少し前になりますが、ウィーンに行ってきました。
みなさんは、ウィーンといえば何を思い浮かべますか?
クリムト、シーレ、モーツァルト、エリザベート、オペラなど・・・思い浮かべるものはきっとそれぞれだと思います。
私は、クリムト、エリザベート、オペラ、モーツァルトでした。
たくさんご紹介したい場所があるのですが、今回はクリムトの絵に会える場所、クリムトゆかりの名所をご紹介できたらと思います。
まずは、クリムトの代表作「接吻」を鑑賞できるベルヴェデーレ宮殿をご紹介します。
宮殿には上宮と下宮があり、上宮でクリムトの作品を楽しむことができます。下宮では別の展示が楽しめるようになっています。2つを合わせたコンビチケットもありました。
時間の関係上、私は上宮のみのチケットを購入。
中へ入ると・・・宮殿ということでとても豪華な内装です。
こちらの美術館は、クリムトの作品の展示が世界一だそう。
クリムト好きにはたまらない場所です。
一番人気はやはり「接吻」。常に人に囲まれ、撮影したい人達でいっぱいでした!
「接吻」はクリムト「黄金様式」の頂点に君臨する作品で、ジャポニズムやモザイク技法の影響を受けている作品。
黄金に輝く作品は存在感がありました!
儚い愛を表現していると言われており、「崖の淵で接吻」というシチュエーションは、どこか切なく感じますが・・・本物の絵を目の前にすると、鮮やかな色彩で華やかな作品は幸せさえ感じました。
その他にも「ファッツァ・イードラーの肖像」や日本で開催されていた「クリムト展 ウィーンと日本1900」で来日していた「ユディット」の作品を見ることができます。
特に印象に残った作品がこちら。
クリムト《ファッツァ・イードラー》
クリムト《ソニア・クニップスの肖像》
クリムトの作品は、「黄金」や「官能的な」という印象がありますが、ここで鑑賞した作品は風景画や人物を忠実に再現されたであろう肖像画もあり、作品の印象が変わりました。
この他、日本ではなかなか見ることができないエゴン・シーレやオスカー・ココシュカの作品も見ることができました。こちらも名作が揃っているので、ぜひ見ていただきたいです。
次に分離派会館をご紹介します。
「ベートーヴェン・フリーズ」を見ることができる場所です!
こちらも日本で開催された「クリムト展 ウィーンと日本1900」で複製を見学していたので、本物を見ることを楽しみにしていました。
外観は、白を貴重とした建物。
金の装飾は存在感があります。
建物の中は・・・模型が教えてくれました。
地下に展示会場があることが分かります。
地下へ降りると、色鮮やかな壁画が描かれた部屋に。
コの字型に展示された作品は、「幸福への憧れ」「敵対する力」「諸芸術、歓喜、接吻」をテーマにした場面が描かれています。
クリムト《ベートーヴェン・フリーズ》
「幸福への憧れ」
「敵対する力」
「諸芸術、歓喜、接吻」
色鮮やかな作品を目の前に、瞬きをするのが惜しいと思うほど。
端から端までじっくり鑑賞したい空間でした。
次にご紹介するのは、現在、国立西洋美術館にて開催中の展覧会「ハプスブルク展」で多くの作品が来日している美術史博物館です。
こちらにあるクリムトの作品は、建物の壁画です。
美術館内の装飾画
作品を拡大してみると・・・
アーチの左右に描かれた「パラス・アテナ」(左)と「エジプトの裸婦」(右)
こちらの作品は、館内装飾と一体化してしまっているので知らないと見逃してしまいそう。ぜひ忘れずに見ていただきたい作品です。
最後にご紹介するのは、レオポルト・ミュージアムです。
ここでは、クリムトに関する貴重な資料を見ることができました。
ウィーン分離派の資料やクリムトの衣装、写真の展示がありました。
また、クリムトにとって最も重要な女性であった、エミーリエ・フレーゲの写真や洋服も。
モダンで素敵な服を着ているエミーリエ。
知的な印象を受け、ますます憧れの存在に。
これらの展示はもちろん見ていただきたいですが、晩年の代表作と言われている作品「生と死」を見ていただきたいです。
生ける者と死せる者、さらには明と暗。この対比が人間の命の儚さや生と死が表裏一体であることを抽象的に表現しているそうです。
クリムト《生と死》
また、ここでも私が好きなクリムトの風景画も見ることができます。
ここで注目していただきたいのは、クリムトの風景画が正方形なこと。正方形のフレームを持ち歩いて、風景を切り取って描いたそう。
クリムトの風景の構図も独特で素敵です。
クリムト《アッター湖にて》
色彩豊かな作品をぜひ多くの方に見ていただきたいです。
最後にクリムトに関係のあるカフェをご紹介。
クリムトが、シーレと初めて出会った場所とされているカフェ「ムゼウム」。
分離派の画家も訪れた場所だそうです。
クリムトファンはぜひ押さえておきたいカフェです。
ここまでクリムトの世界に触れるウィーンでの旅をご紹介しました。
いかがでしたでしょうか。
色々な角度からクリムトを感じ、ますますファンになりました。