「ドイツ人はビールを常温で飲むって本当?」ドイツ在住者が日独のビール文化の違いを考察してみた!

「楽活」をご覧になっている方も、ドイツと言えばビール!というイメージが強いのではないでしょうか。

筆者はドイツに移住したことをきっかけに、多くの方から、

「ドイツ人はビールを常温で飲むんですよね?」

という話題を切り出されるようになりました。

筆者は、ドイツに1年の留学経験もあり、ビールを常温で飲むという文化に出会ったことがなかったので非常に驚いたのです!

「そうか、多くの日本の方はドイツ人がビールを常温で飲むと思っているんだ」

そう思った筆者が実際にドイツ人に質問したところ、日本人が考えるドイツ人像とは別の意外な答えが返ってきたのです!

そこで、今回は、ドイツのビールの常識についてご紹介します。

【安心】ドイツ人はビールを冷やして飲む

ドイツのビールはしっかりと冷やされた状態で出てきますよ!

「ドイツのビールは常温だからちょっと無理かも……」と思った方も、安心してください!

多くの日本人のイメージを覆すと思いますが、ドイツ人はビールをちゃんと冷やして飲みます!

筆者はドイツに関わって15年経過しましたが、常温や室温で飲んでいるドイツ人を見かけたことがありません。

さらに、ドイツ人数名に「日本人はドイツ人がビールを常温で飲むと思っているよ」と話したところ、すごく驚いていました。

ドイツ人的ちょうどいいビールの温度は「地下室温度」以下

あるドイツ人に質問したところ、このような答えが返ってきました。

「ドイツ人はビールを飲むとき倉庫の温度である14度以下が好まれる。ただし、夏の場合は冷蔵庫で冷やすから4度前後で飲むよ。」

参考までに、我が家の室温が平均20度前後ということもあり、14度以下という数字、納得です。

さらに、大手飲料メーカーのサントリーが発表している内容によれば、ビールが美味しいと言われている温度は、以下の通りです。

・夏季4~6℃

彼の話すとおり、ドイツの一般家庭には「地下室」が備え付けられています。

地下室にビールを置くことにより、地下室の温度(14度以下)に保たれるのだとか。

ドイツの地下室は、本当に寒いし乾燥している!下手したら、外より寒いかもしれません。

地下室の温度で冷やされた飲むビールこそ、ちょうどいい冷えたビールというのが彼らの定義のようです。

言われてみれば、この話をしてくれたドイツ人の友人の家庭で味わったビールは、冷蔵庫に入っていないにもかかわらず、飲みやすい冷たいビールでした。

地下室がない場合はベランダや玄関先に出して冷やす

購入したビールをベランダで冷やすドイツ人の図

我が家の場合、住居は一軒家ではなくアパートメント。地下室はありますが、ほとんど物置と化している状態です。

しかし、ここでも地下室の温度の応用版として「ベランダ」に出して冷やすという方法でビールを冷やして飲んでいることがわかりました。日本では考えられないことですよね。

外に出したビールは本当に冷たいか?

ちょうどこの記事を執筆している3月中旬の天気です。

ドイツ人に聞いてみたところ、ドイツの気候と関係していることが分かります。写真の通り、ドイツは日中こそやっと暖かくなってきましたが、早朝や夕方はまだまだ気温が低いのが現状です。最低気温はマイナス1度になるなど、寒い日が続いています。最高気温も、日本と比較すると全然暖かいとはいえません。

冷蔵庫の温度が4度~6度だとすると、マイナスに近い最低気温ということは、早朝や夜間の時間帯は屋外にいると冷蔵庫よりも冷えているというわけです。

そのため、外にビール瓶を出しているだけで、冷えやすい瓶と寒い気温が勝手に冷蔵庫代わりになってくれるので、日本にいるときと同様に冷たいビールを美味しくいただけるというわけなのです。

最速で冷やしたい場合は冷凍庫を使う!

室温のビールは飲めない!と考えるドイツ人が多いというだけでなく、飲みたいものはすぐにでも飲めるようにしたい!というドイツ人の性格あるある。

ちょっとしたせっかちからか、彼らは冷凍庫にビールを入れて冷やす場合もあります。

ビールを冷凍庫で冷やしたら、凍ったり爆発したりするのではないかと心配になるかもしれません。

ビールはだいたい30分くらい冷凍庫に入れておけば、4度くらいの適温に下がります。ドイツ人たちはそれすらも肌感覚でばっちり管理しています。ビールを冷凍庫に入れる時間感覚も備わっているドイツ人は、ビールに対して情熱があると言えます。

【考察】どうして日本人は「ドイツ=ビールを常温で飲む」というイメージがあるか

一方で、どうしてドイツ人は室温で飲む…というイメージがついたのかも気になったので、調べてみました。

1)日本では「生ビール=キンキンに冷えたグラスで飲む」イメージが強い

ドイツではケースや単品問わずほとんどのビールが室温で売られている

多く見受けられたのが、「日本の居酒屋では生ビールジョッキをキンキンに冷やして飲むから」というもの。

確かに、居酒屋で生ビールを頂くと、キンキンに冷えたビールジョッキで運んできてくれますよね!

キンキンに冷えたビールに慣れている日本人がドイツの倉庫温度である14度以下で保管されていたビールを飲んだとき、確かに「冷えてない?室温なの?」と勘違いするかもしれません。

実は、ドイツの場合、前提としてビールの種類ごとに様々なグラスが用意されています。

ミュンヘン周辺で見られる「ヴァイツェン」には、注いだ時に泡立ちが非常にあるグラス、甘く味付けされたベルリンご当地ビールの「ベルリーナーヴァイゼ」には、カクテルグラスのような専用グラスなど、思い浮かべるだけで様々!

ところが、一般のドイツ人たちは、レストランやバーなどでいただくときのようにオシャレにビールを飲むことはめったにありません。日本人が缶で飲むのと同じように、ビール瓶から直接飲むことが多いのです。

倉庫温度の14度以下で冷やされたビール瓶(缶)から直接飲むということは、日本でいうところのキンキンに冷えたビールグラスと同じ役割を果たしているといっても良いでしょう。

2)ほとんどのドイツのビールは室温で売られている

日本では、ビールは冷蔵庫で冷やされて販売されているのが当たり前なのではないでしょうか。多くのスーパーマーケットでは、ビールが冷えた状態で販売されていますので、いつでも冷たいビールが味わえます。

ドイツの場合、ビールを常温で販売していることが多いため、買ったばかりのビールは室温です。

この光景に驚いた日本の方が、ブログなどを通して情報発信したのかもしれませんね。

まとめ:ドイツでは年中ビールを冷たく飲める!

ドイツでは暑い日でも冷えたビールが飲めますよ!

ドイツで販売されているビールは室温ですが、ドイツ人たちは夏場は冷蔵庫、冬場は地下室やベランダ・玄関などに置いて、外気温で冷やしてビールを美味しく味わっています。

今後ドイツに渡航する機会があった場合は、あなたも冷蔵庫や倉庫温度以下を目指して、自然力で冷え冷えになったビールを温かい室内で美味しく味わってみてください!

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