青森県おいらせ町にある日本一の自由の女神像を以前ご紹介しましたが、おいらせ町には、もう一つご紹介したいおいすすめの立像スポットがあります。
それが、ヘアーサロンスズキです。
ヘアーサロンスズキには、3mを超える高さのガンダムやエヴァンゲリオンなどの像が立ち並んでいて、地元民はもちろんのこと、県外のガンダムファンも訪れる観光スポットになっています。
ガンダムといえば、お台場や福岡の実物大スケールや可動式など、凄い機能を持ったガンダム像を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?
今回ご紹介するヘアーサロンスズキのガンダム像は、実物大ではなく、動くこともありません。ですが、おじいさんがたった一人で、趣味で制作したガンダム像だということが、他のガンダム像と違う部分であり、おすすめしたい理由です。
しかも、敷地内には毎年のように新作のガンダム像が増えています。
これらを、本当に一人で作れるものなのでしょうか?
半信半疑な筆者。
そこで今回、真相を解明すべくガンダム像へと車を走らせることにしました。
のどかな景色の中に、突如出現するガンダム
おいらせ町の自由の女神像から、国道338号線に出て三沢市方面へと向かいます。畑や海の見えるのどかな景色の中を進むこと約10分。向かって左側の道路沿いにそれは現れました。
ヘアーサロンスズキです。車を降りて最初にお出迎えしてくれたのは、シナンジュでした。
赤いボディがかっこいい!
まずは敷地内を見て回る前に、製作者の鈴木さんに断りをいれようと、店の入り口から声を掛けてみました。 すると後方から、ニコニコとしていて優しそうな印象の鈴木さんが登場。たった今も、小屋の中で新作の制作をしていたとのことです。
一番大きな立像は高さ6m
鈴木さんとお話をしながら、敷地内を見て回ります。間近で見ると予想よりも大きくて、しっかりとした造りをしていました。クオリティが高いです。サイズはおおよそ3mから最大6mです。
6mといえばマンション2階相当の高さのため、とても迫力があります。
様々な種類の像があるので、とても見応えがあります!
筆者はガンダムに詳しくありませんが、細部にまでこだわって作られた像は、角度によってもいろいろな表情があり、見ていて飽きませんでした。ガンダム好きなら、さらに楽しめそうです。
鈴木さんが、巨大ガンダム像を制作するようになった経緯とは?
もともと、趣味として絵画や石膏のオブジェ制作などが好きだった鈴木さん。
次第にもっと大きいものを作りたいと思うようになり、何を作ろうか考えていたところ、高校生の一声がきっかけとなり、今から17年前、60歳になった時からガンダム像の制作を開始しました。
ただ、その頃はガンダムを知らなかったため、調べることから始めることに。そして、ガンダムのフィギアを採寸して図面が作成。ガンダム像の制作に取り掛かったとのことでした。
素材は発泡スチロールとゴム
初期のころは、コンクリートをゴムでコーティングしていましたが、現在は発砲スチロールをゴムでコーティングする製法に落ち着いているとのことです。
ちょっとみただけでは、コンクリートも、発泡スチロールも違いがわかりません。ですが、触ると表面の温度に差があります。温度の違いが気になる方は、鈴木さんにお断りを入れたうえで、ぜひ手で触れてみて違いを体感してみて下さい。
地域のみんなの協力があるからできている制作
「こんなに沢山の像を作るには、かなりお金もかかるし大変じゃないですか?」と質問してみました。
「一人で作っているとはいえ、地域の人の協力があるから作れているんだ」
そう言って鈴木さんはお話を続けます。
「鉄板を切ったり足場を組んだりと、専門の業者でなければできない部分もあるけれど、そのたび協力してくれる人達がいてね」
これらを全部本当に一人で制作しているのか気になっていた筆者ですが、お話を聞いて納得です。基本的には鈴木さんの手によって制作されているとはいえ、力を貸してくれる人達がいるからこそ、ここに立ち並ぶ像が完成しているということがわかりました。
地域の方々からも愛されているのが伝わってくるお話を聞けて、温かい気持ちになりました。鈴木さんのお人柄あってのことなのでしょうね。
県外からも多くの来訪者が!
店先に置かれたノートに目を通すと、ヘアーサロンスズキを訪れた人達からのメッセージが書かれていました。最近の日付が並んでいて、人気の高さがうかがえます。地元の人はもちろん、県外からも見に来ている人が多いようでした。
2021年内に完成予定!新作はバンブルビー
最後に現在制作中の新作を見せてくれました。
トランスフォーマーのバンブルビーです。
黄色いカラーと青い目、人間サイズの小さめボディが可愛いです。そして実はこのバンブルビー、今までの像にはないお喋り機能付き。一定の距離に近づくとお喋りを開始します。
目線を合わせてお喋りすることで親近感が湧くようにこのサイズにしたそうですが、筆者も本当に会話をしているかのような感覚になりワクワクしました。2021年内にお披露目される予定なので、たくさんの人に見て欲しいです。
どんどん増える巨大フィギュア。今後の新作にも期待です!
制作での失敗から生まれた成功談や、嬉しそうに像の説明をしている鈴木さんを見て、楽しんで制作しているのが伝わってきました。
そして、作品への愛も感じることができました。これからも、元気なうちは作り続けたいとおっしゃっていた鈴木さん。来年は3m台のキングコングを制作予定だと教えてくださいました。今後の展開にも期待です!