細めて笑ったり、口角を上げて笑顔になったりします。

抱っこされた子のなんとも言えない表情がかわいい

一方、ポーカーフェイスどころか「無の顔」になることもありますし、怒った時も非常にわかりやすく表情に出ます。歯茎を剥き出しにして、目が吊り上がり、鼻にシワを寄せる「ムキ顔」になります。今にも噛みつきそうに怒っているのですが、「これ以上やると噛むよ」と脅しの表情でもあり、この「ムキ顔」もかわいいです。

どんな顔でもかわいいのが柴犬


また、雨で散歩に行きたくないのに飼い主に誘われると、フセの状態で立ちあがろうとせず、困った顔を見せることも。飼い主が不在中に、オモチャのぬいぐるみを中身の綿が出るまで壊してしまい、それがバレたあとの困り顔と悲しい顔をミックスした反省の顔など、人間以上に表情が豊かだと思いました。

昭和の半ばまでは感情を表に出すことをよしとしなかった文化の影響で、世界的に見ると表情が乏しいと言われる日本人。その日本人と長く暮らしてきた日本犬の柴犬は何故こんなに表情が豊かなのか?

「顔学」の研究テーマとして面白いと思います。

口角が上がっている

柴犬の顔の最大の魅力は、なんと言っても「口角の上がった笑顔」だと思います。


【顔面学講座⑰】 好感度は笑顔で決まる!好印象を与える笑顔の作り方で書いたように、人間同士が好印象を与える笑顔ポイントは3つあり、「①口角が上がる、②目尻が下がる、③頬が隆起する」です。

特に口元は変化がわかりやすい部分で、口角が上がった表情は、相手に喜びの感情や好意的に接したい気持ちが伝わります。口角が上がった顔は「開運の基本相」で、いつも口角を上げてスマイルでいると運がよくなると私は言っています。

舌が出るとより口角が上がって笑顔に見える

柴犬の場合、嬉しくて興奮している時に口が大きく開いて舌が出て、口角が上がります。また、柴犬的には真顔のつもりでも口の周りに黒いふちどりラインがあることで、人間には口角が上がった笑顔に見え、こちらも笑顔を返したい気持ちになります。

口を開けず、舌が全く見えなくても笑顔に見えることがある

ミッキーマウスは柴犬説

2020年の新型コロナウイルスの感染者対策でステイホームなど、行動が制限された時、毎日、柴犬の動画を見て癒やされていたのですが、ある日気づいたことがありました。

「柴犬って笑ってなくても口角が上がって笑顔に見えるから得だよなぁ」と。そして「この鼻、この口、ミッキーマウスそっくりじゃん!」と。丸くて黒い大きな鼻先といい、口角の上がり方といい、舌の見え方といい…。

「ネズミはこんな鼻やこんな舌はしてない。ネズミっぽいのは、耳くらいなもの。色だって人間に近い」。ウォルト・ディズニーは柴犬をかなり取り入れて、このキャラクターをデザインしたのではないかと思っています。

ミッキーマウスは1928年に制作されたネズミのキャラクターですが、ディズニーランドがオープンした1950年代までは現在の顔とは違い過ぎて全然可愛くありませんでした。1960年代に入って、ファニーでかわいい印象になり、1960年代後半から今の顔の原型ができて、世界的に人気のキャラクターになりました

今のミッキーマウスの顔を分析すると、柴犬5、ネズミ3、人間2くらいの割合だと思います。

ちなみに東京ディズニーリゾートのミッキーマウスとミニーマウスの「顔」は2019年に変わって、少しだけ大人っぽい顔立ちになりました。

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