夏休みにおすすめ! I'Museum Center(市原歴史博物館)に行ってみよう!

I’Museum Center(市原歴史博物館)」を知っていますか?

昨年11月に、千葉県の市原市内の歴史遺産の価値や魅力を伝えるため、先人たちによって培われてきた、貴重な歴史・文化や交流を支える拠点施設として開館しました。

常設展「上総、そして市原へ―昔と今をつなぐ旅―」のほか、自由学習や自由研究におすすめな体験プログラム、市民と協力して作り上げたフィールドマップや見学ルートなど、さまざまな見どころがある「I'Museum Center(市原歴史博物館)」をご紹介したいと思います。

I'Museum Center(市原歴史博物館)とは?

展示風景(常設展示室)

「I’Museum Center(市原歴史博物館)」は、昨年11月に千葉県市原市内の歴史遺産の価値や魅力を伝えるため、先人たちによって培われてきた貴重な歴史・文化や交流を支える拠点施設として開館しました。

いちはらは旧石器時代(約35000年前)からの歴史があり、悠久の歴史を積み重ねてきた地です。

I’Museum Center(市原歴史博物館)では、市内に点在する歴史遺産を「歴史のストーリー」として整理し、歴史の歩みを展示するだけでなく、さまざまな体験学習を通じて、分かりやすく伝えています。

展示風景(灰釉花文浄瓶)

本館では、市内に点在する歴史遺産をストーリー化し、来場者に分かりやすく掲示するとともに、市内の歴史遺産を巡るさまざまな見学ルートを整備してご紹介しています。

市内全域をフィールドミュージアム(屋根のない博物館)とし、「歴史をつなぐ」取り組みを行うことで、市内の歴史遺産の価値を高め、郷土への誇りと愛着を育んでいます。

「上総、そして市原へ―昔と今をつなぐ旅―」について

展示風景(イノシシ形土製品)

市原市内には約35000年前から先人たちによって培われてきた貴重な歴史遺産が数多く残されています。

市原市の各時代の歴史は、東京湾と養老川との地理的・風土的関わりが密接にみられることから、「東京湾と養老川が織りなす市原の歴史への旅」を基本テーマとし、各展示へとつながる構成となっています。

会場では古代から近現代までの歴史を、市内で出土ないし、残されてきた実物資料を中心に表現し、「自然環境への適応」、「フサの原像」、「国府は市原郡にあり」、「民衆のちから」、「農・漁村から工業都市へ」、「くらしの姿と生活道具」の6つの基本テーマのもと定期的に展示替えを行いながら構成しています。

(王賜」銘鉄剣)

展示室には、将来国指定の文化財となることが予想される市原の至宝「王賜」銘鉄剣をはじめ、市原から出土し保存されてきたさまざまな資料が並び、他の博物館にはないタッチパネルの展示装置や、五大力船の舵とそれを使った映像展示など、来場者を楽しませてくれるいくつも見どころがあります。

また、館長による展示ガイドツアーが定期的に企画されており、そちらにも参加してみることで市原の歴史だけでなく、日本の歴史や文化をより深く知ることができます。

展示ガイドツアーを案内する鷹野館長

さまざまな体験プログラムが企画されている歴史体験館

歴史体験館外観

「I’Museum Center(市原歴史博物館)」 に隣接する「歴史体験館」では、市内の発掘現場、竪穴建物、古墳、納屋風建物が再現されています。

こちらでは実際の遺物を発掘する「発掘体験」をはじめ、古墳時代の暮らしを体験できる「古墳住居体験」、「古代衣装体験」、昔の生活道具や農具を使う「少し昔のくらし体験」など、来場者に向けたさまざまな体験プログラムが用意されています。

開催されている体験プログラムは、体験費用も無料のものから数百円ほどなので、ご自身が気になったものにどんどん参加してみてくださいね。

8月は館内で夏休み限定イベントをたくさん行うそうです。

「木挽き体験」体験プログラムの様子

取材当日、筆者は前挽大鋸(まえびきおが)を使った「木挽き体験」の体験プログラムに参加しました。

「木挽き」は、明治時代以降に製材機械が導入されはじめますが、それまでは前挽大鋸を使用して、手作業で板材作業を行っており、力仕事ですが女性の職人も多くいたそうです。

会場では、前挽大鋸で直径50cm以上もある大木を半分にする作業に参加し、はじめは「こんな大木を切ることができるのか?」「こんな大木を女性が切っていたの?」と思いましたが、参加者がレクチャーを受けながらやってみると、細かな木屑を出しながらスルスルと簡単に切れました。

その後、ボランティアスタッフさんにサポートに入ってもらいながら、各自鋸を使って木のコースターを作りました。

ワークショップで作ったコースター

市民と作り上げた市内の歴史フィールドマップ

展示風景(フィールドガイダンス)

館内のエントランスには市原市内の歴史文化遺産をまとめた大きなフィールドガイダンス模型を展示しています。

引き出しには国分寺台をはじめ市内の歴史遺産やそれらを巡る散策コースなどが紹介されており、実際に現地を訪れるとQRコードの標柱があり、そちらを読み込むと詳しい情報を知ることができます。

引き出しからフィールドマップが…

「I’Museum Center(市原歴史博物館)」と合わせて、市内の他エリアにあるスポットも一緒に巡ることで、今に息づく土地の歴史や文化を直接感じ、学ぶことができるでしょう。

市内の歴史遺産を歩いてめぐるためのフィールドマップは、市民の協力を得てつくられており、今後も地区を増やしていくそうです。

最後に

「くらしの姿と生活用品」の展示風景

「I’Museum Center(市原歴史博物館)」は、本館を拠点に市民とともに博物館ならびに市原市の歴史を作り上げています。

そして、人と人、地域と地域を結び付ける取り組みを通して、地域の活性化や歴史遺産を支える人づくりを進めており、歴史博物館の在り方として、とても面白いと思いました。

今後も、「I’Museum Center(市原歴史博物館)」が作り上げていく企画展及び、さまざまな体験プログラムやフィールドマップがどのように展開されるのか楽しみですね。

ぜひ、夏休みの自主学習や自由研究にピッタリな「I’Museum Center(市原歴史博物館)」に足を運んでみてはいかがでしょうか。

【情報】
I’Museum Center(市原歴史博物館)
開館時間:9:00~17:00
休館日:月曜日(ただし祝日の場合、翌平日)・年末年始
場所:千葉県市原市能満1489
観覧料:一般300円 高校生200円 中学生以下無料団体(20人以上)は各100円引き
    ※特別展・企画展については別料金
問い合わせ先:0436-41-9344
HP:https://www.imuseum.jp/

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